■England 0 – 0 Algeria
イングランドはギャレス・バリーが復帰を果たしたことで、前の試合で出場していたサイドアタッカーのミルナーが下がり、キーパーもジェームズへと変わっていました。キーパーは問題のない働きをして凡ミスから失点をするようなことはありませんでしたが、中盤の構成は問題を大きく含んでいました。
イングランドは中盤の底から動き出す選手がおらず、ボールを引き出すために動いていたのは右のレノンとフォワードの二人ぐらいで、それ以外はゆったりとしたポジショニングから前へボールを配球するだけで動き直して前へ進出しようとあまりしていませんでした。いくら前線が活発に動いても人数を増やせるわけではなく、ヘスキーがサイドへ流れてボールを受けてもそこから後の展開を考えたときに中の人数が足りずクロスも効果的なものではなくなってしまう。レノンとグレン・ジョンソンが連携をして縦の突破を狙っても、中でボールをいったん収めさせてくれるサポートが無く、サイドだけの展開を強いられるために抑えられてしまい、それもヘスキーとルーニ頼みでした。むしろ中へ期待をするのではなく、レノンが中へカットインして入っていくことで、ようやく展開と連携が取れているような有様でした。
左側はそれよりも酷く、飛び出していくのはアシュリー・コールばかりで談毒でのドリブル突破は狙えず、裏へ出されるボールに走っていくことぐらいでしか、攻撃の幅を持たせることが出来ていませんでした。そちら側も中との連携は乏しく、中の中の展開も預けて飛び出す、あるいはドリブルで仕掛けながらパスをするのではなく、立ち止まって裏へパスを出すだけで、攻撃面で前後の分離が多く見られ、サイドバックのオーバーラップにはアルジェリアはしっかりと前から付いて戻ってくる。前に預けて飛び出しているからといってフリーになれるわけではありませんでした。
レノンがポジションを動かしても縦には突破をさせてもらえず、アーリークロスを入れても中にいるのが、ヘスキーかルーニーのどちらかだけであることが多い。ボールを預けて飛び出していくことでしか縦の突破を狙えない。ドリブルで仕掛けてこないために相手はそれを警戒した守りをしないで済み、後半になってからイングランドは遅ればせながら相手ディフェンスラインの手前にあるスペースに人を入れるようになっていましたが、そこでボールを受け、前が空いていても横パスを選択して仕掛けようとしない消極的な動きは継続されており、アルジェリアは相変わらず縦の仕掛けを警戒せずに済み、守ることを容易にしていました。
サイドの関係もレノンよりもヘスキーがボールを引き出さなければならず、ショーン・ライト=フィリップスが投入されたしばらくの間だけ、彼が単独で仕掛けて変化と可能性を与えていましたが、連続して利用してもらうことは出来ず、徐々にボールを受ける位置が下がってしまい、試合展開と残り時間の関係からドリブルよりもパスで急がされてしまうようになり、一時的な変化でしかありませんでした。もし左側にもサイドアタッカーを配置することが出来ていれば、こういった変化のない動きを多少は改善できていたのかもしれませんね。
アルジェリアは単独で縦の突破を多く仕掛け、スピードを緩めずに仕掛けられる戦い方を心得て、裏へのフィードやスルーパス。そこへ走り込む選手で構成されていました。サイドで選手と競り合いながら収める姿も見られ、競り負けない強さも持ち合わせていました。それに加えてイングランドが前から奪いに行こうとしているものを巧みなボールコントロールと、横へ大きく動かしてチェックをかわしていなしてしまえる上手さがありました。
後半のある程度時間が過ぎてからは、前半に飛ばしたことから同じ運動量を保つことが出来ず、縦の突破も目指せなくなっていましたし、ボールをのキープにしても相手に寄せられるより早く判断して回すこともできなくなり、奪われてしまう回数も増えた。セカンドボールも拾えずカウンターにならなことも増えましたし、ファウルになって止まったしまうことも増えた。それでもこの試合の攻撃面で強い印象を与えたのはイングランドではなく、アルジェリアでした。