■Malaga CF 0 – 2 FC Barcelona
またしてもWOWOWの犠牲になって放送を遅らされてしまったバルサ戦ですが、一日遅れは以前からWOWOWはやっていましたから、問題な部分ですがそれほど問題に感じなくなって来つつあるのは、WOWOWのやり方になれてしまった悪い影響でしょうね。今回もそれだけならわざわざ書かないんですが、その上に翌日の試合を一つ挟んでからようやく放送、というのが気に入らないんです。たかが日本人一人が移籍しただけでこんな扱いを受けるなんて酷いものです。
マラガが前から激しく当たりに来るディフェンスをしていた影響から、バルサは最初から最後まで苦しめられていました。主に中盤以降にされるものが殆どで、ディフェンスラインにはファウルのように激しく当たりに来るようなことはせず、最後尾にはフォワードの一枚がボールを持っている選手へとプレッシャーを与える程度に留め、もう一人のフォワードがトゥーレ・ヤヤへのコースをきっちり切っておく、という程度でした。
ただ、それでもこの試合の先発はチグリンスキとプジョルだったため、展開力が足りずにそのプレスをかいくぐりながら安定して前に預けることが出来ず、横パスが増えていました。危険なパス回しになっていることもあるんですが、トゥーレ・ヤヤがいつものようにバランスを取ってボールを受けに戻り、バックラインに入ってしまうことで何とか解消を目指しているようでした。それをする際にもセンターバックが持ったときにもサイドバックが持ったときにも明確なマークやチェック来ず、前を向くだけの余裕をもらえているんですが、それ以外の選手へきっちりとマークが付いていて、パスを出しづらい環境にしてありますね。受けることが出来たとしても振り向けないぐらいの環境、あるいはそれらでも十分に前を向ける環境であってmおセンターバック二枚では安定して出せないために躊躇して横の選択をしてしまうことが多い。トゥーレ・ヤヤも積極的にセンターバックのラインまで下がろうとせず、シャビも同じくあまり下がってこないために、組み立てに相当苦労していました。
どちらもリードするまでは思い切って上がっていこうとする姿勢も少ないものでしたし、後方の揺さぶりがないため前が動けず、マークを受けたままマラガのディフェンスラインを保つのを手助けしている印象でした。そして高く保たせているから攻守が入れ替わったときに深い位置にまで入り込まれ、センターバックが対応しなければならない多少ギャンブルな要素が増える。プレスがかからない位置から攻撃されるのにディフェンスラインを高く保たなければならず、裏を狙われるわけで、ラインコントロール云々よりも速いスピードを持つオビンナもいますから、苦しい守り方にしか見えませんでした。
中盤が受けられないためにメッシが中に入り、シャビの位置を下げたり、ケイタをサイドに出したりしているが、時間をかけて後方の押し上げを狙えず、パスコースの少なさから裏へも飛び出せず、パスもそこを狙うものは殆どできなかった。一つの要因に得意としない位置で、得意としないプレイを要求されているアンリがいる、というのもありましたね。窮屈なプレイを強いられて、早い段階でクリアを当てようとしても難しく、ボールを受けに戻ったとしても中盤の激しく来ているところへいってしまうために相手を動かすほどの動きではなく、押し下げる役割も踏みとどまらせる役割も担えず、移籍してきた当初の窮屈なプレイを思い出してしまいました。
ペドロがもっとサイドでボールを引き出す役割を担ってくれればいいんですが、ケイタがそれをやることはあっても、ペドロは中と外のポジションバランスがいまいちで低くサイドの開いた位置で引き出す動きは少なく、中、ですよね。メッシが低い位置に下がってドリブルをして変化をつけることで何とか一歩目を踏み出した感じになっていましたが、これまでの試合であれば、こうなった後はどれだけ安定してメッシにどれだけボールを渡せるかが重要になってくる。ドリブルで変化をつけて相手を押し下げて、中盤へ渡すのを楽にする必要があるんですが、ウェリグトンに故意に足を踏まれていたり、メッシにも苛立ちが見えるのは確かで、プレイ精度も落ちていっていましたし、それにも頼れなくて状況を打開する一つの手段を失った瞬間でした。
マラガの前へ向かうディフェンスが集中できていて、裏へボールを出せないのは痛く、それだけ中盤を抑えられているというのもある。アンリの怪我からイブラヒモビッチが出場して、それまでのプレイとはちょっと内容が変わったのは好材料でした。この時期に怪我をされてしまうのは非常に厳しいんですが、試合に限っては。
イブラヒモビッチが出場してくると、高い位置で受ける事が出来、戻ることなくポストプレイが出来るため、安定してボールを出せる環境が出来上がる。ディフェンスラインを押し下げる効果はなくとも、その場に押しとどめる効果はあるわけで、さらにマークに二人が付いているため、人数も減らすことが出来る。中盤としては彼がいてくれることで後方への意識を相手に持たせられることで、多少の余裕を与えてもらえるようなもので、さらに受けに戻ってこず、ディフェンスラインの場所に常にいてくれるお陰で裏側も狙える。得点自体はそうではなかったものの、裏への意識を持っていたからこそのものでした。それにしても、得点前にあった一本目の方が簡単に決められそうなのに、難しい方を決める当たりがやっぱりズラタン・イブラヒモビッチですねぇ。
後半は多少スピードが出てきて、センターバックから前へ出すまでに延々と横パスを繰り返すことも少なくなった。イブラヒモビッチが入ったために縦のフィードが選択肢にありますし、何より相手のマークが押し下げられて、中盤にボールを出すまでに、きっちりとポジションを取るのが間に合わなくなった。サイドバックに渡したりそこからドリブルで勝負するようになったお陰で、パスのコースを切られるだけでどうにもならない、ってのは無くなったんですが、その分仕掛けるためにボールを失いやすくなった。
失いながらも状況の変化から上手くいくかと思ったら、チグリンスキも怪我をしたようで、ピケが投入されて状態はまた変わってしまいましたね。でも最後尾から展開がようやくできるようになり、安定してボールが出来るようになるはずで、こちらもプラスの効果があるかと思いきや、それらの効果を出す前に先にセットプレイで結果を出してしまうんだから。
あとは前半から続いていたマラガの悪質なプレイとの戦いですね。体を張ることをいとわないし、怖がらないからこそできるものだとはいえ、メッシの足を踏みつけたり、股間を踏みつけたり、ウェリグトンはピケの頭を殴ったり、とにかく色々やらかしてファウルや相手を痛めつけて、サッカーを壊そうとしているかのようなものもいくつも見られ残念でした。前の方のプレッシングが的確で、バルサに形らしい形を作らせず、シュートの本数だって少ない。ペナルティエリア付近もディフェンスラインと中盤の隙間も利用させず、いいサッカーをしているのにそれを台無しにするようなものをやらかすのは良くないですね。
結局そういうのが功を奏したようで、メッシは怪我をしないように手を抜いて、走らないし、抜こうともしないし、ドリブルも仕掛けない。スピードに乗れる状態で受けていないのもあるけれど、全力でプレイしていなくなり、時々苛立ちからプレイすることはあっても、基本は抑えたまま。シャビもキープできず、パスもアイデアを欠いているわけで、見るべき部分は少ない試合でした。バルサがマラガに決定的な形は作らせなかったものの、バルサも自分たちの試合をしたわけでもなく、崩しきった回数も少ない。拾った試合、というほどではないけれど、勝ちきる試合ではなかったのかもしれない。
そこまで荒れた印象を持たなくとも十分に危険なプレイもありましたし、残念な部分も幾つかありましたねぇ。ただ、ルケのレッドカードはそうではないのでは? あれだけやられた後だからダニエウ・アウベスの癖だというのも含めて大げさに痛がるのも解りますが、この試合の基準でいえばイエローカードで十分だったはずで、アシスタントコーチの退席処分もいまいち不明確。