2009 年 11 月 のアーカイブ

Liga Espanola Jornadas 10. バルセロナ対マジョルカ

2009 年 11 月 8 日 日曜日

■FC Barcelona 4 – 2 RCD Mallorca
シャビもイニエスタもメッシも先発させておらず、怪我から復帰後間もないダニエウ・アウベスもベンチに置いたままのスタートになっていましたが、戦力を温存できる順位の相手ではなく、戦い方にしても苦労するようには見えていました。それぞれ休ませた選手に動きが悪かったり、疲労が蓄積しているのが見て取れていただけに、それらを考慮して休ませたのかと思っていたんですが、最終的にはダニエウ・アウベスを除く全員が出場して疑問ではありました。

スタート時からのこのメンバーでは誰が試合をコントロールするのか不明確なように、ピケが自分で持ち上がっていかなければ前へボールが出て行かず、国王杯のように中盤の動き出しが足りていませんでした。マジョルカのチェックと引き気味のディフェンスが運動量の少ない受け手を抑えていて、センターバックから繋ぎのボールを出して展開することはさせてもらえませんでした。その分、フォワードへ一気に出して、ポストプレイをさせたあと、近くポジションを保つペドロやアンリへ渡して一足飛びの展開を狙ってみたり、イブラヒモビッチを裏へ飛び出させてそれを狙う。
マジョルカに抑えられている部分があるものの、メンバー構成の違いから特別重要なことではなく、構成に合わせ戦い方と受け取ってしまっても良さそうでした。中盤の奪取力や体を張る力に関してはこのメンバーの方が上ですし、ロングボールの対応にしても優位にある。加えてマジョルカの戦い方が示しているように、がつがつ体を寄せてくることができる相手に対して、どうしてもぶつかる場面は増えてくる。その時に一歩引いてしまうことは相手に前の勢いを付けさせてしまうことになるため、当たり負けず奪えたり、ボールを失わなかったり、体を預けられるのは大きいのではないでしょうか。それでも、その寄せてくる動きを察知して、上手くかわしていくマジョルカの選手たちの上手さがあるので単純ではありませんでした。

本来なら早い時間で取れたのは大きく、その得点によって正確なポストプレイと武器と囮にして中盤が使えるようになったはずでした。マジョルカの守備が前へ出てくるのを少し躊躇させて、中盤を利用しやすくする効果があったんですが、バルサは当たりに行ける、奪えるメンバーで、がつがつ当たってくる相手に対しても戦えてしまうのが裏目に出てしまいましたね。相手を自由にさせず抑えてスピードダウンを狙うのではなく、一気に奪おうとしてしまっていることが多々ありました。奪う意識が強すぎて、少しボールを動かされただけでかわされたり、パスでいなされたりして人のいないエリアを作ってしまい、自由にパスを出させてしまったり、シュートを打たせてしまっていました。それらがコーナーキックを生み、失点に繋がった。

こうなると得点以後不用意なほど積極的だったのが、失点によって慎重さが出てきてしまい、ディフェンスラインで横に出すパスが増えて縦に出なくなった。それまでフォワードにまできっちり飛んでいた、あるいはサイドの上がりに対して合わせていたものが出来なくなり、マジョルカがそれらに対応するよう修正できてしまった。加えて、躊躇させていた前へに来る守備を復活させて、中盤のつなぎをさせてもらえなくなった。基本的にパスを繋がせないことを重視しているため、後方からドリブルを開始してスピードに乗ることが出来れば、中盤は簡単に突破できる、ギャップを作れるんですが、問題は中盤で受ける動きをあまりしないこと。センターバックやキーパーにまでプレスに来ると言うことは、それだけその先には人が足りなくなることでもある。きっちりとボールを受けに戻り、パスを出してまた動く。それらの連動した一連の動きが出来ていれば、前で押さえようとしているため、ディフェンスラインの前のスペースが出来がちになっている部分を利用できていたかもしれませんね。

二点目を得たことで再びバルサは積極差を取り戻すことが出来てショートカウンターを出来るようになった。奪われた瞬間に取り戻せるようになったのは、アビダルやトゥーレ・ヤヤの出足がよくなったことで、攻撃へ展開する一歩目のボールを後方から抑えるのではなく、動き出しが早く奪えるようになった。それに代表されるように、前へ向かいながらのプレイが出来るようになり、ロングボールの展開も悪くはなかったんですが、攻守の切り替えからショートカウンターは効果的。戦い方の問題ではなく、勢いの問題ですね。

後半からシャビやメッシが入ることで、キープ力が生まれ、繋げるようになった。というよりも、繋ぐスタイルに変化させようとしたように見えましたが、その頃には全体の連動が少なくなってきており、繋げるものの全体の運動量が落ちて構築も出来ていなかった。出し所に困っているからこそ、シャビらが投入されたものの、受けるために低い位置まで動いて受けることが少ないため、劇的な変化はもたらすことが出来ませんでした。それまで効果的に使えていたポストプレイもメッシとイブラヒモビッチの距離が開いてしまっているために効果的ではなくなり、スピードの変化の無さからマジョルカの前から押さえるやり方に嵌ってしまっていた。さらに悪いことに中央に寄ってしまって、両サイドがワイドに空いているのに、誰も利用できないでいる。キープもあまりできず、サイドバックが追い越していくにはリスクが大きく、期待できませんでした。リードをしているからこそ、リスクを冒して後方から追い越して、相手のマークを引き連れてワイドに開かせ、マジョルカの両サイドを押し下げて一方的に押し込んで終わりたかった。
その役割を担ったのがイニエスタで、彼が入ったことによってその辺がクリアになった。追い越していく人数はそれほど変わりませんでしたが、人数が足りなくともイブラヒモビッチがサイドに開き、それをイニエスタが追い越していく形になることで、十分に変化に富んだ攻撃になっていましたし、シャビらからのボールを引き出し、ワイドに開く効果も出た。彼のポジションを自由に動かすスタイルがマジョルカに対応の迷いを生じさせる結果になっていましたね。

そのまま終わることが出来ていれば、それなりの試合だったんですが、最後の最後にミスから失点してしまうあたりがさっぱり駄目。メンバー構成を変えて繋ぐことを前面に出しているようなものだから、余計にしてはいけないミスでした。
チャンピオンズリーグ後にはいつもコンディションを落としているバルセロナとしては、よく勝ちきった方だとは思いますが、もうちょっとピリッとして欲しいですね。

UEFA Champions League -F- Matchday 4 ルビン・カザン対バルセロナ

2009 年 11 月 5 日 木曜日

■Rubin Kazan 0 – 0 FC Barcelona
カンプ・ノウで負けてしまったがために極寒の地で勝たなければならなくなった。せめて引き分けていれば、と思わずにいられないくらいに厳しい条件になってしまいました。モスクワでさえ多くのクラブが苦しむ中、さらに東の極寒の地。確か試合開始前で気温-4度らしく、ピッチ脇には雪が残る状態でした。

好材料があるとすれば、ダニエウ・アウベスとアンリの復帰でしょうか。あのマルケスの不用意なプレイを見た直後であれば、プジョルがセンターバックへと戻れたのを喜ぶのは当たり前で、チグリンスキはこういったサッカーに慣れているでしょうから、それでもいいんですが、バルサのサッカーにおける守備対応の仕方はやはりこの人が最後尾にいなければ始まらないわけで、この試合通じてプジョルでよかったと思える場面が多々ありました。

バルサは復帰したダニエウ・アウベスとシャビ、メッシのところで多くパスを回し、ピケからのフィードも利用しつつ、コントロールし始めていました。ショートパスで繋ぐスタイルを低い位置で行っていても、人へのマークがしっかりと付き、抑えられていて、明確に利用するのは難しい状態。中長距離を狙うには序盤はまだ体が温まっていないようで動きが硬く、一足飛びに展開できるほどの精度がありませんでした。ドリブルやボールコントロールにしても足が動かずミスも多いのも事実で、ペースを殆ど掴めないまま。
こうなるとメッシが中央に寄っていってしまい、右を大きく空けることになるんですが、序盤はまったくそのエリアを利用することが出来ず、復帰後のダニエウ・アウベスがオーバーラップをかけることはほとんど無く、サイドバックの裏も利用できないままでした。イブラヒモビッチが右へ流れてボールを受ける回数が時間の経過と共に増えていったものの、ダニエウ・アウベスとイブラヒモビッチ、中にいるシャビやイニエスタ、あるいはメッシといった選手との間に距離があり、その三角形の中心には選手が容易に入り込んでコントロール出来るだけのスペースがあるにもかかわらず、誰も利用しない、入っていこうとしないため、右は孤立気味だったと言っていいのかもしれません。
左の高い位置もケイタとイニエスタがポジションチェンジをしながら利用していましたが、いつものようにきっちりと使い切れず、突破も難しくパスで逃げの姿勢を見せているばかりでした。少し下がってボールを受けて展開することははできるんですが、そこから縦への展開が狙えず、溜めている間に近い場所で裏を狙う選手が居ないのも、それを誘発する要因でもありましたし、ルビン・カザンが十分にサイドのケアをして、流れる選手にきっちりとついてくるのもありました。

中央にしても引いて守るルビン・カザンはディフェンスラインの前へ中盤をきっちりと下げ、バイタルエリアと俗に言われるスペースをきっちりと塞いでいる。メッシが入って利用しようとしても上手くいかないため、より下がって中盤を前に置いてボールを受けるようになってしまい、イブラヒモビッチとの距離が広がってしまった。イブラヒモビッチもカウンターの一歩目であれば、比較的緩く受けさせてもらえることもありましたが、サポートの距離が遠く密集しているため、正確直利から連動して裏を狙えませんでしたし、中盤の選手が持ったときに飛び出しても行けなかった。
徐々にルビン・カザンの守備は激しさを増していき、人数のかけ方も選手への当たり方も厳しくなっていきましたから、最初の部分でペースを握れず、形らしい形を見せてしまえなかったのは大きな痛手となりました。

ルビン・カザンに攻めきる意識は少なく、サイドを深くまでえぐっても、それ以上中へ入ることもなく、クロスも上げていかない事が多かった。タイミングを待っているようで、その時間帯が来るまではバックパスで最後尾に戻しても問題ないとしているようで、最初から念頭にあるのは、バルサのリズムを崩して守りやすくすること、カウンターの一点をどこかのタイミングで奪うこと、それだけでしょう。
例えば、ピケがカウンターを抑えに向かい、ボールを奪おうと不用意に足を出してしまう部分などが狙い目だったようです。カウンターになった時には、どうしてもセンターバックが一枚残っているフォワードへ対応しなければならないが、そうすると、ポストプレイ後に再び動き出されたときにスピードについていけず、裏を狙われてしまう。ピケの対応の仕方では、そのポストプレイすら必要なく数的不利を作りかねない、本当に不用意なものでした。プジョルは不用意に飛び込まずコントロールミスを誘う部分を持ち合わせていましたが、カウンターの一歩目を押さえるためにぶつかることが多く、もう片方がカバーリングに専念させなければならない。この時にトゥーレ・ヤヤが残ったエリアを埋めてくれているため、安定して防げていましたが、虎視眈々と一発のカウンターを狙われている意識を植え付けられたのは、後方からの攻め上がりや大胆さを奪うには十分で、術中に嵌っていました。

後半になってメッシのポジションが右に戻ってくれる過と思いきや、やはり前半通り中央でプレイするばかりで、高い位置すら取れない。三方向からの囲い込みもあり、ドリブルでも前へ持ち上がれずパスコースが少ない。イブラヒモビッチと近い関係を保っておかなければならないメッシが下がりすぎているため、他の選手たちが上がっていけないのもありますし、メッシがサイドからスタートしないことに関しても、サイドのケアがしっかりしていてマークに付かれてしまう、中央を二列で固められているため、外から中のドリブルが難しいのは解るんですが、運動量もスピードもなく、可能性は殆ど感じられませんでした。
代わりに上手くシャビが中央の小さな隙間に入っていくようになり、イブラヒモビッチと近い関係を保てって、細かいパスから裏を狙ったり崩しを狙えるように、多少なりました。ディフェンスラインの前は相変わらず詰まっているんですが、イニエスタも入っていく。メッシも入っていく回数は増え、イブラヒモビッチが前を向きながらプレイできる環境を徐々に作れている。これまでは背負った後ろ向きのプレイが多く、あるいはサイドに流れたプレイだけでした。が、ルビン・カザンの守備は見事。きっちりとディフェンスライン前のスペースを消し、だからといってずるずる下がるわけでもない。ペナルティエリア中に入らないようコントロールしながらも、入らなければならない場面では躊躇なく多くの人数を送り込み、人で溢れかえさせる。どんな状況でもカウンターの選手が睨みをきかせて、バルサに支配されていながらも、一発の恐怖を持たせた状態を保ち、一方的に押され続ける展開にはしない。

特に66分あたりから一斉に攻撃に出始めた切り替えの部分は見事で、それでも守備を考えたものでしたが、前へ向かう守備が増え、攻撃にも鋭さと人数をかけたものが出始めた。いくつか決定的な形を作られてしまいましたが、ビクトル・バルデスを中心に何とか守り切れたお陰で大惨事は免れましたが、本当に見事。

バルサは最後までディフェンスラインの裏へ抜ける選手がおらず、安全に繋いで崩したい意識が強い。裏へ抜けるとか、フォワードの位置にまで上がって体を張るプレイが少なく、イブラヒモビッチ一人しか居ないところへアーリークロスを上げても効果は薄い。もし追い越していく選手が居たとしても、使おうとする意識が少なく、ボールを失いたくない意識の方が強いように見えて、チャレンジしてませんね。裏のスペースが無く、難しいのは解るんですが、それでも使っていかなければ相手は何も怖くないわけですから。アンリの投入でその辺の変化を期待しましたが、時間も少なかく、効果的な働きを期待するのは難しかった。

こういう引き込まれてしまう試合展開が予想できただけに、開始早々の抜け出しから、イブラヒモビッチが一対一になった場面は決めておきたかった。あれさえ決めていれば、というのが決められないのがイブラヒモビッチなので仕方ないと諦めていますが、アンリも一本ありましたし。でもゴールに直結しそうだったのはその二つくらい。あともう一つ、キエフでの一戦が残っているんですが、その前にインテル戦を勝ち、ルビン・カザンと勝ち点で並ばないようにしなければならない。返す返すもカンプ・ノウでの敗戦が――。

UEFA Champions League -A- Matchday 4 バイエルン・ミュンヘン対ボルドー

2009 年 11 月 4 日 水曜日

■FC Bayern Munchen 0 – 2 Bordeaux
前節は前節で不思議な選手起用もありましたが、今節はミュラーの退場もあってプラニッチが先発出場で、左のサイドアタッカーとして出場しています。シーズン開幕前に何度か見たポジションなんですが、お世辞にも個人の突破力があるわけではなく、サイドを深くえぐる動きに特徴があるわけでもない。前の対戦では途中投入で効果的な働きをしましたが、ファン・ハールの選手交代によって輝きを失ってしまいましたから、完全に通用するのかを判断することも出来なかった。他にもヴァン・ブイテンを欠き、デミケリスが復帰したとはいえ戻ってきたばかりの彼に任せなければならないのも酷な話。

開始早々にクローゼへとボールが収まり、ラームがオーバーラップから相手サイドバックの裏を突いたのはいい形でした。アーリークロスではなく、深くまで入ってクロス。シュツットガルト戦の後半でようやく改善された形が見えた。が、それが見られたのはその一本ぐらいでした。ボルドーがすぐに守備の修正をして、ファン・ボメルは緩やかに囲われ、ティモシュチュクやシュバインシュタイガーへ対しても縦のコースを主に切って横パスを出させる守り方に変えられてしまいました。お陰で出足こそよかった攻撃が一気に停滞しまい、縦へのコースを切られてしまったセンターバックは、出しどころを失ってしまいサイドバックへ預けて展開を願うようになる。
こうなると、プラニッチにはサイドにいてボールを引き出す役割をしてもらいたかったんですが、中央の停滞に合わせてボールを受けるために中央へとポジションを移し始めてしまった。ブラーフハイトが高い位置に出ようとする動きもあったんですが、サイドバックが上がるためには最低限ボールを展開する場所がディフェンスラインではなく、もう一列前で安定してキープできるようにならなければならない。でもそこでキープできていないわけで、プラニッチが高い位置に開いて相手のゾーンを開かせるとか、まず一歩目の収め所として機能し、全体を押し上げてマークをずらしていく役割を担って欲しかったんですが、それをしようとしなかった。中に入って変化がつけられるほど視野が広くなく、体も強くなく、キープ力もないのにそれをしようとする。結果は前を塞がれてバックパスをセンターバックに戻すばかりで、余計に停滞する要因となっていました。
サイドでボールを受けたときには全体が既に上がり気味になっているか、ブラーフハイトとポジションが被ってしまっているかのどちらかで、チームが苦しいときに必要な動きが出来ないのでは厳しいですね。
守備ではブラーフハイトが不用意に前へチェックに出てきてしまう裏をよくカバーしていましたが、攻撃に回ったときにもプラニッチはブラーフハイトが上がった裏をカバーするために下がってしまい、バランスを取ろうとしているのか、攻めるための一歩目になりたいのかはっきりしない。どういった役割を命じられているのかは知らないんですが、どちらにしろ消極的なパスと動きが目立ったのは確か。

全体でいえば、執拗なまでのアーリークロスは減りましたが、この試合はブラーフハイトもプラニッチも中に入りたがり、ラームは上がってくる機会を殆ど得られなかった。トニやクローゼがサイドへ流れる場面があるものの、中央へ攻撃が偏りがちで、ボールを持った後の選択肢が縦ではなく、後ろであったり中であるのが、より偏らせていて、ボルドーはサイドに人員を割かなくとも、中央にフォワードの回りに人を配しておけば引っかけることが出来るようにしてしまっていた。単独での突破はなく、いったん中央へ預けてからワンツー、そして裏へというパターンでしかサイドを深くえぐることなど出来ないわけで、支配率はバイエルンの方が高い前半でしたが、その殆どが有効なパスではなく消極的なパスによるもので、ボルドーの守備が主導権を握っていたと言ってもいいのではないでしょうか。

バイエルンは前半は繋げない、多くミスをしながらもショートパスにある程度拘りを持ってプレイしていました。主導権を握ろうとしているのか、アーリークロス連発から脱却しようとした代償なのか、どれでなくても構わないんですが、それは抑えられて徒労に終わった。後半からはロングボール主体に変え、センターバックからでもフィードを狙うようになったのは好材料で、成果の上がらない横パスから網にかかりに行くことを辞めたのは見ていても妥当な判断だと思えたのですが、それをするのなら何故クローゼを下げたのか。
フィードをトニが落として、ロッベンや、ファン・ボメルが拾えればいい。つまりはフランクフルト戦で見せたようなパワープレイを開始したのならばもう一枚の高さがあるべきで、ヴァン・ブイテンを前へ持ってくる芸当はこの試合は出来ませんから余計に前から高さを削ったのは理解できない。フォワードの近くに選手を置いておくことが重要な戦い方ですからなおさらですね。
トニが収める能力に関しては疑いようのないもので、よく落とし、よく収め、攻撃の起点となり、中盤の飛び出しを出来るだけの時間を稼いでいました。お陰で後方でのパス回しとバックパスが減り、前へボールが出るようになり、ボルドーの攻撃へ移るポイントを消せた。ボールを持って縦へと向かう意識も出ましたし、ラームもブラーフハイトもある程度勝負し始めた。
今度は勝負をし始めるとそのサポートの無さが目立つようになり、特にロッベンが右サイドをえぐればえぐるほど孤立してしまうのは残念な状況でした。中に入っていくならトニや途中から投入されたマリオ・ゴメスらと連携できていましたが、右サイドをえぐってもラームが上がってこず、戻すポイントもなく、左足のコースを切られて正確なクロスを上げられない。

マリオ・ゴメスを投入したのはロングボールがある程度成功して相手を押し込めることが確認できたからなのでしょうが、できることなら高さのある二人をディフェンスラインの前でプレイさせるのではなく、後半開始直後や60分過ぎにあったマリオ・ゴメスの抜け出し等で効果的だった裏への抜け出しをセットにして行わないのか。すべてディフェンスラインの前で受けて、そこからどうするか。受ける動きと同時に裏へ抜ける動きをする選手とセットにして、二つの選択肢を作るのではなく、受ける一方しかない。ボルドーの守りを楽にする方法ばかりを前半から選び続けて、チャンスは作っていましたが、チャンス止まりで得点の匂いはしなかった。

守備に関してはボルドーの攻め方もあって特に書くべき事はないかもしれない。ブットは最初の失点でもミスをしましたが、あれは前節に対戦したときにセットプレイから狙ってこられたことを理解しつつ対応策をとらなかった事も影響していそうですし、彼一人の責任ではない。最後の飛び出しをミスしたのも、バドシュトゥバーは絶対に気を抜いて当たり負けをしてはいけない場面だった。ブットはお粗末でミスはミス、ですけどね。

それにしても最後にユベントスとの直接対決を残しているとはいえ、この体たらく。リーグ戦の内容も結果も、就任決定からの懸念通りで驚きは一つも無し。ブンデスリーガ全体のレベルが落ちてしまっているからこそ何とかやれて居る印象を国内では”多少”持てていますが、欧州の舞台に立てばこんなもの。

さて、これでファン・ハールが解任されればいいんですが、それをしない、手遅れになってから踏み切るのがバイエルン・ミュンヘンでしょう。アリアンツ・アレナの観客もまだまだ暖かい対応をしてしまっていますし、このままならとことんまで落ちましょう。

Bundesliga 11. Spieltag VfBシュツットガルト対バイエルン・ミュンヘン

2009 年 11 月 2 日 月曜日

■VfB Stuttgart 0 – 0 FC Bayern Munchen
バイエルン・ミュンヘンにはがっかりすることが多かったんですが、DFB Pokalは連戦になっていたものの問題なく勝っていて一安心。ブンデスリーガは未だに不調ですが、それは対戦したシュツットガルトも同じ、あるいはそれよりも悪い状況ですね。

バイエルンはクローゼとシュバインシュタイガーを中心にフォアチェックから入りました。マリオ・ゴメスはチェックには参加していないものの、後方の選手は前の守備と連動して、限定されたコースへ入り抑えられているようです。きっちりと人についてパスコースの限定をして時間を使いながら構築していくのを許していない。この辺は改善されたように見えたんですが、ドリブルに対してチェックに行かないのは相変わらず。オソリオのコントロール下にあるとはいえ、ドリブルに対して誰もチェックに行かず、リトリートで引いて守るだけで、十分に数的有利を作っていてもずるずると下がってしまうのだから、改善された中盤の守備も徐々に減っていくのは当たり前ですね。
さらにドリブルに対して下がりがちなのに、中盤の底がそれに合わせて下がらないため、ディフェンスラインが対応して、一つずらされただけでミドルシュートやクロスを入れられる環境になってしまう。フレブにしても、マリカにしても同じ事で、簡単に彼らに押し下げられて、深い位置への進入を許している。ディフェンスラインが直接守備に関与しない位置ならば、前で奪い、そのまま攻撃に移ることが出来るんですが、ワイドに使われているわけではなく、サイドバックの横を使われている訳でもない。踏ん張れば、ラインを押し留められる位置で裏を積極的に狙われていない段階でその状態は頂けない。ヒルバートもよくやっていましたが、オソリオが序盤によく仕掛けられていただけに負傷で居なくなったのは不運でした。

この日のバイエルンは、いつもなら停滞しがちなセンターバックから前への展開をシュツットガルトに邪魔されず、スムーズに前へボールを回せていましたし、サイドバックも高い位置を保ち、ボールの収めどころとしても機能していました。お陰で、高さ勝負を挑むような縦のフィードを連発する事態にはなりませんでしたし、サイドチェンジをする余裕もあった。にもかかわらず、サイドの高い位置でボールを受けてもドリブルで勝負を仕掛けたり、サイドから中へ進入できるだけの要素があるのに、縦へ少し進みクロスを上げるばかり。消極的なアーリークロス連発は無駄だとしか思えず、相手が不調のシュツットガルトでなければ、またパワープレイを繰り返す羽目になっていたかもしれません。
シュツットガルトは何故か単調なアーリークロスを嫌がりすぎて、どんどんと守備組織を後方へ下げ過ぎていました。裏へ抜けられる動きを嫌ったようですが、オフサイドを取りづらいとはいえ、決まった対処をすれば何とか防げる。それなのに中盤の前に大きなスペースを与えてしまって、フリーのままミドルシュートを打つ余裕を与えるほど、中盤とディフェンスラインが、ペナルティエリアに集まってました。
一度防いだ後にきっちりと押し上げて前線との距離を縮めたり、各選手間の距離を元に戻せればよかったんですが、それができず、縦のフィードでマリカらにヴァン・ブイテンやバドシュトゥバーと競らせてしまうばかり。下がりがちなバイエルンの守備の弱点を突いて、押し下げてしまえばバイエルンの攻撃も減るのに、そういった手も打ってこない。実際に狙っているのは、裏へ抜ける動きに対してセットになって下がり続けるバイエルンの裏。それを狙えば中盤との間に、広大なスペースを作ることが出来、そこへいったん収めてから展開を狙えば、ミドルシュートだって安定して打てるのに。見ていて不思議なほどですね。

両者共にアーリークロスやフィードが増えて、それに頼っている部分があって、お粗末な限り。
後半は、シュツットガルトが下がりすぎていたディフェンスラインを高く保つようチャレンジしている部分がありましたが、抜け出そうとする選手を無理矢理オフサイドトラップで対応してみたり、ギャンブルのようにも見えて、徐々に下がるばかりの守備に戻っていました。そして前後の分離はそのまま続き、改善は見られないままでした。前へ向かっていく気持ちや戦う気持ちは見られましたが、失点を恐れるあまり下がりすぎてしまい、それが攻撃にも悪影響を与えている。攻撃もよくはありませんが、守備よりはマシでしょう。

バイエルンはより明確に後半は改善されていて、前半にあったプレッシングはなくなってしまいましたが、サイドバックの位置が下がり、その分フォワードが流れていく意識を持ったようでした。収めどころとしてはミュラーが特にサイドで受けるようになり、より高い位置でサイドバックの連動などが出来るようになり、最も大きな要素は、深い位置にまで入る意識を持ったことでしょう。それまで単純に上げられ続けていたクロスは減り、パスだけでなく、ドリブルで仕掛けて深い位置にまで入り込みクロス。右のラームがそれまで単純にクロスを上げていた位置からフェイクを入れて中へのカットインもするようになった。変化をつけて、中の人数を増やし、ギャップを作り、フォワードをフリーにもする。あと一歩のコントロールやパスが出れば、という感じでした。明らかに前半よりは可能性の感じる攻撃になり、いいものでしたね。

とはいえ、ブンデスリーガの上位にいるべき二つのクラブがこの内容ではまったく駄目。改善されたとはいえ、バイエルンは、まだ偶然の得点か、強引な手法以外で得点を取れる気がしませんし、守備も課題がいっぱい。

Liga Espanola Jornadas 9. レアル・マドリー対ヘタフェ

2009 年 11 月 1 日 日曜日

■Real Madrid 2 – 0 Getafe
レアル・マドリーの出足は相変わらずの鈍さで、ここの所の不調を反映しているかのように足が動いていませんでした。お陰で上手くボールが回せず、フォワードへボールを入れてもそこから前へ運ぶのにも苦労するほど連動した動きが出来ておらず、パスに頼りながらパスが出せない状況にあるようでした。スピードアップできず、縦のパスを入れて勝負を決められるシャビ・アロンソがバックパスや横へのパスを出すだけで、動くフォワードの先にボールを出せない、落とせていないのが、それを顕著に表しているようでした。
カカがボールを持っても裏へ誰も動き出さない。セルヒオ・ラモスが後方から上がっても右サイドを上がるだけで得点には直結せず、もう一人の動きを必要とするわけですから厳しい。ボールを持っている選手がフリーでも前へ動き出さず、飛び出しもしない事が多く、ボールを追い越していく選手が少ない。特に中央での動きに乏しいのが残念な要素で、サイドでは突破する動きもあるんですが、ポストプレイもないので、預けどころに苦労をしている。
唯一前線が連動して動く場面は、ヘタフェが攻め込んでいて全体が前がかりになっているところへカウンターへ繋がるパスが出た瞬間だけ。カカが猛スピードで追い上げ、前線に残っているベンゼマとイグアインの二人が勝負をかける動きをする。さらに後方からの押し上げがあれば分厚いカウンターになるんですが、それがなかなか見えない。三人がスピードがあり、カウンターの中で追い越すのが難しいのもあんですが、無駄でももうちょっとカウンターに後方が参加をする意図を持っていれば、相手に与えるプレッシャーはより大きくなって前に出てこさせなくする効果が出てくるのでは、と思ってしまいます。

守備に関しては、ファーストチェックに向かうラサナ・ディアラは復帰していい影響をチームに与えそうでした。ただ、彼が前後を繋ぐ動きをしても連動して上下動をしてくれる選手がセルヒオ・ラモスぐらいなものですから、ラサナ・ディアラはフォアチェックからボールを奪いに向かうんですが、局面では多少寄せてくれる選手が居たとしても、個人で動いているだけで、残りのスペースを連動して防げていない。限定したパスコースや精度を落としたパスが出る可能性の所は歩いている。だからラサナ・ディアラが前へ出たあとに出来るスペースを利用されてしまう。タイプが違いますからシャビ・アロンソにケアしてもらうように願うのは無理がある。攻撃の時も繋ぎの位置に参加して、スペースへ進出してボールを受ける、多くボールに触れる、というのは役割が相変わらず逆なように思えて仕方がありません。

時間の経過と共に徐々にマドリーの攻撃がドリブルを中心に良くなってきたましたが、それはヘタフェが攻撃にかかる人数を多くしているために、残っているのがディフェンスラインのみであることが多いためスペースが利用できる状態にあるから。ピボーテの一枚が残っていることがあるものの、抑えるには不向きなほどに不用意に前へ行ってしまうため、フォワードへボールが収まったときに対応できるのがセンターバックのみであることが多い。イグアインとベンゼマの二枚の対応と、上がってきた選手へ三枚で対応するのがやっとだ。同数になってしまうと誰もカバーに行けず、本来ならボアテングがバランスを取ってカウンターへ対処しつつ、攻撃のケアもしたいところなんですが、彼の裏を使われ続けたのを見る限りそれは酷な要求のようです。
そういった状況が多くなってからマドリーの守備が勢いを増しましたね。それまでは誰か一人だけが向かうのみだったものが、ゆったりとしたものでありながらも多くの選手が前へ、ボールへと意識を持って向かい始め、少しは囲い込めるようになった。前向きな守備をすることで、攻撃に移ったときにも前へ向かいながらスタートするためスムーズに上がりやすくなった。攻守の切り替えが早くなった。

ヘタフェの守備がセンターバックに負担がかかっているのと同様に、マドリーの守備もソルダードに対して対応するのは、センターバックのアルビオル、ペペのみ。中央に入ってくる選手が多くてもそれに対応するのはセンターバックであることが多く、カバーはなく、フォワードにまでボールを出させてしまえば、誰もチェック&カバーが出来ない。そのため窮屈な守備を強いられるわけで、アルビオルが退場になった場面はその形ですね。実際にあのファウルがレッドカードに相当するとは思えないんですが、とにかく対応を一人に押しつけているからこそ、あのようにピンチに見える場面が出てしまう。誰にもプレッシャーがかかっていない場面ならなおさら中盤はただフラットにするだけではなく、前後のどちらかに動くべきでした。
カードの選択を審判が誤ったせいで、試合が荒れるかと思うほどの執拗な抗議もありましたが、結果的にはこれがマドリーにプラスに働いたのは間違いないでしょう。前半の残りの時間は、それまでのサボるように歩いていた選手たちが嘘のように、運動量を増やしていました。活発さが無かった攻撃は、積極的に追い越し、相手へと向かっていくようになりましたし、詰まっているところに体を張りながら攻めることもするようになった。守備でも普段は行かないようなタイミングで奪いにいったり、スピードに乗ったまま当たるなど、リトリートしがちだった守備が嘘のようです。勢いに当てられてヘタフェは苦労し、ミスが多くなり、余計にマドリーペースにしていました。
ただ、あのまま後半も続けていれば間違いなく失速していたでしょうし、何処かを突かれてカウンターから失点することもあったのかもしれません。ハーフタイムに修正が出来て冷静に戻れたのは監督の手腕なんでしょうね。ただ残念なことに攻守両面で増加していた運動量が再び落ちてしまい、体を張って当たりに行って奪うとか、スライディングしてカットするとか、前へ向かいながらの守備ではなく、リトリートを中心に、コースを防ぐ、抜かれないことをメインにした平面の守備に戻ってしまったのはがっかりでした。ドリブルに対してずるずると下がってしまうようになり、数的不利がそのまま出るようになった。守備の人数は揃っているが、前で抑えられない。主導権を相手に渡すものでした。

幸いだったのは得点はヘタフェが前半から守備の修正が出来なかったことでしょう。サイドから攻めてくる相手に寄せていっているものの、中に入ってくる選手にはセンターバックしか対応できる位置にいなかった。本来であれば、ピボーテが挟み、センターバックでカバーしたいんですが、裏へ抜けようと動く選手に対してそれは難しく、あの位置でアーリークロスであれば、左サイドバックのマネが中へ絞って挟み込むべきだった。これが出来ないのがこの試合ずっと続いていて、利用されての点。
二点目もそうでしたね。高い位置でラサナ・ディアラが奪ったからこそだとはいえ、センターバックしかおらず、ピボーテもサイドバックも居なくなっていた。両サイド共に居なくなるのは問題で、失点から攻撃に出なければならない立場にあったとはいえ、一人少ないマドリー相手に同数であったり、数的不利であるべきではないんです。何よりもまず、ピボーテがミスをしてはいけない状況にありながら、不用意に奪われたりパスミスをするのがその後も続いたわけで、ここの危機意識が足りてません。

二つの得点のお陰でレアル・マドリーは前へ向かう守備から前へ向かう姿勢を出さなくてもよくなり、ゆったりと守って、カウンターを中心に攻めれば良くなった。ヘタフェに攻めさせ、スピードのあるカカとイグアインの二人が裏を狙い仕掛けるだけ。ラウールやファン・デル・ファールトに変わっても大きく変化する部分ではなく、それを継続していくだけでいい。センターバックに対応が一任されていた部分も、ガゴが交代で入って下がってスペースを埋められるだけの人数になったことで負担は減り、サイドバックも上がらなくてよくなったため安定した。4バックの前に3人と、上がっていった選手のスペースを埋められるだけの人数になりましたしね。ヘタフェが突き崩せるような人数ではないので、そこで終わりでした。

Liga Espanola Jornadas 9. オサスナ対バルセロナ

2009 年 11 月 1 日 日曜日

■Osasuna 1 – 1 FC Barcelona
国王杯ではジェフレンが務めた右サイドバックの部分は、プジョルが復帰をして務めていますね。それ以外のメンバーでも国王杯を休んだ選手を中心としていて、ケイタは出ずっぱりというぐらいでしょうか。

オサスナは連動したプレッシングを行ってきて、ボールを持っている選手を片っ端から囲んでいく。バルサと対戦するクラブが多くするようなセンターバックやアンカーへのプレスを中心としたものではなく、ボールを受けるあらゆる選手を囲い込めるだけの距離感を保っていて、積極的に囲い込む。集中したいい守備でした。バルサは後方でボールを回す危害かそれによって増えてしまったんですが、序盤は特にそこでもゆっくり回させることもさせてもらえず、サイドバックから窮屈な縦の展開を強いられていました。ただ、この日は右のプジョルが後方へ下げるパスを中心としたものではなく、縦へ出しやすい環境をある程度作ってもらっていたお陰で何とか凌げていた印象がありますね。それと判断力が鈍っているときのような、パスの出しどころや戻ってくる選手を見つけられずに延々と出すパスではなかったのも多少は好材料でした。

それでもショートパスで構築していくにはあまりにもオサスナが的確で勢いに乗った守備をしてきて難しく、突破力のないサイドバック二枚では苦しさが見える部分もありました。ショートパスで時間を稼ぎながら構築できないため、前節のようにイブラヒモビッチがサイドへ流れて受け、展開する形は作れず、中央で浮き球をヘディングで落とす作業が中心となってしまっていました。こぼれ球を拾えるわけでもなく、ポジションチェンジをしてケイタが上がっていくことも出来ず、窮屈で持ち味を行かせられていませんでしたが、ケイタとイニエスタのポジションチェンジはスムーズでした。他にもセルヒオ・ブスケツはこの試合はしっかりと抑えていた。後方のスペースをあまり作ってしまわず、センターバックが上がった後にはしっかりと穴を埋めている。カウンターをさせないように一歩目の部分はフォアチェックで受け止め、安定している様は昨季終盤のようでした。

オサスナの攻撃に対処できていなかったのはチグリンスキでしたね。特にファンフランのスピードにはついて行けておらず、ファウルもしましたしクロスを上げられる要因にもなった。アビダルにしても勢いに乗ったドリブルには苦労させられていたわけで、それ以外にも全体がセカンドボールに対しても寄せが早く、構築させない。一対一での勝負を守備でも攻撃もしている。奪った直後に勢いに乗ったまま追い越しながらカウンターをしてく、その勢いを止められなかった部分がある時間にはありました。
そういったこともあって、バルサは後方で回す苦しさがあったんですが、それを解消するためになんとかバックラインで回していても位置を押し上げ、ハーフウェーラインのところまで持って行く。それをすることでコンパクトに保ち、プレッシングの前へ向かう勢いを殺してしまい、足を止めさせる効果があったのかもしれません。相手を押し下げていき、回して自分たちの動く距離を減らしつつ、ポジションを変更しながらポゼッションを高めていく。
イブラヒモビッチがサイドに流れるプレイをさせてもらえないのもあって、後半からはケイタが飛び出したり、シャビが飛び出して、早い段階でサイドの裏側を利用することが出来つつあるようになった。そしてワイドに開けるようになり、サイドチェンジもするようになる。イブラヒモビッチへ浮き球を中心としていたものを足下へ切り替え、より持ち味を活かせるようにもなりましたし、シャビとイニエスタが下がる機会の多さからメッシが中央に入り、距離が近づいたのもある。
一連の動きが、積極的に裏を狙う姿勢が相手を押し下げ、プレッシングを弱めたようです。もちろん疲労による運動量の減少もあるんでしょうけど、イブラヒモビッチが流れるだけの余裕を生む結果になり、そしてゴールのきっかけにもなった。その後はより楽にサイドに流れて、まず足下に納めて展開するようになった。このサイドに起点を移したことで一歩目を安定して納めやすく、中央に移ったときにもマークを若干ずらして、足下に受けやすくしている効果がありましたね。

後半はバルサの囲い込みが早く、オサスナはボールを追い越していく選手が無くなってきた。前へ向かいながらボールを奪えなくなったことで、その勢いのまま攻めることが出来なくなった。その分、フォワードの交代を多く入れて、前へ向かいながら上がっていけないが、最初から前へ人数を置いておくことで勢いを出すようになった。奪う位置が低く、押し込まれていて、バックパスをさせられているが、前に人数を置いておくことで、バルサの後方の選手が一切オーバーラップできなくなり、厚みのない攻撃で幾つかあったチャンスも決めきれないようにした。メッシのシュートに関しても他に選択肢がないからこそ、防げていたわけで、守備の部分にも活かされた交代だったのかもしれません。

それにしてもまさか最後の最後でオウンゴールで同点に追いつかれて終了するとは。あまりにも勿体なくお粗末な勝ち点の失い方でした。マルケスがあっさりとかわされるあの悪い癖が出て、読みに頼ってしまった。彼だけに全ての責任があるわけではなく、全体の動きも悪く、守備に回った時に大量に投入された攻撃の選手に集中するあまり、足が止まっていて一歩目を遅らせることすら出来なくなり、引いて守りスピードに乗らせてしまった。

オサスナは素晴らしいチームでしたが、あそこで勝ち点を落とすべきではなかった。
頭を抱えて溜め息をつくのが精一杯。何と情けない。