2010 年 2 月 のアーカイブ

UEFA Champions League First knockout round 1stLeg リヨン対レアル・マドリー

2010 年 2 月 17 日 水曜日

■Lyon 1 – 0 Real Madrid
レアル・マドリーは最初から攻撃のペースを握ることが出来ていませんでした。リヨンはマドリーのフォワード、イグアインとクリスチアーノ・ロナウドへボールを渡った後を抑えるのではなく、そこへボールを出させる前にパスの出所を抑えるようにしていました。二人のスピードのあるフォワードがボールを持ち、センターバックが対応に追われるようになってしまえば高い位置を保つことはできないでしょうし、前後の動きによってギャップを作られてしまう可能性がある。それらを防ぐためにもいい守備から入ったように見えました。

形としては、中央を固めるのではなくボールサイドへ寄せて、早めにプレッシャーを与え、実際にボールを奪いに足を出している。プレッシャーを与えて囲い込んでコースを限定し、パスミスを誘ったり外側へ追い出すのではなく、奪いに行く守備でした。その影響からフィジカルコンタクトの多い試合になりつつあり、マドリーは余裕を与えてもらえず苛立っている様子が見受けられました。
そういった圧力によってボール後方へ下げさせた後も安定してコントロールできないように、センターバックにも幾つか対応していましたが、本来ならこういった動く守備はスペースを作りやすく、マドリーが受ける動きを多くしたり、ポジションの修正を頻繁に行って少ないタッチで回すことが出来ていれば、かいくぐることも可能だったんですが、リヨンはボールへの対応と修正がとても早く、チェックに行く選手と待ってカバーとケアをする選手の瞬間の役割分担がよくできている印象でした。

マドリーは逆サイドを強く意識して左右にボールを大きく動かすことが出来ていれば、無駄走りを誘えたのかもしれませんが、マアマドゥ・ディアラがシャビ・アロンソと共に中盤に入っていることからワイドに使える要素が少なく、かかとグラネロのバランスによって大きく内容が左右されてしまう状態でした。その二人の部分がリヨンのトゥラランらによってバイタルエリアを潰されているために効果的ではなく、後方からのボールも安定して受けられなかったことも影響していました。
徐々にマドリーは最後尾から長いパスを連続して前へ送るしか方法が無くなってしまい、イグアインとクリスチアーノ・ロナウドにそれを頼まなければならなかった。グラウンダーのパスも足下で抑えるには距離が長いために強くピタリと収められず、フィードは複数に囲まれて安定して競り合えない。フィードする側のセルヒオ・ラモスも出す位置を探すのに苦労している様子がうかがえました。中盤の底を経由せずに、となるとサイドバックから直接ワイドに開いたところに出しているだけで、例えばフォワードが流れていたとしても、同サイドへボールが渡されるために、リヨンが狭めているエリアで攻撃を続けようとしているためにスペースがない。これでは難しいですね。

守備の面ではマルセロの苛立ちが強く表れていて、その部分を多く突かれてファウルの回数も増え、クロスを上げられる回数も多かった。それにマルセロが上手く対応できていればよかったんですが、ゴヴーをまるで掴まえられておらず、スペースも埋められていなかった。セルヒオ・ラモスがカバーしに再三左へ出ていたおかげで大事には至りませんでしたが、中央の人数を減らすリスクを冒す行為でしたし、減った部分へ、マアマドゥ・ディアラとシャビ・アロンソのどちらかが入っていたり、セルヒオ・ラモスの代わりにサイドのエリアのスペースを埋められていればよかったんですが、守備範囲の広い選手たちではなかったため、その期待も出来なかった。

その修正を目指してマルセロとガライを交代させていたんですが、タイミング的にはそれが裏目に出てしまっていましたね。
マクーンのゴールはとても素晴らしかったんですが、カウンターから中盤の裏、ディフェンスラインの前に入り込めた。それに対してマドリーはリサンドロ・ロペスへの対応をしなければならなかったとはいえ、センターバックの二人とピボーテのシャビ・アロンソもリトリートするばかりで、誰もボールを奪いに行く姿勢を見せなかった。もし交代直後でなければ、そういった誰がどの役割をするのかを明確に出来ていたでしょうし、この失点は防げていたかもしれませんね。

その後も大きな修正が見えることはなく、徐々に逆サイドを意識し始めているものの、パスの距離が長く、それでいてターゲットが少ないことには変わりがなく、カットされてカウンターを受ける回数は多いまま推移していっていました。
ベンゼマが入ることでスピードはないけど前へドリブルで持っていける要素が多少出来てきたんですが、サイドに流れてボールを受けて高い位置で起点となる動きをしたとしても、奪われてカウンターを受ける回数があまりに多かったことから連動して上がる勇気がチームから失われてしまっていて足が止まっていて、せっかくの引き出す動きを活用できていませんでした。

終盤には、疲れが見えるリヨンを中央に集めて、サイドなどから攻めたりバイタルエリアを埋めているポジションを圧縮してしまってその後方から攻め立てたり、カカが左に張り出している形を増やしてしまうことで、左側にフォワードが流れて来ない状況を作り中央に人数を残しておくようになったのも、攻勢に出られるようになった要因でしょうけど、多くはリヨンの疲れからくるスペースの増加だけでしょう。

FIFA10 – 3人で久しぶりにラウンジモードを。

2010 年 2 月 16 日 火曜日

前回FIFAの対戦をいつしたのかさえ思い出せないんですが、その間プレイはもちろん起動もしていませんでした。FIFAが前回起動時にハングアップしてしまって電源を落とさなければならなくなったときにセーブデータを幾つか破損させたのは確認していましたが、それだけ。自分だけでなくガキ氏はFIFA10自体を持っていないのでこちらは相当にブランクあり。唯一試合勘を保っているのはオンラインのランクマッチをプレイし続けているショウ氏ぐらいでしょうか。

■FC Bayern Munchen(leia) 1 – 1 Juventus(gaki)
いくら間隔が空いているとはいえプレイしている時間が違うわけで、負けられないというのはプレッシャー。最初のプレイである程度ペースは掴めそうかな、と思っていたんですが、タッチライン際を徹底して使ってクロス。というスタイルが強くでているガキ氏のやり方は苦手で、どうしてもピンチは作られがち。特にサイドへ押し出す守備は出来てもそこで奪うとかクロスさせないことは考えていないので中央で勝負になるのはいただけませんねぇ。バイエルンだからこそそれを許せている部分があるんですが、ショウ氏との対戦が多いせいで、外から中へを切る守備を無意識にしてしまうのはもう癖。
先制点はボールを動かしてもコースが出来なかったから、コーナーキックを取ろうとしただけなんですが、綺麗に股抜きになってゴール上済みに決まってしまいました。シュートを打った本人が唖然でした。事故みたいな一点ですが、同点にされたのは最初のシュートで決められなかっただけマシ、というほどやられた感があります。というかあそこで奪われてはいけない。

■AS Roma(syou) 2 – 0 Juventus(gaki)
さすがに試合勘の違いが大きく出ていて、ショウ氏の攻撃がえげつなく感じるほどスキルムーヴで揺さぶったり、外から中へボールを動かして陣形を崩したり、チェックを強くやる癖を利用してボールをダイレクトで動かしたり。とどめはランクマッチの間に相当上達しているループシュートでゴール。これが精神的にも大きかったですねぇ。二点目を取った後のカウンターからトッティの個人技で抜きまくっていく場面なんて余裕がありすぎ。最後に決めていればもう完璧だったんでしょうが、この日は全員があんな感じで決められませんでした。

■FC Barcelona(leia) 1 – 1 Manchester City(syou)
キックオフ直後からフィジカルとスピードを活かした猛攻を受けてしまって、ヤバイものをもらってしまったと思っていたんですが、先制点を取れたことで少し自分のペースへともっていけました。何よりあの余裕を持ってプレイされるようになってしまうとどうにもならないわけで、点を取ってさえ自由にやられていたんで、取れていなければどうなっていたことやら。
そう思いながら後半に突入したら事故みたいなミドルシュートを決められてがっくり。今回のキーパーはFIFAストリートの時のようにある程度距離があった方が近くのボールに対する反応が悪いですねぇ。

■Atletico Madrid(leia) 3 – 2 Inter(gaki)
先制点の部分では、まさかあの左足しか使えないモッタでそのまま上げてくるなんて思っておらず、しかも精度の高さとか中がエトーであることを考えたら警戒なんてしているはずがなかったんですが、選手よりもプレイヤーの方で警戒しておくべきでした。
そういった不手際があったものの、あまりプレイには関係のないところでスライディングしてくれて、それがPKになってしまったので勝負は決まりましたね。PKでわざわざ狭い方を蹴ってみたのは右に蹴ると外す気しかしなかったためです。
正直なところ、フォルランの決定力とかアグエロの動きの使いやすさはあったものの追加点を取れる気がしていなかったので、あれがなければ厳しかった。現にその後に一点決められてますし、ロスタイムにも同点ゴールを決められそうになってました。

■Manchester City(syou) 1 – 1 Real Madrid(gaki)
最初の猛攻で裏に抜けられて一発レッドでマルセロが退場。それほど危険な場面じゃなかったんですが、気持ちが切れてましたからねぇ。その後も結局ここのポジションを埋めることなく続けてますが、穴が穴に感じないところがFIFAのAIの素晴らしさというか、操作している人間の上手さというか。
最初にレッドカードを出したから、厳しく取る審判なんだろうと見ていたらむしろ真逆。接触プレイで倒されようが、アフターでタックルされて進路を妨害されようが笛を吹かず。ラウールが抜け出したところを後ろからいってもイエローカード。どちらかといえば、この方が得点に直結するプレイだったわけで、審判の判断のふらつきはよろしくなかったです、ゲームとはいえ。

Liga Espanola Jornadas 22. アトレティコ・マドリー対バルセロナ

2010 年 2 月 15 日 月曜日

■Atletico Madrid 2 – 1 FC Barcelona
欠場選手が多くディフェンスラインの構築に苦労しているバルサでしたが、右サイドバックにはカンテラから上げてきたバルトラやダルマウを起用するのではなく、本来はウイングのジェフレンを起用していました。攻撃力を重視し炊きようかと思えましたが、試合開始直後の二つのカットを含め、守備面での貢献を重視したもので期待していたオーバーラップやドリブルで相手陣内へと入り込むようなリスクの大きなプレイは見られませんでした。
ただそれを可能にしていたのは、守備組織を右側へスライドさせてジェフレンの担当するエリアを狭めているバルサ全体の貢献があったからこそで、プジョルが彼のカバーに入りやすいよう、普段のセンターバックの位置からすればサイドに寄っていました。その影響から左サイドバックの外側にはスペースが出来やすくなってしまい、サイドを強く意識した攻撃を起点とするアトレチコに上手く利用されている節がありました。

フォルランもアグエロもどちらもがサイドに流れてプレイを出来る。そこへレジェスやシモンといったサイドアタッカーが絡み、カウンターの形であっても高い位置でサイドに二枚の関係を作り出せる。それでいてもう一枚はきっちりと中央の得点を取れるポジションに存在をして横のバランスが素晴らしくいい。バルサは片側に寄せていて、どちらのサイドバックも守備を得意としていないことから余計に難しい対応を迫られていました。

サイドを利用される守備の不安は攻撃にも影響を落として、センターバックへかかるプレッシャーをかわすときになかなかいつものメンバーであっても前へ出て行くことは難しいんですが、中盤へボールが入った後の上がり方は連動をしていて、サポートも兼ねられる位置にまで上がって行けていました。それがサイドを多く利用され、カウンター時にこそ脅威になるために後方への意識が強すぎてオーバーラップをすることが出来ておらず、中盤のシャビやイニエスタが持ったときにも選択肢を増やす役割を担えず、攻撃の停滞の一因になっていました。

ケイタの不運な負傷からペドロが投入されましたが、サイドバックが上がれない状況を作られそうな傾向がその時点でも既に見えていたため、単独での突破力に乏しいペドロが投入されても状況を変えられそうになく、それでいて先制点を取られてしまったことから縦へ急ぐ気持ちを持ってしまっていて、いつものペースを作れていませんでした。

アトレチコはバイタルエリアに人をかけていてスペースを与えない守備をしていました。中央を固めてサイドバックを広げていない。中盤の選手たちも押し込まれる気配があればゴール前に圧縮をしてスペースを抑えにかかる。攻撃時のサイドアタッカーとフォワードのバランスがあるため、少ない人数でもきっちりとカウンターが出来るため、守備に回ったときの思い切りも発揮できるわけですね。

バルサは中央をアトレチコが固めている間にワイドに使ってクロスを多く放り込んだり、相手を広げてシャビやイニエスタが安定してボールを受けられる環境を作りたかったんですが、ウイングに入っているメッシとペドロの関係が状況を難しくしていました。メッシは中央へ入りたがっていたんですが、空けたスペースをジェフレンがオーバーラップをして利用してくれないことから、片側を失うことになるため思い切ったポジションチェンジをすることが難しく、出来たとしても右の選択肢が無くなってしまうので旧苦つん非中央を使わなければならなかった。ペドロにしてもサイドバックの上がりを待つ余裕が無く縦へ急いでしまうため、中のコースを切られてドリブルもクロスもできない、となっても戻す場所が遠く、相手にラインの上下動をさせる時間を与えてしまっていた。

ウイングだけの問題ではなく、バルサはディフェンスラインを高く保ち切れていませんでした。アグエロの消極的な姿勢とプジョルのおかげで追加点を防いだとはいえ、先制点も裏を取られてのものでしたし、サイドも利用されるため高い位置を保てば裏を狙われる。加えてアトレチコのラインも高く保たれていることが多く、圧縮された中で中盤がキープをするのも難しく、安定したポゼッションが出来ないのも影響しています。高く保つことに恐怖があるため、サイドバックの始動位置が低く、ウイングとの連携が取れない。

そんな全くペースを作れない中で二点目を取られてしまったのは非常に大きく、苦しいものでした。イブラヒモビッチがコーナーキックのこぼれ球を決めて一点を返せたことは大きかったんですが、それだけにあの追加点を取られていなければ、今後の修正がもっと楽になっていたかもしれないと思ってしまいますね。

一点を返してから徐々にバルサはボールを動かせるようになっていました。監督からの指示もあってサイドバックのマクスウェルが高い位置を取るようになったのが非常に大きな改善点で、右のジェフレンもある程度の位置にまでは上がれるようになった。サイドバックが連動して上がってボールのキープや展開にからめるようになれば、守備に切り替わったとしてもボールの近くに位置しているということで、守備の開始位置も高い位置から出来るようになる。そうなれば安定して裏へボールを入れられることが少なくなり、ディフェンスラインを高く保つための状況が出来つつありました。
サイドバックが上がるようになれば、ウイングとの連携もある程度できるようになり、アトレチコが中央へ人数をかけていたものをサイドに出さざるを得なくなり、中央にスペースが出来やすくなる。そういった中でメッシがドリブルで相手を揺さぶるようになり、すこしずつパススピードも上がってきた印象もありました。

特にメッシは、それまでの時間帯はサイドからドリブルを開始してもサイドバックと相対している間に中盤と挟み込まれて囲まれていた。それが、上手くバイタルエリアを埋められる前に、相手の中盤の裏でボールを受けてドリブルを開始できるようになった。相対するのをディフェンスラインだけにして、厚みを減らしたところへ仕掛けられるようになり、ミドルシュートなども打てていましたし、引きつけてからのパスも選択できるようになった。後半になってもこの部分の利用は効果的に見えてメッシが入っていた中盤の裏側へイニエスタも入っていけるようになっていましたし、バイタルエリアが開き始めてそこでパスを受ける環境はできつつありました。実際にその部分へ入り込めるようになっていましたし、人数もサイドを含めてかけられるようになっていましたし、センターバックの間に入り込み、裏をイブラヒモビッチ取れるようにもなってきていたのもありました。惜しむらくはそこで点が取れなかったことでしょう。

あまりにオーバーペースが両チーム共に続いたことから中盤の運動量も減りましたし、ラインを押し上げられず間延びもして切り替えを早く保つことが出来なくなってしまった。途中から入ったバルトラは頑張って前へ出ようとする部分はありましたが、繋ぎのパスが安定せずアトレチコがプレッシャーをかけにくるきっかけを与えていましたし、バイタルエリアがあいても後方からボールを出す勇気が無く、そういったテクニックのある二人が出場停止で存在しなかったのも大きかったですね。納められるタイミングでパスを出せないだけに、最後尾からの連動した攻撃は後半になればなるほど期待できなくなっていました。

初黒星を喫するならこの場所だとは思っていましたが、やはりこの場所では勝てませんか。

Bundesliga 22. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・ドルトムント

2010 年 2 月 14 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 3 – 1 Borussia Dortmund
ドルトムントの2トップはルーカス・バリオスがポストプレイや体を張ったプレイで起点となりつつ、モハメド・ジダンが得点に直結するポジションを取る形で、明確な縦関係や横関係というものではありませんでした。守備に回っても、バリオスが中心となって追いかけ回していました。モハメド・ジダンもある程度の守備を行っていましたが、これら二人の動きによってバイエルンは立ち上がり特に上手く繋ぎのパスを出せず、展開を作ることが出来ていませんでした。
もちろんフォワードの献身的な守備によって成り立っているだけではなく、バイエルンにボールをキープされているときにはディフェンスラインを低く設定してセンターバックからの繋ぎのパスの距離を伸ばしてしまう守備設定がされているのも大きく影響をしていました。バイエルンのセンターバック二人はあまり高い位置を保とうとしませんから、中盤との距離も伸びてしまい、余程のパススピードでなけレバンテ委して繋げない。躊躇を誘って縦へのスピードをださせないようにしていました。

ペースを先に掴んだのはドルトムントで、前半4分までの間にゴールマウスのキーパーが居ない場所に二度もシュートを打ったことが象徴的でしょう。一つ目は左から右に揺さぶられて、片側に寄せて守っている逆サイドを使われたこと、二つ目もセットプレイからファーサイドへ流れたボールを比較的自由な状態で使われたことが大きいですね。その後の狙いも、主にニアに人を入れながらディフェンスラインの外側を狙うパスを多く出していましたし、バイエルンの守り方ではフリーになりやすいファーサイドを積極的に利用する方法をとっていました。中盤がディフェンスラインに近い位置を保って、場合によっては最後尾に入る決まり事があれば、ここのエリアを使われにくくなるはずなんですが、バイエルンにはそれがありませんからいい狙いでした。

そういったミスとドルトムントの明確な狙いがあってピンチが続いていました。先制点を取ったのもバイエルンの弱点を利用したようなもので、相手のキーパーやディフェンダーからのフィードに対してセンターバックが最初に対応するスタイルを取っている。中盤の底を担当するシュバインシュタイガーやファン・ボメルがフィードに対応することは稀でしたが、これまではそれでも抑えられることが多かった。2トップで純粋に構成してくる相手なら問題なかったし、バイエルンを相手にすることで守備的になるクラブが多かったので1トップ気味になっていることもあった。ですが、ドルトムントは2トップを横の関係ではなく縦関係に近くして、落とすのではなくシンプルに裏を狙わせてたのも大きいのかもしれません。それも役割をはっきりとさせておいて、背の高いバリオスが競り合う役目を担い、モハメド・ジダンが裏へ抜けたり、得点に直結する動きをする。
そして、バイエルンのセンターバックがフィードに対応する弱点。人に向かいすぎていて落下点を抑えに向かっていない。それを利用された場合、一本のフィードだけで裏へボールが出てしまうこともあるわけで、もう一人のセンターバックやサイドバックが上手くカバーできていればいいんですが、前へ出る裏側となるためにどうしても抜け出す動きの方が有利な状況になる。そして鈍重なセンターバックがスピード勝負をしなければならず、今回はヴァン・ブイテンが戻りながらボールをコントロールしなければならなかった。難しい状況の中でコントロールミスをしたため相手に前への勢いを持たせたままプレイさせてしまった。あの状態で決めたモハメド・ジダンが凄いとはいえ、あんな単純なフィードに、センターバックがあそこまで前へ引っ張り出されてしまうことがそもそもの弱点でしょう。

失点をしてから、攻撃時でもセンターバックと中盤の距離が少し縮まりましたが、それでもまだ遠い気がしますね。ファン・ボメルがボールを受けられる位置にいますが、それ以外の選手たちが高く保ってしまっているためにパスの距離が長くなる。それでも前に収めることが出来れば、猛烈な勢いで下がっていくドルトムントにバイエルンが全体を押し上げる。本来ならそうやって全体が前向きな勢いをもって攻める事が出来れば、ペースを掴めるはずなんですが、ドルトムントは勢いに押されて下がっているのではなく常に相手を目の前に置きながらの守備をするために下がっているようでした。その上、ドルトムントは引いて守るところと前へ出てドリブルやパスを抑えにかかる二つを上手く使い分けていて、守備でボールを奪うときには後ろ向きに奪うのではなく、前へ向かいながら奪う。相手に立ち向かう守備をしていて常に相手を目の前に置こうとしている。追いかける、追いすがる守備をしていないため、ボールを奪ってすぐに前へボールを展開することが出来てカウンターに繋がる。一度後方へとボールを戻して組み立て直す手間を省けるために効果的でした。バイエルンが出すパスの距離を伸ばしていることも前向きの守備をしやすくしている要素でした。

ただ一つの難点があるとすれば、キーパーのツィーグラーの出来があまりよくないことでした。同点に追いつかれた場面はコーナーキックからのものでしたが、そのコーナーキックにしてしまったミュラーのシュートは弾いてしまう必要は少なく、キャッチできたはずでした。ディフレクトしたとはいえ、ファン・ボメルのシュートも止めることはできるものでしたし、守備組織全体から見れば、止めた、危険ではない、と思えるボールが相手のチャンスに繋がるのは非常に勿体ないものでした。チャンスだけならまだ気持ちの切り替えも出来るのかもしれませんが、せっかくの得点を不意にしてしまったのだから、試合を引き締めるべきキーパーがこれでは勝てません。

この得点で、バイエルンはドルトムントが引いて用意したスペースへドリブルで入っていくようになりましたし、引いて守られて主導権を握られていたものが、前への勢いを主導権を持って利用できるようになりましたし、リベリーとロッベンの存在が中央を固めることに専念させず、ワイドに守備を開かせていましたから、崩せる要素は十分に出てきていました。

逆転の場面では、まずモハメド・ジダンへのファウルが取られなかったことでドルトムントの切り替えが遅くなった。それまで切り替えの早さで相手の前を押さえることに成功していたのに、抗議するあまり足を止めてしまって、これまでのようにきっちりと後方にポジションを取り直して、相手を前に捉えておく、というのが遅れていました。そのせいでバイタルエリアが大きく空いてしまい、カウンターがサイドを深くえぐり、その間ずっとバイタルエリアが空いたままで厚みのある守備が出来ず、戻りながらの守備を強いられたために最後のロッベンを見ておく選手が存在しなくなってしまった。全てが全て出来ていたことが出来なくなってしまったための失点でした。

これが勝負を決定付けてしまった一点で、バイエルンに攻撃をさせることで成り立っていた受動的なサッカーから切り替えざるを得なくなりました。バイエルンにこれで余裕が生まれて、前へ急がなくてもよくなり、相手を押し下げることに成功していれば、どんどんとスピードを上げてスペースを利用する。それが出来そうに無ければゆったりとボールを回して、相手を引き出して陣形を乱すことをメインとする。ドルトムントは能動的に動かざるを得なくなり、スペースを利用されることも相まって、前へ向かいながらの守備が出来ず、攻撃がその分だけ遅れて展開するようになった。奪って直接前へ、という意識は最後まで持っていましたが、フォワードは後方からバイエルンの圧力を受けて、前を向いたままボールを受けてしまえず、奪ったそのままの勢いを保てなくなってしまい、一度ボール戻して組み立て直す作業をしなければならなくなっていました。スムーズにいっていたカウンターも鋭さを失うにはそれで十分で、バイエルンがきっちりと守備陣形を整える時間も稼げるようになった。
マリオ・ゴメスの三点目が無かったとしても、多少の余裕を持てるかどうかの違いがあるだけで、大勢は変わらなかったでしょうね。

Liga Espanola Jornadas 22. ヘレス対レアル・マドリー

2010 年 2 月 14 日 日曜日

■Xerez 0 – 3 Real Madrid
芝の状態が非常に悪かったため、特に立ち上がりはパスのスピードも出ず、ボールコントロールにも苦労している様子がうかがえました。ここをカーサにしているヘレスにとっては慣れたものなのかもしれず、ドリブルと少ないタッチでの攻撃を中心として、コントロールに時間をかけることはありませんでした。ディフェンスラインの前でボールを受ければ抜け出していく選手へ目がけて裏へシンプルに使う。シンプルに少ないタッチで行われるためにマドリーは奪うポイントを定められず苦労しているようでもありました。

マドリー側には特にミスが多く、パスの精度が整わないだけではなく、コントロールの際にボールのバウンドに合わせきれずに足下に収められず体から離れてしまったり、次の動作へ移る位置に置けない場面が目立っていました。
それらのミスを見逃さず、ヘレスはボールを奪う姿勢を見せ、実際に奪っていましたが、多くの時間は彼らが前から奪いに言って試合をコントロールしてしまうものではなく、引いて陣形をある程度整えておくことを主眼としているものでした。引いて守ったとしても決められた隙のない形を作って待ちかまえるのではなく、多少不格好なぐらいにずれていたり混雑するようなものでしたが、中央を固めてバイタルエリアを無くしてしまうことに関しては徹底されていました。

怪我や出場停止前までにイグアインとクリスチアーノ・ロナウドが組んでいたときは、どちらかがサイドに流れてどちらかが中央に残り、バランスよくサイドの起点となりつつ中央に脅威を残して相手を切り崩す手段になっていたんですが、この試合の前半ではそのバランスが非常に悪く、固められて渋滞している中央に二人共がポジションを取ってしまうことが多くありました。クリスチアーノ・ロナウドはボールを受ける動きをするために触る回数もありましたが、バランスを取るためにイグアインが前に残らざるを得ず、孤立して試合にからめない状況になっていたのも引いて守られる部分に入り込んだままの状況になっていたためでしょう。

ただマドリーの攻撃、あるいはカウンターになったときにドリブルによって相手を押し下げることが出来ていれば、全体を連動させて下げてしまうヘレスの守り方から、その一つ手前のスペース、中盤の手前が空いてしまうため、広大なスペースを利用してスピードに乗ったドリブルをして変化を与えようとする動きも出来ていましたが、それでも中央の陣形を崩す効果を与えられないために目立った効果はありませんでした。いったんボールを戻してその広大なスペースを利用しようとしたとしても、サイドバックが後方から上がってくるタイミングでしか利用できないために、中央を固められたところへクロスボールを入れるぐらいしか選択肢が無く、競り勝ってシュートを打ち、チャンスにはなりましたが人数とスペースを考えれば可能性の低いプレイでした。

ヘレスの引いて守る守備はドリブルでカウンターを受けたりパスを安定して繋がれて押し込まれたときがメインで、パスを繋がれそうな状況にあったとしてもコントロールをミスする可能性のあるポイント、たとえば ラサナ・ディアラへ狙いを定めることはあり、選手の距離を近く保って的確なプレッシングからボールを奪うこともありましたし、その形で奪えれば攻撃に移ったときも距離が近く、それでいて近すぎない適切な所で対応していました。そして追い越していく動きもあり、逆サイドの上がりもあるからサイドを変える動きも出来る。攻守のバランスでいえば守備の方に重点を置いている戦い方でしたが、決して守備のみだとは言えず、効率的で的確。プレッシングも追いかけ回しているというよりも、奪えそうなタイミングでコースを塞いでミスを待って奪う形で、それができるのも相手を掴まえているからですね。

対するマドリーはプレスが殆ど出来ていませんでいした。ヘレスの球離れが早く距離が適切に保てているため、囲い所がないのもあるんですが、主に個人が激しく当たることはあるんですが、どこへ強く当たり、囲い込むかのポイントを絞れておらず、個人の守備でしかなく組織の守備ではありませんでした。マリオ・ベルメホが収める部分に関しては共通している部分でしたから、ここに強く当たることでバランスを崩させようという動きはありましたが、それぐらいだったでしょうか。

ディフェンスラインが下がったら下がっただけマドリーは深く入ってしまうため、得意なカウンターの形が作れないし、選手たちが得意としているスペースを利用したドリブルも出来ていない。深い位置にまで入り込んでも、フォワードがウイングとなって入り込んでいる訳ではないから、サイドバックの上がりを利用するに留まり、ヘレスが陣形を整えきったところへクロスを入れることが多く、戻りながらの守備を強いることも出来ない。サイドバックを常に高い位置に保てているのであれば、それdめお高い位置に起点を求めることができ、チャンスになるのかもしれませんが、上がってくるまでの時間が必要なため、縦へのドリブルで相手の視線を動かしてもあまり効果はありませんでしたね。

後半になると、ヘレスの守り方が前半の渋滞を引き起こすような守りから少しスマートに陣形を整えてしまおうとするようになった。明確に引いて守って裏側を使わせないとしてしまったが溜に中盤のコントロールミスを突くチェックとのバランスが悪くなり、バイタルエリアが少し出来てしまっていましたし、マドリーに調子を取り戻させる要素にもなっていましたね。

守り方が明確になったが故に、サイドバックのへ対応にでてしまうようになりましたし、守備になれば明確に引いていくこともあって、マドリーが攻撃にスピードを出していけるようになった。全体にスピードが生まれてくれば、サイドに流れて引き出す動きをして押し上げる効果がより発揮できるようになるので、クリスチアーノ・ロナウドのがサイドに流れてプレイすることも多くなりました。ボールを引き出す動きがサイドの高い位置で出来るようになりましたし、おかげで早い段階で縦に出せるようになった。加えてサイドバックのようにヘレスが直接脅威に感じない選手が後からサイドのスペース利用しに来るわけではないので、脅威だと感じる選手がサイドに出て行くため、中央からマークも付いて出て行ってしまわなければならない。そうなれば中央に少しだけスペースが出来ますし、中盤と最後尾のギャップも生まれやすくなる。

先制点自体はそういったものではなかったんですが、陣形が整っておらず、広大なスペースがある状態で裏を使われてしまえば、これまで防いでいた形が作れないわけで、残念な失点でしたね。

こうなるとヘレスは得点を取らなければならなくなるため、中盤と最後尾との間が出てきてしまって、後方のスペースを空けたくないディフェンスラインと積極的に奪いに行き、得点を取るために人数をかけたい中盤との動きにギャップが出来て、どんどんとスペースが空いてしまう。こうなるともうマドリーの攻撃を安定して受け止めきる形が作れなくなり、二点目は後方に戻りながらのプレイを強いられたためのものでした。

一点目を取られたことが全てで、それさえなければ最後まで持ちこたえていた可能性もありますが、あまりに守備を綺麗な形にしてしまおうとしているようにも見えましたし、フォワードがサイドに流れる形を作られるようになってからは、いずれ突き崩されてしまうようにも見えていましたから、どこかで攻撃に出るための変化と得点を取られた後のプランを明確にしておきたいところでした。

Liga Espanola Jornadas 21. バルセロナ対ヘタフェ

2010 年 2 月 7 日 日曜日

■FC Barcelona 2 – 1 Getafe
この試合について書くためには審判のことを先に書いておかなければならないんですが、まず目立つ部分では二つレッドカードをバルサ側に提示したことでしょう。それともう一つは、前半着用していた審判のユニフォームが黒に近い濃い色のものでバルサのユニフォームと混同されかねないものだったこと。後半に目立つ蛍光色のものへ変更されたことから見ても、問題があったという認識があったはず。

試合は、プジョルの累積警告による出場停止とダニエウ・アウベスの直前の怪我からマクスウェルが右サイドバックへと入っている部分、そしてトゥーレ・ヤヤが久しぶりに出場してアンカーへと入っている部分に変化がありました。

ヘタフェは試合開始当初は守備の明確な切り替えのポイントを持たず、ディフェンスラインにまでプレッシャーをかけてフィードを誘って安定して繋がせないことをメインとしているわけでもなく、センターバックから前へ出される部分に圧力をかけて振り向かせないようにするわけでもない。縦のコースを塞ぐための前へ立ちはだかる守備こそしていましたが、前方とのチェックと合わさっていないため、ボールホルダーとの距離が少しあり、寄せきれず効果的ではないように見えていました。
ただ、メッシのゴール以後の展開では攻撃に回らなければならなくなったことから少し前へ向かわなければならない意識が出てきたことで、前を塞いでいた部分はチェックの遅れからそうなっていたわけで、チェックのスピードが出てくると、パスのスピードに対応できるようになり、中盤のイニエスタやシャビの所へボールが収まる瞬間に当たりにきたり、予めマークに付き、受けに戻るところへ接近しておくことで前へ向かせない守備をしていました。鍵となる二人の部分へがつんとぶつかることで防ごうとする意識が強く見えていたんですが、バルサはワイドに開き前後に動かし、その動かしている間にシャビがポジションを取り直して後方でフリーになって前を向いて受けられている状況を作っていたり、かいくぐる既に見いだされているようでもありました。

シャビが下がって安定してボールを圧蹴る状況にあっても、パスの出し所に困る姿が度々見受けられたのは、右のサイドバックがマクスウェルで、高い位置を保てず、どうしてもボールを追い越さないぐらいの位置からスタートすることが多い。それではシャビがボールを預けて動き成すと距離が広がってしまい、利き足ではない右足で精度の高いボールを送らなければならなくなってしまうため預けられない。メッシも中に入ってシャビの前方にポジションをって引き出す動きを活発化させたいところでしたが、ダニエウ・アウベスのように空けたスペースへ入り込んでもらえないため、右から中へ入ってしまうと中央に渋滞を作ってしまう。パスコースを消すことにも繋がるわけで、ワイドに使って相手を広げるためにも初期位置がいつもよりも多く開いているようでした。そのために苦しさがあったわけですが、左側のイニエスタとケイタのポジションの変更はスムーズで、そちらはワイドにも中にも利用できるいい状態でした。

守備面の不安は、トゥーレ・ヤヤがアンカーとしてプレイしているものの、左右のサイドバックのケアにサイドに流れやすくなってしまっていて、中央のスペースを埋められていないことでした。高い位置のチェックにも出てきてしまうため、本来いるべき中央におらず、センターバックの前をケア出来ていないことが多くありました。そのため、カウンターになると特に縦の勢いを維持されてしまいやすく、ディフェンダーの裏にボールを多く出されていました。シュートにまで持っていかれなくとも、センターバックの運動量を多くしてしまうことと、ラインを高く保ち全体をコンパクトに保つためには裏を利用されなければされないほどやりやすいわけで、ここを維持して欲しかった。それに加え、カウンターの一歩目を押さえるために前へ出ているはずなんですが、それが遅れて寄せられていなくて簡単にかわされていました。中央を埋めるべきアンカーがきっちり埋められていない、サイドに流れてしまっていることと、一歩目をきっちり押さえる能力を失っていることで多少の不安がありました。

ピケの退場の部分はそれとは無関係ですが、多く関係していたのは審判でしょうか。試合開始からボールの近くにあまりにも寄りすぎていてパス回しの邪魔に主審がなっていましたし、ある場面ではバルサの選手かのようなポジションを取ってパスを出されてしまっていましたし、ボールに関与してしまったり、非常に紛らわしかったのは確かです。退場の直接の原因となったのはイブラヒモビッチの不用意なバックパスもありますが、その一連の流れの中でも主審は体にボールを当てていてポジショニングの悪さを示していましたね。退場となったカード自体には、少し厳しすぎるように思えるものの仕方ないとも思える判断ですから大きな不満はないものの、よくないですね。

ピケが退場した穴はトゥーレ・ヤヤが埋めてケイタがアンカーへ入り、メッシとイブラヒモビッチが2トップの形を取ってシステムの変更で急場をしのいでいましたが、3トップの形が崩れたことからワイドの納め所がなくなり、ボールを奪った後の収め所に苦労するようになりました。サイドバックのアビダルが高く上がってスペースを利用しようしていましたが、この部分がこの試合の中では非常に多くカウンター時に空いていて、相手があまり使ってきていないから助かっていましたが、使われていれば大きなピンチを招くことになるほど危険なものでした。戻りが早さから防いでいましたが、ひやりとさせられたのは確か。

センターバックを失ったことからディフェンスラインの設定が多少低くなり、チェックの位置も下がっていきました。シャビもケイタも下がってしまっているため、連動性が多少薄くなってしまっていて、相手中盤を掴まえられず前を向かせない守備が出来づらくなっていました。ディフェンスラインを高く保てていれば、中盤が下がる必要が無く、チェックを継続して主導権を相手に渡さずにいられたのかもしれませんが、それは難しく、後方へ押し下げておいたとしても、アンカーが本職でないケイタだということもあってバイタルエリアがトゥーレ・ヤヤがしていたときよりも多く空いていました。ボールを奪われたときに縦のスペースが空くことにもなり、縦のスピードをもたれたまま攻められることも増えてしまい、センターバックが対応のために前へ出る場面も増えていた。そうるすると動き直されて裏を利用されるわけで、危険な状況が一時的に作られていましたね。
前でチェックをしたい中盤と下がって安定した守りをしたい後方のバランスの悪さがあってフォワードも下がって守らなければならなくなっていき、ボールを奪った後に前で納めるところが高い位置になくなってしまい、低い位置で受ける、あるいは前へ蹴り出すしかなく、再び相手に奪われやすい展開も作ってしまっていましたね。この状況ではマークの集中しやすいイブラヒモビッチ一人に支えてもらうのは難しく、どこかで変える必要がありました。
チェックを受けて前へ向けないため、バックパスの選択をすることが多くなっていた。それのたびにヘタフェはパスを追いかけて前へ向う守備をしてくるため、バルサの選手たちが全体を押し上げて陣形を整える時間を与えてもらず、前へ安定してボールを受けさせないことを繰り返させられていました。さらにヘタフェ前へ向かう守備をしているため、奪えたときには奪うための勢いを攻撃に持ったまま前へ進出できるわけで、主導権はずっとヘタフェにありました。

ヘタフェは後半に入っても前半の勢いを保ったままプレイをしていて、ワイドに展開してからクロスを中心とした攻撃をしていました。バルサはトゥーレ・ヤヤがセンターバックとしても問題ない守り方をできているんですが、ワイドに開かれたときに視線を動かされてしまってマークをすべき相手を離してしまったり、センターバック間に入られてしまったときの対応は心許ない。本来であれば、その位置をサポートすべきアンカーにケイタが入っているため万全ではなく、ケイタ、シャビ、イニエスタとローテーションしていることもあって、余計に中盤の最後尾の部分は不安定でした。
またヘタフェがサイドから多く展開してくることが解っていても、バルサはシステムを変えてしまいウイングを無くしてしまっているために、相手のサイドバックを牽制しておく要素がない。そのため、ヘタフェは思い切ってサイドバックを上げることも出来、タッチライン際を二枚で展開することが出来るのに対して、バルサはサイドバック一枚で支えなければならない。中盤がサイドのケアに流れてしまえば、ただでさえ厚みが足りていない中央を犠牲にしてしまうわけで危険でしたが、セルヒオ・ブスケツが投入されるとこの部分の改善がでkちえ安定していきました。

高い位置のワイドな収め所としても、ケイタが左に大きくポジションを取ったことで開いた位置にボールを収めることが出来、サイドバックの牽制にもなりますし、相手の守備を中央に集めさせず広げて隙間を広げていく要素にもなっていました。守備に回っても、アビダルの所を多く突かれていたんですが、そこをケイタがサポートする形になり、二枚でサイドをえぐられても二枚で対応することが出来て、安定したクロスを連続して入れられることもなくなり、中央を犠牲にすることなくサイドのケアもできるようになった。縦を容易に利用させなくなったことで、中央の部分でカウンターの一歩目を押さえ守備がやりやすくなり、セルヒオ・ブスケツは上手くカウンターになりそうな部分や、縦に向かう一歩目をしっかりとマークして遅らせていられました。
ただ試合終了までそれができていればよかったんですが、徐々に前のチェックに向かうようになってしまい、後方のスペースを顧みることが無くなっていたのは残念なことでした。アンカーがしっかりとディフェンスラインの前を押さえていなくなったことで、ディフェンスラインの前でボールを利用されるようになってしまい、クロスを跳ね返した後のセカンドボールを拾われ続けたり、フィードへの対応もセンターバックがしなければならなくなって、引き出されてしまうことで、前や横へ出されてスピードに乗られてしまう。最後にPKを与えてしまった場面では、アンカーがいても直接関与することはなかったのかもしれませんが、中央のスペースを埋められていなかったのは残念でした。

最後のPKに関しても一発退場というほど悪質ではなかったはず。PKの判断はあのプレイを見る限りでは取られても仕方のないもので、それに対しての異議はありませんが、イエローカードで留めておいたり、あるいはカードを出さない選択をしてもよかったのではないでしょうか。