2009 年 9 月 のアーカイブ

Bundesliga 5. Spieltag ボルシア・ドルトムント対バイエルン・ミュンヘン

2009 年 9 月 14 日 月曜日

■Borussia Dortmund 1 – 5 Bayern Munchen
こちらもチャンピオンズリーグを控えているためメンバーを落としてくるのかと思っていたんですが、さすがに今のバイエルンにそれだけの選手層の厚さはなく、監督の問題もあるんですがいつものメンバーを中心としたものでした。キーパーがレンジンクではなくブットだったというのが唯一それを感じさせるものでしたが、ここをローテーションにするつもりなのか、それとも正ゴールキーパーはどちらか決まっているのかよく解りません。ただ、この試合最初にあったようなジダンの飛び出しを防がなければならない場面での思い切りはレンジンクにはないわけで、この試合に限ってはブットの選択で正しかった――と思いきや、直後の場面で飛び出しが裏目に出てあわや失点という場面を作ってしまったのだから何とも言えない。

バイエルンがボールを保持している時間が前半から多かったんですが、それは持たされている要素が非常に強いものでした。ディフェンスラインの前で回すだけで裏へ飛び出す選手もいなければ裏へチャレンジしたパスも出てこない。パスを繋いで横に相手を揺さぶることもなく、バックパスから低い位置で回すことも多い。特に高い位置でボールを持った際に前を向いてドリブルで仕掛けることも、連携からワンツーなどで抜け出そうとする動きもない。これまでであればっさいどばっくの裏に飛び出してボールを引き出す役割を果たしていたオリッチも代表戦の疲れからか、飛び出してボールを出させるような動きをせずに待つだけで、ディフェンスラインを押し下げて中盤にスペースを作り出すことも出来ていなかった。
ボールを回してキープを目指したとしても序盤にミスからとはいえジダンに抜け出されてピンチを作られた関係からディフェンスラインが押し上げを出来ておらず、バイエルンは間延びをしていて、さらに起点となってしまったティモシュチュクは萎縮しているかのようにその部分から動きが悪化してしまいました。こうなると、バックパスと共に誰かに徹底されているかのように少ないタッチでパスをはたき続けるだけの中盤ではサイドバックが追い越すだけの要素を得られず、攻撃に厚みがでない。ロッベンが下がってボールを散らす動きをしたり、ドリブルで仕掛けて変化をもたらそうとしても、ろくに他の部分でドルトムントを引きつけておけない分、防がれてしまうのは目に見えていました。
もしドリブルで仕掛けることや横に揺さぶることが出来ていれば前半のあそこまでの悪さはなかったんでしょうけれど、自分が動いてボールを呼び込む意識すら見られないほど消極的なのではどうしようもないですね。それを突き破れたのが運によってもたらされた同点ゴールだったというのがなんとも……。
それまではロッベンが一人でドリブル、飛び出し、パスを担っていて、リベリーに頼りっきりだったものがロッベンに変化しただけという感じでした。

後半になってからはリベリーが加わり、ミュラーも投入。それによってロッベンにかかる負担は大きく低下して、ポジションを流動的に動かせる選手が増えたことで、その三人が近い関係を保つことも出来るようになった。シュバインシュタイガーが一つポジションを下げた形になったものの、前後の繋ぎの部分では効果的でカウンターを狙うにしても人数が十分にいて前に向かえる選手になったのも大きかったのかもしれません。
オリッチはこれまでの試合のようにサイドバックの裏を狙いボールを引き出す動きをするようになりましたし、リベリーとロッベンは単純に淡々とパスを出すのではなく、ドリブルをして仕掛けることや、それが出来なくともボールを奪われないように持ちながら時間を稼ぐことが出来た。お陰でラームが上がる機会も増えましたし、マークを集中させることで後方から縦パスがきっちりと出るようにもなった。
囲まれてもすぐに戻すのではなく、前を向こうとする意識も他の選手に出てきましたし、バックパスが多いのは相変わらずだけど、淡々とパスをするだけというのからは解消されましたね。全体が前を向いてスムーズにとはいかないけれど、速い動き出しから相手の裏側へ出るボールが増えたのは確か。無理にボールを持とうとせずにカウンターに徹すれば面白くはなくとも勝てるだけの要素はあるのに、前半のあの動きはチャンピオンズリーグを意識してのものか、それとも代表戦疲れか。どちらにせよ負けるんじゃないかと思えるほどでしたから、この点差にまでなったのは意外でした。チンガやオヴォモエラの対応が緩かったのも幾つかの失点の要素ではありますが、個々の技術の差というか、タレントの差というか、そんなところが影響したのかもしれませんね。

自分には、横への揺さぶり、縦のスピード、攻撃の人数、追い越していく動き、ほとんどがドルトムントの方が優れていたように見えていましたから。
でもリベリーがゴールを決めた後にファン・ハールの所に走っていって抱きついたのは単なる対外的なアピールなのか、それとも本当に関係が改善されたのかよくわかりませんが、あれが本当なら多少の期待を持てるようになるかもしれませんね。

Liga Espanola Jornadas 2. エスパニョール対レアル・マドリー

2009 年 9 月 13 日 日曜日

■RCD Espanyol 0 – 3 Real Madrid
レアル・マドリーも先に開催されたヘタフェ対バルセロナ戦と同じく、チャンピオンズリーグを意識してメンバーを落として試合に挑んでいました。具体的にラウール、クリスチアーノ・ロナウド、ラサナ・ディアラといった辺りでしょうか。エスパニョール側では先発出場の可能性があると語られていたデ・ラ・ペーニャはベンチスタート。代わりに中村俊輔が出場していましたね。

ラサナ・ディアラが出場しているときは、彼が豊富な運動量を活かして前後左右に動き、ボールのダッシュに絡み、ボールの引き出しと前後のスペースを埋める動きをして、全体を円滑に動かすために働いているんですが、この試合のレアル・マドリーに彼のような選手はおらず、構築に苦労していました。グティはポジショニングからフリーになれる選手であっても、上下動をして引き出せる選手ではありませんし、グラネロにしてもそうではない。エスパニョールが序盤は守備意識を持ち集中してチェックを行っていたため、序盤の構築には苦労をさせられているようでした。
ただ、各選手の技術がしっかりとあるため、ボールを簡単に奪われる場面は少なく、個々の技術によって進んでいくことは可能で、セットプレイを得たり、そこから得点機を向かえたりもしていましたが、個人の技術によるところが大きく、実際の得点の匂いというのはしてきませんでしたね。後方から攻撃の選手たちにボールを預けても、周囲にいる選手たちはジョグですらなく、歩いてボールを持っている選手に全てを任せてしまっているような雰囲気もありましたし、囲まれてサポートを欲しがる場面でも、周囲の選手が寄っていって預けどころとなってあげようとする動きもなく、組織としての崩しはまるで見られませんでした。
グティへボールを渡して展開をさせようとしても、グティがフリーになっていてもパスが出てこなかったり、そこへボールを預けたところで動き出す選手が少なく、動かされるのを嫌っているかのようでもありました。これはうがった見方をすれば、ということですが。

守備は例の如く連動しておらず、個々が判断をしてチェックに向かう場面はあっても、組織として連動しないため、低い位置なら一つの下手なフェイントを入れられただけで、パスコースが簡単にできてしまうので、エスパニョールは苦労しません。前からのチェックだけではなく自陣へとリトリートした際も、ハーフウェーラインぐらいではプレスがかからず、より低い位置まで進入させてくれますから、エスパニョールの状態がよければもっとチャンスを迎えられたかもしれませんね。
多くは足が止まっていて裏への飛び出しを狙えるし、中盤の選手が後方へ下がらないため、ディフェンスライン前のスペースをエスパニョールが使いやすい環境になっていました。センターバックが対応しなければならず、ラインを整えられない。人数も足りなくなって裏への飛び出しを容易にさせている。それでも失点せずに済んだのはエスパニョールの選手の問題がチャンスをチャンスにしきれないでいるのと、中盤の選手の判断が遅いことでしょう。フリーの選手がいてもそれを利用しきれないぐらいに一瞬の判断が遅れ、それなりにチャンスは作れているが、その実戦経験の勘が不足している部分が解消されてこない限り、それなりのチャンス止まりで、得点を取るには至らないでしょうね。

エスパニョールはボールキープを目指しているような戦い方を一方ではしているんですが、バックパスの多さが勢いを殺しているだけになっている場面が多い。オフ・ザ・ボールの動きもまったくなく、タムードらが動いて相手の裏への飛び出しを狙うだけで、ポゼッションを目指している割にロングレンジのパスが多いのも事実。近くの選手が動き直してパスを引き出す動きをしないし、後方と前方の距離が開いたまま試合を進めようとしているのも問題ですね。イバン・アロンソとタムードに頼りっきりの現状がそこにあって、中盤からロングレンジのスルーパスを連続してタムードを走らせるばかり。ルイス・ガルシアがドリブルで仕掛けたり、タムード、イバン・アロンソがやることはあっても、それだけですから。

デ・ラ・ペーニャが後半から入って以降、彼が低い位置まで下がってボールを引き出して善戦にhまで運んでいく仕事をやるようになったお陰で、エスパニョールには動きが多少出てきていました。センターバック近くにまで戻り、マークを引き剥がしてから徐々に前の選手と連動しながら攻め上がっていくため、サイドバックの上がりを誘発できて、攻撃をワイドに保てるようになりました。それらとマドリーの緩い守備のお陰でデ・ラ・ペーニャ自身もドリブルで前へと向かっていく姿勢を見せていましたし、奪われこそしましたが数多くのチャレンジをすることでチームを活性化する意図もあったんでしょう。彼自身のコンディションと芝の状態がある程度いいものであれば、一点ぐらいは取れたのかもしれません。後半は両者共に間延びして守備の対応をセンターバック任せにしていることが多く、攻撃優位の状況でしたから。

この試合を見ていても中村は相変わらず評価しづらい選手ですねぇ。挑戦して失敗すれば評価を落としてしまう、あるいは批判されてしまうかもしれないプレイを選択せずに、安全に批判されないプレイを選択するため、端から見ていると何も悪くないように見える。だから集中していなければ、それほど批判する要素が見当たらないのに何処か腑に落ちない批判のされ方をしているように思えてしまうことがあるんです。この試合は視野の広さで観客席から拍手を受けるようないいプレイもしていたり、フリーキックからピンポイントのクロスを入れた部分なんかはさすがなんですが、しっかりと集中してみれば、左サイドに回った後に、縦の勝負が一切出来ずに自分から右足でのプレイに切り替えて中へ入っていった部分なんて非常にがっかりでしたし、右サイドであっても右足のクロスが多く、左側を切られていて精度のあるボールは期待できなかったし、ドリブルもあっさり奪われてしまう。中へ切れ込んで出した決定的なパス(オフサイドになったもの)も、シュートをしてくるとは思っていない守り方をされていて見透かされているよう。あと数試合は見ないとチーム自体もまだまだなのでなんとも言えませんが、エスパニョールの選手たちが信頼しているようには見えず、パスの選択肢の一つとしてみてもらえてないような場面も見られる。戦術的にもポゼッションを目指すチームではないわけで、フィットしづらいのでは。

Liga Espanola Jornadas 2. ヘタフェ対バルセロナ

2009 年 9 月 13 日 日曜日

■Getafe 0 – 2 FC Barcelona
バルサは代表戦が各地で行われた関係から、多少メンバーを落としての試合になりました。メッシ、ダニエウ・アウベス、アンリらがベンチスタートだったのはその影響もあるでしょうし、もうすぐはじまるチャンピオンズリーグ、インテル戦を意識しているからなのかもしれません。そういった影響から両ウイングにはペドロとジェフレンの二人が入り、新規加入のチグリンスキも出場することになっていました。

序盤はそれらの選手の動き云々ではなく、ただ単純にヘタフェの方が上回っていました。フォアチェックを貴重とした守備はバルサを抑えるためのセオリーであるとはいえ、高い位置に人数をかけたそれは徹底されていて、特にテクニックのないプジョルやビクトル・バルデスのところへボールが渡る際には集中してチェックを行い、上手い構築をさせていませんでした。それ以外の部分では、通常ならトゥーレ・ヤヤの所に密着するようなマークが付くはずなんですが、それは行っていなかった。それでもセンターバックとサイドバックに行われる的確なプレスによってトゥーレ・ヤヤもなかなか良い形でボールを受けられず前を向けませんでしたし、これまで続けていたようなディフェンスラインに吸収されて、センターバックのドリブルでの持ち上がりをサポートする形も殆ど見られませんでした。時間の経過からそれもやるようになりましたが、これまでの試合からすると頻度は少ないものでした。

ヘタフェの攻撃がしっかり繋いで構築を目指しているのはバルサと同じでしたが、プレスの速度がバルサにはなく、主導権をヘタフェが握っているためにパスでの構築も比較的容易にさせていました。ディフェンスラインへのプレスもバルサが行っても、ヘタフェは最後尾の位置を下げてタッチ数を少なく素早く回すことで連動したチェックが出来ないようにしていましたし、若干の危険を伴うものの、そのリスクを恐れている様子がなかったことが前半のペースを作ったのかもしれません。
構築をして攻めてくる場合にはバルサのサイドバックの外側をワイドに使い、クロスを入れることを中心としていました。クロスは基本的にディフェンダーとキーパーの間を狙うもので、それ以外にもサイドチェンジをして左右にずらしてセンターバックの間隔を広げておいてから高さで勝負をするボールを入れる、あるいは戻りながらの処理を強いるクロスを連続して入れた後にマイナスのクロスを入れるなど変化に富んだもので、狙いを絞らせないいいものでしたし、全てのクロススピードを速くしておくことで、バルサが怖さを感じるものになっていたはず。
高い位置からのプレッシングから奪ってカウンターをする際には、全体がスピードに乗ったまま追い越すことが徹底されていて、それまでワイドに責めていた部分をカウンターの時には徹底せずに縦へ急げる中央を狙っていく。前を向いてスピードに乗った状態から裏へ出してその状態を継続していく。スピードのないセンターバックの裏側を見事に突かれてしまいそうでした。ゴールマウスに助けられたものが二度ほどもありましたし、ヘタフェは互角以上にバルサと渡り合っている印象でした。

バルサ側はミスが多く、プレスの精度の高さも影響して、ショートパスでの構築がうまくいかず、中央にはペドロとジェフレンが共に出場したときの悪癖ともいうべきスペースが出来ていて、イブラヒモビッチの近くに誰もおらず、それぞれのサポートも薄い状態のままでした。ジェフレンが縦への突破の意識を持ち、クロスを入れられるところまで持っていけていましたが、それを徹底することは出来ませんでしたし、ペドロに至っては抜く意識すら見られなかった。彩度が低く下がってボールを受け、シャビと近い環境を作りながらそれぞれがボールを触り、徐々に前へ進出していくこともなく、フォワードはディフェンスラインと戦って前に張り付いてしまっていることが多く、シャビの孤立が顕著でした。それでも何度か前へ進出してシュートを放つ辺りはシャビのコンディションが上向いてきていることを示しているのかもしれませんが、彼一人で状況を変えられるはずもなく、ウイングの二人にはもっとオフ・ザ・ボールの動きの改善が求められそうです。特にペドロは得点に直結する動きが出来たとしてもドリブルで突破することが出来ず、クロスも上げられない。低い位置からの構築にも参加できないのでは、プジョルの上がりを抑えてしまっていて、この試合のプジョルが上がれなかったのはペドロが縦の意識を持たないためにバックパスを受けざるを得ない場面が多く、その戻しどころとして存在しなければならなかったからかもしれませんし、流れを得られない状況で高いポジションを維持できないから、センターバックのケアをしなければならないというのもありましたが、大きな要因としてウイングがやはり突破やキープの意識を持たなかったのが大きいのではないでしょうか。

イニエスタとメッシが投入された以後に状況が大きく改善されたのは、二人が高い位置に針続けずに下がってボールを受けることでシャビとの距離感を縮め、ディフェンダーとの距離を保って前を向きドリブルを仕掛けられる環境を作っていたからでもあり、実際にドリブルを仕掛けて抜く意識も見せていましたし、キープをして他の選手が安心して上がってくるだけの時間を得ていた。もちろんそれまでも後ろが上がってくるだけの時間を得られていたものの、バックパスが入って前への意識を殺した状態で上がってきていましたからヘタフェにとっては恐怖感が少なく形を崩さずに守れるものでした。
さらにワイドにポジションを取ってディフェンスを引きつけてくれるお陰でシャビがペナルティエリア付近にまで進出するだけの時間と状況を得られましたし、それがイブラヒモビッチと近い環境でプレイすることにも繋がり、それぞれについていた厳しいプレッシングをずらす役割にもなっていました。もちろんヘタフェが前半からしていたプレッシングは体力を消耗しますから、それで運動量が落ちたところに交代だったことも考慮しなければなりませんね。カウンター時の前へ追い越していく動きが減り、裏へ抜け出す動きも減り、対応が楽になっていっていましたから。

メッシのドリブルは停滞してキープを目指すだけのものではなく、横に相手を動かしながらチャンスを伺うためのものでもあって、ペドロがしていたような戻すものではないため、ディフェンダーの組織立った上手い守りの縦方向の動きを止める役割もありましたし、視線のコントロールをして中央に寄せてしまう効果もあった。イニエスタも似たようなもので、相手に奪われないようにしながらも、パスで戻すのではなく自分自身がキープをしながら横に動かすことで、味方が利用できるだけのスペースを生みだしていく。それだけではなく、イブラヒモビッチとの距離感も保てるため、相手はコンビネーションも警戒しなければならず、バルサの人数に対してヘタフェはより多くの人数を割かなければならなくなる。だからサイドが利用出来る環境になり、先制点のアビダルが上がれたスペースもそれの影響でしょう。

あとはバルサが余裕を持ってボールを回せるようになり、相手のプレスが高い位置からかからなくなった。メッシらのディフェンス意識も高く、低い位置からの構築に参加もすることで、前後の距離が短くなり守備の時にも効果的な働きをしていましたね。
あとはチグリンスキは左のセンターバックとしてフィード、構築に期待が出来る働きをしていましたね。パスの精度も高くパススピードも早く、バルサが求めているものに既に対応出来ているようにも感じました。守備でも目立ったミスはなく、サッカーの質も変えることなく層を厚く出来たのはとてもいいですね。後方の問題はマクスウェルノ働きも含めて問題はないので、後の問題はウイングの若手たちがどれだけ柔軟に対応できるようになるか、ですね。ここ次第では日程が厳しくなってきたときに一気に全体のコンディションが落ちる可能性もあるわけで、早めにジェフレンとペドロには中盤とストラーカートの連動を覚えてもらわないといけませんね。

FIFA 10のデモ版が配布開始+レビュー

2009 年 9 月 11 日 金曜日

エレクトロニック・アーツから発売されるFIFA 10の体験版がUK(欧州)ストアにて配布され始めたので、その簡易レビューを箇条書きで書いてみようと思います。その他の地域でデモがいつから配布になるかは各自でどうぞ。
サッカーゲームのライバル、KONAMIから発売されているWinning Eleven 2010が以前までの続編の作りから多少は改心したようで、大きな変更が加えられるというような発表もありましたね。全方向移動であるとか新たな特殊能力や戦術設定など、欧州市場から大きなフィードバックを得ながら制作されたようです。ただし、それ以降の追加情報は過去の作品の例に漏れず、発売日が迫ってきても情報が目に見える形で殆ど出てこない。海外向けのプロモーションビデオなどでは新要素は確認できますが、公式サイト、パッケージすらないのはどういうことなのやら。こちらもデモ版が配布され次第プレイしていこうとは思っていますが、期待はしていません。

まずは体験版をダウンロード後初めてプレイした動画をどうぞ。元々FIFA09の頃から可能な動きの全てを利用できていたわけでもなく、実力もいまいちなのは過去の動画でも明らかなのでその辺には期待をしないでください。画面が暗く解りづらいのは、明るさを設定し忘れたためです。

FIFA10のプレイした感想は以下の通り。時間の都合上箇条書き風です。

・収録クラブは、Barcelona, Juventus, Chelsea, Bayern Munchen, Chicago Fire, Marseilleと、前作に比べると豊富で豪華。

・体験版なのに実況付き。難易度、スピード、アシスト、画面の明るさなど、必要なオプションは全て変更可能。

・体験版では移籍は完全ではない。FIFA09の時もそうだったので、製品版では移籍が反映されているか、あるいは最初のアップデートで対応するんでしょう。

・体験版はHDDにインストールするため非常にロードが早く快適。ただしFIFA09の時も快適だったものの製品版はインストールできなかったため、ここはあてにしてはいけない。EAだからインストールには対応しないものと思っている。ただし09の体験版よりもロードは早いので、もしかすると最適化されているのかもしれない。スタジアムも一つしかないし、その辺の影響かもしれないからなんとも言えない。

・全体的に動きが速くクイックに感じられる。切り返しなどが特に顕著に感じられる。スキルムーブのスピードも速くなったのかもしれない。選手によってスキルムーブのクイックさが違うようで、恐らくパラメータに何らかの設定があるんでしょう。イブラヒモビッチはかなりクイック。

・ドリブルはなめらかで、360度自由にドリブルが出来ると謳われていたため、どれぐらいのものかと思ったら、表面上はFIFA09と差はありません。それがより細かく動けるようになり、ほんの少しのずらし方であるとか、コントロールの方向が変えられたりするぐらいでしょうか。アナログに忠実に動きすぎて選手がふわふわしている、滑っているような感覚はありません。動ける範囲できっちりと360度動いてくれる感覚で09と表面上は差がないと書いたものの、これができるのがプレイしてみると凄く違う。無理矢理という感じはしません。メッシのディフェンスラインの前を横切っていくドリブルが再現可能。何度かやれば自分でも出来た。

・ドリブル時にボールが足下に引っ付いている感覚が薄くなった。ディフェンス時に少しやりやすいかもしれない。スライディングはそういえば試していないが、事前情報ではきっちりとボールに向かうようになっていると聞いた。

・ドリブルのコースとディフェンダーの寄せ方で大きくボールのキープ力が変わる。下手な方法ならイブラヒモビッチでも誰でも簡単に弾き飛ばされるが、相手の寄せきれない位置に動かすと体の弱い選手のでもある程度キープできるようだ。メッシなら特にそれをしなければならないかもしれない。利き足の方にディフェンダーを向かえるのは得策ではない。守備の時は、寄せてさえいれば何とか精度も落とせて奪えることも多くあるので、駆け引きが重要。

・トラップがより自然になった。バウンドするボールの処理をもたつき、跳ねさせてしまったり、足下に収められなかったり、次のプレイに移行する時間が大きくかかっていたのが改善され、テクニックのある選手なら自然にとラップで足下にピタリと収まるようになっている様子。スローインでよく解る。

・クイックリスタート搭載。ウイニングイレブンでは先に搭載していましたが、FIFA10から採用されたようで、相手が使ってきました。自分からどうやってクイックリスタートを使うのかは知りませんが、非常になめらかで自然なものです。

・審判の流し方、ジャッジがより自然になった。これまではファウルを受けた後に流すことはあっても、その流した後いつ笛を吹くのかの判断が非常に悪く、攻撃の形を作れそうな最中に笛を吹かれてやり直し、というのがよくあったんですが、今のところそういう形にはなっておらず、改善されたようです。さらにスライディングで相手を倒さなくとも、抜かれそうになった相手に足を出して止めた場合にもイエローカードが出ました。

・ディフェンスが細かい部分で足を出すようになった。これまでクロスやシュートに対してディフェンダーが体を張って止めることが無く、クロスを上げられるときは蹴る前に奪わなければほぼ確実に上げられてしまうように感じていたのが、しっかり近くにポジションを取り、コースを切っていれば足を出して止めてくれるようになった。このお陰で「待ち」のディフェンスがやりやすくなり、無理に飛び込まずにコースを切ることで防ぐことも可能になりました。非常に優秀な足の出し方です。前の方の守備でフィードをブロックする際にも同じような動きをしてくれます。これまでのように「シュートコースにスライディングでコースを塞ごうとしても効果無し」というのが改善されるかもしれない。

・L2ディフェンスが軽くやりやすくなった反面、相手のスキルムーブにセミオートで対応できていたものが、ある程度自分で駆け引きしなければならなくなった。

・パスで崩していく動きが非常に楽になった気がする。相手のマークを外してフリーになる動きをしてくれているような感じで、戻すパスや横パスが出しやすくなっているような印象を受ける。ただし、相手の守備の対応力も上がったような気がするため、どうにもやりづらい。ただ単に自分が下手で、やり込み不足で対AI慣れしていないだけの可能性が非常に高いだけでしょう。

・キーパーのパンチングやキャッチなどの判断がよくなっているかもしれない。シュートの機会をあまり作れなかったので詳細は不明。

・ロングパスの弾道が低くなり、サイドチェンジがやりやすくなったものの、アシスト機能を入れていると、逆サイドまで届かないこともしばしば。選手の能力やアシスト設定、そして操作をしている人間の腕の問題が一番大きいだろうからこれもあてにならない。フィードはバルサしか使っていないのであまりやっていないけど、上手くやればピケorマルケスからアンリへというパターンも再現できそうだ。

・コーナーキックが曲がりすぎて目的のポイントに落とすのに苦労しそう。

・試合中のフリーキックの場面でR2を押すことでキッカーを選べるようになった。

・フリーキックでL1を押しながらで弾丸のシュートが蹴れるようになった。パワーを調節すれば壁の下も狙えるけど、動画ではL1で弾丸だというのを知らずに使ったため壁にぶち当ててます。

・キックオフがホーム側固定ではなくなった。アウェー側からもスタートする。

・選手の顔がFIFA09よりも似ているようになった。あまりにも似ていないと思える顔グラフィックが09は多かったんですがFIFA10になってから各選手の顔が似ているように見えます。ただ、似てない選手は相変わらず駄目で、ファン・ボメルだとかピケとかその辺は雰囲気すら出ていない気もしますが、改善された選手も多い。

・レーダーが見づらい
・メニューなどのインターフェイスの改善はあまりないようだ。
・ゴール後の雰囲気は変わらず。
・ハイライトに選ばれる場面は相変わらず首をかしげたくなるものが多い。
・インスタントリプレイで何故か審判をターゲットに出来る(わら

あまり数をプレイできていないのでこれぐらい。

国際親善試合 ガーナ対日本

2009 年 9 月 9 日 水曜日

■Ghana 3 – 4 Japan
始まりはオランダ戦とは比べものにならないぐらいにふわりとしたもので、親善試合特有の空気が漂ってましたね。特にガーナの方には立ち上がりから連動性や一歩ずつの精度が公式戦には遠く及ばないもので、パスにしろ動きにしろミスが多く、よく殆どのメンバーが移動などでコンディションが整わない中で出場してくれたと思えるほどでした。

日本は2トップにしてフォワードの枚数を増やした以外の変化には乏しく、キーパーと右サイドバックぐらいでしょうか。序盤のシステムは基本的にボックス型と言われるタイプの中盤の構成に近く、右に中村俊輔が入り、左に中村憲剛。フォワードのどちらかがサイドに流れたところにまずボールを渡して構築を目指すことを基本としているようでしたが、フォワード、左右のミッドフィールダー、サイドバックと近い関係を保ちすぎたために渋滞を起こしてしまうことが多く、それは長続きしませんでした。ですがそのまま、フォワードが左右に流れて起点になる動きをしておくか、ミッドフィールダーがサイドの高い位置をキープして後方からのボールを収めるようになっていればよかったものの、中盤もフォワードも似たようなタイミングで中央でのプレイに切り帰ってしまったために、これまで同様にサイドからの攻撃に全く厚みが無くなり、中央でキープしてサイドバックの上がりを待つだけ。守勢に回るとそれがサイドバックとセンターバックに全てのしわ寄せが来てしまうため危険なエリアになりやすかったんですが、この日のガーナが本調子ではなかったお陰で弱点を鋭くついてこず、助かった印象が強かった。

日本もそれに当てられたようにプレッシングは少なく、フォワードの二枚がきっちりと2トップの形をしているために岡崎が守備に引っ張られる要素が少ないのも影響しているようです。岡崎の位置が高いことでボールを後方から追いかける形になりやすく、相手に前を向かせない守備はなかなか出来ない。相手を抑えても圧倒的なフィジカルの差と懐の深さで前を強引に向かれてしまう事も多く、複数で囲い込む形は殆ど見られませんでした。見られたのは各選手に一人ずつが引っ付くもので、突っついてコントロールが乱れたところを近いサポートがボールを拾う形でもありません。そのため一度前を向かれてしまえば圧倒的な存在感の相手を一人で抑えなければならず、リーチの差もあって抜かれてはファル出止める場面も見られ、前からの守備は簡単に破綻していました。
前から押さえられなくなると相手のスピードを警戒するあまりディフェンスラインが必要以上に下がってしまい、中盤も押し下げて後方に人数を溜めて守備をしなければならなくなる。となると、カウンターに向かってもフォワードが孤立してしまい、三角形のように先細りの攻撃を抑えるのはディフェンスにとってやりやすく、前半は徐々にチャンスの数を減らす結果にも繋がっていました。

前半の攻撃は特に前田のポストプレイに頼りすぎている部分もあり、それを利用した岡崎の飛び出しもありましたが、手数をかけずに一発を狙う意識が強すぎるものばかりでした。縦のラインで攻めることが多く、序盤こそサイドで展開していたものの中央にポジションを移した中村によって縦の関係を意識せざるを得なくなった、というのも大きいようです。片方のサイドから展開をしても逆サイドのスペースには選手の姿はなく、サイドバックが上がって来るまではオープンスペースであっても利用できない環境ですから、選手たちはそちらの方を大きく見ることをしなくなりましたし、相手に逆サイドの攻撃を意識させることが出来ないため、守備の間隔を広げることが出来ず、裏へ抜け出したとしてもサポートを容易にさせてしまっているようにも見えました。
日本の守備がガーナの選手たちに前を向かせてしまっているように、ガーナの守備も日本の選手たちに前を向かせて攻撃をさせてくれている。緩いプレスで自由を与えてもらって、前を向く精神的な余裕が日本にはあるんですが、中村俊輔も中央に入り、遠藤も中村憲剛も高い位置を取って中央に寄りがち。サイドバックは相変わらず前を向かせてもらっていましたし、パサーの多くが前を向けるだけにフォワードが飛び出すタイミングが早く、それを狙う一発で勝負を決めようとするスルーパスがあまりにも多いものでした。個人の問題ではなくチーム全体として縦に急ぎすぎていた感は否めませんが、中央のスペースが潰れて、サイドには選手がおらず、となればそうなっても仕方がないのかもしれません。
ポストプレイでは戦える選手がフォワードにいることでディフェンダーと戦ってボールをキープしようとする動きが見えるんですが、最後の部分で戦おうとするのが見えてこない。クロスを入れる方にも問題があり、勝てないことを前提に直接入れないのだから体を張る場面はない。だから相手に対して心理的な影響は少なく、シュート自体もミドルシュートを無理に狙う選手がいましたから、あまり戦っている感じはしませんでしたね。得点機はあったんですが。

後半に入ってもその傾向は変わらず、前へ前へとパスを出し続け、簡単にクロス、簡単にスルーパスを出すだけ。ペナルティエリア内に形が整っていなくとも、人数を入れられてなく、まだ変化が何もつけられていなくても、ボールを入れる。まだ余裕があって変化をつけて回せるだけの要素があるのに、それを連続してやってしまったからこその二失点目でしたね。前半の修正のつもりのようで、前からプレスに行き主導権を握ろうとしての行為だとは思いますが、キーパーがボールをキャッチした後も戻る選手が少なくそれぞれ自分のマークに注意を払っているだけ。だからロングキックに対応できず、センターバックが下がらなかった。そうであればキーパーはもっと前に出てカバーをしっかりとすべきでしたが、それが全く出来ておらず、三点目を献上したものも、キーパーの躊躇に大きな原因があるようでした。もちろんスピードが違ったとはいえ、センターバックも簡単に裏へ抜けられてはいけないわけで、キーパーとの連携や、リスタートのポジショニングで思いっきり下げてしまうことも必要でした。相手のフィジカルと圧倒的に差があるのは前から解っていることですから。それの修正は結局選手交代で流れが変わるまで出来ずに、ガーナに徹底的につけ込まれてしまって不安材料。

その後の一気に変わった流れはガーナのコンディション不良も一役買っているはず。オランダの時はあれだけ中盤の活性化が出来なかった岡田監督ですが、この試合ではそれが出来ていたようです。中村俊輔と本田を共存させようとしなかったこともプラスに働きましたね。
本田は殆どボールにからめていませんでしたが、前半から全く日本が意識していなかった逆サイドにある広大なスペースにポジションを取ることが多く、中央の渋滞解消に目立たないながらも役に立っていました。結局最後までチームが求めるポジションとは違う動きだったために効果的なパスや、繋ぎの部分でもずれが生じるなどいい働きとは言えませんでしたが、まだマシだった。
高い位置のサイドで起点が作れず先細りになっていた攻撃を、玉田が左に多く流れることで起点となり、ボールを収めて連動性を生み出せていました。中村憲剛は近い距離を保ちつつスペースを潰さないようなポジションを取っていましたし、長友はその時間帯であっても連動できるだけのスタミナを残していた。中央で渋滞しなくなったことでディフェンスの選手間にも少しずつスペースが空いていましたし、サイドを突破した後のサポートの遅れも出てくるようになった。そうなると、それまでは潰れていた中央のスペースを後方から上がってくる選手が利用するのは容易くなり、縦に急ぎすぎる選手もいなくなって、胃自分たちが攻撃していても急ぎすぎるあまり自分たちの流れとは言えなかった前半とは違い、自分たちの流れで攻められるようになった。そのお陰でキープもある程度出来るようになり、急ぎすぎることなく、自分たちのペースで勝負を仕掛けるようになった。

後半にガーナの日程上の問題が顔を出したとはいえ、中央を停滞させずサイドを活性化させなければならない場面は出てくる。その時に中央に固執せず、一発のパスを狙いすぎず、状況に柔軟に対応できていれば、三失点をする必要もなく、前半から一点ぐらいは取れていたかもしれない。

ともあれ、あの常軌を逸したプレッシングをしなかったことは個人的に嬉しく、ガーナのあの落ち込みを突けたのもそのお陰かもしれません。ですが、あの異常に縦へ急ぎすぎるのは誰の指示によるものなのかわかってますが、よくないですねぇ。途中で修正が効かなかったのも問題ですし、サイドの問題は相変わらずとして、センターバックのスピードとかキーパーとか色々と問題が見えた試合でしたから、その辺が今度こそ修正されることを願ってます。

FIFA09 – 色々ミスもあります。

2009 年 9 月 9 日 水曜日

またオンラインでショウ氏との対戦をしたんですが、この日は諸事情から一試合のみ。しかも試合開始前の入場場面を取り忘れたので後で再録して編集の頭に持ってきているという手間のかかり方。それと珍しく自分がアウェー側でプレイしています。

■Russia(Syou) 1 – 3 Germany(leia)
先制点はラッキーな形でした。一度奪われたものが味方の所にこぼれたお陰で裏のスペースが利用できましたし、二人に囲まれても運良くパスが出せた。それに尽きますね。それ以前にも後にもサイドの深い位置までえぐられてしまうことが多く、クロスもグラウンダーもよく中へ入れられていましたし、それを利用して中へ入り込まれる事もありましたから。
二点目もカウンターで点を取って調子に乗ってたらあっさりと返されて、得点機を献上しまくりも何とか耐えてカウンター一本。形はともかく何とか勝てて連敗ストップですヨ。

ええと、今回はたったこれだけ。

国際親善試合 オランダ対日本

2009 年 9 月 6 日 日曜日

■Netherlands 3 – 0 Japan
自分がある意味で期待していた本田圭佑がベンチスタートだったのは、別のある意味では朗報でした。スターティングメンバーには中村俊輔の名前があり、事前の練習でも中村俊輔と本田の方向性の差異から確執があるかのように報じられていたり、別の部分でも代理戦争にも似たものが起こっていて、チーム自体がまとまりを欠くことになれば岡田監督がやっている方針ではうまくいかなくなるのは目に見えていましたから。
それと同時に、予想で書かれていたように本田圭佑と中村俊輔を左右に配してしまえば、両者の守備貢献の少なさとプレイスタイルの関係から、サイドの守備負担がサイドバックにのしかかり、センターバックのケアが必要になる。センターバックに入ることの出来るディフェンシブ・ミッドフィールダーがいるのならばサイドに吊り出されても中央のケアが出来るためリスクは少なくなりますが、そういった選手たちではないのだから、センターバックがサイドに吊り出されるのは危険な行為の一つだと思っていました。だからこそ同時期用ではなく、フォワードでありながら献身的に動ける岡崎が入ったのは、多少良いことでもありました。

ここからはいつもの繰り返しのようで、左右に利き足とは逆の選手を基本的に配置することで、サイドのスペースを効果的に縦へと使えない環境を作っている。となるとサイドバックの攻撃参加がどうしても必要になり、中盤の構成上センターバックがサイドへ吊り出されたくないのにサイドへ出て行かなければならない場面が増えてくる。まだそれを問題とせずに考えたとしても、サイドバックが縦への突破、あるいは飛び出しに成功したとしても、クロスを中へ入れたときに誰が中へ入り体を張るのか、という問題が残っているわけです。右からのクロスであればファーサイドへ岡崎が入るでしょう。でもファーサイドだけで勝負をしても読むのも準備をするのも簡単で、ニアで潰れる役目を担ったり、中央で犠牲になる選手がいてこそのファーサイド。そのどちらかに入るべきワントップが玉田ではそれを期待することは難しく、左からの時には右の体を張る選手が皆無ですからそれも駄目。身長が問題なのではなく、右と中央に戦う姿勢を持つ選手がいないのが問題だと思っています。
試合開始からそれほど時間が経たずに日本がチャンスを得たものがそれに近いかもしれない。左からのクロスに玉田が入ったもの。あれは玉田がディフェンダーと体をぶつけて戦う姿勢を見せていればもっと決定的な形に見えたでしょうし、その後のオランダに理的な影響を与えることが出来ていたかもしれません。あるいはもう一つでも危険なコースを用意できていれば。

試合序盤は中村俊輔はある程度戦う姿勢を見せていて、もしかすると最初にナイジェル・デ・ヨングに足を踏まれたお陰なのかもしれない。プレスを受けても簡単に後ろに下げず、サイドでコースを切られても得意のキックフェイントからクロスを狙っていく姿勢が見られたのは好材料でしたが、それはまだオランダが本調子ではなく、中村俊輔が後方に下げるパスを出すのをオランダのチェックの素早さが狙う意図を持っていたから、それを感じてのものかもしれません。どちらにしても両者共に高い位置からプレスをかけていることが影響していて密集した陣形だったわけで、バックパスを出せる安全な場所がなかったからこそバックパスを出さなかっただけなのかもしれませんね。そして時間の経過と共に前への意識が薄れていき、顔を出さなくなり後方でのプレイとパスに終始するようになったのはいつもの通りで、結局は大きな改善があるようには思えなくなりました。

日本代表の守備はディフェンスラインを高く保ち、相手の前を押さえる戦い方をしている。システムの関係上サイドバックの所を抑えるわけにはいかないが、高く保つことで構築をさせず、ドリブルもスピードに乗せない。中盤では長谷部の献身的な動きによって広範囲がカバーされ、遠藤が近い距離を保ちサポートをすることでいい位置で奪い、相手の陣内で奪っていました。突っつく技術は日本の選手たちのものでも通用することを示していましたし、人数を前からかけているからこそこぼれ球を拾える状況を作っていました。ですが、そこからの攻撃はお粗末で個人の力で打開することが出来ず、奪ったその段階からパスコースを探してスピードアップをすることが出来ない、奪ったその足でゴールに向かうことがないだけに相手に与える脅威は小さく、シュートコースがあっても打たないのだから言わずもがな。低い位置で奪った後は徹底してクリアしているかのようにフォワードへボールを収められる精度のクリアが無く、対するオランダは守勢に回った感がありながらもクリアはきっちりとフォワードに収めるだけの余裕を見せていました。

その後は見ての通り。
あまりにも異常なスピードでかけ続けられるプレッシングは常軌を逸しているように見え、前半でスタミナが尽きるのは目に見えていました。早い段階であのプレスから得点を奪い自分たちの形に持っていければ、という思惑があったとしてもそれが実現不可能だと悟った段階で方針を転換するべきでした。あのプレスは多くの選手が高い位置を保ち近い距離感を保つことで、一人では奪えない力の差を埋めるものでした。
ボールを突き、相手のコントロール下から離してしまうことは今の日本の選手たちでも通用する。だが奪いきることが難しい。なら近くにサポートを配置しておくことでコントロールから外れたものをその選手が奪ってしまえばいい。ただそれだけのことですが、それをするために費やす労力があまりにも大きすぎた。人間が際限なく走り続けられるならともかく、そうではないのだから徐々に選手の距離が開き、サポートが遅くなり、突くことができても、それを奪えなくなった。そしてディフェンスラインを高く保てていたものが、後方に戻る運動量が保てなくなったことから下がらざるを得なくなり、一度崩壊したものを取り戻すだけの要素を持ち合わせていなかったのも崩壊の原因でしょう。中村俊輔選手が試合後のインタビューで語ったように途中交代で入った選手が動かなかったからだけではないはず。

サイドバックに負担をかけまくり、選手の消耗を考えずにやったからこそ、失点をするまでの間をある程度抑えられたわけで、全く互角に戦えていたわけではない。なら何故岡田監督は日本の疲弊している部分を交代させずに、ある程度まだ動ける可能性を残している選手を交代させたのか。オランダはきっちりと問題のある部分を解消して活性化させるための手段を講じた。その結果、交代選手を投入したとしても日本は活性化せず、オランダは活性化した。投入された選手の数も問題で、親善試合なのだから二つで済ます必要など何処にもなく、もっと大量に入れてあの常軌を逸したプレスを継続することも可能だったはず。公式戦を意識したものだとしてもあと一つの交代枠があり、消耗していたサイドバックなり中盤なりを変えていくこともできたはず。試合後のインタビューを聞けば一目瞭然で、あれだけの状況にありながら、へばっているように見えていなかったのだから交代させなくて当然ですね。
守備に全力を傾ければなんとか一試合保ち引き分けに持ち込む可能性がある、というぐらいの戦い方をしておきながら、消耗した選手の所も全く交代させる気配もなく、それを見抜けない。あまつさえ三点目まで簡単に献上してしまうのだから、より公式戦を意識したとすれば、得失点差で敗退の致命的な要素になりかねないことをしたわけですね。

オランダ戦後 岡田監督会見 / スポーツナビ

――(相手のボールホルダーに)近い選手からプレスをかけないとボールを詰め切れないということだが、玉田から本田に代わってああいった展開になったということか?

 いや、本田だけの責任ではないです。今はまだ90分もたないかもしれないけど、でも来年(の本大会)までには90分間もたせないと勝ち目がない、とは選手には伝えています。そういうところで、だんだん(プレッシャーが)緩くなったということです。

(中略)

――前半かなり激しい勢いで相手を追っていたが、どれくらいペースがもつかについては想定内だったのか?

 これはサッカーなので、その前にどこかで(先制点を)入れられていたらもっともたなかったと思いますし、コーナーキックのこぼれ球から点が入らなかったらもっともっていたかもしれないです。まあ、90分持たないということだけは、大体予想がついていました。

――あれくらい立ち上がりから飛ばすというのは、ペース配分に問題があるのではなく、あれを90分間続けないといけないということか?

 そうです。逆に言うと、それ以外にわれわれが、目標を達成する道はないと。あれではもたないから、戦い方を変えるのではなくて、もつようにする、それだけです。

――ゴール前の課題だが、具体的にどう形を作っていくのか

 これはメンバーの組み合わせによっても変わってきます。今日のメンバーではどうしても中央に寄ってしまう。中央からサイドの、大きく外に開くのではなくて、サイドの外と中の間くらいにスルーパス、つまり中から外へのスルーパス。今は外から中を狙っていますけど、そういうようなことを今日のメンバーではトライしていかないといけないと思っています。

結局この監督は、人間をマンガの登場人物かゲーム内部の駒か何かと勘違いをしているようで、あの常軌を逸したプレスを90分間選手にさせようというようです。それ以外に目標を達成する方法がないと思い込んでいるほど思考が凝り固まっていて、攻撃時に足が止まる現状を考えると運動量は二倍どころでは済まないそれをやらせようと言っているようです。
自分には岡田監督の言動に賛成することは到底不可能ですね。
言うのであれば、あのチェック、チェイスの質を上げて、あれほどのスタミナを消費する動きではなく、より効果的にプレスを実行して、90分持つ戦い方に変化していかないといけない、と言って欲しかった。なのに「90分あれを持たせる」というのは持論は間違っていないと言いたげ。
この試合も90分持たないことの予想がついていたのなら交代枠を使い切るぐらいのことはすべきでしたし、これをしないと勝ち目がないというのでは駄目で、幾つか強豪と戦うための戦術があり、これはその一つだ、と言えるほどであって欲しかったですね。自称戦術家なのなら。

二人の王様の共存にも失敗し、それぞれの間に大きな溝を作り、サイドの問題は就任当初から何一つ解決できないままここまで来てしまい、精神論でカバーするかのような無茶な戦い方を要求している。

これの後には何が残るんでしょうか。