2010 FIFA World Cup Group -E- 日本対カメルーン

■Japan 1 – 0 Cameroon
フォワードに本田が入ることを個人的には良く思っていなかったんですが、この試合を見る限りではその認識を変えなければなりませんでしたね。本来の本田のプレイであれば、ディフェンダーを背負いながら後ろ向きでボールをキープする役割を担わせても持ち味を出せないのではないかと思っていたんですが、体を預けながらフィードを落とし、パスを受け、振り向きドリブルを仕掛け、ファウルを貰う。中央やスペースのある場所でボールに触ることは殆ど出来ませんでしたが、窮屈なサイドであったりゾーンを形成している中に入って良くボールに触っていました。そういった動きやボールを受けに下がり、中盤の選手たちと連動させてもらえたのも、大久保や松井が本田が下がった後のスペースへ入ってフォワードの枚数を保つことや相手を引っ張っておくことをしてくれたからでしょう。

日本の主な攻撃パターンというものは殆ど見られず、前半は特に選択肢が乏しく、センターバックがチェックによってサイドに押し出されて、サイドバックにすらパスを出せずにただ縦へ大きく蹴ることしかできなかった場面も見られましたし、前でボールをキープしても後方から押し上げることが出来ずに人数をかけることができなかった。
カメルーンが調子を出せずに、日本と同じように中盤で構築が出来ずにフィードで裏へ出しゴールラインを割ってしまうことも多い状態にあっても、日本のディフェンスラインは低く、中盤もスペースを埋めなければならないために距離が開き前へ上がるタイミングが遅かった。ボールを奪ってカウンターとなっても、後方から押し上げてくる時間を稼がなければならず、カウンターをカウンターとして使えない。カメルーンの中盤の底やセンターバックにプレッシャーをかけられず、そこからフィードを出されることが裏への恐怖に繋がり、よりディフェンスラインを上げられない要素になってしまっていた。ここが上げられないために松井や本田らもチェックを自重してスペースを気にするというような悪循環も見られましたが、カメルーンが前に人数をかけず後方に停滞していたお陰でそういった部分が目立つことはありませんでした。

後半になると前半よりもプレッシング位置が高く、相手陣内で後方の選手にプレスをすることができるようになり、ラインもある程度高さを保てるようになった。それをかいくぐられて縦を利用されてクロスされることもありましたが、長い時間を後方で耐え続けるわけにはいかず、いい守備だったように見えました。
カメルーンはフィードを前で受けるようになってましたし、ウェボがサイドバックの所で受けようとすることもボールをフォワードが触れるようになった要因でしょう。高さの点では中澤や闘莉王は体を張れていましたし、跳ね返すことも出来ていた。高さの点で劣るサイドバックに起点を作られるようになったことで、カメルーンはボールを収められるようになってしまっていました。それに加え日本の中盤とディフェンスラインの間、阿部がアンカーになっているその横のスペースに入り込まれて受けられていることも攻め続けられる要因の一つでしょう。そうなるとセンターバックの前であり、サイドバックの前でもある。そこをケアしようとサイドバックが中へ絞ってしまう。中へ絞った外側を縦に利用されてしまい、クロスを入れられるようになる。外の選手に対応しようとサイドバックを広げてしまえば、スペースが中央に出来てしまい、埋めるために中盤の選手がディフェンスラインに入らなければならなくなり、セカンドボールを拾えなくなったり、攻め続けられる要因にもなる。どちらを取るかは戦術的な判断なのでそれでよしとしたのかしれませんが、それ以外では日本の選手が抑えている手前でボールが回っていて、カメルーンの選手たちは後ろ向きでボールを受けて、そこから前を向く作業をしなければならず、その後のパワープレイ以外の展開で明確な形を作らせるには至りませんでした。

何はともあれ一勝。勝ち点3。自国開催以外では初めての勝利ですね。

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