Liga Espanola Jornadas 14. バレンシア対レアル・マドリー

■Valencia 2 – 3 Real Madrid
バレンシアはスタート時から飛ばして、積極的に前から連動してチェック行っていました。最後尾も一定の高さを保ちっていましたが、スタート当初はフォワードらの四人程度が行っている部分があり、それをかいくぐると少しだけスペースがあり、利用できる可能性を含んでいました。レアル・マドリーはそこを利用して勢いを出そうとしている気配があり、フォワードへ直接そのエリアに入り込ませるのではなく、その一つ手前、ファン・デル・ファールトを入り込ませることで、クッションとしながら近い関係で裏を狙おうとしているようでした。ですが、それをバレンシアはすぐにマルチェナやアルベルダといった経験豊かな選手が埋めてしまうことで、イグアインとベンゼマを直接入れてしまい、ディフェンダーが彼ら二人を見られるようにしてペースを握り始めていました。

バレンシアの速攻はサイドバックの外側を利用して、クロスからシュートを狙うことが多く、中央に高さ無いためそこへ緩やかなクロスを入れて勝負するのではなく、逆サイドまで流すか、低く鋭いものを入れて前への推進力を活かすものでした。裏へ抜ける動きも併せて多用することで、サイドのバックの外側を利用していくだけでは縦を切られてしまうだけで勢いを殺されてしまうのを防ぐ狙いもありましたね。サイドに人数をかけさせず、スピードだけに目をいかせないようにして、ドリブルに対して前へ向かい、奪いに来る守備をさせない。さらにはサイドにボールが入ったときにも足を止めずに中央に早く送り込むことから、マドリーのディフェンスは踏みとどまることが困難で、裏のケアをするためにクロスが送り込まれる、込まれないに関係なく、戻りながらの処理を常に強いられるようになっていました。

バレンシアの守り方は明確で、チェックと同時に片側のブロック、ボールサイドに人数を大きく入れてゾーンを寄せてしまうため、マドリーが攻めているサイドには多くの人数が入り込んでしまってスペースが存在しなくなる。密集地帯のようになり、そこで明確なボールコントロールをするのは難しいわけで、どうしてもスピードに乗ることが出来ず、バレンシアは抜かれてもスピードを殺していて、再びチェックに行くのも難しくない。マドリーは足を止めた状態からスピードアップして抜きにかかることが難しい。逆サイドにまでボールを運ぶことが出来れば、その分スペースがああるわけで、何度か縦へイグアインらに使われる場面も目立ちましたが、この時点ではその傾向は薄いものでした。

ただし、ある程度試合が落ち着いてバレンシアの猛烈なチェックが減り、攻撃の時にはバランスよく左右に開いていくようになれば、片側に寄せていた守備の人数を揃えられなくなり、マルセロらのドリブルに対してディフェンスラインが足を踏み留めておくことが出来なくなっていました。チェックで密集を作り奪うことを目的としていたために、振り向かせないための守り方をしておらず、ボールコントロールを安定してされてしまえば、前を振り向かれる。そうなればスピードに乗らせてしまい、簡単に寄せられない間に裏を狙う動きをフォワードにされてしまい、より足を止めて守備をすることが出来ずにペナルティエリア内に入り込ませる結果になってしまった。

この要因の一つにバレンシアの速攻が関係しているかもしれませんね。ワイドに利用して裏へボールを出し続けて、ディフェンスラインの手前でボールをコントロールすることをあまりしない。センターバックを大きく裏へ抜ける動きで押し下げて、広大なスペースがピボーテとの間に出来ても、そこへ入り込むべきバネガの姿はあまりなく、あったとしてもマークを受けて抑え込まれている。フォワードと近い関係から裏へパスを出せていないのに、どんどんと相手を押し下げて早いタイミングで中へ入れてしまうために、中盤が間延びするしかなく、結果としてマドリーにも有益なスペースが出来上がってしまったのかもしれません。

秀逸だったのはイグアインとベンゼマが縦の関係でセンターバック二人を縦関係にしてしまえていた動きでしょうか。それでディフェンスラインにギャップをつくって二人のパス交換とドリブルでどうにか打開しようとする動きがありましたが、継続して出来ておらず、二人の動きと共に、他の選手が利用しようとする動きがなかったために、ギャップを利用して裏を狙えず得点にはなりませんでしたが、きっかけの一つにはなっていましたね。

守備も多少の変化を見せ始めて、長い距離をウイングが走り通しているバレンシアの裏への狙いが単調なこともあって、長距離のパスが多い。精度が極端に高くなければ一点を取るのは難しい中で、一定の踏みとどまる勇気をマドリーのラインが持つことが出来るようになってきていました。それは高い位置で納めて繋ぎたい意志が見えていたバレンシアのバネガの部分を激しい守備で押さえ込めているのが多く役に立っていました。ラサナ・ディアラが十分に効果を発揮している。彼が体を張るお陰で、でカウンターの起点にもなって、振り向かせず高い位置から裏へ出させないいい守備でした。

後半になってもバレンシアはまた前への勢いを持たせたまま、中盤から一気に裏へ出すプレイを連続していました。ビジャらが一気にディフェンスラインを押し下げるように走っているため、その手前側を一度使えると凄く面白くなるんですが、一発で長い距離の裏を狙うため、チャンスを作っているようでチャンスにならないプレイが連続していましたし、マドリーのバネガを抑えて高い位置を使わせないようにする守備も明確になってきて、早めに修正をして高い位置の起点を作りたかったんですが、ウナイ・エメリ監督は最後までその部分の修正は行いませんでした。

試合の修正ではマドリーの方が一枚上手で、チェックをかいくぐる方法を明確にとるようになり、サイドチェンジの頻度を増やしてスペースのある場所を狙う意図を強くしていました。バレンシアの片側へ寄せる守備は継続して行うことが出来なくなり、密集できなくなったことからチェックは少しずつ遅れていくようになりました。ベンゼマを密着して抑えていたブルーノもペナルティエリアに入り込まれる位置にまで押し下げられてしまい、結局は激しく当たれない位置でのプレイから相手にアシストを許してしまう結果になりましたしね。

バレンシアは高い位置にボールを運ぶには苦労してしまうようになり、縦のコースを切られてドリブルが難しく、高い位置で納め所がないっまあ裏へボール出すばかりになっていました。それが同点に追いついた場面では、サイドの高い位置でサイドバックと二対一の関係が作ることが出来ていた。それまでであれば既に中へクロスが送り込まれていたはずの場面で、クロス以外のいくつかの選択肢を作ることに成功していましたし、時間があればもう一人が裏を狙って近い位置からマイナス方向へのパスで得点を狙う形もあった。そういった選択肢が増えたこととサイドバック一枚しか守りにいなかったことも大きく関係しているでしょうね。
それまで前へ運ぶことにさえ苦労していたのと、前へと急ぐあまりボールをきっちりと納められていなかったのが、得点以後は納められるようになり、高い位置で起点になることが出来るようになりました。裏へ裏へ、の一本だけから、相手ディフェンスラインの前でボールを納めて、そこから繋ぐことも出来るようになったため、選択肢が増えて、マドリーが縦のコースを切ったとしても、多少の可能性を感じるようになっていました。

それを打ち砕いたのはまたしてもイグアインでした。改善されていたものがまた元に戻ってしまうのには十分でしたし、焦りを生むのにも効果的だった。ホアキンが同点ゴールを入れて、まだ状態としては解らなくありつつありましたが、前へ焦る気持ちと前半から走り通しだったウイングの疲労もあり、得点の香りはあまりしなかくなっていました。前へ前へと向かう交代を繰り返していましたが、最後まで必要だった収め所を用意できなかったために、ミゲウを入れたところで効果的な上がりはできませんでしたし、結局逆転される要素をも作ってしまった。
どこかで妥協してもよかったのなら負けはなかったんでしょうけどね。

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