2009 年 5 月 のアーカイブ

Liga Espanola Jornadas 35. バレンシア対レアル・マドリー

2009 年 5 月 10 日 日曜日

■ Valencia 3 – 0 Real Madrid
先日のクラシコの結果から、レアル・マドリーがこの試合に勝たなければ翌日にもバルサの優勝が決まってしまうかもしれない。そんなプレッシャーやクラシコで負けたダメージが何処にあって、あの時の戦い方がクラシコ用だったのか、それとも残りのシーズンをあの戦い方で続けるのかを見たかったんですが、それも見られませんでした。フエラであることもそうですが、ラサナ・ディアラが出場できていないことも大きく影響していましたし、バレンシアがチャンピオンズリーグ出場権を得るために勝ち続けなければならないことと比較をすれば、レアル・マドリーがモチベーションを保つ難しさが前面に出ていた試合でしたね。

レアル・マドリーは前で繋ごうという意識を見せたり、バレンシアの裏側を狙っているのが、試合序盤こそありましたが、全体的には少なく殆どの時間帯を押し込まれて向かえていました。あの勝ち続けていたときのようなきっちりとした印象を受けるプレイは少なく、トリッキーなプレイでボールを繋ごうとするなど、最初からふわふわとした意識が見られたんですが、それが多少繋がりを生んで見えたのはそれぞれの位置が近かったことによるもので、バレンシアの攻撃を多く受けるようになり、それぞれの距離が開いてからは見られなくなりましたし、繋がらなくなりました。
バレンシアの攻撃を受ける際に、主にカウンターを利用され、ディフェンスラインが戦いを強いられていた部分が多く序盤にはあったんですが、それらを跳ね返すことはカンナバーロとメッツェルダーなら簡単にできる。それでも跳ね返した先のボールを、本来ならピボーテの選手がスペースを埋めて相手に触らせないようにしなければならないにもかかわらず、戻りが遅く相手に先に触れられてしまい二次攻撃を受けていましたし、そのスタイルの守り方というのは、不調だった頃そのままでした。ラサナ・ディアラではなく、ハビ・ガルシアそれぞれのプレイスタイルからすれば仕方ないことではあるのかもしれませんが、必要なスペースを埋められないのは致命的で、それがディフェンスラインの裏を狙ったボールだけならともかく、ポゼッションのようにボールを繋がれるようになってからも、ディフェンスラインの一枚前にいてスペースを消していなければならないガゴも前に引っ張り出されてしまい、それらのスペースを利用され、センターバックが対応しなければならない場面が多くありました。本当ならピボーテが最初にチェックに行くことでディフェンスラインの負担を減らし、カバーの得意な二人の持ち味を活かすべきであるんdねすが、ピボーテの戻りが遅くチェックも遅いためにカンナバーロが前に出てファーストチェックを行わなければならい、マドリーの悪癖が出てしまっていました。一つ届かなかったり一つミスをしただけで失点に繋がってしまい、バレンシアの攻撃は鋭くその部分を突いて得点を挙げていました。入ってくる人数に対して守る人数が足りていない。数的不利のカバーは、センターバックが前に出てしまえば難しい。失点していたときのように、アンカーがセンターバックの隙間を埋めなければならないが、そこを埋められない。ガゴも、ハビ・ガルシアも中途半端な動きしかできていませんでした。そこだけが全ての原因ではないにしろ、ラサナ・ディアラが加入してから改善されて失点が減った要因はそこに求められるのだから、彼が出られなくとも徹底すべき部分でした。

バレンシアの両サイドの選手が攻撃に鋭さを発揮できたのも、もしかするとマドリーの両サイドバックの対応が軽かったことにも影響しているのかもしれませんし、モチベーションの低さが影響しているのかもしれませんが、バレンシアがここ最近の(前節負けたにしろ)好調さをそのまま発揮したと捉えることも出来る。マドリーの攻撃が単調であるが故にチェックのポイントを前に上げることが出来ていましたし、奪い所をしっかりと狙いを定めてぶつかり、マドリー側にサポートの選手が居ないことから、ずらされてかわされる危険性もなく、当たるだけではなく遅らせることも十分に出来てしまっていました。そういったプレイから連続した攻撃ができるようになり後方に余裕を生んで、何度も構築し直せる強みもありましたが、基本的に守備のチームであるべき彼らがここまでポゼッションをし、支配できたのはマドリー側大きな問題があったともうしか――。

優勝の望みがほとんど無くなり、チャンピオンズリーグ出場権は安泰。それ以外のモチベーションを保てそうなピチチだとかサモラだとか、そういったものに関係している選手もおらず、エアポケットのような状況に入り込んでしまっていることが色濃く出てしまっていましたね。今後残りの試合――例えばバルサの優勝が延びたとしても――レアル・マドリーのサッカーに期待はせず、見ることもないでしょう。

UEFA Champions League Semi-Finals 2ndLeg チェルシー対バルセロナ

2009 年 5 月 7 日 木曜日

■Chelsea 1 – 1 FC Barcelona
大きな部分ではバルサにはセンターバックがピケしかおらず、この試合のセンターバックを務めるのは左のアビダルなのか、それともカセレスなのかと言われていたところに、トゥーレ・ヤヤを起用する辺りには不安でした。マルティン・カセレスが信頼されていないというよりも、チェルシーと戦うときに必要な高さとパワー、それと足下の技術面に大きな問題があるのは確かで、そちらをグァルディオラが重視したためにトゥーレ・ヤヤになったのかもしれません。試合開始当初からボールをポゼッションしていく展開を見る限りでは、その思惑は正解だったように見え、相手のプレッシャーを苦労することなくいなすことの出来、クリアすることなく前へ繋げる二人のセンターバックは有用でした。バルサのセンターバックとしての守り方、例えばサイドバックを押し上げた後サイドに開いてケアしなければいけない部分に関しても、中央にドログバが居ることから困難であったにしろ不満はそれほどありませんでした。第一戦のようにあからさまなマンマークは存在しなかったのも影響していましたが、効果的にフィジカル・コンタクトを避けられる状況を作れていました。

そしてアンリは怪我の影響から外れ、イニエスタが左を担当することになっていましたが、この形になった時にはペナルティエリア内に入る選手の定価や体を張れる選手の減少から引いて守る相手に苦労することが多いんですが、試合の流れを見る限りではエトーが左に張る回数を増やしてアンリの代わりをしようとしているようにも見えていました。メッシが中央に入り、マルダとアシュリー・コール二枚のマークに苦労しない方策をとっても、エトーが左にいる影響から中央にパスコースが存在せず、右側にイニエスタが回ることよりも中央にいることもあり、右からの攻撃力を削ぐ結果になり、アンバランスさは効果的であるとは言えず、むしろ停滞を招いて、エトーの突破もマルデできず前半のある時間までを無駄にしてしまったと言えるかもしれません。

ただそれもあの事故のような失点さえなければ、いつかは実を結んでいたのかもしれません。不運なディフレクションによって、エッシェンのミドルシュートを生んだのは誰の責任でもなく、あれを止められなかったビクトル・バルデスにも責任はなく、エッシェンが上手くダイレクトで叩いただけ、彼が上手すぎただけで防ぎようのないものでした。ただ、これが全体に影響した効果は大きく、ファーストレグほどのマンマークではないにしろ、全体から引いて守られ、それを突き崩すために動き続けるバルサ、という第一戦同様の展開になってしまったのは非常に残念でした。

チェルシーの守り方で特徴のあった部分は、バラックがある程度シャビに対してマンマーク気味に突くことと、中央に多くの人材を置いて、ポストプレイに対して必ず誰かが密着したマークを行い、落としのパスや左右への展開すらろくにさせないようにしていたこと。それと入れ替わるように裏へ飛び出しをされないように、他の選手たちの意識は後ろにありディフェンスラインの位置は低く、ペナルティエリアに入ることもいとわない消極的な守り方でした。
その守り方へ向かうようにして、エトーが左からドリブルを仕掛けたとしても、右はボシングワとアネルカの二枚のサイドバックによってスペースを埋められ全く効果的ではなく、中央でメッシがボールを受けたとしても裏へ抜けられるほどのスペースや、選手との距離感がなく、手詰まりの光景が多く見られていました。改善するために途中からエトーが中央へ戻りましたが、メッシが右に回っても、アシュリー・コールとマルダの二枚のサイドバックによって中央へ向かうドリブルが効果的に行えないのには変わりがなく、縦へのスピードで相手を抜き去ってクロスを上げることしか出来ず、右足で上げざるを得ないその形では得点の匂いを感じ取ることも出来ませんでしたし、同じように右サイドを上がるダニエウ・アウベスは、集中力を大きく欠いているかのようにクロスを終始上げ続けるだけで、まったくこちらも効果的ではなかった。

チェルシーの中央には四人のディフェンダーが居て、ディフェンスラインのテリーとアレックスの前に、エッシェンとバラック、もしくはランパードが入り、四人のボックスを作り出していました。その部分が大半のクロスを跳ね返し、ポストプレイを防ぎ、スペースを徹底して埋める役割を担っているようでしたが、あまりに引いて守るためにその前には多少のスペースがあることが多く、後半からはその部分を上がり気味に設定されたセルジ・ブスケツが利用したり、ケイタがフォワードの人数が足りない部分を補うために善戦で張ることによってそれらの注意を別に向けようとしていましたが、カウンターのリスクは明確に増えているだけで思ったような効果は上げられませんでした。
ダニエウ・アウベスの精度のないクロスもその四人のボックスを避けるようにファーサイドを狙い続けてのものでしたし、狙いはあったにしろ、崩しきるためのアイデアが枯渇している印象は拭えませんでした。

繰り返し続けていくことで、中央のポストプレイに対するチェックは遅れてくるようになり、前を向くことは難しくとも、ボールを正確に落としたり、左右へ流すことが出来るようになってきたのは好材料でもありました。退場さえさせられなければ、前を向きながらの可能性を探りつつ、得点の機会を演出できるチャンスが訪れるかもしれない、と思えるだけにはなっていたんですが。

得点後のチェルシーの攻撃の大半はカウンターで、それ以上の表現は必要ないものでしたが、後半からはアネルカが中央に入ったり幾つかのパターンを増やしたことと、バルサが攻撃のために大きくリスクを冒し始めたこともあって、一時的にチェルシーが数的有利を作る場面もありましたし、得点を決められてもおかしくない場面がいくつもあった。ビクトル・バルデスが防いでくれなければ、勝てないところまで失点をしていた可能性は否定できませんでしたが、試合を大きく動かしていたのは残念なことに審判でした。
バルサ側が助けられたのはこの試合だけで言えば、PK3?4つ分のファウルを見逃してもらえたことかもしれません。ファーストレグの審判の多くの不手際を考えれば、それらの一つぐらいは相殺できるのかもしれませんが、疑問符の付くジャッジが目立ち、アビダルが退場にさせられたプレイに関して言えば、まったく退場に値しないものだったとしか思えませんし、見えませんでした。
自分にはファウルだとすら思えず、ピケとドログバの接触を取るならともかく、あれは妥当だとは一切思いません。が、その後の二つのハンドを見逃して、帳尻あわせはして欲しくない。どちらかといえば、最初のPKを見逃した帳尻あわせとして退場をさせてしまったが、あまりにも大き過ぎたためにその後の二つも見逃したと言ったところでしょうか。何にせよ、審判によって大きく勝敗を左右され、振り回された二試合でした。

同点のゴールは奇蹟の一発かもしれませんが、その瞬間のチェルシーの守備陣形の乱れを見る限りでは、奇蹟でも何でもなく、それまで四人のボックスがありその外側にサイドバックが配置されていて整然としていたものが、この瞬間は形をなしておらず、徹底して狙い続けたファーサイドに三人も入り込んでいました。最後の最後で狙った形になり、引いて守る悪い部分が出てしまい手前が空いてしまった。ただ、それだけなんですが、喜びすぎて泣きそうでした。

後味の悪い審判のミスもその後にあったり、チェルシーのファンがこれで納得をするとはまったく思えませんが、そのことに関して言及できる側にいないのです。恐らく今後問題になるんでしょう。バルサにだって幾つかの言い分はありますが――それはそれ。これはこれ。それはまたそのうち。

Bundesliga 30. Spieltag バイエルン・ミュンヘン対ボルシア・メンヘングラッドバッハ

2009 年 5 月 3 日 日曜日

■FC Bayern Munchen 2 – 1 Borussia Monchengladbach
監督が替わったことで何が大きく変化をしたか、大きな変化はそれほどありませんでした。そもそもリベリが出場停止でこの試合に出られず正確な判断をすることが出来ないので「変わっていないようです」としか言えません。例えば、ここで対戦する相手が高い得点能力を持つ攻撃的なクラブであれば戦い方を変えていたのかもしれませんが、降格圏まっただ中のボルシア・メンヘングラッドバッハでしたから、クリンスマンがやっていた攻撃的に向かおうとするスタイルを守備の方向へベクトルを向け直して修正を図ることも必要が無く、やるべきではない方向でしたから仕方のないことですね。準備期間もなければ、これから先も短いわけですし。

システムは、リベリ不在からシュバインシュタイガーが左側に回り、アルティントップを右に置いているとするよりも、4-1-3-2のような形である程度の流動性を持たせつつ、右にゼ・ロベルト、中央にアルティントップと表記をした方が正しいのかもしれません。クリンスマンが指揮していたときには、ファン・ボメルが中盤で主導権を握り、それ以外の選手がバランスを取って上下を繰り返す節があり、その部分の連携を失敗したときにディフェンスに誰も入れない状況になっていたんですが、この試合の大部分はファン・ボメルを後方に押し留めておくために、ゼ・ロベルトの位置を上げ、前をアルティントップで蓋をしているような印象さえ受けました。
こうしておくことで、フォワードの近くに人を置くことができ、孤立しがちだったフォワードとの間を取り持つことが出来るという計算も出来ますし、中央の高い位置でボールを扱え、最後尾からの構築を安定して行えるというのもあるのかもしれません。
ただし、左利きのゼ・ロベルトが右側に進出することによって、縦への突破を期待できなくなりますが、視野の広さを活かしたキーパーへ向かっていくボールだとか、外から中へ配球して揺さぶるためのボール運びが出来るようにはなる。ランニングで追い越してもその後の展開に詰まるため、ゼ・ロベルトがフリーランから裏へ抜ける動きをすることはほとんど無く、縦への動きに関しては、もう一枚前のフォワードやサイドバックに任せっきり。

ボルシア・メンヘングラッドバッハがペナルティエリア内に入り込むことをいとわない守備を前半途中まではしていましたから、エリア内の人数では勝てない。裏へ出そうとしている回数も多かったんですが、いくら高い位置でボールを扱えるようにシステムが若干変化していたとしても、裏のスペースがほぼ存在しないため、パスを裏に出してそこで抜け出して勝負することは出来ない。ディフェンスラインの前で勝負せざるを得ずポストプレイを要求するパスをトニへ多く出しているようでした。ただ、時間をかければかけるほどスペースを失っていくことに嫌気がして、早い段階でフォワードへボールを収めようと長いパスが増えてしまい、単調な縦のボールを繰り返すばかりで全く効果的でもなければ、相手にねらい所を絞らせて守りやすくさせてしまい、ペナルティエリア内で何度も倒れるトニもPKになるはずのない倒れ方ばかりでした。
中央の数的な問題から、サイドへトニが逃げてきてしまうこともあるんですが、トニが流れる代わりに、シュバインシュタイガーがサイドでドリブルを仕掛けて、縦への突破を見せてディフェンダーをサイドへ吊り出してしまうことが出来れば多少違うんだろうけど、以前のような思い切りの良さはなくなってしまっていて、バランサーとして小さくまとまってしまっている印象が強いですね。その分、ラームのドリブルが引っ張っていくしかないんですが、リベリがおらず高い位置からのドリブルは望めませんから、縦へのスピードのある展開が出来ない。パスで展開していかなければならないけれど、引いて守られているため、高い位置で回すことが出来ない。低い位置なら余裕を持って回すことが出来るから、そこから一気に長いボールでフォワードへ、と打開策が見いだせないまま同じ事の繰り返しばかり。この短期間で、エース抜きの状態のまま修正しろとはいいませんが……。

守備の問題は、前述の通り、明確ではないにしろファン・ボメルの前に三人を配する形を作っていたために、不用意なオーバーラップを避けることが出来、後方にファン・ボメルを起き続けることにより多少改善されたようにも見えました。が、攻撃に詰まったときに、最後尾から構築し直すために、ゼ・ロベルトやアルティントップがバランスを取るために下がってしまうと、やはり上がっていってしまうために空白地帯が出来てしまい、カウンターを受ければピンチになる場面が幾つか見られました。当然のようにファン・ボメルが全速力でリトリートするディフェンスラインの前のスペースを埋めようとすることはなく、全ての負担が後方にかかってしまうのは相変わらずですね。

クリンスマンからユップ・ハインケスになって多少改善された部分があるとすれば、ボールを持っていない選手の動きの幅が広がったように見えることと、ファン・ボメルを後方に押し留める時間が増えたことぐらいでしょうか。ボールを追い越す動きだとかその辺も増えたように見えなくもありませんが、ボールと人との距離感がまだ離れすぎていて、サポートが出来ない状態のまま攻撃をしていることも多い。ボールを追い越したら追い越したままになってしまって前方にたまっていくだけで変化がつけられないのもそのまま。
バイエルンに華麗な攻撃を求めているわけではありませんが、チームの方針として攻撃重視でいくのであれば、もっと徹底していかないと、いくら暫定監督だったとしても何も残りません。初采配で初勝利も、それ以上のものはほとんど無く――。

メディアの評価を見たら、「攻撃的布陣」とか「猛攻」とか。難なく勝利したとも言えず、躓く要素はたっぷり含まれていたようにしか見えませんでしたけどね。他が不甲斐ないので恐らくチャンピオンズリーグ圏内は維持できるんでしょうが、それだけ。万が一優勝でもしようものなら、ライバルと共にリーグ自体にも失望するしかありません。

Liga Espanola Jornadas 34. レアル・マドリー対バルセロナ / クラシコ

2009 年 5 月 3 日 日曜日

■Real Madrid 2 – 6 FC Barcelona
勝てば勝ち点差7になり、負ければ1に縮まる。引き分けは言わずもがなで、いずれの結果が訪れるにしろ、マドリーの自力優勝が存在しないことは変わらなかったんですが、今後どれに集中すべきなのかを決める試合にはなりそうでした。そしてどちらに大きなプレッシャーがかかりこれからかかっていくのかを推し量っていく試合だと、そう思っていました。

レアル・マドリーは出場が危ぶまれていたロッベンを先発させて、序盤のプレッシャー位置の高さと素早さを含め、最初から様子見の時間を作ることなく仕掛けてきていました。これまでの引いて守り、カウンターをして戦うスタイルを徐々に変化させてきたとはいえ、ここまで勝ち続けられたのはカウンターを中心とした戦い方をしたをしたことによるもので、失点をしないことから個人技で得点を奪い勝利してきた。それをこの試合になって豹変させたのは奇襲としては大きく役立ったとしても一試合通してするには無理がありました。特にディフェンスラインを高く保つことは、過去に何度か試してことごとく失敗しているように、この試合も怪しく、何度か裏を狙われているケースが目立ちました。オフサイドで辛うじて回避している場面もあれば、カシージャスの判断によって救われている場面もある。少なくとも言えるのはラインを整え裏への意識を持ちながらラインを押し上げているのではなく、中盤の守備へ連動性を持たせ、フォアチェックを機能させなければならないから押し上げているだけで、アンカーがスペースを埋めたり、後方に抜け出す選手にマークしたり、という後ろへのリスクマネージメントをしながらのものではないようです。カンナバーロにしろメッツェルダーにしろそれほどスペースがあるタイプではなく、カバーリングの上手い選手たちですが、それは低い位置で効果を発揮するものですから、非常にミスマッチだった。

中盤のチェックは、後方のラインよりはうまくいっていましたが、同じくフォアチェックを徹底しているバルサのものとは違い、コースを限定して後方の守備をやりやすくするものではなく、ボールを高い位置で奪い、そのままカウンターを狙ったものが多く、人数をかけてプレスをかけては居ますが、一つかわされてしまえばパスコースが存在し、一気に人数が減りそのしわ寄せがセンターバックに向かってしまうようなものでした。中盤でパスを構築する人材が相次いで怪我で離脱しているため、後方で奪い構築し得点を狙うよりも、ウインガーを配して高い位置でボールを奪ってカウンターで得点を取る方が望ましいのは理解できましたし、そうあるべきだとは思いますが、シャビやイニエスタのように殆ど苦にすることなくキープし続けられてしまえば、成り立っていないどころか傷口を広げているようでもありました。

序盤の奇襲の部分では、ロッベンには縦のスピードがあり、スピードに乗れる状態でボールを渡せる状態にあって、再三アビダルの所を脅かし、ロッベンではなかったにしろセルヒオ・ラモスのクロスからそのサイドを破った。ただそれもグァルディオラがプジョルに修正を指示した辺りからうまくいかなくなり、セオリー通り二枚以上でロッベンの進行方向を塞ぐことにより、スピードを落とさせ中へのパスを選択させるようになった。その徹底からラサナ・ディアラからしかパスが出てこなくなり試合から存在感を失い、バルサの攻撃が左に寄っていることも影響して守備にも戻らなければならずスタミナを消耗し、怪我明けの整わないコンディションもあって、途中からは全く使い物にならなくなってしまっていましたね。

バルサの攻撃が左に寄ったのはメッシが中央に入ってきたことによるもので、エトーが右に押し出される形になっていたことも多少ありましたが、多くの時間はエトーの下にメッシがつく形になり、イニエスタやシャビにかかるフォアチェックのその後を上手くメッシが利用して中央の収め所として機能し、左のアンリや中央のエトーと近い関係を保ちつつ、高いディフェンスラインを狙いやすく正確なパスが出せる距離を取っていました。それらは中盤の消耗を減らす意味でも役に立っていましたが、右側の攻撃力の低下は際だっていました。ダニエウ・アウベスが前半は消極的だったこともあり、さらにエインセとマルセロの二枚が守備に参加できる環境にあり、ガゴやラサナ・ディアラがサポートに来ればメッシとダニエウ・アウベスの二人であってもスペースを消されてしまって上手く動けなかった。メッシが中に入った後のエインセとマルセロの消え方を見る限りでは、そこを意図して使わないことで彼らのもっていたプランを崩壊させる事が出来ており、重要なことでした。

あとはラサナ・ディアラは守備の貢献が大きく、彼が多くボールを触り単純にさばくのはマドリーの攻撃にとっても守備にとっても非常に重要なことなんですが、いつもボールの近くに居る彼をリバプールがそしたように、バルサの守備のやり方ではラサナ・ディアラがボールを触る位置が既にプレッシャーのエリアにかかっており、ノンプレッシャーから前を振り向いてボールを配球することをさせてもらえない。テクニックが無いわけではないんですが、プレッシャーのある中でのボールの処理は上手くなく、ここを抑えておくことでバルサがボールを得る確率はどんどんと上がっていく。さらに彼がマークをしている相手がシャビやイニエスタですから、ボールを奪われた後にはすぐにプレッシャーに来られる。近くにグティやスナイデルのように預けられる選手がいれば、そちらにすぐ預けることによって回避できたんでしょうけどね。

バルサではエトーが目立たなかったことが非常に大きく、彼が得点を取るための動きに終始したのは試合の行方が決した後ぐらいなものでした。それ以外はメッシが中央によってマドリーの左サイドの守備を無意味なものにしてしまった後のケアをエトーが行い、中央に絞ってこさせないようにしたり、サイドの守備に奔走したり、ゴールを得なくとも、チームの勝利を最優先にしたプレイをしていたように見えました。自分が得点を取れなくとも納得をしているような表情とプレイをしていて、目立たなかったからこその貢献があったんじゃないかと思っています。

あとは、レアル・マドリーの得点がバルサの本気を呼んでしまい、付け焼き刃のような高く保たれたディフェンスラインがバルサに有利な形をいくつも作ってしまい、がむしゃらなチェックが傷口を広げた。そんな印象でした。

ただ、次のチェルシー戦に向けては大きな弱点を露呈してしまい、先制点を与えたクロスは、トゥーレ・ヤヤとロッベンがぶつかって倒れたことに意識がいっていたのかもしれないけれど、プジョルのポジショニングが非常に悪く、二失点目のセットプレイの守備もニアサイドだけのケアしかできておらず、左利きのキッカーが蹴るボールに対する守備陣形の整え方とは思えないほどお粗末なものでした。セットプレイと高さに関してはチェルシーの方が得意なのは第一戦でも明らかだったように、徹底したクロスを上げられてしまえば、このギャップを利用されてしまうのではないかと思えるほどお粗末な守備でした。どちらの失点も勝負が決する以前の重要な部分ですから、気を抜いていたわけでも手を抜いていたわけでもない。ならなおさら危険だとしか思えませんね。

この試合に関しては、あえて口の悪い言い方するなら――というのは削除しておきます。浮かれすぎていたとはいえ、よくなかったので。

とりあえずヽ( ゚∀゚)/な状態で浮かれすぎで、何を書いているのか解らない。