2010 FIFA World Cup Group -A- フランス対メキシコ

■France 2 – 0 Mexico
フランスは第一戦からシステムを多少変更をして、リベリーを中央に置いた4-2-3-1へと変更をしていました。リベリーが中央で下がりながらボールを引き出し、前でボールを受け、フォワードやウイングとの連携を図っていく意図とアネルカを中央に押し留めておく意図がアタのかもしれませんが、引いて受ける回数とプレッシャーの少ないサイドでボールを受けようとする回数の多さからアネルカとの距離が開いてしまい、そことの連携は望めそうにありませんでした。その他にはディアビーが中途半端に前で受けようとせず後方から持ち上がれるようになったことで、中盤から安定して組み立てを行える気配はありました。

しかし徐々に中盤の選手たちがボールを引き出して前へ運ぶ関係が崩れてきて、アネルカが下がってボールを触りたがるようになってしまい、メキシコのコントロールされたディフェンスラインと戦う選手がいなくなってしまった。そこへ入り込んでもフィードに体を寄せられて収めることが出来ず、メキシコのサイドを重視した攻撃によってゴヴーは右サイドのディフェンスラインにまで戻らなければならず、ワイドに広げて相手のゾーンを広げてフィードに寄せられない環境を作ることも出来なかった。
マルダにしても左で頑張ってキープやドリブルで仕掛ける姿勢を見せてもスペースを得られず、二枚のマーカーを相手に一人で耐えなければならず、サイドバックのサポートも中盤のサポートも得られない。右はアネルカが流れてきても上手くパスを出せないし、出させてもらえない。それぞれの動きが単発で終わってしまい連動をしておらず、サイドを使えているといえるのは、リベリーが左から中へスライドしながらドリブルをするぐらいでしょうか。
後は手詰まりになったことにようやく上がってくるサイドバックぐらい。手詰まりの状態で何度か使えたことからフランスが自分たちでボールを横に動かし、ドリブルもパスも横方向を利用する。メキシコの陣形を走らせてきっちりと待ち構えている状況を崩してしまおうとして、それは効果的にサイドバックが上がってくる時間と相手の陣形の両方を崩す時間を得られていましたが、前半の終盤、僅かな間だけでした。

メキシコはフランスのプレッシングを嫌がりながらも、フィードを中心とした組み立てを行っていました。フランスが前からチェックに来られるのはラインを高くしているからで、その裏側を狙う明確な意図を持ったパスを出していました。メキシコもラインを押し上げる早さを持っていることで、最後尾やその一つ前のマルケスから一本のパスで裏に出していけるだけの距離を保ててミドルパスに抑えていましたし、精度が高かった。だからこそフランスのセンターバックが後ろに走りながらキーパーへ戻さなければならない場面が多々あったんですが、その対応も悪く、パスが短すぎてキーパーのロリスが危険な飛び出しを強いられていました。
そういったフィードとショートパスで幅広く使うことと逆サイドを意識したロングパスも出せる。上手くフランスのプレスをかいくぐっていくことによってフランスは前から奪いに行けなくなり、緩やかにコースを塞ぐだけになり、ペースを握ることに成功していきました。

得点は中盤のサイドで奪ってからポストプレイの後の飛び出しから。フランスはポストプレイを抑えようともしていなかったし、ディフェンスラインは裏へ抜けられることに関してもなんとかオフサイドを取って逃げようとしただけで、掴まえようとする意識は始めから見えませんでした。だからこそオフサイドのラインを上げる判断が遅くオンサイドになったのかもしれません。

フランスはジニャックが入ったことで一時的にディフェンスラインのセンターバックと戦う選手を得られ、マークに付かれても後方からパスを受けることを考え、それをカウンターの時でもディフェンダーを背負いながらポストプレイをして、追い越していく選手にパスが出せる。相手陣内に深く入れば相手を抑え込んでチェックに来させないようにすることでマルダやリベリーに利用をさせてシュートをさせていましたし、連動も出来ていた。
そのまま上手く変化をもたらせられることができれば、フランスのコー劇をスムーズにさせることが出来ていたのかもしれませんが、ウイングのマルダもゴヴーと交代で入ったヴァルブエナも上手く機能していないことで、ジニャクもアネルカと同じようにサイドへ逃げてしまうようになりボールに触れなくなった。ボールに触れなくても他を活かす動きが出来ていればよかったんですが、カウンターの時もゴールから遠ざかるだけで味方にスペースを用意できなかった。アネルカと共通の問題がある動きは恐らく戦術の方に問題があるのかもしれませんね。

フランスは攻めでサイドを突破できず、あまり仕掛けることもなかなかできず、中の人数が殆ど居ないにもかかわらずアーリークロスを選択をすることしかできなかった。
メキシコはそれとは対照的にドリブルで仕掛けることが出来ていて、ドリブルとクロスの二つの選択肢を相手に迫りながら相手陣内に入っていくことで脅威を与えていました。その仕掛けてスピードに乗ってゴールを狙いにいく姿勢が、際どいものであったとはいえPKを獲得するに至った。ゴールを狙うための仕掛けでなければファウルを取ってもらえなかったでしょうし、その姿勢が見て取れたからPKになったわけで、際どくともおかしなジャッジではないと思っています。

その後は多少吹っ切れたような動きをフランスはしていたものの、メキシコが守りに入ったことがあってこそでしょうから、改善と呼べるものはなく、次の試合への希望もあまり持てるものではありませんでした。

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