Liga Espanola Jornadas 36. マジョルカ対レアル・マドリー

■RCD Mallorca 1 – 4 Real Madrid
レアル・マドリーは組み立てに苦労していて、1トップに近いシステムを採用したことで左右に位置することになったクリスチアーノ・ロナウドやグラネロのどちらかにボールを預けて縦に展開しようとする意図が見えていました。カカやイグアインにはコースを切られていて直接ボールを入れることが難しく、ウイングの二人に預けることを選択せざるを得ないようでした。マジョルカは試合開始直後は特にその二人に厳しく当たることで、前と横に出すパスを封じてボールを下げさせ、その後のサイドバックからの展開とピボーテからの展開に対してもラインを保って前からプレッシングすることで安定した展開をさせていませんでした。

マドリーはその一歩目のパスこそ開いている選手へ出して外側で組み立てようとするかのように見えましたが、ボールを受けに戻る場合のみでそれ以上前に進行すると中へポジションを移してしまい、サイドバックがオーバーラップをしていかなければ外のスペースを誰も利用することが出来ておらず、中へ絞りすぎ、展開の幅を自ら狭めてしまい、中で一度スピードを落とされてしまった後の再展開、その選択肢を自分たちで無くしてしまっていました。
そのためマドリーはポゼッションから明確な形を作ることが難しく、カウンターを中心とした攻撃をすることしかできていませんでした。ハーフウェーラインよりも戻ってボールを受けようとするカカやクリスチアーノ・ロナウドを予め掴まえてカウンターの一歩目を受けさせないようにするにはマジョルカが前に人数をかけているために難しく、センターバックが後方から対応するのみでスペースを与えてしまっていた。スペースがあれば振り向いてドリブルを仕掛けることは難しくなく、危険ではありましたが、トリッキーなプレイを選択してより確実に勝負を仕掛けてこなかったために防げている節がありました。あるいはスピードを落とした後にサイドへ逃げるプレイを選択させ、停滞した状態からの展開をさせてしまう。

先制点はマジョルカが得て、セットプレイで足の止まっている事の多かったマドリーよりも、より集中していることを示したものでしたが、それが守備面では少しのルーズさを生みだしてもいました。縦のマークが少しずつズレ始め、マドリーに前を向かせてしまえるようになってしまいましたし、中央の縦パスも通るようになってしまった。まだマドリーが遅れているとはいえ、マークで掴まえられている状態の解消を目指す動きが少ないことからドリブルで持ち上がらなければならず、どうしても中に入ってきてくれるためにまだ問題は小さいものでした。裏へ出されるボールが増えて対応を少しミスしている場面もあったものの、長い距離でマドリーがパスを選択しているために余程の精度とタイミングでなければチャンスにするのは難しく、マジョルカにとってはまだ大丈夫だと思えていたのかもしれません。ただドリブルに対するケアを考えているために中央のスペースを埋めようとする、あるいはその前に受けさせないようにするという意識があるためにマドリーが出した一発のロングパスへの対応が遅れたのかもしれませんし、アワテが飛び出すのを少し躊躇ったのかもしれません。もちろんクリスチアーノ・ロナウドの足の速さもあったからでしょうが、抜け出されて同点へと追いつかれてしまった。

それでもマジョルカは攻勢に出ていて全体の流れ自体は失っていませんでした。マドリー網羅を狙う回数を増やしていましたが、マジョルカは試合開始当初から裏を中心に狙っていました。狙いこそ同じであってもマジョルカはフォワードが攻撃を受けた後のクリアボール、あるいはフィードをマドリーのセンターバックの手前でボールを収め、そこから裏へと狙いボールを出すために距離が短く、精度の高いものを送り込みやすい。また飛び出す人数も揃えやすく、センターバックがパスの出し手に対しても注意を払わなければならないために足が止まって裏への対応が遅れる。何度もそれらを利用してシュートにまでいたり、得点機を作れていたんですが、カシージャスによって止められてしまい、得点するには至りませんでした。

後半になってもマドリーはサイドの連携も足が止まったところで行う程度で、多少はクリスチアーノ・ロナウドがスピードに乗った状態でサイドに流れてボールを受け、中へと直接ボールを入れられるようになっていましたが、前後の距離は開いたままで効果的な形を作るのは少ないままになっていました。それでも逆転をしてしまうのがマドリーで、セルヒオ・ラモスが出したロングボールに対してファーサイドのクリスチアーノ・ロナウドが裏へ抜け出してゴール。マジョルカはウイングがサイドに開く動きや中へ入ってくる動きにこそ対応は出来ていましたが、後方から上がってくるセルヒオ・ラモスへ対するマークは前半からなされていませんでした。多くの時間を持って狙いを定められる環境でボールを出せれば、距離が長くとも精度を高く保てるわけで、マジョルカはその対応を誤ってしまっていました。

逆転したことからプレッシャーから解放されたのか、マドリーはドリブルに頼りがちだった展開からパス回しによってボールを動かせるようになっていました。グティの投入も影響しているんでしょうが、ドリブルで前に運ぶ時間をかけていたものから、人を高く維持してパスで相手よりも素早く動かして逆サイドのフリーの選手にまで運ぶことができるようになった。パスでの展開が作れるようになり揺さぶられても対応をしなければならなくなったことでそちらにも意識を振り向けなければならなくなり、よりドリブルが活きていくようになった。相手センターバック手前の早いパスで近い距離を作り、裏へ出されるパスの距離も大きく縮み、チャンスの形を作りやすくなっていました。さらにマドリーはリードしていることから前へ急ぐ必要もなくなり、攻めずに守りのパス回しをしても問題なくなり、マジョルカのチェックの意識を徐々に削いでいき、自分たちのペースへと引き込んでいきました。

マジョルカが流れを失った一因としてアルハッサン・ケイタが試合に全くなじめていなかったのが大きかったでしょう。それまで前でクリアボールやフィードを収められていたフォワードが彼が投入されて以後は全くボールを収められなくなり、連続してマドリーに攻撃を許してしまうようになった。それによって全体を押し上げるポイントを失ってしまい、運動量を上げられなくなってしまった。センターバックの前でボールを収めていたからこそ裏を利用して多くのチャンスを作れていたんですが、そこで収められなくアンって締まったことで長い距離で裏を狙わなければならなくなり、クリスチアーノ・ロナウドのような圧倒的な走力を持たないフォワードと相手の対応のミスを願わなければならない環境になった。これではチャンスを作るのは難しく、フォワードに預けるボールに対しても受けに戻ってディフェンダーよりも先に触るという意識も走らなければならない環境によって削られてしまいましたし、マドリーは三点目、四点目と追加点を挙げていくことで余裕を持てるようになり、リスクを冒してパスカットを狙いに出られるようになっていた。

交代選手が上手く機能せず流れを掴めなかった段階で勝負は決まっていたのかもしれません。

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