2010 FIFA World Cup Group -D- セルビア対ガーナ

■Serbia 0 – 1 Ghana
ガーナのボールキープの技術は非常に高く、セルビアは最初こそ奪う意識を持ったフォアチェックをしていたものの、奪うことが難しいことを理解してからはコースを切りプレッシャーを与える程度に留め、実際に足を出していく場面は殆ど見られなくなっていきました。中央を固めて守備ブロックを形成する。奪うためのポイントをブロックの中でボールを受けようとする選手に定めて、そこにボールが出れば足を出す、走られれば体を寄せてコントロールさせず、上手く体を入れてファウルを貰う。
中央を固めて守るためにどうしてもサイドバックの外側が空いてしまい、そこをガーナにフリーで利用される回数は多くありました。そこから単純にクロスを上げるにはセルビアが中央を固めて高さもあるために難しく、時間をかけてしまうことが多く中盤が下がってケアをする時間を与えてもらっていました。ただ繰り返し攻めてこられる中で、サイドを気にするあまりトップ下に相当する選手をフリーにしてしまう回数が増え、センターバックがそれらに遅れて対応するようになり、スピードに乗ってドリブルを縦にされるようにもなってしまった。
それを許してしまうと今度はガーナにサイドから中へのドリブルをされるようになり、ディフェンダーをかわして入っていく姿が見られるようになった。クロスもビディッチやルコビッチの背後に落としてくるクロスが増え、そこからシュートを狙うようになってきた。それまで単純に上げず考えていた時間が無くなり、それぞれ効果的に機能するようになっていました。だがセルビアが慣れてくるとそれも抑えていけるようになって、それほど多くのシュートを打たれたわけではありませんが、失点のきっかけとなったクズマノビッチのハンドはその形でした。中央から差ぢどばっくの裏へ出されて、そしてクロスはセンターバックの頭を越すもの。ファーサイドを利用されたためのハンドでしたが、そこまでが好調だったために勿体ない。

攻撃面ではクラシッチにポジションの自由を与え、ボールを多く触らせて序盤は展開を作ろうとしていました。それ以外にはジギッチにポストプレイをさせていったん戻すことで起点を作ろうとしているようでしたが、ジギッチが下がってボールに触ることは出来ても、前を向かせてもらうことは殆どできなかった。始めから落とすことを前提とした動きで相手に脅威を与えることはできていませんでしたし、落とした後の位置がガーナの守備ブロックよりも手前になってしまうためにドリブルで進入していくことも難しい。
もし高い位置でハイボールを落とすことに集中させていれば、それを囮として裏に飛び出させることも出来ていたかもしれませんし、ポストプレイからミドルシュートを直接狙えていたかもしれない。いくつかファウルを貰ってチャンスを作る手助けはしましたが、それだけでした。
他の選手たちも足下で受けたがる傾向が強く、中盤からフォワードの位置にまでオーバーラップしていく選手は数多くいても、そこから裏に飛び出していくことはあまりしておらず、実行してもパスを出す選手がそれを使おうとしていない。サイドバックは退場者が出るまで守備に集中していたこともあって縦の連携を見られませんでしたし、ガーナの堅い守備を崩すにはアクセントをつけられる選手とポジションが足りなかったように見えました。

最後のパワープレイもセカンドボールを拾う位置に選手がおらず、ガーナに拾われて守備に戻らなければならない。それを繰り返してしまってカウンターを嫌がって終了間際にはパワープレイすら満足に出来なくなってしまいましたし、交代枠を使いきっていたとはいえ残念でした。

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