Liga Espanola Jornadas 3. バルセロナ対アトレティコ・マドリー

■FC Barcelona 5 – 2 Atletico Madrid
試合について書く前に一言書いておかなければならないので、そのことを先に書いておきましょうか。WOWOWにはうんざりだ。何故このビッグマッチを後回しにして中村俊輔が最優先なのか。しかも彼が出場しないのが事前にわかっていながら放送を差し替えることすらしない。レギュラーでもなく、怪我がちで欠場もする選手をファーストチョイスって信じられない放送をやってくれますね。何年サッカーの放送に携わっているのやら。ハイビジョンに拘らずにデジタル3チャンネルを分割して同時に複数の試合を放送こともできるはずなのに、それもやろうとしない。今季始まる前からこうなることが解っていたので牽制と抗議のメールを送っていますが、大久保の時のように三番手以降の放送に早めに設定して欲しいところですね、まったく。

肝心の試合ですが、天敵だと言ってもいいアトレチコ相手にプジョル、トゥーレ・ヤヤ、アビダルを休ませて挑んでいるのはある意味驚きでしたが、それでも戦力が落ちないのは嬉しい限りです。

開始早々にアンリがミドルシュート放ち、入りこそしなかったもののバーに当てた場面が物語っているように、アトレチコもチャンピオンズリーグを戦い激しく消耗しているようでした。疲労からの弛緩した入り方の最中に、放たれた意表を突く一撃は、バルサにとっては試合を動かす効果が十分にありました。アトレチコは緩んだままの気持ちを切り替えることが出来ておらず、開始早々の得点を演出してくれました。イブラヒモビッチの完璧な飛び出しと、セルヒオ・ブスケツの完璧なパスの二つが合わさったとはいえ、アトレチコの守り方は雑そのもので、ゴール自体も華麗なものだったのでバルサが上回った印象が強いんですが、その失点後のアトレチコを見ている限りでは、アトレチコが悪かったというべきでしょう。

アトレチコは戦う姿勢を前面に出したクラブであるのに全く選手を捕まえ切れていない。バルサの選手たちは単純にパスを出すのではなく、ボールを動かし相手を引き寄せながら出来たスペースへ選手が動いてパスをもらう。洗練された動きで、捕まえづらいものであるとはいえ、メッシにはマンマークが付くでもなく、ゾーンの近い選手が張り付くわけでもない。常に前を向いてボールを受けることが出来、ドリブルをする余裕さえも与えてもらっている。同様にアンリにボールが入ったときにも、後ろから当たって前を向かせない守備をするのではなく、リトリートしてラインを整えることを優先としている。パスを受けたにアンリとディフェンダーの距離は縮むどころか開くばかりで、あそこまで自由にプレイにさせてもらえるのは久しぶりだったのではないかと思えるほどに自由でした。
そういった守り方をしてくるために引き気味に守られてしまい、サイドバックを含めてワイドに開きすぎ、ディフェンスラインとフォワードのラインが揃ってしまってパスの出しどころを失ってしまうこともありました。それでも裏へ飛び出す意識をアンリやイブラヒモビッチが持っているのはチームとして状態が上向きになっていると捉えて良さそうです。悪いときであれば、守備と攻撃が同一のラインに並んでしまったときに、誰も裏を狙わなくなり相手に主導権を持った守備をさせてしまっていましたから。そして裏の狙いに対してきっちりとパサーも対応してパスを出せていましたし、アトレチコは裏へのケアが薄く、それ一本で攻めていけばいくらケアがなっていないとはいっても防げてしまうものですが、バリエーションの一つとして選択されていましたし、悪く見える部分は少なかったですね。

アトレチコは守備も鈍いものでしたが、カウンターも鈍くアグエロやシモンのスピードも活かせていません。フラドやマクシはスピードのあるタイプではないので仕方ない気もしますが、前へ向かうための迫力もなく、見えるのは色濃い疲労だけ。全力で追い越していく動きが見られず、バルサが前方を塞いでリトリートしているだけで自らスピードダウンをしてくれます。ただフォワードにボールが収まりやすい環境を作ってしまっているのはトゥーレ・ヤヤがディフェンスラインの前でフィルターになってくれるのとは違い、セルヒオ・ブスケツが前へ行ってしまうためですね。結局彼のプレイスタイルが変化したのは、昨季の終盤だけでした。
そうなると怖いのはアトレチコの得意ミドルシュートなんですが、それもあまり狙われておらず、再三にわたり狙われたのはバルサの右サイドの裏。効果的でもありますたが、そうでもなかったとも言える微妙なものでしたね。中や後方からの押し上げとかの問題の方が大きかったのでその印象が強いんでしょう。

二点目はシャビにボールが渡るまでは、半ば偶然のように相手にぶつかったものが含まれていました。この時は開始早々のアンリが放ったシュートの時とは違い、多少体を寄せてきていたものの奪いきるまでには至らず、シャビへのプレスは非常に緩く、広い視野を活かせるだけの時間を十二分に与えてもらっていました。その後のメッシのプレイはパーフェクト。これ以上ありません。主導権を持ってゴールキーパーを動かしていましたから。問題はオフサイドかどうかでしょうが、芝のラインが正確なら、ペレアが芝の色の変わり目より奥にいましたからオンサイドで問題ないでしょう。

バルサが二点を取ったことで吹っ切れたのか、ようやくアトレチコが連動した攻撃を行うようになりましたね。選手を追い越していく動きも増えましたし、サポートの距離が縮んでトリックプレイも合わせながら出来るようになって動きが活発になることで後方から前へ繋がりやすくなった。バルサのディフェンスラインがかなり高く保たれているその裏を狙おうとする意図があるようです。チグリンスキもピケもスピードがありませんから、怖いくらいに高いディフェンスラインでしたが何とか守っていました。幾つかミスがあってグリンスキのトラップミスからマクシに決定的な抜け出しをされましたが、何とかカバーが間に合いましたし、怖かったマクスウェルの守備も、カウンターの処理を誤り、シモンに奪われたり、左からの攻撃をあっさりと抜かれてクロスを入れられたりもしましたが、先に見たバイエルンのプラニッチとは大きく違い、きっちりクロスのコースに入って体に当てることが出来る距離感を保てているだけに問題はなく、それより前のポジションの選手たちがするプレスは悪くなかった。それ以上にアトレチコの攻撃が機能するようになったのは、彼らがよく動くようになり、本来の戦う意志を取り戻したからでしょうか。

そのまま五分の形になるかと思っていたら、それを打ち砕いたのがダニエウ・アウベスのフリーキック。例の如く全く枠に飛ばないんだろうと半ば諦めながら見ていたら、今日は守備のスライディングといい大当たりの日だったようです。行けると思っていた意識を叩き潰すには十分で、バルサも少し余裕を持ちすぎているプレイをし始めていましたが、そんな中でも追加点を決めて勝負は殆ど決まってしまいましたね。四点目のメッシの動きは形容しがたくただ驚くだけ。あの形からクロスにまであれで持っていくんだから、どうしようもない。そしてチャンピオンズリーグではケイタがペナルティエリア内に入り込めていけなかったのを解消していて、左から攻めたのに、ケイタがそこにいた。サイドバックとのバランスを取りながらも中に入れるほど余裕がある証拠と捉えることも出来るかもしれませんが、ちょっと最近のケイタはバランスを取りすぎな気がしますね。。

終始シャビが自由にボールを持てていた前半は一方的な展開だったものの、後半にはいるとようやくシャビにマークが付き、前を向くのが困難になった。メッシやイブラヒモビッチ、アンリは省エネモードに入り、オフ・ザ・ボールの動きで相手を引き剥がしてボールを受けようとしていませんし、裏へ抜ける動きも減らして単純なものにして、自分たちにマークが付けられたのを確認しているかのようでした。前半に一点を返されたとはいえ三点差を保っていますから仕方が無いんですかね。

アトレチコが前の方に人数を置いて守り始め、バルサはそこを人数をかけずに攻撃に移ろうとしている。ピケが持ち上がってみたり、シャビとダニエウ・アウベスで包囲網を突破しようとしてみたり、相手を動かすのを少ない人数で多くの人数を動かしている。
その最中にハーフタイムで気合いを入れられたのらしいアトレチコは戦う姿勢を見せてきていて、ファウルで抜かれるのを阻止する場面が多く見られるようになりました。バルサのファンからすれば怪我を気にして冷や冷やするものの、それがアトレチコらしさでもあり、ようやくそれらしさが見られたのは良いといえば良いのかもしれません。高い位置に人数を置いていることから攻撃になったときにも高い位置に人数がいるわけで、戻りの体力を使わなくなったバルサの前の選手たちと相まって数的に有利とまでは行かないまでも同数だとか、フリーの選手を作るのは連続して出来るようになってました。
バルサも戻る力こそ使わなくなっていたものの高い位置からのパスカットは狙っていて、特に横パスをフォワードが狙っている。気持ちが張りつめたプレイをしなくなっているが、それでも油断しきって流しまくっているわけでもない。相手に敬意を払っているといえばいいんでしょうか。

この点差のお陰で、過労気味だったシャビに替えてイニエスタを入れられたのは好材料。細かいパスの精度や味方選手とのイメージが共有できておらず、パスミスになるのは勘を取り戻すまでしばらくかかるかもしれませんが、あの人間離れしたドリブルタッチは健在。この試合中央にポジションを取る機会の多かったメッシと共によく前後左右に動き、ボールを引き出す動きをしていました。

同じくマルケスの復帰も好材料。これで右二人、左二人のセンターバックがきっちり揃ったわけで、プジョルがダニエウ・アウベスの代わりに右サイドバックを務めることがあることを考えると、非常にセンターバックのやりくりが楽になり、コンディションを保てるようになりますね。スピード面ではこの試合にアグエロにやられたり飛び出しによって裏へ抜けられたように難がありますが、高いレベルのセンターバックが4人もいるのだから。
ギャンブルみたいな高いラインの裏を何度も取られたものの失点をしなかったのは、今のアトレチコの状態だけでしょう。ミスからは簡単に失点をしましたが、ミスからであってその注意力が問題だけど、大量点後ですから、仕方ないものとして扱うしかない。もちろん問題にしなければならない点もあるものの、ミッドウィークにまた試合が控えていることを考えれば、手を抜いても仕方がない、かな。

審判がバルサに厳しかったのは気のせいにしたい。何せ主審メフート・ゴンサレスですから。でもロスタイムにパブロがメッシを倒した場面なんてのはレッドカードで当然だったし、細かいファウルの判断を考えればきりがない。メッシの抜け出しはファウルをされなければ即得点だったのだから、観客やファンが考えるのはレッドカードで当たり前。結局そのファウルの判断に不満を持った選手たちによってその後の得点が生まれて、得点を取るはずだったメッシが自分自身で決めたのだから、こんなもんですよね、サッカーは。

最後にもう一つ。次節、中村俊輔+WOWOWの犠牲になるのはレアル・マドリー。同時刻開催なのに、ビジャレアル対レアル・マドリーの好カードが後回しというとんでもないことを再びやってくれるようです。

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