■Hannover 96 0 – 3 FC Bayern Munchen
この試合はバイエルンの改善が多く見られた試合でしたが、それ以上にハノーファーのお粗末さが目についた試合でした。本当にバイエルンの内容が改善されているのかどうか、というのはこの試合では全く判断できませんね。ただ、オリッチのコンディションが戻ってきたお陰で、サイドバックの裏に飛び出してボールを引き出す動きが戻り、早い段階でボールを引き出して構築できるようになったことは好材料ですね。他にもラームの位置が上がってきたこともいい傾向ですが、初期位置からボールを受けて構築していく際に、パスの選択肢が中や前になく、サポートの位置が遠いのも気にかかります。もう少し彼の近くでパスを受けて上げられる選手がいれば、前へ向かう推進力を持って駆け上がれるでしょうし、全体に厚みをもたらしてくれるかもしれませんね。
非常に悪かったハノーファーの守備ですが、特にディフェンスラインがバイエルンのフォワードらの飛び出す動きに釣られて簡単にがたがたになるのはいただけませんでした。先制点を与えた場面は顕著に現れていて、中盤でブロックを形成している場所と、ディフェンスラインの場所があまりにも離れすぎていて、さらに裏側を利用しやすいようにスペースを大きく空けてしまっていた。もちろん前述の動きに釣られてラインは整っていない。ダイレクトでその部分を利用されなかったが、一度ラインを整える際にさらに中盤との距離が広がってしまい、バイタルエリアにバイエルンの選手が誰にもマークに付かれず三人も入り込んでいる。それだけなら得点へと直結しないこともありますが、全員が前を向きながらプレイしており、そこまで余裕を与えてしまっては失点しても当たり前。
受けに戻る選手と、裏へ抜ける動きを同時にされると、両方に選手をつけてしまうのがこの試合のハノーファーの守備で、ただそうするだけでギャップが出来て飛び出すスペースをもらえる。受ける選手をケアするのか、それとも裏へ抜けられるのをケアするのか、どちらかに統一しなければならなかったんですが、まったくその約束事がないかのようでした。
それだけであれば、まだ”あまりに酷い”と表現するほどではないんですが、ハノーファーの守備は全くの約束事を持たないようでした。前線の守備は、バイエルンのセンターバックと中盤との距離が相変わらず大きく空いているところから始まり、チェックをする出もなく、パスコースをカットするわけでもない。ただそこに存在しているだけで、カウンターの起点になるわけでもない。バイエルンの選手がいないのに何をしていたんでしょう。センターバックへプレッシャーをかけてフィードの精度を落としてしまおうとか、中盤へのパスコースを消して前方へ送らせないようにするとか、リトリートして中盤へのマークに付くわけでもない。まったくフォワードの守備は意図が見えません。
中盤の部分も、ディフェンスラインと距離を大きく広げたままバイタルエリアを使わせている。カウンターになったときに積極的に攻撃に参加するため戻りが遅いというのでもなく、攻撃に回っても上がりが遅く、守備に回っても戻りが遅い。チェックも激しくなく、リトリートするディフェンスラインについていけず、繰り返し練習のようにバイエルンのオリッチ、マリオ・ゴメス、ミュラー、プラニッチとバイタルエリアへ入らせていた。そして整わないラインが後方に存在しているのだから、バイエルンがボールを回すことも、裏へパスを出してチャンスを演出することも容易かった。
前半終盤には、バイエルンの運動量が極端に落ちて、縦に崩されてもいなければ横に崩されているわけでもないのに、人数が少しかかっただけで引いて守るようになり、足が思いっきり止まっていました。その部分だけポジションの修正も曖昧で、シュートも何本か打たれましたが、明確に流れを失ったのはその一時期だけ。
それ以外の時間帯では、ハノーファーはコナンがドリブルで再三仕掛けていましたが、孤立した結果ドリブルで仕掛けているだけで、人数の揃ったディフェンスにあっという間に囲まれてボールを奪われるばかり。サイドに流れても同じ事で、サポートがほとんど無いも同然で、守備同様こちらも拙い攻撃でした。
ハンケが入ったことで、体を張ってターゲットになろうとする選手が出てきたことで多少の変化は生まれましたが、限定的な効果しかもたらせませんでした。中央に入り込んでクロスに合わせる場面では、それまでコナンが一人で入っていたところの裏にハンケが入るようになったのは大きく、幾つかシュートまで持っていけていましたし、クロスに精度があればと句点を取れる可能性も多少ありました。クロスに対して毎回きっちりと競り合える位置に入り込んでゴールに向かうポジショニングはいいんですが、決定的なものも一本決められませんでしたし、チームの不出来に引っ張られましたかねぇ。
最後の最後にあった失点もお粗末。スイープするならきっちりとスイーパーらしく振る舞わないといけませんし、そうでないなら突出してはいけません。