■Deportivo La Coruna 1 – 3 FC Barcelona
少し前にガブリエル・ミリートが復帰と噂されていた試合でしたが、結局招集メンバーにすら入りませんでしたね。マルケスのコンディションが今ひとつ上がってきていないので、この過密した日程の中で復帰してくれたら心強かったんですが、さすがに怪我から復帰したばかりの選手を使うのは難しいようですね。
スターティングメンバーには出場機会の減少から揉めていたような印象のあったトゥーレ・ヤヤではなくセルヒオ・ブスケツ、ケイタが相当に久しぶりのベンチスタートだったことや、アンリ、イブラヒモビッチ、メッシの三人が揃ったことなど珍しい試合でもありました。
ここの所気になっていたメッシの運動量が少ないことや意欲の少なさは、この試合の出足の部分からは感じられませんでした。ドリブルで仕掛けていき、ファーストシュートを打った場面に代表されるような意欲もありましたし、マークを受けながらもそれを外せる瞬間的なキレもある。ボールを持たない段階で裏を狙う動きを見せていることもありましたし、久しぶりにコンディションは良さそうに見えましたね。
ただ、チーム全体としてはボールはよく回して、デポルティボの連動したチェックがしっかりきているんですが、それをかいくぐるパスは出せていた。でもリスクを負うパスではなく、相手の前で回してチャレンジしている印象はそれほど強くないものでした。所々でーフティなだけにならないように場所へパスを繋ぐこともしていますが、個人の力で繋ぐパスですから崩しきることは出来ていない。しかも厳しい場所を狙うため、奪われることもありました。そういったミスからのピンチは防げていましたし、メッシが大きく戻って相手を送らせたり、デポルティボのカウンターにかかった際の人数のかけ方が中央に寄ったものではなく、サイドから始まり中央の選手がサイドに流れて受けようとしたり、ゴールに直結する動きや縦のスピードを見せてこなかったこともピンチを広げなかった一つの要因でしょうね。その段階でのバルサの守備には中央に厚みが無く、サイドを使われた後に中央へ戻されるとディフェンスラインの前に広大なスペースが出来てしまっていたんですが、使われることが非常に少なかったために安心していられました。縦に人数を置いて裏へ急がれて、鋭いカウンターになっていればいくつかシュートを打たれていた可能性はありますが、それもなかった。
何度かカウンターが上手く実らなかったのを繰り返した後は、デポルティボは引いて守るようになった。イニエスタとシャビにきっちりと人をつけて、メッシが入るスペースを消しておく。ディフェンスラインを一定の位置にまで下げながら、ピボーテをしっかりと中央の低い位置に設定しておき、近づきすぎず、遠すぎないように配置してスペースを消す。中央のイブラヒモビッチなどにも注意を払ってマークに付き、ボールを受けさせる余裕を与えず、ポストプレイが出来るほどのスペースを与えず裏を狙わせる。サイドを空けておいて、その裏は利用させているが低いライン設定のためにスペースは少なく、固めている中央はあまり戻りながらの対応をしなくてもいいようになっている。
ボールの展開が遅くなれば中央のブロック構築が出来て守られてしまう。アンカーの位置はフリーでボールを扱わせてもらえるが、ディフェンスラインの手前から勝負する選手が殆どで、裏で勝負できる選手はアンリぐらいしかいなかった。それでもラインが低く設定されているためにスルーパスでチャンスを作るには余程の精度がなければ難しく、ディフェンスラインの手前でパスを回して勝負を仕掛けようとしても、スペースを潰されているために技術と動きを発揮する場面はない。二つのラインが近く保たれているために中へ入っていくことができず、その手前側でボールを回す時間が多くありました。
ただそうした攻めあぐねているように一件見えてしまう場面でも、押し込み続けていることでデポルティボは攻撃の機会を失い、サイドを利用したカウンターもなくなり、バルサの守備陣を脅かしてこなくなった。守備が続くことで痺れを切らせて前へ向かおうする意識が出始め、集中も続かなくなっていくようで、徐々に寄せが甘くなり、スペースが出来てきて、ピボーテの裏でボールを受けるなど多少狙えるようになった。そのため、前へ突っかけつつ、裏へ出されたり、裏へ抜ける動きに引っ張られてしまいシュートコースへ寄せられなかったりするようになり、メッシのゴールを生むきっかけになった。
一度失点してしまうと、デポルティボはバイタルエリアを大きく開けるようになって、そこへ比較的自由に利用させてくれるようになった。ドリブルもできるだけのスペースを与えてくれるようになりましたし、ディフェンスラインと中盤との関係も悪くしてでも攻撃に人数をかけるようになった。
こうなるとバルサの攻撃陣にとっては好材料だったんですが、守備陣は問題を抱えたままでしたから、少し危険なプレイもあった。前からのプレッシングはきっちりとできているんですが、引いて守るほどになってしまうと、中央に厚みのある守備が出来ていないため、セカンドボールを拾う力になっていない。それぞれの守備間隔は問題ないですし、セルヒオ・ブスケツの後方への意識は問題ないんですが、距離が若干近すぎるようでした。そのため、バックパスからミドルは狙われることもありましたし、失点もここの関係が近すぎたことが影響しているかもしれません。最初のフィードをセンターバックが対応しなかったのはセオリー通りで十分だったんですが、あまりに距離が近すぎたために、ボールがディフェンスラインの裏へと出てしまい、戻りながらの難しい処理をしなければならなくなった。一番の問題はビクトル・バルデスのミスで、せっかくの得点と、継続して崩していく形が作れていたにもかかわらず、デポルティボに本来のプランを復活させてしまい、またバイタルエリアを固められてしまった。最初からまたワイドに展開してクロスすることから始めなければならなくなりましたし、相手にサイドの意識を持たせてから中央を利用しなければならなくなった。
後半になると、前半の守備プランから変えてきたようで、シャビとイニエスタがある程度引いてもきっちりと寄せてマークに付くようになった。そのためバイタルエリアは、前半よりもスペースが出てきて、デポルティボがボールを奪いにくる意識も出てきてかわすことが出来ればスペースも利用できるようになった。もちろん油断をして奪われることもありますが、ガチガチに固められるよりは多少マシな状況でした。
バルサは奪われないようにボールを安定して回すために、相手の裏側へ出て行く選手の数が減り、手前側でボールを回し、前へ預けてすぐ戻す回数も多くなってしまっていた。ダニエウ・アウベスを大きく上がらせておくことでワイドに相手を広げても、出来たスペースへ入り込む選手が足りず、追い越していく動きも少なく、ドリブルを仕掛ける回数も減って変化がなくなっていた。単調になって守りやすくさせているようでもありましたし、その影響からペドロが投入されるまでの間は膠着してしまっていました。
ペドロが投入されたことで、メッシが中央に入り、中へ入る人数の少なさを多少カバーできるようになった。中央に人数がかかるようになり、右にペドロ、左にイニエスタが流れながらケアするようになり、ディフェンスラインの前で受けられるようにして、裏を狙う。メッシがボール引き出す動きをしてシャビとの関係を近くしながら、縦の動きでイブラヒモビッチとも近くする。それらのお陰で、中央の手前でボールを回して相手を引き出してワイドに使っていたものが、効果的に機能するようになり、開かせて中央にスペースを空け、そして開かせたところへ中に入っていく。連動して相手を動かして統率されてた守備のバランスを崩してしまう。二点目がその形でした。
三点目は得点を取りに出たデポルティボがボティポを投入してバランスを崩したからこそ。難しい場所で素早く動かしていいゴールでした。
初めまして!
細かく書かれていて読み応えありますね!
一部分を切り取るのではなく、全体の流れがあって楽しかったです。
とても大変な作業だと思いますが、応援しています。
>鼻炎さん
はじめまして。ありがとうございます。
自分は試合中にメモを取りながら見て、それを再構築しているだけなので別に大変ではないんですが、ちょっと雑な方法になっていることが多いですね。
文章を書くのも好きな方なので文章だけになってしまうんですが、鼻炎さんのブログをTwitter経由で拝見させていただいたら画像で解説されてるんですね。これもまたわかりやすいくていいですね。
自分にはブログのシステムとサーバーとかその辺の事情から出来そうにもありませんが、わかりやすさは見習わなければ行けません。とりあえず、苦情が来ない程度には改善せねば(w