■Athletic Bilbao 1 – 1 FC Barcelona
バルサとしては日程が詰まっている中で様々な問題を抱えてしまったために、状態は非常に悪かったですね。新型インフルエンザに感染してしまった選手もいれば怪我で出場できない選手もいる。アンリはアイルランド戦の影響があってまったく状態が整っておらず、この試合の後はグループリーグ突破の鍵を握るチャンピオンズリーグの試合もある。その後にはクラシコと日程が詰まっている。もちろん、この試合に全力を尽くしているのは間違いないとしても、先を不安にさせる要素にもなっています。
序盤は前へ向かう意識の強いビルバオに押し込まれてセットプレイが連続していましたが、その要因を作ったのはジョレンテでしょう。特にその一つの流れが終わるまではジョレンテへの対応をセンターバックが行っていることが影響しているようでした。一本のパスを最終ラインで対応しなければならないため、中央に寄せてケアをする必要があり、その後の左右への展開に対して一歩遅れてしまい、クロスを多く入れられた。しばらくしてセルヒオ・ブスケツが対応に下がり、ジョレンテへまず預けるボールへ対応するようになりましたが、体の使い方やボールの置き方にすぐには対応せずに簡単にやられてしまっていましたね。
ビルバオの攻撃は、始めから最後までサイドを徹底して攻撃し、そこからクロスを上げて得点を狙うものではなく、まず中央へとボールを預けた後にサイドへの展開がメインになっている。中央で安定して受けられ、サイドに開いた中盤へ出したとしても、それが中への薄さを加速させてしまうことに繋がっていて、クロスが精度の高さがないこともあるんですが、人数が足りないため、より難しい攻撃になっていてビルバオには得点の匂いはあまりありませんでした。
ビルバオは中盤中央を固めていて、特にバルセロナのフォワードが薄く、前に張っている選手がいないため、よりその要素が強く見えていました。ディフェンスラインと戦ってボールを受けようとせず、受けに下がる傾向が強いため、ピボーテの部分に余裕があり前へ向かう守備をしても後方の心配をしなくても済む。前へ向かう守備から、繋ぎの一歩目になるブスケツやシャビの所へ圧力をかけに向かえるのもありますし、サイドに開いた選手に対しても、前を塞ぎ横のコースを切ることが出来、奇妙なほど中盤にきっちりと構築された守備が出現していました。
だからこそ、一度メッシがディフェンスラインと戦い、入り込み、裏へ抜け出すプレイを見せたお陰で、それまでの構築された方法から少しビルバオに迷いが生じるようになり、後方にさがるようになった。中盤に構成されていた守備を押し下げたり、スペースを生み出せる効果がありましたね。そこからはある程度押し下げられた結果、ペナルティエリア近くに選手を下げさせておき、自分たちの支配下に置けるようにもなりましたし、安定してボールを回せるようになり、人数もかけられるようになった。ただし、ビルバオも人数をかけて守れる環境になってしまうわけで、カウンターにかかる人数を減らし、バルサは守備の労力を減らせましたが、裏へ抜ける動きをする選手が少ないこともあって、飽和状態の所へ飛び込むことになり、足下に納めるボールに関してはあっという間に囲い込み当たられ奪われてしまう。
そういったときにサイドを大きく開いて利用したり、サイドバックの上がりを効果的に使っていきたいところなんですが、右も左も攻撃的なサイドバックを有しながら、サイドのキープから追い越していく姿が見られませんでした。サイドバックの意識の問題ではなく、上がっていくスペースが存在しないのも理由の一つのようです。左はイニエスタが中に入っていたときは多くスペースがあり、マクスウェルの名前を何度か聞けましたが、途中から左に張り気味になってしまったことで、同じく流れて起点となる動きをしていたケイタが左にいることで、二枚の選手に対してマークが相当数ついてしまう。アビダルであればオーバーラップを期待できないためにそのやり方で問題ないとしても、マクスウェルの持ち味であるドリブルのスピードも、スペースも消してしまっている。右はフリーで受けられる環境を多く作っているんですが、右へ出すパスコースを切られていることが多いため、ペドロだけは右にいられても、後方から上がるタイミングがない。また、ペドロが受けられても、彼のキープ力には問題があるため、ダニエウ・アウベスが上がっていけないことも多いですし、何よりもペドロがサイドにいすぎていて、ダニエウ・アウベスが上がって追い越していくスペースを作れていないのも大きい。
後半から右サイドを空けて、ダニエウ・アウベスの上がるスペースを用意するようになりましたが、左は最後まで追い越していくスペースは用意できないままでした。右も完全に修正できていたとは言えないまでも、ダニエウ・アウベスを上がらせることには成功しましたし、得点の飛び出しにも繋がった。
左は起点となる動きに徹したとしても、中央で戦う選手がおらず、クロスも効果的ではない。シャビが頻繁に飛び出しを行っていましたが、左からの展開であればケイタが飛び出していけないために高さがない。メッシも受ける動きが少なく、全くキレがなかった。こうなると右のペドロが状況に合わせて中へ入り、クロスに対応するとか、中への人数を増やしてパスコースを維持するなどのポジショニングを柔軟に行って欲しいんですが、右に張りっぱなしのままでまだその部分の修正は出来ていないまま。状況を読んで中に入れば、右のスペースが出来て、ダニエウ・アウベスが上がりやすくもなるわけで、右からのキープが出来ない環境では、それをしてもらわなければ全体が滞ってしまう。
他にも一点止まりで追加点を奪えなかったのは、ディフェンスラインの前でプレイする選手が少なかったのもあるでしょう。高い位置で奪ってカウンターを狙えれば必然的にそのエリアでプレイするようになるためチャンスになりますが、奪えない場合はそこへ選手自らの意志で入っていかなければならない。特に裏を狙う動きを盛んにしていたボヤンが入ってからは、より強くそこでプレイしなければならなかった。相手のディフェンスラインの前、中盤の後ろのスペースをビルバオは消していましたが、利用するチャンスはあった。長距離のパスでは裏へ精度の高いパスを出せなくとも、そこに入り込むことが出来ていれば、ボヤンへ決定的なパスを出せていたかもしれない。今日の環境では難しいことでしたが。
ビルバオの動きはトケーロが入ったことが全てでしたね。中央からサイド、それから中央へ、という流れを主にしているビルバオの攻撃で、中の人数が足りておらずチャンスになりきらなかった部分がありましたが、トケーロのお陰で縦の最初のボールの際に勝負することも出来るようになった。お陰で前への勢いも復活しましたし、ジョレンテへボールが出された後のこぼれ球へも勝負が出来るようになった。得点もその形でしたね。フィードに対してセンターバックが直接対応に入らなければならない弱点が直接で多用なもので、トケーロに裏を狙われてやられた。それまでも裏へ抜ける動きに関しては、ディフェンダーが付いていって守るのではなく、裏へ出るボールへ何とか足を伸ばしてカットして防いでいるだけで、裏へのケアが十分だとは言えなかった。
代表戦後の試合では毎度のこととはいえ、内容がよくないですね。
やるべき形というか、やっている形が何も見えてこないというか。