Liga Espanola Jornadas 14. バルセロナ対エスパニョール

■FC Barcelona 1 – 0 RCD Espanyol
バルサの悪い部分が出ていたのは試合開始直後からで、後半になってから悪くなったというよりも、試合を通して悪いままでしたね。改善された部分は非常に少なく運動量が少なかった。精神的にも肉体的にもここの所の厳しい試合が響いているようで、判断力も遅く体も重そうでした。

試合開始直後にパレハのフィードから一発でチャンスを作られた場面は、体勢の整っていないところへ奇襲をかけられたと言ってもいいかもしれませんが、フィードへの対応を明確にしていないところが既に現れていました。センターバックがフィードに直接対応してしまって裏へのケアを出来ない状態を作ってしまっており、本来ならアンカーが直接対応しなければならなかった。その後幾つかあったフィードに対してもトゥーレ・ヤヤが対応する回数は少なく、ピケが対応してプジョルがカバーをする、あるいはその逆の形が殆どでした。前半はエスパニョールが人数を殆どかけておらず、フィードをされても一枚でセンターバック二枚を相手にしてくれるため、二人で縦の関係を作れてしまうので大きな問題に感じることはありませんでしたが、トゥーレ・ヤヤがここの所起用されていないのはここの判断が鈍くなってしまったせいかもしれませんね。

基本的にエスパニョールはロングボールを中心とした組み立て方をしているためにバルサがフォアチェックをして囲い込むことは少なく、囲い込んだとしても意図のないボールを縦に蹴り込まれてしまうため、囲い込む速度が落ちてフォアチェックをあまり機能させなくなってしまいましたが、スローインなどから連続して一度押し込んでしまえばプレスは機能し、相手の守備に厚みを持たせられなくしてしまえる。そうなっていけば、ロングボールを送ったとしても効果は非常に薄くなるため繋ごうとする意識が出てくる。おかげでプレッシングからボールを奪ったり、セカンドボールを拾うことが出来るようになり、いくつかボールの支配率を上げることが出来ましたが、それがこの試合効果的だったかというと疑問符が付きますね。

立ち上がりのペドロは非常にシャビと近い関係を保ってサイドに張っている時間が少なかった。中央に入ってきてダニエウ・アウベスの上がるスペースを空けられるようになったのは数試合前からなんですが、この試合はあまりにシャビに近い関係を保ち過ぎってポジションが被ることもあった。その上、メッシがするように、中盤とイブラヒモビッチの間を取り持つ動きではなく、高い位置で中に入って得点に絡む動きをしているため、ボールの収め所になれず起点にも慣れない。裏へ飛び出す動きをするにはディフェンダーに捕まれやすい位置であり、それほど効果的な動きでは無かった。ポジションチェンジをアンリとして左に回ったりもしましたが、流れの中での動きではなく、相手にマークの修正を強いることも出来ない。

押し込んだ状況になってもディフェンスラインの裏に出ようとする選手が殆どおらず、停滞した状態になってからアンリが裏へ出るだけ。ペドロもラインの中に入っているんですが、基本的な部分では、中央に人が入っておらず、エスパニョールの中盤の選手がディフェンスラインに吸収されているので、中央に人数が多く、起点を作るには難しかった。
いつもであればそこへイブラヒモビッチが入って相手を押し下げておいたり、守備の手前でボールを回す選手たちへ当たり行けないプレッシャーになっていたんですが、引いて受けるプレイを選択しているため、相手に前へ向かう守備を許していた節がありますね。
もっとイブラヒモビッチに高い位置でポストプレイをしてもらい、納めてもらってボールのスタート位置を高くすることで相手を押し下げてしまいたかったんですが、中央よりサイドに流れた位置で前を向けずに処理をする回数が増えていまっていましたし、周囲の選手が動いてスペースを作り出したり、ドリブルで仕掛けて裏を使う場面が少ないのも影響をしていました。

ポジションチェンジを含めて、ドリブルでも仕掛けずスペースを作り出す動きも積極的にしていなければ、相手を動かせず相手をマークの修正も容易にさせて、スタミナを消耗させられない。混乱もさせられない。幾つかシャビが飛び出したり、サイドから単純にアーリークロスを上げていましたが、安易に行うプレイはいくら不調のエスパニョールでも防げるわけで、幾つかの変化が欲しかったけれど、連動していない状況では難しい。
それでも途中からイブラヒモビッチが高い位置でボールを受けるようになったのは事態を好転させる要素で、中央でポストプレイをするようになった。それが出来れば、高い位置へ収める一本のパスから裏を狙えるわけで、組み立てたり、落としたり、それから自分が裏へ抜ける動きなど相手に幾つかの選択肢を考えさせることも出来て、連動した動きにもなりやすい。結局はその形から得点を取ったわけではなく、ファウルかどうかよく解らないシャビが倒されて得たPKで一点を決めただけでした。

後半に入って二枚を交代させたエスパニョールが前半とは違い勢いを出してきたのは明らかだったんですが、バルサは前半よりもさらに試合内容を悪化させてしまっていました。ピケが安易なミスをしたり、サイドバックの場所へプレスを受けて前へ運べなかったり囲まれてピンチを作ってしまったり、とにかくチャレンジするより前の低い位置で奪われる回数が増えて、前線へ繋げなくなっていた。その上不用意に奪いに行きすぎて奪えずに裏を使われたり、エスパニョールに前へ出てくる意識を与えてしまった。ボールをキープして押し込めなくなったことから、中盤のラインを高く設定されてしまうようになり、こぼれ球を拾われるようになった。フォアチェックもされてシャビやイニエスタに安定してボールを納められず、それらのポジションから前へパスが出来ないため、ロングボールが多くなる。ボールが来ないから前の選手がボールを引き出す動きをしていなくなって、出し所へ困って、後方でミスも増えている印象もありますね。あとはプレスへ対応に少し困っているようにも見えます。

前半にもあったものですが、後半に入ってもフィードに対するアンカーのトゥーレ・ヤヤの対応は全く修正されておらず、フィードに対応するのは相変わらずセンターバックだった。以前はここの処理が上手かったトゥーレ・ヤヤが別人のようにセンターバックに処理を任せて自分はその上がって処理をするセンターバックのケアに下がるだけ、というのも見られましたし、ポジションを前に取りすぎていて、ロングボールを収めるフォワードを前後で挟み込めていない場面も目立った。フォワードの下に近いポジションを取る選手をエスパニョールは置いていませんでしたから、それをアンカーが警戒して前に出る必要はなかったのだから、きっちり挟み込まなければならなかった。それが出来なかったことから上がったサイドバックの裏をピケが警戒に出ることができず、ダニエウ・アウベスの裏を使われる回数も多かった。もちろん、サイドバックの裏を狙えるようにエスパニョールが選手を配していたというのもありますが、アンカーが下がってきっちりと処理をしていればセンターバックのどちらかをサイドへ押し出しても問題なくなるため、全体の負担が減るはずなんですけどね。

もちろん彼だけ乗せ金ではなく、多くの選手をフリーで受けさせていて、ボールを受けた直後に振り向かせないようにするいくつかの当たりが足りていない。運動量とポジションの趨勢が足りていないために寄せるのがワンテンポ遅く、出来ないのであれば引いて守ることも視野に入れなければならないほどでしたが、思い切りよく切り替えられていない。サイドバックの部分でも特にサポートが足りておらず、攻撃に移ってもそうで、全体が間延びしてサポートが入ってもチェックにやられてしまい、停滞してしまった。繋げずに単純にクロスを入れる回数も多くなってしまうため、イニエスタを前に持ってきた効果が薄く、前で溜を作ったり、繋いだり、ポジションを動かしたりは出来ない。ボヤンが入ったことで安易なクロスが減り、繋ぐ意識が多少出ましたが、疲弊していてそれ以上の効果は感じられなかった。

それよりも何よりも、ラフなプレイが増えてもイトゥラルデ・ゴンザレス主審がさっぱりカードを出してくれなかったり、それでピケにはカードが出されたり、ゴール前でハンドをしてもカードが出る気配がなかったり、試合全体を荒れる方向に向かわせてしまった主審によって試合終盤は無駄なプレイばかりでした。バルサ側には苛立ちが見られて、エスパニョール側のラフプレイへカードが出ないため、それを助長し、バルサにカードを出させようとするプレイが増えてくる。試合を動かした殆どの要素は主審でしたね。バルサも非常に駄目な内容でしたが、決定的な仕事をしたMoMはイトゥラルデ・ゴンザレス主審へ。

非常に厳しい日程を戦ってきて、これからも続くわけですから、この試合は仕方ない。前の試合がこうなってしまう要素を孕んでいましたからね。

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