2010 年 1 月 のアーカイブ

Liga Espanola Jornadas 16. バルセロナ対ビジャレアル

2010 年 1 月 3 日 日曜日

■FC Barcelona 1 – 1 Villarreal
クリスマス休暇後の初試合ですが、バルセロナは幾つかの選手が欠場をして、ケイタが怪我をしている関係からジョナタン・ドス・サントスが先発に入っていました。カンテラの選手を起用して計算できる環境は理想的ですが、アフリカネーションズカップで二人の選手が離脱することを考えれば、ここまではきっちりと結果が伴っているとはいえ、層の薄さをどこかで解消しなければならないかもしれませんね。アンカーの部分はマルケスを一列前で使う可能性を考えれば問題はないのかもしれませんが、フル出場が難しい幾つかの選手もいますから。

試合は、序盤からビジャレアルのプレッシングによって後方へ下げるパスが中心となって、構築するパスはしばらくの間、出せずにいました。センターバックへのチェックは多くのクラブがしてくる対策ですが、それだけではなくシャビ、セルヒオ・ブスケツ、ジョナタンの場所にも密着したマークが付き、センターバックから前へボールを出せない環境を作り、キーパーへと多く戻さなければならなくなっていました。
シャビがボールを引き出しに戻り、プジョルやピケを前に出して相手のバランスを崩してパスコースを造ろうとしていましたが、ジョナタンの位置が高いままで、シャビとの関係を近く保てておらず、最後尾から連続したパスでマークを崩していくのは難しい環境にありました。

ビジャレアルはチェックの勢いだけではなく、攻守の切り替えも早く、バルサも同様に素早いチェックと切り替えを持って望めていました。そのため、両者の切り替えの早さから安定してボールを支配することがどちらも出来ておらず、立ち上がりは主導権を握るために幾つかの時間を費やしているだけで、勝負を仕掛けるプレイはあまり多くありませんでしたね。
そういった中でバルサがある程度後方から押さえつけられるマークにも慣れてきて、前を向かせないように勢いを持って圧力をかけてくる動きを逆に利用して前を向けるようになったのは好材料でした。特にシャビがボールコントロールの段階からチェックの予測をつけて、常に前を向く意識を持っていたのが大きく、それに加えてセルヒオ・ブスケツへいったん落として彼に前を向いたままプレイさせるなど、一時期のコンディションの悪化を忘れさせるほど切れのいいものでした。結局それが得点へと繋がりましたし。

ただ、得点をとってもビジャレアルの戦い方は変わらずにより精度を増しているような印象さえありました。フォワードや攻撃的なミッドフィールダーがチェックを行う中で、ピボーテがシャビやジョナタンを掴まえ躊躇をさせておく。ディフェンスラインがきっちりとフォワードたちを掴まえておいて、ポストプレイを要求するパスもさせず、ロングレンジのパスをさせないようにしていました。イブラヒモビッチがポストプレイのできるポジションを取っていないこともありましたが、どのポジションも前を向く動きをさせないように抑えられていましたから、浮き球を多く送り込むようになる。ただ、それらはバルサのスタイルの中では効果的なものではなく、フィードからの崩しは少なかった。

バルサはミスが絡んだものや相手が上手く奪ったものを含めて奪われる回数もいつになく多く、カウンターを受ける機会もそれなりにありました。切り替えの速さから仕事をさせず、前へ出すボールを非常に遅らせ、中央裏へ一本のパスで抜かれることはない守り方を出来ていましたが、サイドバックがチェックに加わるために前へ出ている裏側を狙われる回数は多かったですね。中央のコースを切っているおかげでセンターバックがケアできて大事に至る回数は少なかったものの、ピンチはことごとくここからでした。
ビジャレアルは、中盤で奪った後に遅らされてしまい、サイドバックの裏を使うしかなかったように見えていましたが、きっちりと中央を意識を持ち合わせていた。遅らされる段階でサイドバックや低い位置のサイドでボールを保持してサイドバック、アビダルのチェックを誘う。連動してフォアチェックで抑えにくる裏側を狙うために攻撃的なポジションの選手を中央に送り込んでおいて、チェックに来た後にサイドバックの裏側へ進出させる。そのために、バルサのアンカーとセンターバックの前のスペースに数多くの選手を入れ、縦の関係で防げないようにしてしまっているのも大きい。センターバックの前に張り付いてくるときもニウマール一枚ではなく、もう一枚で行うために、センターバック同士で縦関係を付くってカバーをできませんでしたし、その状況で裏へ出されて競争になってしまうこともあった。ビジャレアルとしては狙い通りに事が運び始めていましたね。

バルサも一時的にボールを早く動かせるようになって試合の主導権を握った場面がありました。選手の距離を縮めて、広がり気味だった部分を狭めた。それによってマークの距離を詰めると選手に付く動きを徹底できず、味方がスクリーンになってしまい密着が出来ない。それを利用して近い距離で回してダイレクトでいくつか動かすことで、寄せられないようにして前を向いてプレイできる環境を作る。ポジションの修正も多く、素早く、運動量を保っていて、コンディションは上々に見えましたが、オーバーペース気味にも見えました。特にアンリでしょうか。
バルサはアンリが常に裏を狙ってくれているお陰で、カウンターの選択肢があり前を押さえられた中でも少し現実的にチャンスを作ることが出来ていました。常に裏を狙ってくれているおかげで、一足飛びに出してゴールを狙えていましたし、裏へ抜ける動きをフェイクとして戻ることでハビ・ベンタのマークを外して構築の助けにもなってました。

後半の失点した場面は、セルヒオ・ブスケツがよくありませんでした。実施兄はその一つ前のプレイだったんですが、不用意にも低い位置でファウルをアピールして簡単に倒れてしまった。ボールの扱いが上手く、相手をいなす回数も多いんですが、安全に行かなければならない場面と、そうではない場面の区別をつけ切れておらず、あの倒れた場面が実に不用意でした。あまりにも低い位置で、センターバックすらケアをしてあげられない位置で、あそこで失点してしまっていてもおかしくなかった。失点こそしなかったものの流れを変えてしまうには十分で、その後の同点ゴールを許してしまうきっかけにもなってしまっていました。ダビド・フステルがいいポジションを取って上手く決めたとはいえ、よくないですね。マルコス・セナのポジションが上がってきていたことから見ても、彼らが勝負をかけ手に来ていることを推し量れていたのに。

同点以後は、動きの部分で中を利用していたとはいえ、サイドからサイドへの展開が多かったビジャレアルが、サイドから中央へとボールが出てくるようになった。センターバックの裏側を狙ってくるようになり、サイドバックの裏側のように得点に直結しない部分ではなく、得点に直結する動きをされてしまうようになり、圧力を受けながらセンターバックが処理をしなければならなくなり、奪ってから攻撃へとスムーズな展開をできない形で攻められるようになった。要因の一つにマルコス・セナに自由に動かれて起点を作られて掴まえきれていないのがあるでしょうね。
素早いチェックで囲い込めていた前半とは違い、後半は前半のオーバーペース気味だったものの疲労から寄せるスピードを得られなくなってしまいましたし、ビジャレアルに余裕を与えて時間を使ってもいい状況にしてしまったことで、バックパスを使われて逃げられる回数も増えましたしね。

後半に悪くなったのは、前半改善されていた選手同士の距離が再び広がってしまい、パスの距離が遠くなってスピードが出ないコンディションの中で、安定して繋ぐパスを使えなかったことと、素早かったポジション修正が運動量の低下と共に悪くなり、ダイレクトでボールを回せず、中から外へのバランスも悪くなった。フォワードへ納めるボールへの距離も長かったもののある程度収めることが出来たが、崩すことを選択するよりも前を向く意識、前へ展開する意識が強すぎて、支配率を上げきれずボールロストの回数が増えてしまった。連続した攻撃にならならず、裏へ抜ける動きをしつつ、それを囮として利用するのではなく、裏を取る動きのまま動いてそのままパスが出てしまっているのもありましたし、審判の笛と相まって少し焦りが多くあったのかもしれません。
ワイドに開いてのクロスは効果的に送り込めていたんですが、中央を崩せていない象徴でもありましたし、豊富なパターンを用意できていないことを示しているようなものでしたね。いつもより中に人数が入れていたとはいえ。

ビジャレアルは、ペジェグリーニの後期からの相手の前でボールを回すだけで脅威になるプレイが出来ていなかった頃からようやく修正されたようで、特に裏への動きが効果的になってますね。ヨーロッパリーグ参加で再び崩れなければいいんですが。

バルサは休暇明けは勝てないのが通例になっているからあまり驚きはありませんね。ましてや苦手なビジャレアルが相手だったのだから。前半の運動量を見ている限りでは珍しくコンディションがいいのかと思っていたら、ガクッと運動量が落ちる所なんて、まさに、ですね。