Liga Espanola Jornadas 9. レアル・マドリー対ヘタフェ

■Real Madrid 2 – 0 Getafe
レアル・マドリーの出足は相変わらずの鈍さで、ここの所の不調を反映しているかのように足が動いていませんでした。お陰で上手くボールが回せず、フォワードへボールを入れてもそこから前へ運ぶのにも苦労するほど連動した動きが出来ておらず、パスに頼りながらパスが出せない状況にあるようでした。スピードアップできず、縦のパスを入れて勝負を決められるシャビ・アロンソがバックパスや横へのパスを出すだけで、動くフォワードの先にボールを出せない、落とせていないのが、それを顕著に表しているようでした。
カカがボールを持っても裏へ誰も動き出さない。セルヒオ・ラモスが後方から上がっても右サイドを上がるだけで得点には直結せず、もう一人の動きを必要とするわけですから厳しい。ボールを持っている選手がフリーでも前へ動き出さず、飛び出しもしない事が多く、ボールを追い越していく選手が少ない。特に中央での動きに乏しいのが残念な要素で、サイドでは突破する動きもあるんですが、ポストプレイもないので、預けどころに苦労をしている。
唯一前線が連動して動く場面は、ヘタフェが攻め込んでいて全体が前がかりになっているところへカウンターへ繋がるパスが出た瞬間だけ。カカが猛スピードで追い上げ、前線に残っているベンゼマとイグアインの二人が勝負をかける動きをする。さらに後方からの押し上げがあれば分厚いカウンターになるんですが、それがなかなか見えない。三人がスピードがあり、カウンターの中で追い越すのが難しいのもあんですが、無駄でももうちょっとカウンターに後方が参加をする意図を持っていれば、相手に与えるプレッシャーはより大きくなって前に出てこさせなくする効果が出てくるのでは、と思ってしまいます。

守備に関しては、ファーストチェックに向かうラサナ・ディアラは復帰していい影響をチームに与えそうでした。ただ、彼が前後を繋ぐ動きをしても連動して上下動をしてくれる選手がセルヒオ・ラモスぐらいなものですから、ラサナ・ディアラはフォアチェックからボールを奪いに向かうんですが、局面では多少寄せてくれる選手が居たとしても、個人で動いているだけで、残りのスペースを連動して防げていない。限定したパスコースや精度を落としたパスが出る可能性の所は歩いている。だからラサナ・ディアラが前へ出たあとに出来るスペースを利用されてしまう。タイプが違いますからシャビ・アロンソにケアしてもらうように願うのは無理がある。攻撃の時も繋ぎの位置に参加して、スペースへ進出してボールを受ける、多くボールに触れる、というのは役割が相変わらず逆なように思えて仕方がありません。

時間の経過と共に徐々にマドリーの攻撃がドリブルを中心に良くなってきたましたが、それはヘタフェが攻撃にかかる人数を多くしているために、残っているのがディフェンスラインのみであることが多いためスペースが利用できる状態にあるから。ピボーテの一枚が残っていることがあるものの、抑えるには不向きなほどに不用意に前へ行ってしまうため、フォワードへボールが収まったときに対応できるのがセンターバックのみであることが多い。イグアインとベンゼマの二枚の対応と、上がってきた選手へ三枚で対応するのがやっとだ。同数になってしまうと誰もカバーに行けず、本来ならボアテングがバランスを取ってカウンターへ対処しつつ、攻撃のケアもしたいところなんですが、彼の裏を使われ続けたのを見る限りそれは酷な要求のようです。
そういった状況が多くなってからマドリーの守備が勢いを増しましたね。それまでは誰か一人だけが向かうのみだったものが、ゆったりとしたものでありながらも多くの選手が前へ、ボールへと意識を持って向かい始め、少しは囲い込めるようになった。前向きな守備をすることで、攻撃に移ったときにも前へ向かいながらスタートするためスムーズに上がりやすくなった。攻守の切り替えが早くなった。

ヘタフェの守備がセンターバックに負担がかかっているのと同様に、マドリーの守備もソルダードに対して対応するのは、センターバックのアルビオル、ペペのみ。中央に入ってくる選手が多くてもそれに対応するのはセンターバックであることが多く、カバーはなく、フォワードにまでボールを出させてしまえば、誰もチェック&カバーが出来ない。そのため窮屈な守備を強いられるわけで、アルビオルが退場になった場面はその形ですね。実際にあのファウルがレッドカードに相当するとは思えないんですが、とにかく対応を一人に押しつけているからこそ、あのようにピンチに見える場面が出てしまう。誰にもプレッシャーがかかっていない場面ならなおさら中盤はただフラットにするだけではなく、前後のどちらかに動くべきでした。
カードの選択を審判が誤ったせいで、試合が荒れるかと思うほどの執拗な抗議もありましたが、結果的にはこれがマドリーにプラスに働いたのは間違いないでしょう。前半の残りの時間は、それまでのサボるように歩いていた選手たちが嘘のように、運動量を増やしていました。活発さが無かった攻撃は、積極的に追い越し、相手へと向かっていくようになりましたし、詰まっているところに体を張りながら攻めることもするようになった。守備でも普段は行かないようなタイミングで奪いにいったり、スピードに乗ったまま当たるなど、リトリートしがちだった守備が嘘のようです。勢いに当てられてヘタフェは苦労し、ミスが多くなり、余計にマドリーペースにしていました。
ただ、あのまま後半も続けていれば間違いなく失速していたでしょうし、何処かを突かれてカウンターから失点することもあったのかもしれません。ハーフタイムに修正が出来て冷静に戻れたのは監督の手腕なんでしょうね。ただ残念なことに攻守両面で増加していた運動量が再び落ちてしまい、体を張って当たりに行って奪うとか、スライディングしてカットするとか、前へ向かいながらの守備ではなく、リトリートを中心に、コースを防ぐ、抜かれないことをメインにした平面の守備に戻ってしまったのはがっかりでした。ドリブルに対してずるずると下がってしまうようになり、数的不利がそのまま出るようになった。守備の人数は揃っているが、前で抑えられない。主導権を相手に渡すものでした。

幸いだったのは得点はヘタフェが前半から守備の修正が出来なかったことでしょう。サイドから攻めてくる相手に寄せていっているものの、中に入ってくる選手にはセンターバックしか対応できる位置にいなかった。本来であれば、ピボーテが挟み、センターバックでカバーしたいんですが、裏へ抜けようと動く選手に対してそれは難しく、あの位置でアーリークロスであれば、左サイドバックのマネが中へ絞って挟み込むべきだった。これが出来ないのがこの試合ずっと続いていて、利用されての点。
二点目もそうでしたね。高い位置でラサナ・ディアラが奪ったからこそだとはいえ、センターバックしかおらず、ピボーテもサイドバックも居なくなっていた。両サイド共に居なくなるのは問題で、失点から攻撃に出なければならない立場にあったとはいえ、一人少ないマドリー相手に同数であったり、数的不利であるべきではないんです。何よりもまず、ピボーテがミスをしてはいけない状況にありながら、不用意に奪われたりパスミスをするのがその後も続いたわけで、ここの危機意識が足りてません。

二つの得点のお陰でレアル・マドリーは前へ向かう守備から前へ向かう姿勢を出さなくてもよくなり、ゆったりと守って、カウンターを中心に攻めれば良くなった。ヘタフェに攻めさせ、スピードのあるカカとイグアインの二人が裏を狙い仕掛けるだけ。ラウールやファン・デル・ファールトに変わっても大きく変化する部分ではなく、それを継続していくだけでいい。センターバックに対応が一任されていた部分も、ガゴが交代で入って下がってスペースを埋められるだけの人数になったことで負担は減り、サイドバックも上がらなくてよくなったため安定した。4バックの前に3人と、上がっていった選手のスペースを埋められるだけの人数になりましたしね。ヘタフェが突き崩せるような人数ではないので、そこで終わりでした。

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