Liga Espanola Jornadas 33. バレンシア対バルセロナ

■Valencia 2 – 2 FC Barcelona
一番苦手なタイプ相手と対戦するのにこの日もまたローテーションを使わなければならないのは、この先の日程を考えると仕方が無く、そして辛い要素ですね。この日はマルケスとアンリ、トゥーレ・ヤヤが休みですが、その辺の起用の都合はイエローカードの累積の多さから直接対決のクラシコへ出場できない選手が出てしまうと困るから、というのがある程度は含まれていそうです。

開始直後は、バルサは前から異様なほどに勢いよくチェックをし、それで一気に流れを持っていきたがっているように見えました。ここの所のバレンシアの勢いを見ていれば、先に主導権を握ろうとするのも悪くなく、バレンシアの守備でも攻撃でも勢いを削ぐことが出来れば、構築能力に関しては、まだ以前ほどの所にまで戻ってきていませんから、有効だったのかもしれません。上手くその間は、バレンシアのチェックも苦にせずボールを回していましたが、特に中盤高い位置、シャビの居る高さあたりでの当たりが厳しいもので、バルサの苦手な喧嘩サッカーにも似たようなものから、一歩ずつバルサの選手たちがひいてしまっていくのが見えているようでした。怪我が出来ないのは解ることですが、そこで立ち向かうことが出来れば、開始直後の流れを失うことはなかったのかもしれません。

バレンシアの当たりの激しい部分はその中盤が中心となっていて、ディフェンスラインと中盤の部分の人数の揃え方はさすがに守備のクラブだと思えるほどで、それだけなら苦労はしないんですが、しっかりとビジャが労を惜しまず、テクニックのないプジョルにチェックを欠けることで構築の一段階目を抑え、それ以外にもピケやビクトル・バルデスにまでそれをすることで、見事に目標を達成していましたね。本来であれば、アンカーの所にいるセルジ・ブスケツがそれらのサポートを行い、構築の手助けを大きくやらなくてはならないんですが、守備に戻るときにもディフェンスラインの一部になることが出来ず、高い位置を取りがちで裏を取られやすく、裏にボールを出させてしまいそうなポジショニングをする。そういったアンカーとしては高いポジショニングが、構築の第一段階でも高すぎてセンターバックを抑えられたときの選択肢として成り立っていませんでした。トゥーレ・ヤヤであれば、低い位置のカバーとボールを受けてからの展開に関しては問題ないんですけどね。どちらの選手にも一長一短な部分はあり、この試合に関しては、セルジ・ブスケツは向いていなかったのは確か。
バレンシアの狙いで言えば、それ以外にもサイドバックの裏側の部分がありました。特に引いて守っているバレンシアの陣形を崩すためにはバルサはサイドバックを上がらせなければならず、さらに中央にはビジャが居るためにセンターバックを大きくサイドにカバーさせるわけにもいかない。その状態で、押し込んで深い位置まで入り込んでからダニエウ・アウベスがボールを奪われるのであれば問題ないんですが、待ちかまえているところにぶち当たって奪われてしまうのだから、カウンターの時にサイドバックの裏側を狙われるのは定石。プジョルはスピードがある程度あるのでともかくとして、ピケにはスピードがありませんからカバーは遅れ、セルジ・ブスケツも埋められない。マタ、シルバ、パブロ・エルナンデスが高い位置を保つため、数的不利ができあがり、苦手な戻りながらの守備を強いられる。個人的には、その中で失点しなかっただけでも儲けものだと思ってます。
あるいは、クリアを一本のカウンターにしてビジャが抜け出していく、一発カウンターでも失点はしませんでした。一度あった、ビジャの悪質なシミュレーションにはカードが出されて然るべきだとは思っていましたが、それはともかく。

攻撃で言えば、いくら裏を狙われようが、ダニエウ・アウベスは上がり続け、クロスを入れ続ける。その姿勢は間違ってないとは思うんですが、この試合に関しては左側にイニエスタが入っていることもあって、クロスを上げても対応する選手が一人しかいない。左から攻めた場合にはメッシやシャビが入り込めることもあって中に人数が居るんですが、右からのクロスには期待できるはずもありませんでした。単純なクロスよりも、いくつかの崩した展開を期待したいんですが、シャビの動きが悪く、さらにシャビの所を囲い込むようにボールを納められないようにして囲い込んでいるため、ボールを収めたところでいつものように連動したパスが出せる環境にありません。流れの中で前を向きながらパスを繋いで構築していけるだけのスペースが与えられておらず、ポジショニングも、オフ・ザ・ボールの動きに関しても苦しいものでした。アンリを投入したことでシャビの位置を一枚下げ、イニエスタが一つ前で構築することから縦のスムーズさが出るのを期待したんですが、シャビの調子の悪さは如何ともしがたかったですね。

バレンシアの守備は、引いて守り、ディフェンスラインと中盤の間を作らないようにし、ドリブルで駆け上がってくる選手に対し、ディフェンスラインは下がり、中盤は戻る。囲い込む形を作り、前後左右に動きの取れない状況を作りミスを待つもので、ファウルを犯すこともあまりしないようにしていました。二つのライン集めて密集した地帯を作り出し、パスもドリブルも動きの取れない状況にする。徹底して全員で下がって守り、もう大渋滞を作り出すことで守るやりかたで、後半途中からの全員守備は、攻撃とファウルの多さに見られる守備の激しさと、判定に対する審判への圧力のかけ方、それら全てに共通するように、手段問わずに勝ちに拘っている姿勢が見られました。気持ちの点ではバレンシアの方が遙かに上を行ってましたね。ええ、まぁ、チーム事情が大きく異なるわけですが。

ただ、どうにもならないかと思えるぐらいの試合だったのを引き分けられたのは大きく、これで勝ち点差が縮まる危険性が高くなったとはいえ、こういった非常に困難な試合で勝ち点を広うか失うか、それらは大きな意味を持つことが多いので、好材料として捉えておくことにしておきます。
ただ、二つの失点は頂けなく、点の取られ方が悪すぎた。チェルシーにも似たような形で得点を取られる姿が透けて見えるようです。

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