Liga Espanola Jornadas 19. バジャドリー対バルセロナ

■Valladolid 0 – 3 FC Barcelona
国王杯を戦わなくてもよくなったことから、ローテーションは全くと言っていいほど取っておらず、怪我をして出場が出来なかったセルヒオ・ブスケツの所へアフリカネーションズカップ帰りのケイタを出場させた程度の違いしかありませんでした。マルケスをこのポジションへ入れてくるのではないかと思っていたものの、一列前でプレイすることの多かったケイタを久しぶりにここへ入れたのは驚きでもありましたし、リザーブに中盤の選手を一人も入れていないことも驚きでした。カンテラの選手たちは幾つか出場しましたが、ここの部分の層の薄さが気になりますね。

バジャドリーのプレッシングはがむしゃらなものではなく、前後を分離させてしまう事が多い最近の対戦相手とは少し違ったものでした。スタート時は特にポジションを下げて警戒をしていたシャビやイニエスタの所へ執拗にマークをして陣形を崩してしまうのではなく、ブロックを形成して待ちかまえてゾーンを形成することに注力しているようにも見えました。バルサが警戒していた部分が強くあるにしろ、ブロックの形勢からドリブルで進出されハーフウェーラインを越えられるとディフェンスラインをぐぐっと下げる。ディフェンスラインを下げるだけならばピボーテとの距離が開いてしまうものの、バイタルエリアを空けないようにきっちりと下がってスペースを利用させないようにしている。多くのクラブが、フォアチェックに意識を使いすぎて、バイタルエリアを空けてしまって、イニエスタやメッシにそのスペースを利用されて崩されているため、そこのスペースを出来るだけ小さくしようとしているように見えますね。

その中盤のスペースを消す作業が、バルサの繋ぎを上手くいかなくさせていて、フィードやセンターバックから直接ボールをフォワードに預けるパスをさせていました。中盤を省略してしまうと、スペースを消すための人数をそこへかけているため、やはり一定のスペースは得られてボールを保持することもできる。イブラヒモビッチへのパスやポストプレイ、あるいはイニエスタがエリアに入り込んで何度か使ったことで、全体をもともとワイドにケアしていなかったバジャドリーの守備ブロックを中央へ寄せる効果があったように見えました。縦のコースを切りながらスペースを消している中央とは対照的にサイドにはスペースが多くできはじめ、そこをアビダルやダニエウ・アウベスがオーバーラップの回数を増やして主導権を握っていました。バジャドリーも多少の対処はしていましたが、中盤を抑えるときのように縦のコースを切ろうとはせず、サイドバックの外側を縦に使わせてくれましたから、バルサの縦の勢いを削ぐことはできずに応急手当にもなっていませんでした。
サイドバックには縦へのそういった動きを許していても、早いタイミングでウイングに渡された場合には、きっちりとマークを付けていた。特にアンリには二枚が前後で挟み込むようなマークをして、中のコースをきっちりと切ってしまう。中への幾つかのパターンを持つアンリに対する方法としては、サイドに押し出して縦だけに絞らせてしまうのはいいんですが、サイドバックに対しても同じ方法を可能な限り取るべきでした。

中央でバジャドリーがチェックやプレッシャーというよりもフィジカルコンタクトを多くして抑えている印象があります。攻撃の時もそうですが、裏へ単純に抜けてしまったり、サイドバックの外や、縦へのドリブルというよりも、センターバックと体をぶつけて守備の範囲を狭めさせつつ、二列目の選手が絡んでくる。守備も攻撃も選手同士の距離を狭めてあることで、運動量を多くするよりも早くチェックへ向かい、ボールを奪ったりコースを限定してパスカットをきれいに決めるよりも、肉弾戦のような印象が強く、きっちりとひっつけているためにファウルの回数が多くなっているようでした。
ただバルサも多少の苦労や苛立ちがあったようにも見えましたが、囲い込まれてコースを限定されてパスカットを狙われてカウンターよりも試合が止まりやすく、クイックにディフェンダーの裏へ出される心配は薄く、守備面での不安はあまりありませんでしたし、何よりも体をぶつけられる前に球離れを早くさせてしまう、特にダイレクトでボールを扱ってしまうことで簡単にいなしてしまえる。チェックをしてプレッシャーとしてやるのならば、囲い込んだりパスコースを限定することで、奪いきれなくても次でなんとかなる可能性はありますが、体を寄せてフィジカルコンタクトで抑えようとする部分があるから、距離も近く、かわされてしまうと、他の部分からのサポートが期待できず、一つのミスというか買わされるプレイが致命的になる。シャビ先制ゴールを生んだ場面がそうで、ピボーテがチェックに行った。それがダイレクトはたかれてしまい、当たって止める隙を与えてもらえずファウルにも出来なくなったことから、後方に数的不利をつくってしまったまま前へ向かわれてしまった。そしてボレーでゴールになるわけですが、前へ向かってしまったために入ってくる人数の多さに対応できるだけのディフェンダーがおらず、バイタルエリアをそこまではきっちり埋められていたのに、チェックに行ったがために空いてしまい、可能性も多くありましたね。

明確なミスはその部分ぐらいなもので、チェックのスピードも運動量もリードを許しても維持されたまま中盤を抑えていました。中盤からセンターバックのボール回しでも体を寄せるため、バルサは苦労させられていましたし、前へ預けるパスを出しても囲まれてしまい、フォワードにまでボールを出せない時間も多くありました。守備に回っても、バジャドリーが人数をかけていて、体を預けながらやられるためにセンターバックが対処しなければならない時間も多くありましたし、アンカーへケイタが入っているため、その部分の前後の埋め方や左右のケアが弱く、センターバックがサイドへ流れたり、前へ進出しなければならないことが多くありましたから負担は大きなものでした。サイドバックのケアとして流れる回数は、中央を抑えられている関係から多くオーバーラップして攻撃をワイドに広げなければならなかったので仕方ないんですが、アンカーのケアのために前へ出る回数はディフェンスラインを崩していて危険でした。もし、裏を一歩のパスで狙うことを徹底されてしまっていれば、あるいは途中からそれに気付いて修正をされてしまっていれば、ギャップを突かれていた可能性もありますね。いくつかあったものもオフサイドで凌げる範囲でしたからピンチにはならず目立ちませんでしたが。

バジャドリーはリードを許した後の動きとして、バルサのディフェンスライン+アンカーと中盤との間に人数を多く入り込ませていました。ディフェンスラインとフォワードの一枚を除いた全てがそこに入っているようなぐらいで、縦のコースを切る動きを徹底しているようでした。バルサの中盤も受けに戻ってしまえば、それらを引き連れてしまうため加減しているように見えました。それらをその場所に留まらせたまま、その先にポジションを取る。するとバイタルエリアのスペースに入れるんですが、さすがにポジションを取れたとしてもパスを出しにくい環境を作られてしまえば利用は難しい。
でも徐々に崩れる気配は見せていて、左のアンリの所を二枚で抑えるセオリー通りの守備が崩れてサイドバック一枚で対応するようになった。中盤のサイドの守備は、上がってくるアビダルに気を取られている部分もあり、一枚での対応になっていました。もちろん縦へ使いやすくなり、ボールを失う可能性を減らせますし、そうなるとアンリに預けた後バルサの他の選手たちが安心して高い位置を取れるようになる。メッシが中へ入る機会を増やしていましたし、それをすることでダニエウ・アウベスが再三フリーで上がれるようにもなっていましたが、それも左でキープが安定して出来ていて、左から右へとボールを流してくることができるためでもありますね。

結局バジャドリーは最後までサイドバックの縦のコースを切ることなく、ダニエウ・アウベスやアビダルの上がりを許し続けてくれましたし、いくら中盤を抑えたとしても、ワイドに使わせてしまってはペナルティエリアに人数を入れられてしまう、という見本になってしまったかもしれません。この試合のバルサは特に、クロス時に多くペナルティエリアに人数を入れていましたし、チャンスも得点もその形からでした。

チグリンスキをケイタに変えて投入して以降は布陣が不明確で、アンカーのポジションなのか3バックなのか微妙なところでした。どちらかといえばフォアスイーパーのような動きをしつつ、プジョルとガブリエル・ミリートをワイドに開かせておく、ということでしょうか。ただ、アンカーとしてみた場合にはバックパスが多く、前へボールを運ぶ能力が足りないかもしれない。いくらスペースがないとはいえ、バックパスを多くしてしまえばバルサではリズムを掴むのは難しく、あのポジションは特に前へボールを運ぶ一歩目となる部分ですから、少しキープをして受けに戻る選手を待つ余裕も欲しい。パスも右足で躊躇無く出しているのはいいんですが、その精度が低くミスになりがちで安易な選択もしてしまう。
動きをアンカーというよりもセンターバックとして捉えたとしても、中盤中央に選手がいなくなってしまうために前方へ運ぶ能力の方をやはり重視したい。3バックにするとするとしても左右のバランスも縦のバランスも悪く、ラインを整えるのか、カバーリングなのか、展開の一歩目もどうするのか。選手の問題というよりも監督の問題がそこにあるように見えましたね。ピケかマルケスのどちらかが最低でも出場していなければ成り立たないように見えます。カードをもらっていなければピケを残したのかもしれませんが、やはりどの役割をさせるにしてもマルケスの方があの場合のあのポジションは適任なのかもしれません。本職ですしね。

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