2009 年 7 月 のアーカイブ

Pre Season バルセロナ編 -The Wembley Cup 2009-

2009 年 7 月 30 日 木曜日

■Tottenham Hotspur 1 – 1 FC Barcelona
この試合のバルサは多くを下部組織の選手で構築しているため、余分程度でしかありませんが、一応見てみました。

シャビやイニエスタがいないことから、中盤でパスで構築していく作業が慎重になっているものの、体をぶつけて肉弾戦のようにしてくるトッテナムを相手に引いてしまう様子はなく、小さな体のボヤンとガイ・アスリンがよくボールを引き出す動きをしていますし、当たられないタイミングで戻り、少ないタッチで捌くことで相手の思惑通りにさせないところはいいものでした。ただ、これは親善試合に近いものだからそこまで激しくマークをされなかったからと受け取れるものでもあって、全体を通してみると中央にボヤンもペドロもガイ・アスリンも入りがちで、両サイドとはいいませんが、どちらかのサイドの深い位置に収め所となって機能すべき選手がおらず、全体が中に絞ることによって相手も中央に守備の人数を割くことが出来るようになる。さすがに人数が揃ってしまえばいくらボールを受けられたとしてもそこから展開して前を向き、ゴールを狙うところまで持っていくのは難しく、彼らのプレイスタイル上仕方ないとはいえ、もう少しワイドに開いたまま耐えられるようにして欲しいところですね。グジョンセンもそういった意図を持ってパスをワイドに出そうとしていたものの、その意図をくみ取ってくれなかったり、ディフェンダーに張り付かれたり、中へ来てしまったりと、別の選択肢を見つけるために一つテンポが落ちる場面がありましたし、まだまだでしょう。

中盤に入ったビクトル・サンチェスはさすがに何処でもこなせるはいえ、シャビのようなキープ力を発揮することも出来ず、ポジションの取り直しの速度が速いわけでもパスで全体にメッセージを込めて動かすことが出来るわけでもないので、その点では苦労していましたし、ボールをロストしてしまうことも多かった。でもグジョンセンとトゥーレ・ヤヤのそれは十分なもので、彼らが試合の大部分を引っ張っていたのは確かです。上手く引き出してフォワードにパスを出せる回数が多く、収まる回数も多かった。

ボールの支配率も前半は高く、攻守の切り替えも早く、フォアチェックもある程度機能していました。トッテナムをハーフウェーラインから先に出させないだけのことは出来ていましたが、相手のディフェンスラインにまでチェックに行く回数は少なく、その一つ前には十分にプレスがかかっていましたが、ミドルからロングレンジのパスの得意な相手に一歩目となるディフェンスラインにプレスがかからず、本来ならフォワードにボールを収められてしまえば問題になるんですが、なんとか最後尾の守備がうまくいっていて、デフォーらにボールを収めさせず、収められてもすぐに奪い返せるように囲い込む準備ができているのはいいものでした。ただ、本来は一歩目の所を抑えなければならないわけで、エトーがインテルへ行ってしまい、代わりに入ってきたのがイブラヒモビッチだということを考えると、この人同じくらいフォアチェックが限定的なものになるかもしれない。もしそうなれば、最後尾の負担が増え、全体の連動性が取れなくなってしまうかもしれませんね。この日は中盤のプレスで相手をパニックにして奪い取れていたから問題にはなりませんでしたが――。

後半からは全体の選手交代が行われたこともあって余計にパスがフォワードに収まるようになってしまい、トッテナムにはロビー・キーンが投入されて前が強化されたこともあって余計にポストプレイをされたり、左右に開かれたり、前を向いたままプレイできる環境になってしまった。そうなると勢いに乗ったまま攻撃されるようになり、それを捌くために受けの姿勢にならなければならなくなる。となるとサイドバックの裏を狙われて、それの対処をするために上がれなくなり、高い位置のサポートが無くなる。サポートが無くなれば攻守の切り替えの際に人数が足りずプレスをかいくぐられるようになる。
それほど簡単なことではないにしろ、メンバーがメンバーだから。

失点した場面は最悪でしたね。コーナーキックになったジャッジへ納得がいかないまま相手に主導権を持たれたまま再開され、マークなどの配置、対応が遅れたことが始まり。ショートコーナーに対して、プレスが何一つかかっていないのに無理矢理押し上げたのも原因の一つで。マークに付きながら後方を意識しながら押し上げるのならともかく、あの状況の中、ボールホルダーを含めて、画面に映っている中でマークに付かれていたトッテナムの選手はゼロ。失点して当たり前のプレイですね。

■Al Ahly 1 – 4 FC Barcelona
守備の部分は前の試合から多少の改善がみられ、センターバックにまでガイ・アスリンとボヤンが突っかけていく場面が幾つか見られたのは好材料でした。相手が最後尾から構築してこない多婦のクラブなのでそれをすることによって中盤の準備ができるようになる。自分からは無駄走りをしないのかと思っていたガイ・アスリンも意外と守備を意識させればやれるようで、悪くはないかもしれない。

アンカーに入ったルエダはいいポジショニングしてますね。広い範囲の状況が見えているようでパスの配球をミドルからロングレンジまで出来ていて、守備のチェックも大きな問題があるようには見えません。裏のスペースのケアもある程度考えられていて、ディフェンスラインの前を押さえることが出来ていますし、ボールを引き出す動きもある。バルサの選手らしい動きで、いつでも立て直せる位置にいてアンカーとしていい選手になるのかもしれませんね。スピードとスタミナが豊富にあるようには見えないのが残念で、それとセットプレイの精度もいまいち、ロングレンジのパスは、蹴り方に問題があるのか、一杯々々な感じに見えることが多く、距離も出ないときがある。でも2点目となったゴールのようにミドルシュートを積極的に狙っていってましたし、解りづらい。ただショートパスの精度と状況判断はいいですね。途中でケイタがアンカーになって一列前に上がった場面がありましたが、プレッシャーの中での処理は慌ててはいないけど、上手くはないので、ゆっくり持てる位置の方が力を発揮しそう。

攻撃全体では、中央に寄りがちなのは解消されていないようで、ワイドに張っておく選手が居ない。アビダルが高い位置を取っているときぐらいしか相手を開かせる効果が無く、ガイ・アスリンも、前の試合よりは多少はワイドになったけど、もっとタッチライン際まで開いていいはず。そうできないことで、ボヤンのポストプレイへの激しい当たりを許してしまっていましたから、要改善点。
後半からメンバーが入れ替わりメッシが中央に入ったことで、アル・アハリ全体を中央に集める効果があったようで、両サイドバックの外側が出来るようになってましたね。そこを上手くジェフレンがタッチライン際ぎりぎりまで開いてボールを受けようとしていましたし、メッシのお陰で開くことの多い右もペドロが中寄りに使っても十分にスペースが空くほど開いている。サイドへワイドに開いて中央を薄くできないのであれば、中央に人を集めてしまうのも一つの方法といえるのかもしれませんね。ただ、それを活かせるだけの攻撃力がサイドバックを含めてサイドにあればいいんですが、モントーヤよりはダルマウの方がマシだけど、エスパサンディンも含めてそう言える程度なので…。

この時期の試合としてはメッシへのプレスは尋常じゃなかったし、メッシの苛立ちもかなりのものだったので、それだけ効果があったといえるんでしょうが、見ている方としては怪我が怖くて嫌だ。

後は特に書くべきことはないんですが、ジョナタン・ドス・サントスは兄とやはり似ているかもしれない。前の試合でもそうだったんですが、悪いポジションをとっておきながらボールをくれとアピールする。ただ、悪いポジションであっても、プレッシャーを受けているスペースのない状況でもきちんとしたプレイが出来るから問題はないんですが、もっといいポジションを見つけて早く動けるようになれば、より良い選手になれそう。

FIFA09 – 毎度お馴染みの

2009 年 7 月 29 日 水曜日

毎度のことながら久しぶりの動画ですね。また1ヶ月以上あいているはずですが、今回はオフラインで対戦をしています。いや、本当に久しぶりで、FIFAをプレイするのも久しぶり。その間にFIFA10の情報が発表されたりしてやりたかった時期はあったものの、起動したのは前回対戦以来はじめて。対戦相手となったショウ氏は夜間にちまちまとオンラインでやっていた様子でブランクはそれほど無いらしいです、はい。

■FC Barcelona 1 – 1 AS Roma
一発目とはいえさっぱりです。R2を外して大きく蹴り出さないように気をつけてプレイしなければならないのに、殆どの場面で押しっぱなし。タッチが大きくなったところを奪われるばかりで効果的なドリブルもキープもなく。あとはトリガーランで動かすのもうまくいかず、中央に預けるときに停滞するし、バックパスはミスするし、と散々。そうこうしている間にショートパスも繋がらなくなって防戦一方。左右に散らしていったん下げられるとディフェンスラインがたがたです。
点を取られた直後になんとか同点に追いつけたからよかったものの…

■Leverkusen 0 – 0 Adelaide United
まさかアデレードを使ってくるとは思いませんでしたヨ。でもそれなりにパワーがあって高さもある。スピードはそれほどなく、抜けられると辛いものがあるとはいえ、このゆったりとしたペースがショウ氏には合うそうな。それでもレバークーゼンならなんとかなるだろうと思っていたら、何ともならなくて、支配され、シュート数も多く打たれて、こちらの裏に出される浮き球も競争で処理が難しく――。
最後の最後もキーパーが出てきているのを避けようとしてもR2を惜しすぎたせいで間隔が詰まっててあの失態ですよ。

■Germany 0 – 2 Russia
初っぱなにキーパー不在を狙われてポスト直撃とか、凡ミスを運によって助けられたものの、どうやって戦っていたのかまるで思い出せなくなってしまいました。中盤の底の部分もバラックとフリングス二枚共が上がる形から変更するのを忘れてましたし、色々だめぽ。
特に二失点目は凄く綺麗な決め方されました。

■Helsingborgs IF 1 – 1 Grenoble Foot 38
色んな意味でぐちゃぐちゃ。自分はラーション頼みのサッカーを展開するばかりで、怪我人が出ていたことにすら気付かない有様。ショウ氏は伊藤翔を使ってみたかったらしく、彼をメインにしているものの、他はよくてもシュートが…というのが対戦した感想。動かした感想は聞いてませんが(わら
このレベルになると強いパスを出すとトラップミス多発でボールロストが珍しくないんでやりづらいです。ええ、まぁ、どのレベルの選手を使ってもピタリと収まってしまうなら、それはそれで大きな問題なわけですが。

EAJ、「FIFA10 ワールドクラスサッカー」をお披露目。多数の改良でより「サッカーらしく」 – GAME Watch
それにしてもFIFA10は楽しみですね。今までのFIFAとウイイレでは8方向、16方向のドリブルしかできなかったのが360度自由に動かせるようになるとか(こねくり回さないタイプのドリブラーも再現できるようになりそう)、サイドチェンジがしっかりできるようになるとか、不満だらけでプレイする気にもならなかったマネージャモードも大きく改善されたとか。Jリーグはともかく日本代表さえ収録してくれれば、日本での普及をさらに助けてくれそうな発表ですね。また今度もウイイレとFIFA両方のDEMOをプレイしてからどちらを買うか決めることになると思いますが、現時点で公表された変更点や修正点を見る限りはFIFAが圧倒的にリードかな。あとはバグだとかインターフェイス、ユーザビリティの部分をしっかりとしてくれれば、ね。特に選手交代時のフリーズに悩まされたんで、そういう試合中に固まるのだけは無くなっていると良いな。

Pre Season バイエルン・ミュンヘン -1-

2009 年 7 月 27 日 月曜日

■Stuttgartar Kickers 0 – 10 FC Bayern Munchen
この試合に関しては、シーズン前でまだメンバーも戦術も固まってもおらず浸透もしていないということを前提にして、さらに真剣な公式戦ではないことを頭に入れておくべきでしょうね。

スタートメンバーの多くが新規加入組で構成されていましたが、相手が相手なだけに違和感はありませんでした。システムを数字で表すとすれば4-1-3-2のシステムを採用し、アンカーにファン・ボメルを置いたものでした。散々書いてきたことですが、彼がアンカーをするには多くの問題がつきまとうのですが、それはこのぐらいの相手なら露呈することはなく無事にこなせていました。
ただ幾つかの問題点を見て取ることは出来、デミケリスともう一人、バドシュトゥバーというユース上がりの新人にフィード能力はなく、そこからボールを引き出すことが出来ていませんでした。相手が中盤に人数をかけているだけあってマークに付かれていることもありましたが、ファン・ボメルが動き直しボールを引き出しに下がる場面はほとんど無く、以前であればコンビを組んでいたゼ・ロベルトがしてくれていたサポートを補う人材が、その時のメンバーにはいませんでした。センターバックから出されるパスの多くは両サイドバックのラームとレルを経由しなければならず、一手間かかることでプラニッチやソサに上手くボールを収めることが出来ず、ファン・ボメルがボールを欲しがるタイミングでも渡すことが出来なかった。そして前を向くタイミングはなかなか無く、フォワードの二人がボールを触る機会には恵まれず、マリオ・ゴメスとオリッチにディフェンスラインの裏を狙わせるミドルレンジのパスが出てくる程度でした。
裏を狙わないのであれば、オリッチが運動量豊富な持ち味を出して、左右に流れ、相手サイドバックの裏でボールを収めるぐらいでしょうか。そこへラームがサポートに向かったとしても距離が長いために孤立しがちで、単独で前へ、そして精度のないクロスが目立ち攻撃の形としては最悪なものでした。
もしプラニッチがゼ・ロベルトのように動けるのであれば、高い位置でサポートを出来るんでしょうが、プラニッチは中と外の両面に動き似たような動きを見せてはいましたが、精度とポジショニング、連携、速度の面で及ばず、密集地帯でキープするのを嫌がっているようで、リスク回避の”逃げ”のプレイがいくつも見え、守備も緩く見極めも甘いようでした。まだ馴染んでいないんでしょうけど、時間がかかるタイプかもしれない。

中盤のもう一人、バウムヨハンは上手くとけ込んでいるようで、前を向けるタイミングでボールを受け、そしてパスを供給できる。シンプルだし、ボールを引き出さなければ行けないタイミングを心得ている。仕掛けもある程度出来ますし、プレッシャーの中のプレイも逃げずにやろうとしている。バウムヨハンは今季期待すべき選手の一人なのかもしれない。他の選手次第ではありますが。

バドシュトゥバーは見せ場は少なかったものの、悪い部分は見えず、浮き足だってもおらず、後半から出場したブレーノよりも安定した働きだったかもしれません。テクニックは悪くなく、ゲームを組み立てる展開力はないけど、パスは比較的良い方。ボールを持たされてパニックに陥るような選手ではないようです。スピードはあるように見えないけど、ポジショニングは良い方だと思う。ポジションの取り直しをさぼっているのが見えたのは残念ですが、計算できる一人にはなりそう。左利き。デミケリスにはよく助けられてましたが、そういう役割分担だったから当たり前かもしれない。

選手の多くが入れ替わり、チームの構築に多くの時間を必要として、開幕にもし間に合わないようなことがあれば、オリッチの運動量とスピードに頼って相手の背後にボールを落とすカウンターが序盤の主戦術になるかもしれませんね。それとオリッチがサイドのスペースに流れてボールを引き出す動きがメインになるかもしれない。トニとクローゼ、リベリーがどうなるかで解りませんが、オリッチはブンデスリーガ内で考えると非常に有効に使えるかもしれませんが、欧州の舞台に立ったときに物足りないかもしれない。

マリオ・ゴメスもどうなんだろう。前半は中盤のプラニッチ、バウムヨハン、ソサのラインが横に揃ってしまって、右からレルが上がってくる頃には、前がどん詰まりのパターンが多く、バリエーションも少なく彼の良さがまるで出せない状況でしたが、後半になって左右で開けるようになってからは、ゴメスが余裕を持ってボールを受けられるようになり、形が作れるようにもなっていましたし、協力があれば十分に活躍できるかもしれない。特にカウンターのような状況が作れればいいんですが、バイエルンが国内でその形を作り続けられるとは思わないので、もう一つ単調な中でも強引に受けていけるだけの要素が欲しいところ。高さが揃っているから単調でもそれでなんとかなってしまうのかもしれませんが。

それで、後半の攻撃パターンの増加やスペースの構築の多くを担ったのが中盤に入ったアルティントップと右サイドバックのゲルリッツなんですが、アルティントップは、アンカーにオットルが入ったお陰で守備の負担から解放されて縦横無尽に動ける環境をもらい、クリンスマン監督の時よりもサイドから中へプレイエリアを移してもらったお陰で生き生きとしてました。よくボールを引き出しに戻り、ポジションの取り直しも早い。彼が入ったことによって、中盤の流動性が出てきて、スムーズに縦へのボールが収まるようになったのは事実でしょう。出戻りのゲルリッツも、もの凄く物足りなかったレルの上がりを解消し、左に偏重していた攻撃がワイドになった。左右に開かせて、渋滞の起こっていた中央も使えるようになった。バウムヨハンもいなくなったし、空間が空いたから、というのもあるのかもしれませんが、周囲の選手の違いがあったとしてもレルより攻撃的でスピードがあり、テクニックがある。守備に関しては見所がなかったので解りませんが。

守備のベースをフォアチェックにするのか、リトリートをベースにするのか、点差で解るとおりどういった守り方をするのかを見る試合ではなかったので、ファン・ボメル一枚でやれるのかもわかりませんでしたし、オットルが入った形を基本とするのかも解らない。リベリーがどうなるのかも、フォワードの誰を使うのかも、シュバインシュタイガーも。中盤の構成力を軸とした戦い方で、フォワードには裏を意識して戦うようにさせているのは解りますが、今季に関しては監督も監督ですから、欧州の舞台では期待しないようにしておきます。

T-Home Cup

■FC Schalke 04 1 – 2 FC Bayern Munchen
時系列でいうと、こちらの方が先に行われた試合だったはずで、30分ハーフの変則的ルール。他にはシュツットガルトとHSVが参加していたようですが、その辺は追々。

先に見た前述の試合と違う部分として、ミュラーがフォワードに入っていてオリッチとコンビを組んでいること、ファン・ボメルが先発していないなど幾つかありますが、攻撃のスタイルにはあまり変化を感じられませんでした。そもそもファン・ボメルがよく動くタイプではないために、最後尾の一つ前に試合を構築できる選手として置いたとしても、100パーセント機能させられるわけではないので、この試合のようにオットルが務めていても別に変わらないんですね。
一緒に組んでいたのがボロウスキ(ブレーメンに戻っていきましたがこの時はまだバイエルンの選手)とハミト・アルティントップ。
悪いことにボロウスキもパスを出せる選手ではありますが、リズムを作るだけの力は持っておらず、それを持ち味ともしてない。運動量とスピードもあるわけではなく引き出しには時間がかかるわけで、結局その役割を一手に担っていたのがハミト・アルティントップ。アンカーの位置にまで下がって引き出し、ドリブルで持ち上がる場面が目立ってました。前に見た試合ほどバウムヨハンが目立たないのは、シャルケのチェックが早く、前方がつまり気味のため。それとカウンターに集中しているからでしょうか。消えている時間が長く、前を向いてプレイするのはカウンターぐらい。それも、効果的に動いてはいるものの、守備に貢献している姿は特になく、タッチもシンプルだから印象に残らないかもしれない。

今季の課題となりそうなのは、センターバックからの組み立てをどうするか。レンジンクも足下の技術はよくなく、ちょっとしたプレスで焦ってキックミス、そしてフィードも飛距離が出ず、と現代的なキーパーとしては物足りなさを感じるので、相変わらずサイドバックがどれだけ縦と中央にパスを渡せるかが鍵になるのかも。純粋なサイドアタッカーを置かず、中央でゲームを支配できる選手が居ない。リベリーがいれば……と思う部分があるにしろ、彼におんぶにだっこではブンデスリーガは勝てても欧州の舞台では――。

相手がシャルケであるお陰で守備の部分が多少見られたわけですが、フォアチェックを基本としたもので、相手のディフェンスラインにはプレッシャーをかけないものの、そこから一列先に渡ったときにはプレスをする。でも、それではシャルケの攻撃を相手にするには遅いようで、フォワードにボールが収められてしまいポストプレイからサイド、サイドに展開されて逆サイド、いくつもパスを繋がれるくらいでした。シャルケのポジションの取り直しが早かったのもありますが、人数で囲んで窮屈さを与えたとしても、フォワードにまで収められて全体を押し上げる要素になるのだから、バイエルンの守備はまだまだ。まずパスを防ぐべきコースに入れる人数が少ないことと、経験の少ないブレーノとレルのセンターバックがクラーニィ、ハリル・アルティントップ、ファルファンを抑えられなかった、というのもありますが、長めのボールでも背負われてしまって収められるのだから、悪いとしかいいようがない。

全般を通して、試合時間が短い影響からか中盤にスペースが出来がちで、シャルケはともかくバイエルンは中盤で支配していくよりも、素早く攻撃に移ろうとしている姿が多いですね。この試合からオリッチ頼みはスタートしていたようです。早めのパスで彼を走らせて、その勢いのまま深くに入り込めるようなら入り込む。ミュラーと戻りが遅いボロウスキ、バウムヨハンらでカウンターで裏へ裏へ。シャルケは先に失点をした影響からラインが高くなっていたし、プレスも積極的にするようになっていた。だから裏を狙うのは効果的だとしても、どのタイミングでも裏、っていうのは芸がない。

現代サッカーでは守備の選手が如何にして攻撃の一歩目を作るかが重要になっているように思えるんですが、この部分はまだまだ。もうちょっとテクニックのある選手が欲しいところですね。ヴェスターマンとかコビアシュビリ、ラフィーニャがいるシャルケは比較的マシな部類だとは思いますが、チームの大部分が入れ替わっているバイエルンと、それほど大きな変化がないシャルケではチームの完成度で大きく差があるのは当たり前ですね。もうちょっと時間がかかるものだとして見ておくべきでしょうか。

でも最初から最後までオリッチが裏へ抜ける動きをし、それに合わせてロングスルーパスを出すだけで、変化も何もないバイエルンにはがっかりした。効率的で相手も相当苦労するでしょうが、単調です。シャルケが中と外をバランスよく使っていたこの試合だからこそ、余計に目立ってましたね。