Liga Espanola Jornadas 4. ビジャレアル対レアル・マドリー

■Villareal 0 – 2 Real Madrid
これまでこれまで強豪らしい強豪と対戦していないマドリーが大勝を繰り返しても、本当は何処までの試合が出来るのか気になっていたんですが、その相手がペジェグリーニの前の指揮クラブというのはなんとも。ビジャレアルはマルコス・セナもピレスもスタメンに名前が無く、マドリーはラウールとベンゼマがベンチ。個人的には前の試合でベンゼマと「他の選手」の共存は難しそうだと思っていたのでこれでいいのかもしれません。

ビジャレアルは試合開始当初から、高い位置の守備を目指してディフェンスラインを高く保ち、攻撃においてもショートパスを繋ぎ崩していくスタイルを継続しているようで、前任者からの大きな変化は見られませんでした。守備では厳しく当たりつつ、ボールを受ける動きをする選手にはきっちりとマーカーが付ききり、簡単に収めさせず、収めさせても簡単に展開させないことを目指しているようでした。そのやり方はマドリーの攻撃が個人技に頼っている現状ではうまくいくかのように思えたんですが、個人技に頼っている状態だからこそやられてしまいました。
マドリーはクリスチアーノ・ロナウドでカウンターを狙えるわけで、受けに戻れば選手が引っ付いてくる。それをフェイントなり何なりで抜いてしまえば広大なスペースが出来上がる。それでスピードに乗れば迂闊に飛び込めない状況が出来上がり、簡単には止められない。その間にミドルシュートというデジャヴのようなゴールでしたね。昨季後半にマドリーがしていたカウンターサッカーがクリスチアーノ・ロナウドとカカといったカウンターに特化することの出来る存在によって極まってきた感がありますね。さらにこの試合はイグアインもいましたから、時間のかかるプレイをする選手がおらず、よりカウンターに特化しているようにも見えます。

これまでの対戦相手はマドリー相手に戦力とスタイルの関係上前から来ることが少なかったので、その傾向が強く表れていなかっただけかもしれません。監督の発言から見れば、ビジャレアル時代のようなサッカーをしないというのは明確で、だとすればこうなるんでしょうね。ビジャレアルのスタイルはカウンターを狙ってみるには格好のテスト材料で、パスを繋ぎ、人数をかけて連動を目指している。守備も前から積極的に奪いに来て、リトリートして後方のスペースを埋めようとするものではない。そういう戦い方をすればどうなるか、というのを見事に示されましたね。その後のペースダウンや明確なチャンスを自分たち主導で殆ど作れなかったことからもそう考えて良さそうです。

ビジャレアルは得点を取られて以降も攻撃を緩めたり精神的に落ち込んでしまうわけではなく、高い集中力を持っていました。選手をワイドに配置してカニとサンティ・カソルラの二人が開き、ボールを受けて縦にコースを目指す。サイドバックも上がりを選択して相手をワイドに開かせ、そこから中へのパスを選択することが多いんですが、最終的にはニウマールとロッシが相手のディフェンスライン前でプレイすることがメインとなっているのが前任者の時と変わらず、嵌ってしまうと形すら作れないままシュートの本数も増えない状況のまま改善されてません。
ポストプレイや受けてからワンツーを目指したり、ワイドに開かせておいて中で勝負するにしても、結局はフォワードの二人がディフェンスラインの前でプレイするだけに留まるため、相手の裏を取るための飛び出しを繰り返したり、しないためにディフェンダーの集中は前に向けておけばいい。裏を狙われない対応のしやすさからパスコースを読まれてしまったり、囲まれてしまうことばかり。あとはボールを収めたとしても、受けて振り向くとか、横にパスを出して斜めから中へのシュートを狙う動きをするのは分かりきっていて、変化の少ないものでした。ピレスがいれば近い位置から裏を狙ってくれることもあるでしょうし、キープ力から変化をつけるだけの時間を得ることが出来るのかもしれませんが、この日のピボーテ二人らにはその期待は出来ません。マルコス・セナがいればミドルレンジの展開もあるんでしょうけどね。
右のサンティ・カソルラが中に入ってパスを出しに来ることで変化をつけようとしている部分があるんですが、あまりにもサポートが多すぎるのも問題なようです。特に前方の選手が戻ってくるサポートが多く、後方からサポートに上がってくるのではないのが問題で、前へ向かい、繋ぐプレイを多用していながらボールを追い越していく選手は少ない。むしろ、前の選手がボールを欲しがって戻ってくることが多く、距離が近くパスを細かく繋げる環境になるけれど、近すぎてマークを引き寄せてしまったり、前の人数が減って出し所を限定されていまったり、抑えられたりと、やろうとしているプレイスタイル故に自分たちで自分たちの首を絞めているかのような気もしますね。時間の経過と共にそれは改善の兆しは見えましたが、根本的な改善は出来ないわけで望み薄でした。
あとは左側をサイドバックとして出場していたラサナ・ディアラに縦のコースを切られるのを徹底されているため突破できず、右から縦へ進ませてくれるマルセロの所を利用してクロスを上げられるものの、そこの縦へのコースを開けたり、カバーに来られないだけの崩しをするのには時間がかかって、テクニックがあるとは言えないアンヘルが入れるようになっていたのが残念ですね。

マドリーのカウンターになったときに一度減速させてしまえば、拙い連携に早変わりして、これまでの対戦相手との試合同様にスムーズさが無く、どこから裏へ出るのか、誰がサポートするのか明確ではないものになっていましたね。それぞれのアイデアが遺憾なく発揮されればそれだけで繋がり得点のチャンスになってしまうこともありますが。多くのサポートの距離が遠く、特に半分より後ろで持ったときに動き出す選手が少なく、ミドルレンジのパスは狙えず、繋いで構築の一歩目がないために連動性など期待できない。それどころかマークを受けている選手がボールを逃がすところさえ作れていないのだから、それが徹底されているビジャレアルと見比べると違いがよく解りますね。

ゴンサロ・ロドリゲスの退場も、それまでにも審判への判断への不信感がありましたが、仕方ない判断でしょう。試合を決定づけるかと思われたその退場があってもマドリーの攻撃がスムーズさを欠いたままで数的有利な状況を全く活かせず、それまでと変わらないようにビジャレアルが主導権を持ちつつ攻撃をしていたのには驚きました。
それでもビジャレアルの両フォワードの動きは捕まれているのは変わらないわけで、チャンスにはなりきれません。変化が多いわけでも、個人技や強烈な身体能力があるわけでもない。周りが追い越したり飛び出したりしながらマークを剥がす努力をしてくれるわけでもない。となるとマーカーは比較的楽で、ロッシはマークに付かれたままシュートを狙う場面が殆どで、シュートはそれなり打ちましたが、チャンスらしいチャンスは一度くらいでしょうか。

マドリーはアンヘルの二度目の失敗からペナルティキックを得て追加点を決めたわけですが、基本的な攻撃は数的有利を活かせず、相手のマークを受けずにプレイしても崩しきれる何かが足りない。ビジャレアルがミスをした所を突いて裏へパスを出すことが出来る程度で、自分たちが先に動いて崩したのではなく、相手が動くのを待ってやっているだけに過ぎない。後出しじゃんけんのような確実さを求めているだけ。右サイドバックのアンヘルが、普段は熱くなって精度を落としていく側のクリスチアーノ・ロナウドに逆にやられて熱くなって精度を落としていく程度でしたし、状況判断もキックの精度もいまいち。左サイドバックのカプデビラが素晴らしい判断力と状況認識を持っているだけに、余計に右の対応の悪さは状況判断のズレが気になりますね。ハビ・ベンタが出られるだけの状況なら彼の方を出しておきたいところでした。結果から判断すると、というせこい意見ですが。

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