Bundesliga 17. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ヘルタ・ベルリン

■FC Bayern Munchen 5 – 2 Hertha Berlin
バイエルン:ブット、ラーム、ヴァンブイテン、デミチェリス、バドシュトゥバー、ミューラー、シュバインシュタイガー、プラニッチ、ロッベン、ゴメス、オリッチ

ベルリン:小数、ヤンカー、フリードリヒ、フォンベルゲン、Pejcinovic、ピシュチェク、Lyustenberger、キケロ、ラファエル、ニク、ラモス

チャンピオンズリーグを戦っているバイエルンが日程的に不利になることは多いんですが、この日はヘルタ・ベルリンの方が日程的に厳しく難しいものでした。ヨーロッパリーグに出場してミッドウィークに試合を行っていた。ホームだったおかげで多少疲労は少ないのかもしれませんが、この日に取った戦術にしても負担の大きいものでしたから、このスコアも仕方ないのかもしれません。

ヘルタ・ベルリンは高い位置からプレスをして、縦のコースを消しつつ体を寄せて奪いに行く守り方を取っていました。フォアチェックに分類されるやり方ですが、ディフェンスラインの選手たちをそれに参加させないために後方にスペースを作ってしまったり、ウイングをフリーにしてしまってドリブルを高い位置からさせてしまう、ということはあまりありませんでした。チェックに向かう選手たちは、ただ単に寄せるだけでもプレッシャーを与えて遅らせるだけでもなく、奪ってカウンターを狙っているものでした。

この日中盤の底でコンビを組んだシュバインシュタイガーとプラニッチがボールを多く持ち、キープをして展開をしようとするところへ奪おうとする動きが多く見られていました。ウイングのロッベンには背後からぴたりと付き、ミュラーは不安定なポジショニングとアルネ・フリードリッヒに掴まえられており、中盤からパスが前に出てくることは多くなく、サイドバックのラームに渡される回数が多かった。
ヘルタは全体的にボールサイドへと人数を寄せて密度を高めて奪いに行く。その分逆サイドにはスペースを大きく作ってしまいますが、プレスからボールを奪ってカウンターに主眼を置いていることを考えれば十分で、効果的にバイエルンの縦へのパスを防ぎ、横のパスとマイナスのパスを選択させて攻撃を遅らせることが出来ていた。ただし、逆サイドにスペースが出来てしまう関係上、バイエルンに左から右へとボールを動かされてしまうと、それまで後方から引っ付いてボールを前向きに受けさせず抑えられていたロッベンに対して十分なスペースを与えてしまうことになる。前方にも広大なスペースを用意してドリブルで変化をつけられてしまうこともしばしばでした。

それ以外の部分では大方狙い通りだったように見えました。バイエルンが高いラインを保ちたがっているように見えるほど、センターバックの位置を上げている時間帯があったんですが、ヘルタはチェックのエリアがバイエルンのセンターバック、デミケリスとヴァン・ブイテンにまで及ぶことから、それを嫌がって大きく下げてしまうこともありました。センターバックからサイドバックへとボールを預けてもプレスに耐えかねて、中盤の選手に渡すことも出来ずにキーパーに戻される。それが何度も続いていくと、サイドに張るミュラーやロッベンもマークに付かれた状態ではボールが出てこないため、受けに下がってしまう。サイドアタッカーが下がるとヘルタの残しているディフェンスラインと戦っているフォワードとの距離が広がる。
間延びして良い状態ではなかったんですが、バイエルンは一本のコーナーキックから得点してしまい、突き抜けてしまったことが試合の状況を大きく変えてしまいましたね。
ヘルタは奪えなくても状態はよく、バイエルンの構築をさせず苦しめていたのは確か。キーパーにまで戻させてフィードを蹴らせて、それを奪うだけでも十分に効果があった。継続することが出来ていれば、バイエルンに焦りを生じさせる可能性もあった。そうなれば奪うことは難しくなくなり、自分たちのペースへ引き入れることが出来ていたはず。
それが一つの得点によってプレスの持つ意味が変わってしまった。それまではボールを下げさせることで自分たちに有利な環境へと持ち込んでいるように思えていたのが、バイエルンはリードから時間を浪費してしまっても問題なく、消極的な姿勢から前へボールを運んで行かなくてもいい環境になった。構築できなくとも焦る必要はなくなってしまい、後方へボールを下げることに抵抗を感じなくなっているようでした。ハーフウェーラインより前にあったボールをペナルティエリア付近にまで下げさせられたり、センターバックとキーパーとのパス交換を強いられたりしても、バイエルンは躊躇することが無く、ボールを引き出す動きも少なかった。

そうやって前後に伸びていかれてしまうとヘルタはどこまでもボールを追いかけていくことは出来ず、どこかで方針転換をして、待つディフェンスへと切り替えてしまわなければならなかった。運動量も落ちて来たこともあって、ボールを引き出すロッベンの動きに付いていけず、下がってきたロッベンがボールを受けて、簡単に振り向ける環境を作ってしまった。前を向いたままドリブルを開始することが出来てスピードに乗れるだけのスペースを与えていた。そうなってしまうとこれまできっちりと抑えられていたことが無駄になったも同然で、ロッベン一人にドリブルから変化をつけられてバイエルンの攻撃を活発化させてしまう。中へ切り込まれればタッチライン際をラームが駆け上がり、ディフェンダーの意識をロッベンに集中させることなく攻めることが出来る。最初から中にポジションを取ればフォワードのどちらかがサイドに流れてマークを引き連れてスペースを作る。
ロッベンの動きに合わせてサイドバックとフォワードがバランスよくサイドへ進出することでマークを分散させておく。一点へ集中させない方策をとることでバイエルンはあっという間に二点目と三点目を得てしまい、試合の行方は決してしまいました。

後半になってからは前半不活発だったバドシュトゥバーも高いポジションを取るようになりましたし、プラニッチが左へ流れる回数も増えた。オリッチが左へ流れたり飛び出す回数が少なかったために目立たなかった左からの攻撃も見られるようになって、左右のバランスがよくなった。そこがよくなると上手く中央が機能するようになった印象があり、ロッベンの動きや左右に気を取られるあまり、中央にいるマリオ・ゴメスやオリッチに注意が行ききらず、裏へ抜けられる場面も出てくるようになった。

一度ペースを握られ、ここまでの得点差を作られてしまっては、前半のようにプレッシングをして相手のボールを押し下げることに大きく成功したとしても、結局は下げさせるだけであり、奪えない。前へボールを運ぶ意識のない相手に対してそれを続けていくのは困難で、プレスの後のプランが足りませんでしたね。リードを奪われたことが全てであるとはいえ、それがなくてもバイエルンは時間をかけてもよく浪費しても問題なく、どこかで一点を取ればよかった。プレスを高い位置から終始かけ続けることは出来ず、後方はしっかりと陣形を整えている。非常にバランスはよかったんですが、やはりそこは日程の関係で運動量が足りなかったようにも見えましたね。カウンターにも鋭さがありませんでした。

後半は特にピッチに残る雪の量でどれだけ片側でプレイされていたかが解るほど一方的に押し込まれており、ヘルタはカウンターの一歩目を押さえられることが多く、バイエルン陣内に入り込む回数は少なかった。高い位置から奪いにいっても奪えず、実際に奪っているのが後方に人数をかけた後だというのが大きく影響しているわけで、上手くスピードに乗ったままカウンターできていませんでした。直接裏も狙えず、フォワードと近い位置からパスが出るわけでもありませんから。

デミケリスがこの試合中ずっと駄目でしたね。ミスが多く、ボールコントロールも、パスも、ロングボールへの対応もミスをして失点のきっかけにもなったし、もう何点かそれに繋がりそうなミスもしていた。あまりにも彼はお粗末でした。彼だけでなく全体も点差から受ける印象よりも悪い内容でした。

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