2009 年 11 月 のアーカイブ

Bundesliga 14. Spieltag ハノーファー96対バイエルン・ミュンヘン

2009 年 11 月 30 日 月曜日

■Hannover 96 0 – 3 FC Bayern Munchen
この試合はバイエルンの改善が多く見られた試合でしたが、それ以上にハノーファーのお粗末さが目についた試合でした。本当にバイエルンの内容が改善されているのかどうか、というのはこの試合では全く判断できませんね。ただ、オリッチのコンディションが戻ってきたお陰で、サイドバックの裏に飛び出してボールを引き出す動きが戻り、早い段階でボールを引き出して構築できるようになったことは好材料ですね。他にもラームの位置が上がってきたこともいい傾向ですが、初期位置からボールを受けて構築していく際に、パスの選択肢が中や前になく、サポートの位置が遠いのも気にかかります。もう少し彼の近くでパスを受けて上げられる選手がいれば、前へ向かう推進力を持って駆け上がれるでしょうし、全体に厚みをもたらしてくれるかもしれませんね。

非常に悪かったハノーファーの守備ですが、特にディフェンスラインがバイエルンのフォワードらの飛び出す動きに釣られて簡単にがたがたになるのはいただけませんでした。先制点を与えた場面は顕著に現れていて、中盤でブロックを形成している場所と、ディフェンスラインの場所があまりにも離れすぎていて、さらに裏側を利用しやすいようにスペースを大きく空けてしまっていた。もちろん前述の動きに釣られてラインは整っていない。ダイレクトでその部分を利用されなかったが、一度ラインを整える際にさらに中盤との距離が広がってしまい、バイタルエリアにバイエルンの選手が誰にもマークに付かれず三人も入り込んでいる。それだけなら得点へと直結しないこともありますが、全員が前を向きながらプレイしており、そこまで余裕を与えてしまっては失点しても当たり前。
受けに戻る選手と、裏へ抜ける動きを同時にされると、両方に選手をつけてしまうのがこの試合のハノーファーの守備で、ただそうするだけでギャップが出来て飛び出すスペースをもらえる。受ける選手をケアするのか、それとも裏へ抜けられるのをケアするのか、どちらかに統一しなければならなかったんですが、まったくその約束事がないかのようでした。

それだけであれば、まだ”あまりに酷い”と表現するほどではないんですが、ハノーファーの守備は全くの約束事を持たないようでした。前線の守備は、バイエルンのセンターバックと中盤との距離が相変わらず大きく空いているところから始まり、チェックをする出もなく、パスコースをカットするわけでもない。ただそこに存在しているだけで、カウンターの起点になるわけでもない。バイエルンの選手がいないのに何をしていたんでしょう。センターバックへプレッシャーをかけてフィードの精度を落としてしまおうとか、中盤へのパスコースを消して前方へ送らせないようにするとか、リトリートして中盤へのマークに付くわけでもない。まったくフォワードの守備は意図が見えません。
中盤の部分も、ディフェンスラインと距離を大きく広げたままバイタルエリアを使わせている。カウンターになったときに積極的に攻撃に参加するため戻りが遅いというのでもなく、攻撃に回っても上がりが遅く、守備に回っても戻りが遅い。チェックも激しくなく、リトリートするディフェンスラインについていけず、繰り返し練習のようにバイエルンのオリッチ、マリオ・ゴメス、ミュラー、プラニッチとバイタルエリアへ入らせていた。そして整わないラインが後方に存在しているのだから、バイエルンがボールを回すことも、裏へパスを出してチャンスを演出することも容易かった。

前半終盤には、バイエルンの運動量が極端に落ちて、縦に崩されてもいなければ横に崩されているわけでもないのに、人数が少しかかっただけで引いて守るようになり、足が思いっきり止まっていました。その部分だけポジションの修正も曖昧で、シュートも何本か打たれましたが、明確に流れを失ったのはその一時期だけ。
それ以外の時間帯では、ハノーファーはコナンがドリブルで再三仕掛けていましたが、孤立した結果ドリブルで仕掛けているだけで、人数の揃ったディフェンスにあっという間に囲まれてボールを奪われるばかり。サイドに流れても同じ事で、サポートがほとんど無いも同然で、守備同様こちらも拙い攻撃でした。
ハンケが入ったことで、体を張ってターゲットになろうとする選手が出てきたことで多少の変化は生まれましたが、限定的な効果しかもたらせませんでした。中央に入り込んでクロスに合わせる場面では、それまでコナンが一人で入っていたところの裏にハンケが入るようになったのは大きく、幾つかシュートまで持っていけていましたし、クロスに精度があればと句点を取れる可能性も多少ありました。クロスに対して毎回きっちりと競り合える位置に入り込んでゴールに向かうポジショニングはいいんですが、決定的なものも一本決められませんでしたし、チームの不出来に引っ張られましたかねぇ。

最後の最後にあった失点もお粗末。スイープするならきっちりとスイーパーらしく振る舞わないといけませんし、そうでないなら突出してはいけません。

Liga Espanola Jornadas 12. バルセロナ対レアル・マドリー / クラシコ

2009 年 11 月 30 日 月曜日

■FC Barcelona 1 – 0 Real Madrid
観客に押されて積極的なスタートを切ったバルサでしたが、ペースを掴み切れていない序盤こそ相手にミスを誘い、選手に思い通りの戦い方をさせずに勢いを持続できていましたが、徐々に流れはレアル・マドリーへと傾いていっていました。昨季のように守備的な布陣を敷いていないマドリーがディフェンスラインを高く保ち、全体をコンパクトに保とうとしていることが流れを掴む要因の一つになっていました。
昨季はメッシが中央にポジションを移してピボーテの間を利用することで相手を混乱させていましたが、この試合ではディフェンスラインを押し上げられているためにピボーテとそこの間にスペースが少なかった。右サイドで窮屈なプレイを強いられていたメッシがポジションを中央に移しても、ボールを受ける頃にはピボーテとセンターバックを目の前に置かなければならず、ドリブルも前を向いてのパスも狙えませんでした。フォワードがメッシ、アンリ、イニエスタという構成で、前を向いた際に出来るパスコースは殆ど一つしかなく、高く保たれているラインの裏側をアンリこそが狙い続ける姿勢を持っていましたが、そこにしかないためにピボーテとセンターバックがコースを消すのは容易かった。
そうなってしまうとアンリを左に出してしまえない構成上、ワイドにボールを展開することが難しく、左右共に利用頻度が少なく、中央に人数が存在するマドリーの守備を広げることが出来ず、スペースを突いて上がってくるダニエウ・アウベスにしても、中の人数がいないためにクロスの狙い所が存在せず、効果的なボールを送り込むことが出来なかった。

レアル・マドリーは素早い攻撃を軸としたカウンターに近い狙いを持っていていましたね。レンジの長いパスで構築しながらサイドを変える。バルサがフォアチェックをしている関係からそれを一つかいくぐることが出来れば、近い位置にパスコースを見つけられなくとも、一つ飛ばしてしまえばスペースはある。上手く利用しながらスピードで上回っているフォワードへとボールを渡す。序盤こそピケがカバーに入り、クリスチアーノ・ロナウドを中盤やアビダルと挟む込もうとして、センターバックだけが直接対峙する形にはならず、挟み込むことで安定したボールコントロールをさせないよう努めていられましたが、幾つかの低い位置のミスが安定した守り外側にあって、流れを失わせる要因になっていました。パスミスやコントロールミス、原因は色々とありますが、カカとクリスチアーノ・ロナウドのスピードに対応しなければならない。ピケのスピードでは対応に苦慮してしまい、ボールを奪うために飛び込んでいけない。低い位置のミスであるが故にカバーも期待できない。リトリートしていくうちにマドリーの他の選手たちの上がりを助ける結果になり、守備は間に合わずにフリーでシュートを打たれる。もし早い段階でいくつもあったそのミスからのピンチをビクトル・バルデスが防いでいなければ、幾度となくこの形を作られていたかもしれません。
その後はマドリーが主導権を持った攻撃から、前戦の枚数を増やしてワイドに開いた四枚を並べてディフェンスラインの間に一人が入り込む。挟み込めるだけの余裕を与えないようにし、ワイドに利用する。サイドで人を引き出しておいて逆サイドにまで展開をするのは、単純に中へ送ったとしてもチャンスになるほどの人数がそこにいたからこそ。
バルサの守備ブロックは、高く保ってフォアチェックの助けをしつつ、攻撃的なポゼッションを上げていきたかったんですが、それを連続してされてしまったことで、後方へと押し下げられて守備の形を保ち続けるのが難しくなった。もちろんレアル・マドリーが前の四人と他の選手で分離しているのもあって、中盤に人数をかけていない。そのため、バルサの攻撃に対して、四人のブロックとその前に二人、もしくは三人を並べておける。そうなると、バルサが攻撃に移ってカウンターをしようとしたとしても、三枚のフォワードぐらいなもので、それがきっちりとフロントを抑えているのだから、ドリブルで抜いていく事は難しく、キープをして深く入り込めないため、ディフェンスラインも上げられない。

ただ、ハイペースだったことが祟ったのか、マドリーは徐々に選手をマークしていた距離が開き始め、きっちりとファウル無しで囲い込んで奪えていたものがファウルでしか止められなくなった。バルサが多少ワイドにボールを展開し始め、タッチライン際のプレイを増やし始めたのもそれに影響を与えたのかもしれませんが、チャビにマークに付いていたシャビ・アロンソの位置を見ていくとよく解るかもしれません。ただ、まだ中盤の選手たちとアンリとの位置関係が広いままで、ポストプレイではなく一発で裏へ抜けようとする動きからオフサイドにかかり続け、バルサが狙わなければならない、ポゼッションを高めて自分たちのスタイルを構築するのには不十分でしたね。
後半からはマドリーのペースが落ちたことよりも、バルサが特に改善されたように見え、サイドチェンジが使えるほどワイドに使う意識が出て、サイドバックの外側を利用しようとするようになった。そうすることで深くまで入り込むことが可能になり、中へ人数を入れるだけの時間も得られるようになる。徐々に土台ができはじめたところへイブラヒモビッチを投入して、ポゼッションの形を作り出したことで、中の人数と共にポストプレイで収めてボールを引き出す役割も担ってもらえるようになり、高い位置でいったんボールを収められるようになった。そしてゴールも得られた。クロスも中の動きも前半とは大きく違うものでしたね。

ただ気になることが一つあって、セルヒオ・ブスケツは前半の途中から何かを恐れているようなプレイをずっとし続けていました。プレスを受けていなくとも前を向こうとせず、全体的に前を向く意識が低いまま戻したり横に出したり。そのパススピードも遅く、ミスにもなり、ピンチも生んだ。守備にもぶつかりに行かず、後方のケアも上手くいっていない。早い段階で交代させても問題ないほど、目に見えて精神的なコンディションがよくなかったわけですから、できることなら退場前に何らかの行動を起こしておきたいところでした。あのハンドの判定も二枚のイエローカードも妥当なものですから退場の判断自体には問題なく、それを未然に防ぐ必要があっただけ。
退場後はケイタが一時的に移籍当初のようにアンカーを務めていたんですが、後方のケアが無く、フラットなディフェンスラインになってしまい、カウンターになったときに、サイドで一人かわされたあとのケアに向かえておらず、ピンチになってしまっていた。トゥーレ・ヤヤを投入したのは極めて妥当な判断で、素早くそれが出来たのは非常にいいことでしたが、準備が整っていたのなら、なおさら一歩早く対応替え着なかったのか、と思ってしまいます。

それからのバルサは前半のレアル・マドリーがしていたように、ディフェンダー四枚の前に三枚を並べて、守備の形を明確にしていました。高くディフェンスラインを保てず、人数をかけてくる攻撃に対して、引いて守ってペナルティエリア内で体を張る。サイドを使われているため、ディフェンスラインを下げざるを得ない。オフサイドを明確に取ろうとしているとは思えないものの、オフサイドを再三取ってもらえないため、下げざるを得ないのもある。守備に重心を置くのは仕方がないんですが、いつか突き崩されてしまうんじゃないかという恐怖もあったんですが、ラウールが入ったお陰で、中央にマドリーは人数が足りなくなった。引いてボールを受けたがるために前へ迫力が無くなり、ベンゼマもプレッシャーの多いところではなく、サイドのプレッシャーのない位置でプレイしたがる傾向があり、クリスチアーノ・ロナウドのように得点の可能性が一番高い位置で待っておくことをしてこないことが、少し対応を楽にしていました。そのため危険な位置でプレイされることが少なくなり、カカのドリブルが恐怖心を煽る程度で、あとはセットプレイでしょうか。ベンゼマは時間を追うごとに、きっちり中へ入ってくるようになり、危険なエリアでプレイするようになりましたが、効果的ではありませんでした。

バルサが守備に回ってもカウンターで得点を狙うことは難しく、イブラヒモビッチが前線でプレイし、その少し下にメッシが残っている程度。その二人だけで前へ向かうのは難しく、人数の少なくサポートがほとんど無い状況でよくキープを頑張っていたと思いますね。
徐々に時間の経過と共にその効果が少しずつ現れるようになり、メッシ、シャビ、イニエスタでキープしてボールを回し、時間を使って、ある程度崩せるようになった。奪われないボールコントロールをして、パスを回し、それでいて深くまでドリブルで入り込んで戻す。この三人がキープを徹底してしまえば奪うのは至難の業でラサナ・ディアラがキレてしまったのも理解できる気はしますが、試合を決定付けたのは彼の退場でしたね。
一気にマドリーは攻守両面において足が止まり、もうボールを奪えないと意識づけられてしまったようでした。

この試合を無失点で終えられたのは、カピタンとビクトル・バルデスのお陰。

UEFA Champions League -A- Matchday 5 バイエルン・ミュンヘン対マッカビ・ハイファ

2009 年 11 月 26 日 木曜日

■FC Bayern Munchen 1 – 0 Maccabi Haifa
これまで勝ち点すら獲得できていないマッカビ・ハイファには勝って当たり前。それができなければ、EL出場権すら逃す可能性が出てくる試合でした。もしそうなっていたとしても次の試合でマッカビ・ハイファが勝つ可能性はかなり低かったでしょうから、どちらにしろヨーロッパリーグは以上は安定して確保しているようなものでしたが、その相手にここまで苦戦してしまってはどうにもなりませんね。

バイエルンは、ディフェンスラインの選手が相手のプレスを受けながらプレイする場面が多く、サポートの位置が遠く、チェックに複数で来られている中を何と構えへ繋ごうとするなど危険なプレイが幾つか見られました。テクニックがあり、後方のサポートが存在する中盤の選手がするならまだ理解できるとしても、最後尾の選手のするプレイではありませんね。マッカビ・ハイファが前からのチェックに勢いを持って連動して次々に遅い閣下って来るわけではなかったので助かっていましたが、サイドバックやセンターバックにある程度寄せてくるものに対して、ボールを失う、あるいは難しいパスを選択しなければならないのは、チームの攻撃のコンセプトが一歩目の段階から存在しないことを示しているようなものです。バイエルンの拙さから選択肢が限られ、マッカビ・ハイファが前に出る守備を出来る余裕を与えていましたから。

スタート時からしばらくの間、ミュラーが右に張ってプレイをしていたのは前の試合と同じ事でしたが、多少ラームが上がれるようになっているだけマシだったと言えるかもしれません。ただ右側のバランスを取るのがシュバインシュタイガーというのがいただけませんでした。このケアだけではなく彼だけが中盤のパス交換の際のサポートを頻繁にしていて、攻撃の一枚を減らす結果になっていました。本来なら左のプラニッチも縦へのポジショニングと動きから相手をワイドに開かせてしまい、中央を利用しやすいように動かせてしまいたかった。オリッチが怪我をする前までであれば、彼がサイドに流れ早い段階でサイドバックの裏へ飛び出してボールを引き出す役割を担ってくれていたため、センターバックからボールを引き出すことも中盤からサイドへボールを出させて起点を作ることも出来ていたんですが、序盤はまだその動きがなかった。ならばなおさら左側の起点としてプラニッチには縦の動きをしてもらいたかったんですが、横の動きを頻繁に行い、右が開いているバランスを取るように中へスライドしてきてしまうのは、どうにも役割が違うように思えますね。

マッカビ・ハイファは引いて守り、フォワードもあまりカウンターには備えておらず、全体を下げてブロックも低い位置に構築していた。ボールを奪われた後の守備こそ中盤や最後尾にプレスをかけに来ているが、一度ハーフウェーラインを越えると一気に魅力的な守備ではなくなり引いて守る。バイエルンも中盤でボールを奪われるケースが多かったんですが、それをすぐにケアできない。攻守の切り替えが遅いのではなく、攻撃時のポジションに問題があり、スムーズに守備に移行できるようなポジションを攻撃時に取っていない。サポートの距離が遠いのも一つの要因で、前へ選手が溜まって動きが少ないのもあるでしょう。奪われた後に前を向かれるとリトリートする以外に方法はなく、前を向かれなくてもセンターバックが対応に出てしまうため裏に危険な部分が出来てしまう。とにかく無策なまま下がってしまうために、どちらも低いラインで守ることが多い。その間を長距離のパスやドリブルでつないでいくため、スピード感は薄く、厚みもそれほど無い。アイデアを発揮する場所が無く、面白みも少ないものでした。

気になったのは会場で他会場の結果が映し出された部分でしょうか。電光掲示板にボルドーが先制点を取ったことが表示されて観客が盛り上がったのはよくわかる部分でしたが、その後の攻撃がバイエルンに前へ向かう勢いが出てきたようには見えず、何故かマッカビ・ハイファのミスが増えて精神的に落ち込んでいったように見えました。勝手に観客に煽られて焦っているような感じでしたね。得点もそれに近く、マッカビ・ハイファの拙い攻撃が生んだミスから、一発カウンターで先制点。マッカビ・ハイファはどうあっても得点が取れる気がしないほどミスが多く、攻撃の方法が定まっていなませんでした。それまでは引いて守る関係上しっかりと人数が後方に居たものが、あの失点をした場面は、欲を出して攻撃に出ていたのかマークも不確定で人数も揃っていない、中途半端でした。

全体を通してみれば、バイエルンの方が圧倒的に得点機を作っているものの、最後のアイデアが不足していたり、思い切りが足りなかったり、どうにもチャンス止まりで、実際に得点を取れる気がしませんでした。ボールを低い位置で奪って、前へ残るオリッチ、マリオ・ゴメスへ一気にパス。完璧なカウンターサッカーに近い動きをしておきながら、それを徹底しようともしない。ゴール前でシュートを打てる場面を作っても、シュートをせず、さらに崩そうとパスをしたり、消極的な姿勢になって戻したり、観客からブーイングを受けることもしばしば。

引いて守り中央を固めている相手に中央を厚くして攻めて渋滞を引き起こすこともありましたね。オリッチが開いて相手を吊り出そうとしている場面が時々あり、それに見事に引っ掛かってディフェンスの間隔を広げてくれていたにもかかわらず、その効果を理解できずに中央に集中したり、早い段階で開かせず、人数が揃ってから開いて効果的ではないパスに終始している。得点を取ってからはより顕著になって、余裕を持ったのか、バイエルンはボールを保持して、相手を押し込んでいく。となっても、最前線中央の人たちは運動量に乏しく、ボールを受けに戻ることもせず、飛び出すこともしない。ディフェンスラインの中に入り込んだ後は足を止めてしまって、パスが来るのをただ待つだけ。連動することももちろんありません。その状況でボールを持っていてもパスの出し所に困るのは当然で、時間を稼ぐように横に回したり、バックパス。それをしてもラインの上下動をマッカビ・ハイファが出来なくなっていましたから、フォワードも動かず、サイドを切り崩しても戻してミドルシュートを狙うばかり。

幸運なことに、ユベントスが負けてくれたお陰で最終節に勝てばまだチャンピオンズリーグのトーナメントへ出ることが出来ますが、トニとファン・ハールの関係に見えるように、どう贔屓目に見てもチーム状況がいいとは思えないだけに厳しいんじゃないかと思ってます。

UEFA Champions League -F- Matchday 5 バルセロナ対インテル

2009 年 11 月 25 日 水曜日

■FC Barcelona 2 – 0 Inter
試合開始からバルサはこれまでのリーガや国王杯の試合では見せなかったような勢いで前へと向かっていました。奇襲にも近いその勢いにインテルは引き気味から試合が始まってしまい、それが試合の行方を左右したようでした。開始直後こそイニエスタが右側へとポジションを取っていましたが、それが中央へと移り、左にはペドロ、前にアンリという形になるのにはそれほど時間がかからず、ビルバオ戦でペドロが右に開きすぎていたためにダニエウ・アウベスの上がりを潰してしまっていたようなことにはならず、十分なスペースが右に出来ていました。それと同時にシャビとセルヒオ・ブスケツと近い関係をイニエスタが作ることで、インテルのプレスをかいくぐる役割を果たしていましたし、流れを得る上で重要な動きでした。

ポジションの問題だけでなく、前へ向かう気迫は驚くべきもので、セットプレイに対する集中や得点に対する意識、クロスやパスをペナルティエリア内に多く送り込むのも、これまでのバルサではなかなか見られなかった姿勢ですね。これまでであれば相手の前でボールを回して、崩せるタイミングを見計らっていたものが、単純に送り続けることでチャンスにもなりましたしセットプレイを得ることにも繋がり、先制点にも繋がった。それ以後のバルサの戦い方は一変していつものようにボールを支配することに念頭を置いた戦い方に変わりましたが、先制点を得るまでは非常に特徴的でした。

戦い方が変化した後も、バルサの中盤はイニエスタが参加していることから人数がかかり、アンリが孤立しているような印象を受けました。アンリがインテルのディフェンスラインと戦って裏を狙う動きもしてましたが、スタート時からインテルはラインを大きく下げていて効果的ではありませんでしたし、バルサがボールを奪う位置が低ければ、引いたラインに位置するアンリとの関係が大きく開いてしまい、長距離のパスを預けなければならなくなる。そうなるとパスカットされやすいわけで、手前での構築がしっかりと出来るまではそこのスペースが気になりましたね。左に位置するペドロとアンリの関係も遠く、中へ切れ込む動きもないため、パスで両者共に安定した展開が出来ず、素早い展開になれば、インテルが人数をかけていることや突破力の関係から難しいものでした。

インテルがバルサのプレッシャーに負けてパスミスをする回数が多かったこともあり、バルサは得点以後、高い位置でボールを回して相手をさらに押し込んでいけるようになりました。それまで積極的にボールを入れ続けていたものを抑えるようになり、いつもの確実なボール回しから、自分たちの流れを作りだそうとするようになった。センターバックがハーフウェーラインを越えて構築に参加して、全体をコンパクトに保ったまま押し込み、アンリとの距離感も改善されつつありました。距離が近づくことでポジションの取り直しも容易になり、球離れも早くなる。そうなるとインテルのチェックを受けづらくなり、逃げの姿勢ではなく、自分たちの形でボールを支配できた。それがインテルの守備範囲を狭めて、例えパスミスをしたとしてもこぼれ球も多く拾えるようになった。

インテルがもし、ボールを奪った後に縦へ急ぐカウンターを中心とした構築をしていれば、エトーやディエゴ・ミリートを抑えるためにバルサは多少ラインを下げなければならなかったかもしれませんが、縦に急がずサイドバックの上がりを利用して、サイドから攻めるせいが目立っていました。高いラインの裏を狙う姿も多少ありましたが、それも多くはなく、サイドを使ってバルサの守備を開かせてしまおうという意識が見えるようでしたが、そのサイドへ流すパスでミスが目立ち彼らの流れが訪れたのは、バルサが二点目を決めた後のことでした。運動量が多少落ちて、縦をコンパクトに保てなくなったところへ、激しく当たり、ファウルなどで試合を止めてしまう。バルサがそれまで受けていたファウルは、自分たちのパスやコントロールからインテルの選手たちにファウルをさせていた印象が強かったんですが、ファウルで止められるようになった。それによって一時的に流れを失い、ファウルを嫌がってパスが消極的になった。アフターであってもきっちり当たってくるのを嫌がって預けるパスも早めにはたかれてしまう。そのためポジションを取り直す時間が得られず、インテルは囲い込む速度を上げられる。そうなると近くにいられるようになり、パスに対してのチェックから当たってくるようになった。

この日のバルサは修正も早く、そのままずるずると行かなかったことが最後まで試合を引き締めていた要素かもしれません。逃げの姿勢が多かったパスも、シャビ、イニエスタ、ブスケツが近い関係を保ってパスでプレッシャーを抜け出すようにする。センターバックやキーパーに預けて、アンカーが動いてボールを引き出して展開するのではなく、その一枚前でボールを動かしていくことで、インテルの選手たちのチェックよりも早くボールを回して当たっていけない環境を作り、無駄走りをさせて継続する意識を削っていった。センターバックにしっかりとした精度のパスを要求する場面が少なく、それが安定した展開に繋がっているようでした。
繰り返していく徐々に当たりに来られなくなり、逃げの姿勢ではなく、自分たちが主導権を持ったパス回しで回避できるようになっていった。そうなると攻守の切り替えの早さも戻り、高い位置で再び奪えるようになり、インテルのポストプレイには後方からしっかり当たって囲い込めるように戻った。
終了間際こそセンターバックの守備機会が増えたものの、中盤の修正力が素晴らしく、長時間続かせず、最後まできっちりと抑え切れました。

あとはもうペドロが中へきっちり絞って、また大事なゴールを決めてくれただけで満足。

Bundesliga 13. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対レバークーゼン

2009 年 11 月 23 日 月曜日

■FC Bayern Munchen 1 – 1 Bayer 04 Leverkusen
バイエルンのスタート時の布陣は、ディフェンシブ・ミッドフィールダーを二枚にして一つ前のポジションをワイドに開かせている形でした。これまでのようにダイヤモンド型に近く設定されたものではなく、右に大きく開いた位置にいるミュラーが特徴として現れていました。毎試合のようにポジションを変えさせられている彼ですが、この試合の序盤は特に中央にポジションを取っていた頃に比べ運動量が少なく、ボールを触る機会に恵まれていませんでした。突破力がある選手ではありませんから、効果的に試合に参加していませんでした。

上手く構築が出来ない状態の間に、相手のミスからゴメスが得点を取れたのはラッキーでした。人数こそ高い位置に多くいましたが、相手のミスから守備の陣形が整っていない中であって、バイエルンの問題が解消されたものではなかったので評価は出来ず、ただマリオ・ゴメスの決定力とそこに至までに絡んだ選手を褒めることぐらいしかできそうにありません。得点が生まれるまでの間は、ロングボールを後方から送り込む回数が多かっただけで、高い位置でボールを繋ぐことが出来ていなかった。センターバック間でパスの交換をするにもサポートの位置が遠く、あとはロングフィードをフォワードに当てるだけの工夫のないものばかりでした。フォワードと中盤を繋ぐプレイヤーが居ないこともあって不明確で、この試合で何をしていくのか、見る側に何も伝わってきていませんでした。

守備も前に向かい奪おうとする意識が強く、これまでの試合と同様にやはりボールが収まった所へ向かってしまう。あるいはドリブルで持ち上がる選手へ視線が向いてしまい、後ろのスペースを意識していない。センターバックの前に大きなスペースがあり、レバークーゼンに利用されている。効果的にパスが出るようになってしまえば、フォワード二枚とセンターバック二枚。それらをクロスさせながらスペースを作り出せてしまうわけで、危険ですね。相変わらず攻守両面で、ここにスペースが出来るのを改善する気がないらしいです。

あっという間に同点に追いつかれた場面が、見事にそれを実戦していましたね。
キースリンクとデルディヨクが動いてセンターバック二枚の位置関係をずらしてギャップを作る。そうするとカバーにはいることが出来る選手が誰一人おらず、裏側を利用されてしまう。攻撃と守備が同数で存在していることに問題があり、サイドバックがマークに付いたり、中盤の底が一枚を抑えてセンターバックをカバーに回るだけの余裕を与えるなど、方法をとらなければならない。カウンターに似た形だったとはいえ、フォワード二枚しかいないのだから、それに簡単に崩されてはいけないんですが、センターバックの対応ミスではなく、スピードで後ろに体重を乗せられれば多くの場面で同じようになるでしょう。そうならないための方策を中盤と共に作らなければならないのに、それを放棄している監督の問題で、バイエルンの先制点の偶然さとは違い、狙い通りですね。

その後も、ディフェンスラインの前に守備の選手がいないことを利用し、押し下げるとディフェンスラインに吸収されることを利用して、厚みのないその前を利用する攻撃をしていました。ディフェンダーの前を利用してシュートの近くにまで持っていけている。簡単にペナルティエリアに人を入れてしまっているため、足を出せずにシュートを打たれてしまいそうで、21分のオフサイドだった部分のゴールもそうですね。守備に厚みがない。
レバークーゼンもあまり厚みのある守備をしていないんですが、それでもラインを一定の高さに保てているから、オフサイドで凌げたり、バイエルンの高い位置での構築と、フォワードに預けるパスに対してチェックに向かえているわけで、踏みとどまれない、出し手にチェックに行けていない、裏のケアもできない、となるとピンチを作られて当たり前。

バイエルンは一気にミスで得た得点からの勢いを失い、パスで繋ごうにもディフェンスラインがボールを持ってもサポートがあまりに遠い。出し所に困っているところへ、スピードのあるフォワードがチェックに来て時間を与えてもらえなず、正確なフィードが出来ない。そして奪われてすぐに相手ボールになってしまう。その要因の一つになっていたのが、あまりに高すぎるサイドバックの位置かもしれません。アンカーにファン・ボメルがいて、その前に”サイドバックを含めて”四枚が並んでいるように見えることが多い。そのこと自体は問題なく、攻撃的に参加するのであればいいんですが、ミュラーが中に入らせてもらえず右に張り続けている状況では、サイドバックを高く上げてしまう必要もなく、カウンターで残っている相手フォワードのケアを考えれば後方を気にしなければならないし、何より後方からのパスを受けて展開することを少しは考えなければならなかった。高い位置をキープさせておく必要があるのなら、バドシュトゥバーがスライドして、スリーバックに近い形を形成してもいいし、ミュラーにもっと自由を与えて、右から中へポジションを動かす権利を与えてもいいはず。

異常なほどに高く設定した中盤の両サイドからの攻撃を中心として、途中から二枚のフォワードと二枚のウイング、4トップのようにも見える人数のかけ方で、ようやくチャンスを作れるようになりました。ディフェンスと同数にして、裏を狙うやり方。レバークーゼンが踏みとどまり、出し手にチェックに来ることを利用したもので、一本のパスが通れば一点に繋がるわけですが、一つ前で受けられる選手がいなければならない。中央でキープをしてからサイドへ展開をしたり、裏へ出すパスを出さなければならないのに、前に四枚を並べるだけでは厚みのある攻撃は出来ませんよね。
これまでサイドの高い位置で収め所がなかったのは不満でしたが、ミュラーが中に入らせてもらえず、右にずっと張り続けているのはどうかと思う。いくらレバークーゼンが中央に絞った守備をすしてサイドが空くことが多いのも事実で、アーリークロス一辺倒よりはマシだとは思いますが、相手によってころころ戦術を変えて、バイエルン・ミュンヘンのすることなんだろうか。

後半にはレバークーゼンがカウンターを中心としたシンプルなものから、繋ぐことを重視しようとし始めてしまい、サイドで組み立てを狙うようになった。あるいは受けに戻って組み立てようとするようになった。そのまず収めて展開する中盤をバイエルンが囲い込めるようになり、カットされたりプレッシャーを受けてミスが多くなった。他にも受けに戻るキースリンクにセンターバックがついていって楽に受けさせなくしたのもありますし、リズムを失ったのは明らかでした。でもそれも長くは続かず、密着したマークでキースリンクを抑えられていたのもつかの間で、何度か形を作られてからは、いったんボールを収められると抑えが効かなくなり、リトリートするばかり。相手のドリブルの勢いを殺すことも出来ずにずるずると下がって自由にやらせていて、あと一歩の力がレバークーゼンにあれば、失点するのも容易かったはず。

攻撃の部分では、あれだけ右に大きく開かせて、流れの外側に置いておけばフリーの状態で何度も受けられるわけで、そこから得点機を演出したとしても、多くのクロスが精度を欠いた酷いもので、アイデアを感じませんでした。アドラーでなければ得点できていたようなものもありましたが、85分のフリーキックのミスに代表されるような選手間の関係の悪さも出ているような気がしますね。何よりチームの雰囲気がよくない。ブーイングが多かったのもよく理解できます。

FIFA10 – 決められません。

2009 年 11 月 23 日 月曜日

この間の対戦まではスキルムーヴを使う余裕があったのに、この日はさっぱり。そもそも前回対戦したときから別のゲームばかりをやっていて触っていなかったもの大きくありそうですが、せっかく掴んだ感覚を忘れるとはなんと勿体ない。我ながら情けない限りです。その上決定機を何度決められなかった事やら。

■FC Barcelona(leia) 0 – 2 Manchester City(syou)
最初の二つのチャンスが、右から切れ込んでショートパスとかせこい真似をしていますが、ここがきっちり繋がってしまわないのがいいところ。自分のアイデアと技術が全くなかったためにあんな形になっているので、決められなくて当たり前、というか決められなくてよかったというべきか。その代償が、不運なスイッチからディフレクトしてキーパーへ、そしてキーパーがあれだけゲージが出ていながら一切蹴らずにコントロールミスをするなんて。
シティのコーナーキックからカウンターを狙い、ファウルを流す判断とかその辺でディフェンダーが勝手に上がってくれたて大きなチャンスを頂いたものの、メッシのドリブルで一つコントロールを外側に操作ミスで出してしまったのが運の尽き。
チャンスの後にピンチあり。見事に体現した二失点ですねぇ。

■Bayern Munchen(leia) 0 – 2 Juventus(gaki)
ショウ氏と対戦したときよりは、出だしがスムーズである程度状況が見えていたんですが、決めきれませんねぇ。特にトニが打ったシュート、右も左も選手が余っていたのに、シュートを打つべきだったのかどうか。先の試合で迷った部分が多かったんで、迷わないように狙ったんですが、決めきれず。その後も押す展開が続いても点は取れないまま。シュバインシュタイガーの「どーん」なシュートもイメージと違ってまし、ロッベンのシュートも右足で打ってしまっているし、今度は焦り過ぎかも。
あとはパントキックをかっさらってしまう珍プレイがあったり、アマウリに両手でマーカー二人が振り払われて失点とか。アマウリの部分は、スピードを殺すとかそういう問題じゃなく、ブラーフハイトなら前に入ったと思ったんですが、結果はご覧の通り。

■Real Madrid(gaki) 1 – 0 AS Roma(syou)
さすがのカウンターチームですねぇ。カカの突破からベンゼマなんて並のディフェンダーでは追いつけるはずもなく、早々に失点。ガキ氏もミスが多くシュートを打たれまくっても、そこはカシージャスが守っていますし、同じくミスで外してくれたりして問題なし。

決定機を決められなかったとはいっても、一対一になってもキーパーに対して軸をずらしてコースをつくってからシュートしているわけでもなく、フェイントをいれてもないわけで、止められても仕方ないかもしれない。

Liga Espanola Jornadas 11. レアル・マドリー対ラシン・サンタンデール

2009 年 11 月 22 日 日曜日

■Real Madrid 1 – 0 Racing Santander
この試合で目立った要素は審判の判定と、ドレンテでしょうか。マルセロがサイドバック、ドレンテが中盤に入ってサイドアタッカーというよりは、いつものガゴやディアラらの役割に近いことをさせようとする意図があったのかもしれませんが、主に左サイドでプレイしていました。

左のドレンテは、相変わらずのスピードを活かして縦へ進出し、深い位置でボールを受けることも多くあったんですが、プレイの選択肢が”縦へ”しかないため、ラシンが中へ切り返しを行って入らせないようにしている要素が強く見受けられ、単純なクロスは入れられても中に高さがないために問題なしとしているように見えました。変化をつけたクロスを入れさせないようにきっちりマークとコースに入っているとはいえ、問題はそこからで、多くの回数をスピードと飛び出しでチャンスになりそうな形を得ていたんですが、ドレンテはマイナス方向のパスや近くにいる選手に預けるばかりで、キーパーとディフェンダーの間にクロスを入れることもなく、単純なクロスもなかった。全く相手に脅威を与えることなく、プレッシャーを受ければ即バックパス。中に選手がいなければバックパス。選手がいても、マークを振り切っていても出さない。不思議なほどでした。

マドリーは以前に比べてやはりポゼッションを高められるようになり、比較的スムーズにボールを回せるようになっていました。ただ同点の段階では攻めの姿勢のパス回しはそれほど多くなく、安全な横パスやバックパスを出すことが多めで、特に相手のピボーテの前で回すパスが多く、危険なエリアに入り込んでから、パスで繋いで崩していく姿はあまり見られませんでした。深くに入ってしまうと、サイドチェンジやクロスなど、長い距離のパスが増えていき、チャレンジするようなパスが見られず、その辺はまだまだ改善の余地がありそうです。
深い位置に入ってからも縦の選択ではなく、相手を押し下げておいてマイナス気味の横パスからシュートであったりドリブルであったり、ディフェンスラインの中央を崩そうとする意図が強くありました。サイドの高い位置で人数がかかっているからこそ出来る芸当なんですが、勝負していないということでもあり、安全で確実な方法をとっているようにしか見えませんでした。せっかくベンゼマがサイドに流れて起点になっているのに、それが効果的に活かされていなかった。
けれど先制点の場面が示したように、高い位置で勝負を仕掛けることが出来れば、相手に戻りながらの対応を迫ることが出来、人数が揃っている中でもスペースを利用することが出来る。よりゴールに直結したプレイが出来るわけで、右からのクロスはそれまでアルベロアが単純に入れていたんですが、それよりもいい形で勝負したことが得点に繋がっていましたね。

マドリーの守備はガゴもディアラもなく、グラネロとドレンテが出場しているお陰で、以前にも増して広大なスペースが生まれていて、カウンターでサイドを利用されてしまった場合に数の問題が出てしまっていた。それでも前半はラシンがあまりにも拙い攻撃をしてくれたお陰で目立たず、後半までお預けとなりました。引いて守るラシンはカウンターから中へ預けても、シャビ・アロンソにでも掴まえやすい位置で中盤にポジションをとっている一枚しかない。ムニティスが右サイドに張っているだけでなく、中に入って行ければ多少は違ったのかもしれませんが、そこを抑えられているために、前へ裏へと後方の選手がパスをだし、前の選手たちと意図が合わず、精度も整わない。ミスパスの連続で自らチャンスを潰したも同然でした。
後半に入ってムニティスが中のポジションを取るようになり、徐々に中のプレイが改善されつつあったんですが、やはり後方からのパスに精度がなく、プレッシャーを受けていない状況でも、きちんと受け手の足下に収められないパスが多かったのが全体の流れを作り出せなかった要因でしょう。
後半途中から、マドリーの高いディフェンスラインの裏を突くようになったところからはチャンスが生まれていましたが、中でキープしてから使うことは出来ないため、主にカウンターから利用するのみ。それにしても前半から最後まできっちりとシュートを枠にとばせず、バーの遙か上にふかしてしまう場面が多く目立ってましたねぇ。

問題となりそうな判定の部分では、まずベンゼマがペナルティエリア内で倒されたものがありましたが、倒されるために倒れた印象が強いものでしたから、PKは取りづらい。議論の対象になるものでしょうけど、審判によって判断が分かれることはあっても、批判の対象となるようなジャッジではなかったはず。
マドリーの二点目かと思われたものも、スローで見て、静止させてみてもオフサイドでしたし、流れの中の微妙な飛び出し方、非常に困難なものでしたが、よく副審が判断した、としか言いようがありません。もちろんオンサイドの判定でゴールが認められていたとしても、人間の目で判断するのが難しいものでしたから驚きもしない。

でもラシンのゴールだけは、認められなければおかしいものでした。オフサイドの旗を上げられる対象の選手は、飛び出していたのは手前の別の選手であって、ボールに関与した選手ではない。ゴールを決めた選手はヒールパスから遅れて飛び出しており、オフサイドのはずがなく、何度もあったリプレイでも、ディフェンダーの体一つ分ぐらい奥から飛び出していますから、あれを取り消されたらどうやってラシンは追いつけばいいのやら。

久しぶりに、マドリーはこうやって勝つ、を体現した試合でしたね。ポストに当たったシュートも幾つかありましたし、チャンスはマドリーの方が圧倒的に多かった。でもスコアで勝負が決まるわけですから、副審にはあんなジャッジをしてもらいたくなかった。