2010 FIFA World Cup Group -B- 韓国対ギリシャ

■South Korea 2 – 0 Greece
ギリシャは大会にピークを持ってこられなかったようで試合内容は非常にお粗末でした。序盤の試合の大勢が決する以前は韓国の選手をそれぞれが掴まえて前を向かせず、二人で挟み込む形も作れ、チェックとカバーの関係がある程度しっかりしているようでした。
ただその位置は韓国を相手にしても低く設定されており、ゆったりとボールを回しコースを探す余裕すらも与えてしまっていました。低すぎるために後方から縦へポストプレイを要求するパスも精度を欠くことが無く、安定して足下へ送ることが出来る。それをダイレクトで戻しても、ギリシャが高い位置に選手を残していないためにフリーでそれを受けてもう一度ダイレクトで前へ送り直すことが出来てしまう。そうなってしまうと最初のパスの段階までは選手を掴まえていられても反転して動き直す素早い動きには鈍重な選手たちでは掴まえきることは難しく、背後を取られ、振り切られて走られてしまう。ゾーンを形成して待ち受けるのではなく、以前から変わらない人を掴まえておく戦い方が、韓国相手には裏目に出ていました。そして先制のゴールを許してしまう。

ギリシャは繋ぐよりも縦に入れることを強く意識していて、低い位置からでも一本のパスによってゲカスやハリステアスを走らせてシュートに持っていこうとしていました。あるいは左のサマラスの機動力を活かして縦へ駆け上がり、アーリークロスを入れてしまう。それも裏へ出すもので高さのないゲカスに空中戦を期待するものではないのは方向としては良くても、その選択肢一つしかないのではディフェンスラインの裏をキーパーにケアさせるのは難しくなく、ディフェンスラインを下げてしまい、裏のスペースを狭めてしまうのも難しくない。韓国にそういった対応をさせてしまっている。
ギリシャはフォワードが相手のディフェンスラインと共にペナルティエリア付近にまで入ってボールを待ち構えているものの、そこへいたるボールは大きく後ろから出されるばかりで改善される様子が無く、淡々としていました。相手の背後を狙うのであれば、センターバックに前へ出て守備をしなければならい状況を作る、あるいはそれを考えさせなければならないのに、大きく引いた韓国のディフェンスラインに吸収されたフォワード以外にその付近にいる選手はおらず、間延びしているはずの韓国の中盤とディフェンスラインの間に入って受けようとする選手は見当たりませんでした。本来であればカラグーニスがそこに入るべきなんでしょうけど、フォワードと同列になってしまっていることが多く、サマラスは左のサイドアタッカーになってしまってフィードを落とす役割を担い相手の注目を引きつけることも出来なかった。出してくる場所も狙いもはっきりとしているためにパスをカットされるのも多くありましたね。

ギリシャは前に出て積極的に攻勢に出るべきだったのに、逃げる韓国のパスに対してプレッシャーをかけるでもなく追いかけるでもない。一人や二人が追いかけてもその後方から連動してチェックをする選手はおらず、ラインを下げたままで余計にスペースを相手に与えてしまう。チェックに向かう選手は無駄走りでしか無く、それでは継続する意識も得られません。
ギリシャがラインを下げたままの要因には韓国のスピードがあり、裏へ出されるパスに対してスピード勝負で勝てない、それを防ぐために手前には行ってカットしようとして失敗したというのも前へ押し上げられない精神的な要因なのかもしれません。二点目の形にしてもミスから奪われてショートカウンターの形だったとはいえ、スピードで裏を取られて追いつけなかったことが大きな要因になっているわけですから。

後半になってもギリシャのやり方は殆ど変わらず、多少前から奪って早めに攻撃に移ろうとしてきたことと縦の連動が見られるようになったことぐらいがでしょうか。選手交代をしても構成を変えるわけではなく、中長距離から裏へ一本のパスで得点を取ろうとしている姿勢も変わりませんでした。その裏を狙う中に、センターバックの手前でボールを収めて左右へ散らす役割を持った選手が投入されたことが唯一の収穫と呼べるもので、この変化によってようやくシュートに持っていけるようにもなったことで、コーナーキックの本数も増えましたし、得点の匂いも出てくるようになった。
勝つための必死さをようやく見せてくれるようになったものの、あまりに多くの時間を淡泊なプレイで消費してしまったことが体力の消耗にも繋がり、得点を取るところにまで持っていけなかった要因なのかもしれません。

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