Bundesliga 7. Spieltag ハンブルガーSV対バイエルン・ミュンヘン

■Hamburger SV 1 – 0 FC Bayern Munchen
前節までさっぱり活躍できていなかったプラニッチはようやくベンチに入り、その影響から変則的なディフェンスラインになっていました。プラニッチが外されたのはもしかするとチャンピオンズリーグを睨んでのものかもしれませんが、前半のディフェンスラインはスリーバックに近い形を保っていって、右のラームが一列前にポジションを取り、ブレーノがバイエルンから見て右に流れる機会が多かったエリアを捕まえておく仕事を主にしていましたね。左側はバドシュトゥバーが開きつつ、シュバインシュタイガーもケアをする、という形でしょうか。その二人が左の低い位置を支えていたお陰で、リベリーが戻ってスペースを埋める仕事をせずに済んでいたわけですが、右のラームは諸々の事情により機能しているとは言い難かったですね。
ただ、プラニッチがいなくなった左サイドは、さすがにスピードの差から縦へのドリブルを制限することはできないものの、クロス自体はきちんとした形では上げさせておらず、毎回のように簡単にやらせていた時とは大きく違って中の対応は多少やりやすくなっているはず。

バイエルンの前半は相変わらず攻撃の形が掴めず、ティモシュチュクとセンターバック三枚のパス交換が非常に多く、無駄に時間を消費しているようにも見えました。一列前のラームまでなら何とかボールを渡せるし、引いて戻ってくる選手にも当てることは出来るが、リベリーとロッベン以外へ縦パスを入れた際には、それらの選手がキープできずに奪われてしまったり、キープできないと判断してボールはすぐに戻ってくる。主にボールを引き出して前へ運んでいるのはリベリーぐらいなもので、マークを受けていても振り向いて前へパスを出せる環境を作っていましたが、彼がそれをやってしまうと、前の人数が足りず、ポジションを固定されていないとはいえ、ロッベンが左や中央に流れてきてしまい、カウンターの形としてはスピードのある三人が同じサイドに固まっているために一気に加速できるものの、反対側へ相手を引っ張ってくれる選手がいないために守備も対応を集中させられるわけで微妙な状態でした。他のミュラーやシュバインシュタイガー、ラームらにボールを預けてリベリーが高い位置へ移動して構築し直せられればよかったんですが、徐々にその方法をとってもHSVの網に引っ掛かり、プレスを受け、ボールをロストしてしまうのが殆ど。特に後ろからの当たりが激しく、囲い込める距離感を保たれていたために、形が限定されてしまうのも仕方ない気もしますね。もっと動けば解消されそうですが、今のバイエルンにはそれを望むのは難しい。

HSVのエリアはよくボールに絡みつつ、フォワードの一人としてペトリッチの左右にポジションを取ってますね。ポストプレイもこなしつつ、スピードを活かしたドリブルでサイドの突破を狙ったりして、他にもトロホウスキだとかゼ・ロベルト、ヤロリームの展開力やキープ力が加わり、HSVの方がバリエーションは多いかもしれません。鋭いカウンターこそドリブラーの状態とマークの付き方に左右されますが、パスの構築に関してはきちんとバイエルンの各選手の間にポジションを取っていて、引き出す動きが少ないもののボールを受けられる位置はきっちりと取っている。簡単に渡せるようにはなっていないものの、一つ越せればフリーで受けられるぐらいのポジションを誰かが取っているので楽といえば楽ですね。ただ、それはバイエルンの守備がタイトに行われていない証明でもあるわけで、攻守両面で状態は対照的ですね、前半は。

後半からはラームは左のサイドバックの位置に移ったようで、右にブレーノがサイドバックのように張り出すことでスリーバックのように見えていた布陣が、4バックのようになりましたね。ラームが右にいた前半はロッベンが前にいて詰まっていて上がるスペースが無く、かといって後方にはブレーノがいて低い力ボールに触りながら上がっていくことが出来ず窮屈でした。それ以外の場面では反対サイドで事が進んでいるのでボールを触る回数も少なく、単純な言い方をすれば「消えていた」でしょうか。ラームが左に持ってくることでそれの解消と共に、リベリーとロッベンが同じサイドにいなければカウンターも立ち行かなかったものをどうにかしたかったのかもしれない。守備の面でもラームは左なら本来のポジションですから慣れた守備をしてくれて、ニアに絞ってパスコースの限定などもきっちりと安定して行ってくれる。

一部の流れは改善できたものの、全体の流れはHSVに傾いていて、ゼ・ロベルトとヤロリームがボールに多く触るようになったのが大きく影響しているようです。後方から二人のどちらかが受け、持ち上がる場面が多く、そこからパスの展開が狙えるようになった。スピードと浮き球で前へ出すのではなく、キープ力を行かしたものへ変化していました。二人のキープ力はバイエルンの選手が迂闊に飛び込めないほどのものですし、ファウルを貰える選手ですからね。その上、HSVは逆サイドも意識して見ているので、片側で詰まれば反対側へとボールを逃がすことが出来るのも流れを掴んだ要素ですね。バイエルンの緩い守備を上手く揺さぶっているように見えます。
守備も激しさを保ったままで、集中を切らす素振りはありませんでした。サイドバックになったブレーノと、左に回ったラームの上がりを加えたものに苦労しているものの、それぞれを捕まえられる位置には選手がおり、なんとか守りきれる要素はありました。ロッベン頼みのドリブルも、カードを出されながらもきっちりと寄せて防ぐことで、スタミナも削れましたし、ロッベンの活躍の場は時間と共にどんどんと減らしていけた。正対して抜きやすい環境を作らず、左足の方から寄せようにもしていましたしね。

流れの中からではなく、セットプレイから作り直したものでしたが、ゼ・ロベルトの左サイド突破からペトリッチがファーサイドで合わせて先制点。ペトリッチの特徴であるファーサイドのプレイがようやく活きましたね。再三にわたりファーにポジションを取っていたり動いていたものの、味方が使ってくれなかった。だけど、この場面ではゼ・ロベルトはしっかりと意識していましたし、バイエルンの選手たちは誰一人、彼の存在に注意を払っていなかった。非常に彼らしいプレイで満足。

ようやくその得点でバイエルンにも火がついて活性化の兆しが見えました。リベリーとラーム、シュバインシュタイガーという慣れた選手たちが左で連動して攻撃を作り始め、中央にはゴメスがいてどちらかに偏りがちだった攻撃のバランスがよくなったようにもありましたが、反面、カウンターは受けるようになってしまいました。それは仕方がないと言えるようなカウンターならよかったんですが、シュバインシュタイガーがミスをして奪われたものは最悪としか言いようが無く、ゼ・ロベルトに独走を許して後ろからファウルをして止めなければならなくなった。止めなければ一点は確実なぐらいにフォワードが左右に開いて中央を開け、選択肢はいっぱいあった。それだけにイエローで済んでしまったのはバイエルンからすれば幸運で、HSVから見れば不運どころではないものでした。症状は軽かったからよかったものの、負傷もしてしまったのだから。

それにしてもバイエルンはお粗末でしたねぇ。83分に得点のチャンスを得たものの、ヴァン・ブイテンの胸トラップ後にクローゼが触ってオフサイドでゴールならず。多少ずれていたもののトラップしてから足を振り抜ける位置にボールをコントロールできていたのに得点を焦るあまりにクローゼが邪魔をして同点にし損ねた。
こういう危険なプレイをこの時間で見せられるとHSVは無理な攻めはしなくなるのは当たり前で、時間をかけて攻め、時間をかけて守るようになるわけで、本当に勿体ない。

両キーパーの活躍によって締まった試合になりましたが、チーム状況は大きく差がありますね。まだHSVも完成されているようには見えませんが、比較対象がバイエルンではよく見えてしまう。特に前半のラームの扱いを巡る迷走とかは一体何だったんでしょう。

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