Liga Espanola Jornadas 25. レアル・マドリー対セビリア

■Real Madrid 3 – 2 Sevilla
直前の試合でバルセロナがアルメリア相手に引き分けたため、最終的には直接対決の結果が優先されるとはいえ勝てば同率で首位に立つわけで、開始当初からスタジアムが異様な雰囲気に包まれて、特にマドリーの選手たちは入れ込んでいるかのように雰囲気に飲まれているような印象がありました。

先手を取ったのはセビリアで、よくポジション修正を繰り返しながらバイタルエリアにヘスス・ナバスが多く入り込んでいました。左に多き開いて仕事をするディエゴ・カペルが出場していることもあって、ワイドに使う分にはいいんですが、絞った攻撃をするときにはそこが孤立してしまいかねない。この日はレナトもいませんでしたから余計にそのケアを考えてかヘスス・ナバスのポジションがよく動いていました。
ディエゴ・カペルは序盤は特に縦のコースを切られてしまい、左足でプレイするスペースを与えてもらえないことから縦の突破があまり見られませんでした。それだけはなく、中央や右サイドでもボールをよく動かして主導権を握っているように見えたセビリアですが、主に動かされる横パスは相手を効果的に動かしていましたが、縦のコースを切られていて、縦への仕掛けやそれを選択するパスも出来ていなかった。得意なサイドバックとサイドアタッカーの連携も縦の勢いを持ったまま出来ておらず、一度アルベロアやセルヒオ・ラモスに抑えられて勢いが止まってから、サイドバックが上がってきて連携をしようとしてしまっているため、単純に裏側へ進出することが出来ず、ワンツーやパスの交換をしつつサイドを変えるぐらいしかできませんでした。

ただ、先制点は手詰まりになっているかに思えていたそのサイドの部分からで、サイドアタッカーに先にボールを渡してそれをサイドバックが追い越していく形の連携ではなく、ボールを持ったコンコからアルベロアの裏側へヘスス・ナバスが出る動きに合わせたものでした。最終的にはクロスが逆サイドに流れて折り返したボールがオウンゴールになったものでしたが、得意としているサイドからの攻撃で得点を取れたのは大きかった。

失点をしたマドリーでしたが、あのディフェンスラインの中にきっちりとシャビ・アロンソが戻っていたことはこれまでの守備のバランスを考えればとてもいいことで、以前はディフェンスラインの前を埋められなかったり、クロスの際に中へ入れずワイドに使われた際に中央を引き出されて手薄になっていたんですが、そこを埋められていた。結果こそオウンゴールでしたが、その後もクロスの処理などできっちりとディフェンスラインの中にあるスペースへと入って処理をしていましたし、もう少し前で活きるタイプだとしても、そこをケアしなければならない布陣ですから彼のやっていたことは正しいのではないでしょうか。

失点をして以後のマドリーの攻撃には鋭さが無く、ボールを引き出す動きも足りていませんでした。センターバックからボールを出す場所が遠く、サイドバックやピボーテへとボールを展開してからフォワードへとボールが渡る。カカやマルセロらに早い段階でボールを渡せれば、ドリブルで対面する相手を引きつけつつその裏側にイグアインやクリスチアーノ・ロナウドを出させて引き出せることが出来ますが、その形かカウンター時に流れたフォワードが一枚がボールを引き出すだけで、クロスも可能性の高いマイナスのボールを出すぐらいで中央に人数が足りずニアサイドで潰れる役割をする選手もおらず、ディフェンダーから逃げた位置で触ろうとする意識が強く出ていました。
カウンターも鋭さが無く、ボールを前に出した後にゆとりを持ってしまって、カウンターを仕掛ける場面でカウンターを選択せず、ポゼッションをしようとするかのように時間をかけてしまう。セビリアは陣形を整える時間をもらえ、サイドからのクロスに対しても戻りながらの守備をする場面は非常に少なかった。

一時的に素早い展開はあったものの、概して体をぶつけられる守備を嫌がっているようで、ファウルをもらうためのプレイが増えて倒れたり、それよりも先にボールを離して逃げの印象が強いプレイも選択していた。受ける動きをすれば当たられるために、裏を狙う動きが一時的に増えたり、マークをずらす動きが足りない中で効果的ではない直線的な動きでした。
素早い展開が一段落をしてくると、マドリーの運動量少ないこともあってセビリアがそれぞれをきっちり掴まえているようになりました。フォワードから中盤のアタッカーの所までマークできていて、抑えられていないのは一箇所ぐらいでしょうか。そこからチャンスを作ることがマドリーには出来ていましたが、ボールを動かす先が足下であってスペースへと出せていないことが多く、特にバイタルエリアに入るとその傾向が強くなってしまう。セビリアはバイタルエリアを空けていることが多く狙い目であるように思えていたんですが、利用しようと足下へ出すボールを明確に狙っていて、収まった後を抑えに出るのではなく、収まる前にセンターバックが狙いすましたカットをして奪う。裏へ抜ける動きをセットで行ったとしても動く以前のポジションを掴まえられているため、きっちりとマークに付かれているため利用することも難しく、またパロップが止め続けていたこともマドリーが確実さを求める要因にもなっていたのかもしれません。

後半になって変化が見られたのは、セビリアがディエゴ・カペルからカヌーテへと交代したことが大きな要素でした。前線からのある程度のチェイスが効果的だったんですが、守備に力を発揮するとはいえないネグレドとカヌーテでは機動力が減って出所にプレッシャーをかけることが難しくなっていました。広報がそれに合わせて下がってしまい、コンパクトに保つのが困難になり、中盤のプレッシングを減少させる結果になっていたようにも見えました。
攻撃面ではセビリアは戦える選手が前に増えたことで、ロングボールの対応や狙いが簡単になり、マドリーは何故かマークを離してしまっていてヘディングで容易に落とさせてしまったり、何でもない場所でクリアが不正確になっていたり、と依然として飲まれているように見え、ドラグティノビッチのフリーキックが直接入ってしまった部分にしても、いったい誰の責任なのか明確に出来ていませんでしたし、その時点まではボロボロでした。
動きが止まったマドリーは、相手に捕まれて体を寄せられて、それを嫌がってボールを受けたがっていない様にも見えましたし、パスで動かして相手の陣形を崩していけておらず近い関係も保てていない。
選手交代をしてそれらパスの得意な二人を入れましたが、それでもパスを連続して入れられず、一つパスが前に入ると後はドリブルのような個人での打開が必要になっていました。セビリアの疲労から緩くなったマークによって、高い位置で前を向ける状態であったり、フリーであってもドリブルで前へ仕掛けていく様子が無く、パスで解消しようとしたり、横のパスを選択して縦のチャレンジが少ない。
せっかくの交代が活きていなかったんですが、相手の足に当たってクリスチアーノ・ロナウドまで届いたボール、それで一点返したおかげで、それまでの何もかもが上手くいっていない部分を突き抜けたようでしたね。

マドリーは前後の分離が激しく、長い距離のパスを選択しなければならずカットできるチャンスをセビリアは多く得られていたにもかかわらず、相手に体をぶつけていたり、掴まえたり戦えていたセビリアの中盤とディフェンスラインが上手く相手を掴まえられなくなってしまっていました。ファウルによってディフェンスラインの多くがカードを持っていたことも激しさを失ってしまった要因なのかもしれませんが、ずるずると下がってしまってカットしに前へ出られなくなった。バイタルエリアで受けようとする選手へのカットを狙った出足のいい守備も消え、防戦一方になってしまっていた。一点を入れられた同様があったのかもしれませんし、スタジアムの雰囲気も手伝ったのかもしれませんが、そういった修正をする前にコーナーキックから失点してしまったのが全てを決めてしまいましたね。

勢いを得たマドリーはクロスを多く放り込むようになり、選択されるクロスの種類もマイナスに出されるものや確実さを狙った短いものではなくなり、ある程度の長さであったりディフェンダーと体をぶつけながら狙うような戦う姿勢を出したものを多く選択するようになった。
カカがサイドに流れる回数を増やした事もあって、中央に二枚いるフォワードの二人がきちんとペナルティエリアに残っていることもそれをさせている要因にもなっていますし、そういったクロスで相手に脅威を与えられるようになったことで、ディフェンダーの意識をサイドに向けて追ういて中央へとスルーパスで利用していけるようになる。さらにラウールが投入されたことで、イグアインやクリスチアーノ・ロナウドのどちらかがサイドに流れられる環境も増え、より相手に多くの可能性を考えさせることが出来ていましたね。

普段であれば考えられないような後方の人数を削った交代でしたが、セビリアにその時点でもう攻め手が無くなっていたことも、そういった交代をさせやすくした要因でしょうね。カヌーテはクロスやフィードを収めてよくキープしていましたが、時間稼ぎ以上のプレイは出来ず、単独での突破も難しくタッチライン際でスローインを得る程度。キープしている間に追い抜いていくリスクの高いプレイはなく、ペロッティとヘスス・ナバスの二人がドリブルで仕掛けていくか、彼ら三人が頑張ってキープをして、他は徹底して守りきる姿勢をするばかり。相手に攻撃へ全力を出させないだけのカウンターが出来ていませんでした。

もう少しマドリーは横の選択ではなく、縦の選択を選ぶことが出来ていればよかったんですが、人数が大量に入り込んでいるが故にコースを作る動きができなくなって待っているだけの場面も多くありましたし、引いて守られているために裏を利用しづらい環境でしたから仕方ないのかもしれませんが、結果的にその中でもクロスに戦って逆転ゴールできたのだから褒めるべきなんでしょうか。バルサを応援している身としては辛い一点でした。

コメント / トラックバック 3 件

  1. イニエスタ より:

    こんにちは。

    結果的には両チームの選手交代が明暗を分けましたね。セビージャは前半で1枚つかってしまったのが痛かった。

    ヒメネスにしてみれば、後半開始直後に2点目が決まったのは逆に誤算だったのではないかと思います。前半25分過ぎから守備一辺倒になってしまっていたので、カヌーテを入れて押し返そうとしたのは間違っては無いと思うんですが、点差が開いたことで、マドリー側が動くのを早めてしまった。もう少し1-0のまま試合を進めたかったというのが本音ではないでしょうか。

    ロスタイムに勝ちこされたとはいえ、ドゥーシェル投入後は持ち直しただけに、もう少し早く投入していれば…。それとレナトの不在も痛かったですね。彼をスタメンで起用し、ペロッティを後半から使える状況であれば結果は違っていたかもしれません。

  2. leia より:

    >イニエスタさん
    こんにちは。

    自分はあのままスコアが動いていなかったとしても、ネグレドとの交代ならともかくカヌーテの投入はするべきではなかったと思っています。
    高さパワーによってボールを勝ち取ることは出来ていましたし効果も上がっていましたが、それらは主にマドリーにとって前向きな対応で処理できる部分が大きく、落とすボールに関しては中盤との連動も期待できる。全体をコンパクトに保ったままの対応をしやすくしてしまうので、できることならディエゴ・カペルを残したままにして、(タイプが違うとはいえ)徹底的に裏へ飛び出させる形を取り、後ろ向きの対応をさせて全体を間延びさせることを狙ってしまえばよかったのではないかと思ってます。
    直前の試合でバルサが高く保っている裏側を突かれたが故に後方の人数を削る勇気を得られなかったように、マドリーの頭の中に「カウンターで裏を使われる」という部分を増やしたかったですね。
    連続して見たからこう考えてしまうだけかもしれませんが…

  3. イニエスタ より:

    返信ありがとうございます。

    確かにそうですね。カウンターの脅威、という意味ではディエゴ・カペルが最も危険な存在になりますからね。

    一応自分がカヌーテ投入を是とした理由を説明させて頂くと、やはり前半の試合展開がほぼ一方的なマドリーペースになりつつあった、ということがあります。特にネグレドが前線の収めどころとして全く機能していなかったので、2列目の3人がほとんど自陣に押し込まれており、カウンターを仕掛ける以前の問題であったように見えました。どうもこのまま守り切れそうもない。それならば、カヌーテを入れて前線のポイントを増やす=マドリー陣内で試合を進める時間を増やす、ことは悪い発想では無いように思ったのですが、実際のカヌーテのポジションは低かったですよね。カヌーテは守備に追われていて、ボールを奪っても結局前にいるのはネグレドだけという状況は後半も変わりませんでしたので、そのままネグレドと代えた方が効果的だったかも知れませんね。