2010 FIFA World Cup Group -D- ドイツ対オーストラリア

■Germany 4 – 0 Australia
結果としてはドイツの圧勝で、試合内容に関しても殆どの場面でオーストラリアにチャンスを作らせず、本大会前に多くの怪我人を出してメンバーの変更を強いられたとは思えませんでした。

ただオーストラリアにつけいる隙がなかったわけではなく、中盤の構成上センターバックの手前にアンカーとして残る選手を配置していなかった。シュバインシュタイガーとケディラが交互に戻ってボールを引き出していくぐらいで、守備に回ってもそこに出来るスペースを強く意識した守備をしているわけではない。その状態で左サイドから攻撃をされ、クロスを入れられれば、右のラームが中に絞って対応しなければならず高さの面でも不安があり、ファーサイドにもう一人入れられてしまっていればそれをフリーにしてしまう。オーストラリアの狙いが若干右からのクロスを重視していたように見えたのももしかしたらここを狙っていたのかもしれませんね。
サイドのケアに中盤の二人が出て行ってしまったときにはより中央には選手がおらず、センターバックがサイドのカバーに張り出したときにもディフェンスラインに吸収されるわけではないので危険ではあったんですが、アルネ・フリードリッヒもメルテザッカーもきっちりとそれぞれを止めきっていたためにピンチを作ることはありませんでした。

攻撃は非常にゆったりしたもので、急がず、リスクを負わず、それでいて消極的ではないものでした。センターバック間でボールを動かす時間が多く、そこから縦にボールを入れなければならない場面が多いものの、それだけではなくシュバインシュタイガーにしろケディラにしろ引いて戻って受けたときには大きな展開が出来る選手で、最後尾に近い位置にまで受けに戻ってサイドアタッカーに大きな展開でボールを出す。オーストラリアが待ち構えているゾーンの外側を一気に利用でき、そこまでボールが渡っても縦に急ぐことなくボールを保持し続けられていたのは強みでした。そしてこれまで大会に出場した代表の多くがサイドチェンジや長いボールを流してしまって収められていませんでしたが、ドイツにはそれが無く多くのボールを収められた。先制点もそういった大きな展開からポジションチェンジをしたエジルが右で受け変化をつけたところで中に移っていたミュラーが飛び出して得点を演出しポドルスキが決めた。

ドイツはパスを出した後の動き直しが非常によく、徹底されていました。どの選手もボールを蹴ると同時に次に受けられる場所へポジションを取り直し、そして無理をせずにそこへ戻されたり、前へと出て行く。その繰り返しがオーストラリアにマークを許さず、プレスをかけることも奪うことも難しくさせ、それぞれのギャップの間に入り込むことを可能にしていました。
縦パスに対してきっちりと前を向く意識を持っていて、それ以外には無理をして前を向こうとはしていないものの、それが来るまでじっくりと耐えることでそのチャンスを作りだし、その状況が出来上がれば躊躇なく一気に中盤より前の選手たちは裏へ飛び出していく。オーストラリアの攻撃が前を無理に向こうとしたり、向けていないのに縦パスを強引に狙ってカットされているのとは対照的に我慢強く待てていました。

後方の守備に若干の不安はありましたが、ドイツの前方は攻守の切り替えが素早く、プレッシングでカウンターを防いでいましたし、いったんキープに入られたあとの切り替えからゾーン人はいった選手を掴まえ、受けに戻ろうとする選手に自由を与えず前に運ばせない。それらも徹底しているようでした。

オーストラリアは後半になってじっくりとボールを回していくことも増えましたし、ドイツがゆっくりと伺いならボールを回していたセンターバックの所にもプレスを行うようになった。中盤が下がって引き出すタイミングにもそれをするようになっていましたが、状況はそれほど好転しませんでした。長い時間継続できていればそれも効果があったのかも知れませんが、ケーヒルが退場になったことでそのプランを継続するのは難しくなってしまいました。その後はまたドイツが後方からゆっくりと組み立てをさせてもらえるようになり、不用意に高いオーストラリアのディフェンスラインの裏を何度も連続して狙えるようになった。特にセンターバックとサイドバックの間を走り抜けることで、センターバックが対応してしまえば中のゾーンが崩れてスペースが出来、対応しなければそのまま裏で受けられる。

大会前の怪我人による不安が嘘のようですね。

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