2009 年 4 月 のアーカイブ

FIFA09 – CLセミファイナルがありまして。

2009 年 4 月 10 日 金曜日

パソコンを新調したお陰で編集にかかる時間は大幅に短縮。エンコードにかかる時間も短縮できているんですが、肝心のソフトウェアの方が性能の方について行けていないので、完全に活かせているわけではありません。それでも大幅短縮でいい感じ。某氏曰く「仕事道具としては化石」と言われてしまったぐらいの性能でしたからね、以前のが(;´Д`)
動画の中に多少引っかかって、カクついているような場面があると思いますが、それはインターネット回線の調子が悪かったことに起因するので、パソコンが悪いわけではありませんし、動画サービスに問題があるわけでもありません。

■Villareal(leia) 0 – 1 Arsenal(Syou)
この試合の最中は、こちらの回線(恐らくルーターよりもモデム)が悪かったために、ラグが発生していてカクカク。なんだかやりづらい上に申し訳ないと思っていたら、どうやらショウ氏の方から見ると快適だった様子。あ、あれ? ただ、回線がカクついていたのだけは事実。
組み合わせは例によってチャンピオンズリーグからですが、どうにもあんなビジャレアルの動きをアシスト設定で再現できるはずもなく、無茶なパスを狙いすぎて失敗の連続。シュート数が少ないので余計な部分も挿入しておきましたが、いやはや。失点が自分のパスミスによるものだというのが情けないです。毎度の事ながら

■Bayern Munchen(Syou) 1 – 4 FC Barcelona(leia)
先ほどの試合のラグが嘘のように快適だったんですが、久しぶりすぎて、バルサの戦術のストックを適用して戦うのを忘れ、カウンターをきっちり決められてしまいました。前半はそのことに気付かずに戦っていて、やりにくさを感じながらも攻めあぐねているのがブランクによるものだと諦めていたんですが、ハーフタイムに思い出して一変。後半開始直後のチャンスで、一気にリズムを掴みました。つか、実際のバイエルンの弱点をそのまま攻めればいい、ってな具合ですヨ。

■AS Roma(Syou) 1 – 1 Bayern Munchen(leia)
先制点はもう完璧に決められたとは思っていたんですが、まさかオウンゴール扱いになるとは。シュートコースに身を投げ出して何とか防ごうとしたのがどうやら仇になったようで、もの凄いドライブがかかったシュートになってました。もうキーパーはお手上げ。そのあとも主導権はほぼローマに握られたまま。自分はクロスの上げ方を忘れてしまったようで、せっかくサイドの深い位置にまで入り込んでもクロスの精度を著しく欠いていて、ヘディングに行けたのは一本くらい。せっかくのバイエルンでそれはないわ。
でもなんとかキーパーが踏ん張ってくれたお陰で追加点は取られず、終了間際に運良く追いついてドロー。
「延長へ」と実況が言っていても、自分たちは引き分け終了を選びます。

UEFA Champions League Quarter-finals 1stLeg バルセロナ対バイエルン・ミュンヘン

2009 年 4 月 9 日 木曜日

■FC Barcelona 4 – 0 FC Bayern Munchen
バイエルンはこれまでの4-4-2のスタイルを捨て、対バルサを意識したのか中盤の人数を一枚増やしてフラットな中盤の4-5-1にしていました。いつもは右を担当するシュバインシュタイガーを一枚中に入れ、中央のスペースを消してバルサの攻撃を押さえようとする意志があるように見え、中央に三枚を置き、両脇にアルティントップとリベリーを置く。いくら怪我人などの兼ね合いからそうせざるを得ないような状況であるとはいえ、クリンスマンがこれまでやってきた部分からすると消極的すぎるようでした。
先日の大敗から改善を目指したはずの守備も、今季ずっと弱点としてあり続けた中盤の底とディフェンスラインとのスペースを埋めることが出来ておらず、人数を増やしたとしても効果は見られず、特にシュバインシュタイガーを中に入れただけで、中盤の底を担当するに相応しい潰せる選手を置かなかったことに原因を求められるかもしれません。さらにはいつも以上に中盤のプレッシャーが弱く、シャビやイニエスタらの構築の部分にさえ圧力がかからず、一つのパスで楽に切り抜けさせていましたし、その後のフォワードへのパスが入った後こそディフェンスラインとフラットな中盤のラインが接近する場面がありましたが、近づきすぎて不明確な役割のままでしたし、フォワードに対するチェック、そこから一つ落とすボールに対するチェックは、中盤の選手ではなく、センターバックが行わなければならない状況になっているままです。それを利用し、一度ポストさせ、戻してしまえば、センターバックの意識を前に向かせて裏を狙うことが出来るようになるわけで、バルサの得意な形を作る手助けを試合開始直後からしてしまっていました。

先制点はその形と似たようなもので、構築の際にイニエスタに自由に使えるスペースを与え、そしてフォワードにボールが入ると中盤とラインの間隔を詰める。しかし、チェックに行くのはディフェンスラインの選手たちで、中盤は選手の後方から見ているだけで実際にボールを奪う動きというのは少ないんです。そしてディフェンスラインがボールに注目している間に、他の選手がフリーになり裏を狙われる。先制点の時はメッシでしたね。
本来なら対応すべき中盤の選手たちが対応できておらず、特に中盤の甘さは、今シーズンずっとここで書いてきたことで、まるで改善されなくてがっかりです。二点目の部分もカウンター時に誰も中盤がおらず、ディフェンスラインのみでリトリートして守らなければならないという滑稽な事態を作りだすのに貢献していました。

メッシのシミュレーションを取られた場面は、ファウルでもシミュレーションでもどちらでもないとすべきでした。リプレイを見る限りでは足はかかっているが、レルの対応は非常に上手かった。メッシは足をかけられたことを意識しすぎていて、実際にかかっているけれどファウルを貰おうとした。でもPKを取るほどのプレイではなく、よくあることでしたから、流してしまって問題なく、わざわざイエローカードを提示するほどでもありませんでした。グァルディオラが激高する理由もよくわかりますし、観客席を無駄に煽り立て、試合の持つ意味を変えてしまいそうにする必要もない。所々にある不明確なファウルの判断も含めて酷い審判でした。

バイエルンの攻撃は、これまでクローゼが出場していたときは、フォワードのどちらかが左右のスペースに流れてボールを引き出して組み立てていたんですが、それが一枚しかいないことで、トニが流れてボールを引き出しても、その後の展開が遅れ、中に与える脅威が少なくなってしまうためにそれが出来ず、リベリーの縦のスピードを単純に利用してしまうことぐらいしか選択肢を得られませんでした。そこからクロスを狙っていましたが、単独でのカウンターにも似た状況ばかりでは力を発揮することも適わず、ゼ・ロベルトを守備的に中央に配したことで、いつもはラームと共に左の攻撃に加わっていたものが出来なくなり、左サイドバックもラームではないことから、攻撃力が足りず、リベリー一人に頼らざるを得ない状況にもなって、それに拍車をかけていました。
組み立てるときに最前列で引き出す選手が居ない影響から、常に相手の前でボールを受けるようになってしまい、前に蓋をされた状況を打開できる選手が多く存在するならともかく、そういった選手は居ませんから、構築の位置が相手の前で行われてしまっているだけになり、本来ならもう一段階高い位置で行われていることができずに、前へ向かうスピードは大幅に落ちてしまってました。アーリークロスで、バルサが戻りながら守備をしなければならなくして、クリアを容易に出来ないようにする戦い方も出来るはずなんですが、構築の位置が相手の裏ではなく前であるために、バルサが戻る時間をたっぷり与えて貰え、さらに中で勝負するのがトニだけでは、コースも限定されるために守りやすく、どうしようもありませんね。

セオリーであるバルサの中盤とセンターバックに対する圧力が全くなく、自由に組み立て、そして前を抑えられた時にでも、何度でも構築し直せる位置にまで戻しせる。プジョルの狭いパスコースをさらに限定してその部分を狙うこともせず、自由にプレイさせている。トゥーレ・ヤヤ、マルケス、ピケを抑え、残りのそこの選手できっちりと前を抑える。リーガであれば、降格争いをしているようなクラブでさえ、きっちりと把握してその部分を抑えにかかるというのに、何も対策を取らずに抑えられると思ったんだろうか。クリンスマンには相変わらず失望させられます。
後半こそ、ようやくアルティントップに替えてオットルを出し、本来の中盤構成の一枚後ろに一人を置く4-1-4-1に近い形にすることで守備の安定化を図り、実際に効果を上げましたが、それが必要な時間帯でもなく、点差でもない。ただ、高い位置からプレスをかけることでバルサを抑えようとする、セオリーに近い戦い方を選択できるようになりました。戻ってボールを受けようとするシャビやイニエスタ、フォワードの三人にマークに付き、ボールを前を向いたまま収めさせない努力をするようになりましたし、ペナルティエリア付近に入ったときに、守備の選手としてオットルが投入されたことにより、二つのラインの間を収める選手となり、ファーストチェックをする選手にもなり、ディフェンスラインの負担軽減に大きな役割を発揮していました。執拗なチェックも効果的で、この試合最も貢献したのは彼だったのかもしれません。もちろん、バルサが大きなリードを手に入れて攻撃に加える労力を多少軽減させたのも、バイエルンの守備が改善されたように見える要因になっているでしょうけど。

守備のバランスがよくなり、全体がスライドしたことでゼ・ロベルトが本来の役割に戻り、左に人数がかかるようになったように見え、ゼ・ロベルトが飛び出していけるようにもなった。この要となる選手の運動量を、ようやく発揮し活かせる環境が出来て、チャンスを作り、なんとかアウェーゴールを得られる可能性を彼が見せたところで、何故かクリンスマンは彼を下げてしまう。弱点を理解し後半から守備の立て直して、攻撃にまで好影響が出てきて、クリンスマンの評価を改めようとしていたのに、やっぱりその評価は変えられないようです。ソサが悪いとはいわない。ゼ・ロベルトが得点を取るには必要なのに……。

思っていたとおりの失点の仕方で、やっぱりか。
そしてがっかり。
でもバルサの対象で嬉しくもあり、複雑ですヨ。

UEFA Champions League Quarter-finals 1stLeg ビジャレアル対アーセナル

2009 年 4 月 8 日 水曜日

■Villareal 1 – 1 Arsenal
直前のビジャレアルの試合を見る限りでは、ショートパスに固執した姿で相手に攻撃を読まれ、動きの距離が短く選択肢は狭まり、サイド攻撃と全体のバランスを失い、先細りした攻撃のような印象さえ受けていて、絶望的な内容とサンティ・カソルラの負傷という最悪な二つのことが重なっていたので、この試合は期待をそれほど持っていませんでした。
試合開始直後には、あっという間にその考えを改めなければならなくなりましたが。

ビジャレアルの守備はウォルコットや両サイドバックの単純なスピードには苦労しているようでした。後方に下がりながらのディフェンスを余儀なくされ、主導権を相手に取られたままのドリブルから幅広い可能性を頭に入れて守らなければならず、そのままずるずると下がってしまっていれば簡単に失点することも考えられましたが、同時にフォアチェックで相手を押さえようとする意志も見せていましたから、一方的にはなりませんでしたね。ただ、アーセナルもポジションの取り直しと、フィジカルの影響するスピードが速いチームなので、前へ向かう守備だけで抑えられる局面は多くありませんでした。

が、ビジャレアルの攻撃に回ったときも同じ事で、特に左右へのボールの振り方と動き方が大きく、少ないタッチで回されるパスと変化するポジションは、いい流動性を生みだしていました。それに対応するため、アーセナルはビジャレアルのように前からボールを奪いに行くことを重視するよりも、戻ることを重視させられてしまい、選手の前にいることを選択しているように見えました。ぶつかって相手のボールを奪うよりも中央を固めて選択肢を削ろう、流動的な動きにゾーンで対応しようとしているようにも見えましたが、見方によれば主導権を握られているともとれました。それが影響したのが、先制点のマルコス・セナのゴールでしょう。彼のミドルシュートが強烈で上手いものだというのは周知の事実のはずですが、それまでの少ないタッチでボールを動かされ、人もよく動いていた状況から、対応するために下がってしまった。そうすれば、後方からフリーになれるタイミングで上がってくるマルコス・セナの前を押さえるのは難しく、ミドルシュートを撃たせてしまうことになる。見事に決めきってしまう彼を褒めるしかありませんが、それを作り出したのは、動き。
動き、パスを出し、さらに動き、裏を狙う動きもしてくる。いくつもの選択肢を両チーム共に作り続けているんですが、タイプは違い、ビジャレアルに豊富にあるのは、横の選択肢とサポートの充実、アーセナル側にあるのは、縦の動きの豊富さとスピードでしょう。
横に多くの選択肢を持つビジャレアルは、一人の選手一本のパスで抜け出ることも、ドリブルで切り崩していくこともありませんが、選手の動きと合わせて距離感の近いパスが作り出すサポートが相手を混乱させていたのと同時に、リーガでなくなっていた攻撃の幅広さを復活させていましたし、一つ抑えられたとしても次に繋がるパスを横に出し、何度でも組み立て直せるだけの環境を作ってました。イバガサがいい収め所になり、マルコス・セナがいつでも組み立て直せる位置にポジションを取っていることに寄る安心感が、それらを可能にしたのかもしれません。レンジの広い動きや、移動距離の長いオフ・ザ・ボールの動きはリスクは伴いますから、彼らのような存在がなければ到底継続できるものではない、と。

失点してからしばらくしてアーセナルの守り方は変わっていました。試合開始当初のように、横に動かされても人についていく守り方になり、前を向かせる回数を減らすことで、他の選手の動き出しを遅くさせてパスコースの種類を減らしていくものでした。ただ、人に向かう選手の数はそう多くなく、ビジャレアルの球離れの速さから、一人の選手に行ったチェックで遅らせることが出来なければ、サポートへダイレクトではたかれ、そこからもう一度動き直したものへパスが出て、フォアチェックに向かった選手は置いて行かれてしまって、効果的とも言い難い部分もありましたね。置いて行かれた選手がさらに戻ろうとする意識は低く、後方の選手に回してしまうため、人もコースも増える。そのコースに頭が行ってしまって、ボールを持っている選手のコースを開けてしまう。ギャラスの負傷した場面はその象徴のようでした。

後半はアーセナルの縦へ縦へという展開を急ぎすぎたものは減り、サポートの距離が近くなり、横のパスを選択できるようになっていました。ボールを受けようとする選手に対する当たり方はあまり変わっていませんが、肝心のマルコス・セナに関しては、ついて行けておらず、行く前にボールを離されてしまうから途中で引き返してしまうのすら見られていて、再構築をさせないようにマンマークという選択肢は取らないみたいですね。
縦へと急がなくなったものの、ワイドから中へ攻め込む攻撃はそのまま。センターバックに対してアデバヨールが引っ付いているからこそ成り立っているもので、そうでなければ、せっかくサイドへおびき出した人数を利用できておらず、サイドバックの外側を開けているビジャレアルの守り方を効果的に利用できていない。ワイドからワイドに展開し、クロスでの徹底した勝負もなければ(それがスタイルだとしても)、ゴールライン付近にまで入り込んでから中への勝負をしかけることもなく、中へ勝負するのが一段階早いんです。リーガを見ていると余計に仕掛けの速さが現実的に攻めている印象を与えます。もちろん、早く攻めることは対応できる人材がいるのなら有効な手段で、それがビジャレアルの中央にいる人数と、中盤の底が対応できる人数の少なさを突いていて、アデバヨールがあと一歩なにかしらできれば、シュートまで持っていける可能性があったのは惜しい部分。

アウェーゴールは取られましたが、ビジャレアルの戦い方は、直前のリーガでした絶望的な内容からすると大きく改善されていて、集中力も大きく増していた。不用意なファウルも少なく、先細りになりがちだった攻撃に広さを持たせて、バリエーションを増やせていた。でもこの内容を持ってしても勝ちきれなかったのは一番の問題で、切り崩してのシュートの少なさも、トーナメントであることを考えれば難しい部分です。途中から引き分けで十分だとしたアーセナルの姿勢こそが、トーナメントでは大事なのかもしれません。

もう一試合の方を見ても面白そうだったなぁ。

Liga Espanola Jornadas 29. マラガ対レアル・マドリー

2009 年 4 月 6 日 月曜日

■Malaga 0 – 1 Real Madrid
マラガの守備のやり方は、メンバーを変えたこともあって、バルサの時のようにあまりにも引きすぎてプレッシャーのかからない状態を作ってしまったものから改善されているかと思いきや、殆ど改善されてはいませんでした。緩く引いて守る部分はそのままで、多少ラインを高く保てるようになり、ペナルティエリア付近にまで簡単に下がったり中に入ってしまうことも減りましたが、チェックとカバーの役割分担はイマイチで、当たりに行く場面お強さもバラバラ。状況に即したものであればよかったんですが、そうできなかったのは大きな問題でしょう。ただ、誰に対しても緩いのではなく、特に前線の選手らはディフェンスラインに対して強く向かいボールを奪う意識を持っていて、人に向かう強さを前面に出したものがあるとしても、全体的に意識が後ろになっている感じは否めませんでした。そして中央に人数をかけ得る傾向が強く、サイドに人を出さずにタイミングのズレから裏を狙われるようになってしまうのではないかと思っていました。

実際にはその守り方でも守れてしまったのは、マドリーがバルサのように引いた相手に対して自ら崩す手段をあまり持っていないからでしょう。ことあるごとにカウンターのチームだと書いてますが、この日もその傾向が強く、引いて守る相手に対してカウンターをすることが出来ずに、自分たちでボールを動かして能動的に攻めなければならなかった。そうなって、相手に弱点が見えてきているのに利用しようとする動きは少なく、ボールを動かして相手を前後左右へ揺さぶったり、ボールを引き出しに後方へ戻る動きもない。パスコースを簡単に見つけられてしまうほどに運動量が少なく(過密日程と疲労の蓄積したガゴはしかたないとしても)、パスカットを容易にさせてしまっていました。それに加えて単純なパスミスも多く、カウンターをしなければ行けないチームが、カウンターを多く仕掛けられる要因にもなっていました。
動きが少なくともサポートできる選手が近くにいれば、一つのミスをカバーし組み立て直すことは出来るはずなんですが距離感が悪くサポートできる選手は近くにおらず、パスと動きで崩せないならドリブルで相手を強制的に動かしてしまうのも一つの手だったんですが、それを利用できる選手はイグアインしかおらず、そのイグアインも途中まではボールを受ける動きを全くしなかったために、ドリブルを出来る受け方も出来ずボールを受けることすらままなりませんでした。

マドリーの選手の多くは、マラガの引いたディフェンスラインに吸収されていて動いていませんでした。ボールホルダーの前に4人もいて、本来であればラインの裏に抜ける選手とボールを受ける動きをする選手でラインにギャップを作ることが出来るはずなんですが、ラインに吸収された選手たちは、いつボールが来るのか解らず動けず、パスの出し手は誰も動かないことかラパスを出せずに奪われる。それを何度も繰り返していました。しかも、ウインガーと呼ばれる選手、サイドを得意とする選手を誰一人起用しなかったことから、その位置が中央に寄ってしまっていて、わざわざマラガの人数の多いところに入り込んでしまい、密集して停滞した状況をつくって攻撃を立ち行かなくさせてしまっていました。

その状況を打破できたのは、イグアインがカウンターからドリブルを一人で仕掛けたことで、それまではボールを受けてもドリブルを仕掛けられる位置にいなかったのに、偶然にもそれが出来る位置にいた。あの時にマラガの駄目南部分が露呈してしまい、スピードについていけないだけでなくファウルで止めるほどに人に向かう意識を発揮できなかったこともあって、個人によって得点を許されてしまいました。
得点を取ってからは、イグアインのボールを受ける動きは意図してドリブルの出来る位置でボールを貰うようになり、イグアインが動くことで利用できるスペースが増え、スナイデルやセルヒオ・ラモスらは積極的にそのスペースを利用しようと動くようになりましたし、マークのズレも生むようになった。そうやって運動量を増やせる状況になったことで守備の出足も動きながら守備をすることである程度の速さを保てるようになり、早いタイミングでチェックが出来るようになり、マドリーとしては一部の改善が見られました。
ですが、全体が改善されたとは思わず、ファウルは低い位置まで入り込まれてからするばかりで、いくつもペナルティエリア付近からセットプレイで蹴り込まれて入られ、精度の高いキックを蹴れる選手が居るにもかかわらず、それを繰り返してしまったのは危険以外の何者でもなく、失点せずに済んだのは運がよかったとしかいいようがありません。

あとは逃げ切りを図られ、スナイデルは退場せずに済み、攻めも実らず。
あんなに疲労していて動きも鈍くミスも多く、対して試合に貢献できる状態ではなかったガゴを無理して起用する必要はどこにあったんだろうか。ドレンテとハビ・ガルシアで十分に役割はこなせたはず。ミッドウィークに試合がないとしても、選手のことを考えるならフルタイム出場させるべきではないと思うんですが…

Bundesliga 26. Spieltag VfLヴォルフスブルク対バイエルン・ミュンヘン

2009 年 4 月 5 日 日曜日

■VfL Wolfsburg 5 – 1 FC Bayern Munchen
チャンピオンズリーグ圏内に両クラブとも順位を取っていて、優勝をも狙える位置にいる。どちらも優勝争いをするためにも、チャンピオンズリーグ圏内に踏みとどまる意味でも重要な試合でもあるんですが、スコアはまさかのものでした。日本人二人が所属していることもあって、注目していた人は多いかもしれませんが、大久保の出場時間は短く特に見せ場らしきものもなく――。

開始早々にファン・ボメルがイエローカードを出されたことから見ても、最初のファウルでルシオがボールを叩きつけたのを見ても、入れ込んで見えるのはバイエルンで、上手くヴォルフスブルク側はそれを利用して流れと審判のイメージを味方に付けることが出来ていたと言えるのかもしれません。勢いに任せた部分よりも、苛立っている部分が大きく、試合開始直後からのそれは、チームとしてのコンディションがよくないことも伺わせますし、選手個人もよくないのではないかとも思う。

立ち上がりだけでいえば、ヴォルフスブルクもうまくいっているとは言えず、ディフェンスラインからの展開がうまくいかず、サイドバックに持ち上がらせるリスクの高いプレイが目立っていました。ヴォルフスブルクの守備の姿勢からはコンパクトに保とうという意識がよく見えるんですが、バイエルンの中盤の構成との兼ね合いから、サイドに人が引っ張られてしまうことが多く、中央に人を置いても上手く抑えていくことが出来ない状態を作られていました。サイドをワイドに使う攻撃に引っ張り出された後中央への展開をされ、中盤とディフェンスラインとの間のスペースを利用され、センターバックが直接前に向かう守備をしなければならないリスクの見える守備が多かった。一歩間違えば裏を取られてしまうくらいに危険なもので、その守り方からセンターバックがボールに触れる機会が多かったものの、そこからパスで切り崩せるだけの中盤の動きが無く、展開をイメージできないのでは得点を取ことや、ゲームを支配することは辛いものがあるように見えました。明確に誰を経由して繋ぐかのイメージが無く、片側のサイドで展開を始めれば、最後までそのサイドで行こうとする。行き詰まるかと思ってました。

バイエルンのやり方に合わせてフォワードの所へ人数をかけて守らなければならず、中盤が空いていく。中盤のうち、中央にいるのはファン・ボメルくらいなもので、サイドへ展開してワイドに使おうという意識はバイエルンの方が強く、中央を開けているために、ヴォルフスブルクの守り方では、中盤の選手が守りに入ったときにマークに付く相手がおらず、サイドに人を割かなければならなくなる。相手に合わせるだけで自分たちの攻撃が立ち行かなくなるが、たまに中央から攻めてこられたときには、余った選手たちで一斉に囲めて数的有利から奪ってカウンターみたいなことも出来そうにもなるけれど、そこで抜けられるとサイドは圧倒的に不利になっている。そして高く保たれたラインの裏側をバイエルンの選手たちは意図を持って狙うようになり、高い位置を保てていたディフェンスラインも押し下げられ、間延びしたような状態を作られていた。バイエルンのボールの出所を抑えられるだけの守備が前方で出来ておらず、ボールを持たれるとペナルティエリア付近にまで一気に下がる。あまり裏を取ることにバイエルンが成功しなかったのは、迂闊だったお陰と、ポドルスキがポジションの取り直しをさぼる影響が強いかもしれない。紙一重だったとは思いますけどね。

センターバックが対応しなければならなかったのは序盤だけで、試合中盤以降からは前からのプレッシャーがかかるようになり、カウンターをファウルやそれらで止めることも出来るようになっていたし、前からの守備で奪える回数が増えれば不安定なディフェンスラインからスタートする攻撃も減り、十分な効果を挙げていました。それからジョズエとミシモビッチのボールの触る回数が増え、スムーズさからチャンスも増え、不安定な立ち上がりと組み立てを試合中に修正できたのは好材料でした。得点自体はコーナーキックですが、呼び込んだのは、それらの流れでしたからね。ただ、先制点直後に同点に追いつく当たりはバイエルンのさすがの勝負強さだったんですが、それ以外の部分で突き崩す、もしくはそれに近い状態を偶然ではなく作れたのかどうかになると、何もないかもしれません。

後半に入ってからも似たいような展開は続き、グラフィッチがボールをもっと多く触り、ミシモビッチらと近い距離で周囲が展開を出来ていれば、シュートまで持っている場面も増えるんでしょうが、ディフェンスラインが高い位置を保って居るにもかかわらず、攻撃のスピードを殺せずに深い位置までまで戻ってこなければならない場面が多く、前で人数をかけて連動したものはあまり望めませんでした。カウンターにも似たスタイルからサイドバックの上がった裏を狙うのが主なパターンで、センターバックのルシオやブレーノを引き出してカバーしなければならない状態を作っているのに、中央の人数が薄くなったところを利用できないのは今後の課題にもなりそうです。それもまた試合中に解消してしまったようですが。

得点に関しては5点目のものだけ書けば十分でしょう。グラフィッチのドリブルとシュートはとんでもなく、キーパーまで抜いてヒールでシュート。ズーパーなゴールでした。ええ、間違いなく。それ以外のものはバイエルンの不手際が目立つものばかりで、チャンピオンズリーグを考えるなら不安点ばかりでしょう。
先制点になったコーナーキックからのヘディングも、早いリスタートはバルサのお家芸で、ニアへ飛び込んでシュートを狙うのを得意としているマルケスらも多い。三点目のカウンターはあのスピードのないジェコにさえ振り切られてしまっていて、カウンターを送らせたりファウルで止める判断が相変わらずファン・ボメルに欠如しているのは痛手で、バルサであればもっとスピードのある選手が居ますから、センターバック二枚がセットプレイで上がってしまうとやられかねない。それとブレーノがそのまま出るのであれば、以前と比べ大きく改善されたとはいえ平面の動きと突然の裏へ動く対処の仕方はまだまだ不安の残る出来で。二点目と四点目はその部分がよく見えるかもしれない。

難敵を倒したバルサに比べ、難敵にやられたバイエルン。
チーム状態からすると雲泥の差があるわけですが、トーナメントではそれが素直に出てこず、それに特化した戦い方さえ出来ていれば勝ち抜けていくのだから、まだ何とも言えませんね。

ああそうだ。ヘルタがドルトムントにやられて、ヴォルフスブルクは首位浮上。優勝争いだけではなく、CLやUEFA杯の出場権とか荒れそうですね、ブンデスリーガは。

Liga Espanola Jornadas 29. バジャドリー対バルセロナ

2009 年 4 月 5 日 日曜日

■Valladolid 0 – 1 FC Barcelona
代表戦があって休みが多く取れた選手もあれば、過密日程で苦しんでいる選手もいるわけで、特にこういった試合では顕著にその傾向が現れていましたね。

試合開始のキックオフから一気に攻め立てようとしたバジャドリーの姿勢はこの試合の勢いそのままを表したようなものでした。攻撃に向かうスピードと勢いだけではなく、守備面ではバルサのセンターバック二枚とキーパーにまで圧力をかけて正確なフィードを前に送らせないことで試合の構築を容易にさせないようにしていました。これはバルサを抑えるセオリー同様の守り方であるんですが、この日のバルサのフォワードには収めどころとなれるだけの選手がエトーしかおらず、高さも利用できなかったので非常に有効な守り方でした。そしてオフ・ザ・ボールの優れた選手がいる中盤の抑えどころを守備の主戦場にすることで、自由に動けるだけのスペースを無くし少ないタッチでのパスワークをも封じていました。主にハーフウェーラインまでで、そこを越える位置で収められ、それが止めることの困難であればリトリートする。切り替えも十分にできていて、それがリスクと勢いを持ったフォアチェックを寄り効果的にしていましたね。ただ、このやり方はバルサを抑えるためのものではありますが、十分にバジャドリーの持ち味を出すためのもので、付け焼き刃ではないために、大崩することなく最後まで貫き通すことが出来たと言えそうです。やり方が悪かったとすれば、この日のバルサのセンターバック二枚にテクニックと思い切りがあったこと、左に回った後のプジョルの所をあまり利用されなかったことで、ボールの奪いどころとして利用できなかったことでしょうね。
もちろんそれでもいい守備であることには変わりがなく、リトリートして引き分け狙いをやったり、意図的に試合を壊すようなファウルで相手を抑え込もうとしたり、できもしないことをやろうとして自ら崩壊してしまうわけでもない。常にボールホルダーへ二枚のプレスを当てるよう意識付けし、それを後方の選手がやるのではなく前の選手でやってしまう。後方の選手はそれを信頼して押し上げて、戻る距離を短くしサポートとカバーに徹する。ポストプレイには後ろから激しく当たり、収めさせずバルサの前に出るスピードを一気にそぎ落としてしまう。フォアチェックをする選手がその勢いのままディフェンスラインと戦う。全体の連動はどこぞの代表がしているようなちゃちなものとはまるで別のものでした。

バルサの守備は最後の最後で防いでいたとはいえ良いものではなく、攻勢に出られたその勢いにあてられて、サイドからのクロスに対してはそのまま戻りながらの守備を強いられることが多く、マークにきっちり付くどころか、それぞれのスペースを埋めるゾーンすら構築できず、選手個々の働きによって何とか防げていただけで、それが如実に表れていたのは、サイドに開かれてからドリブルで切り込まれた場面でしょう。選手ら自身もクロスに対する不安を持っているためにそちらの方を警戒しすぎて、切り込んでくるように変化をつけられてしまうと準備不足の対応をつかれて軽い守備からあと一歩の所まで持っていかれてしまう。バジャドリーのように、中央を固めて引く場面は引いてしまえばいい、というのではないので、ある意味仕方のない部分ではありますが、マルケス、ピケの高さのあるディフェンダー二人でこの慌ただしさなら、どうやってバイエルンの中央を抑えるつもりなのやら。

攻撃面では守備の良さに思いっきり押されてしまって苦労していますが、それ以上に問題があったのはペドロとプジョルの部分でしょうか。イニエスタのドリブルを警戒してその部分にきっちりと収まってしまえば明確なプレスがかけられずリトリートに切り替わる場面が幾つか見られたんですが、それは左で攻めるだけにしかならず、中央の選手にもマークは付かれていて、何度かパスカットして実際にカウンターを受けていました。右側には広大なスペースがあり、サイドチェンジのパスを出せるだけの技術がある選手たちばかりなのに、左で詰まっていても後方へ戻すか中央へ寄せるかしかなく、逆サイドまで一気に振ることが出来なかったために、より相手のプレスを活きさせる原因になってしまっていましたね。もっとプジョルがフリーのスペースへ進出してボールを引き出したり、ペドロが後方へ下がりディフェンスラインのギャップを産み出したり、サイドチェンジを誘発させるような動きが欲しかった。後は、高隈でサイドを切り崩したとしても、高さのない前線では、クロスが効果的ではなく、体を張れる選手がケイタだけでは…。

得点は、エトー個人のものでしょう。単純なワンツーでありながら一気に抜けてしまったり、その前にボールを奪った所も自身のチェックからでしたし。ミスがあったとすれば、守備がそれまで同様に人に向かいすぎて裏への警戒が薄かったことと、チェックとカバーの役割をうまく取れなかったこと、最大の要因はキーパーの躊躇と言えそうですが。
その得点のお陰でなんとかその後の目処が立って、主戦場がバルサのハーフウェーラインだったのが、もう一歩踏み込んだ位置でボールを回せるようにもなりましたし、バルサが逆にチェックをし、コースを限定して奪えるような局面も作れるようになった。バジャドリーの体力的な消耗と得点を取られてしまった精神的な落ち込みから、コンパクトにまとまっていたフォーメーションが縦に伸びて、フォワードへボールが収まるようになったのも一つの要因ですし、それが出来るようになると中盤にスペースが出来、フォアチェックのフォワードらも距離の長さから間に合わなくなり、中盤で自由が得られるようになる。
それに加えて、メッシとダニエウ・アウベスが途中投入されたことで、右の攻撃が活性化して、パスコースの多さと流動性を得られるようになりましたね。左右に大きく振って的を絞らせず、相手を押し込んでいって前からのプレスをさせずに飛び込ませず、主導権を得る。狙われたパスカットからカウンターを受けることも多々あり、完全にとは言えませんが、大きな意味での主導権はバルサに移行しいました。
もちろんいくつものピンチがあって、戻りながらクロスへ対応させられたりドリブルで切れ込まれたり、ピンチはいくつもあって、その辺は選手の疲労がみられた部分でもありますが。特にメッシとダニエウ・アウベスにはコンディションの不良が見られましたね。さすがに高地での試合のあとでは無理もなく、ダニエウ・アウベスも守備の軽さや読みの不正確さからいくつものピンチを演出していましたし、この試合に関していえば、出す必要性は薄かったのかもしれない。でもチャンピオンズリーグを考えると完全な休養よりも、慣らし運転をした方がいいと言うことなのでしょう。

いくつかあったバルサに有利な判定がなければもっと苦しんでいたでしょうね。ただ有利だったのではなく、正当だと思える部分も多くあって、一概に審判に助けられたとも言えませんが、審判のコントロールはお見事でした。ここの所審判への文句を言いたくなる試合が多かっただけに、そう思ってしまうのかもしれませんが。