■Valencia 3-1 Sevilla
バレンシア勢は調子が上向いてきたとはいえ、各選手ここの縦のスピードに依存しているように見えますね。この日は出場したホアキンを始め、ビジャ、マタ、シルバなど、縦のスピードとドリブルに関しては事欠かない選手が揃っていますから、攻撃に関しては十分な人数と、クラブとしての持ち味のカウンターを活かせるだけの状況にある。ただし、守備に関しての不安定さはあり、序盤からいくつも見せていたキーパーとディフェンダーの連携の悪さや、セサル・サンチェスの衰えから来る、読みに頼り切った不用意な飛び出しに始まり、徹底的に入れられる左右からのクロスへの対応がおかしく、前を向いてクリアできなかったり、中に入り込まれている人数に対して過剰なまでの人数を割き中央に密集を作ってしまったり、守備戦術の不明確さはあまりにも酷い状況ですね。
対するセビリアはその部分をきっちりと突いてきており、中央からサイドに展開するだけでなく、サイドからサイドを利用し続け、ワイドに利用してクロスを徹底してあげるなど、横への意識よりも縦への意識を強めてクロスを上げ続け、コーナーを得続けました。あれだけのクロスを中央へ送り続けることが出来れば、相手の対応も判り、自分たちのやるべきことも見えてくるわけで、エスキュデのゴールが生まれたのも、当然の成り行きでしょう。
バレンシアはあまりにもサイドで収まるボールに対して、後ろに下がりつつ対応をし続けてしまいました。本らにならどこかで奪いに言ったり、奪えないにしろ、当たって前への意識をそぐ努力をしておくべきだったんですが、サイドの守備をミゲルとアレクシスに任せっきりで、サポートのことをあまり考えていない守り方でしたから、その状況で当たりに行くのは難しい。バラハとアルベルダのベテランでお互いのプレイを知り尽くしている選手が二人もいながら、そのケアが出来ないのはお粗末でしかありません。
サイドバックにしてもセビリアがそうしていたように、ボールを収める瞬間に強く当たることも必要でしょう。セビリアがそれをできたのは、バレンシアの面々にパワーがなかったからではありますが。
というところでまでが、試合について書ける部分でしょう。
審判があまりにも両チームに対して不信感を持たれるような判断を連発し、プレイの中断ごとに選手たちの不満が審判へぶつけられ、観客席からも盛大なブーイングが浴びせられるばかり。どれか一つの重大な判断がそうさせたのではなく、一つ一つの細かい判断があまりにも駄目だからそうなるようになってしまい、審判の判断のばらつきは酷く、何のファウル化すらはっきりしないほどでした。
審判の影響で荒れた時間帯に乗じて、バレンシアが攻勢をかけ始め、状況が動き始めていました。。サイドをワイドに、両サイドを押し上げてしまう戦い方をするようになったんですが、サイドチェンジをして色んな攻め方が出来ていれば、凄く効果的に数的有利を作ることが出来るんでしょう。ただセビリアがきっちりと守備の意識を持ち、クロスを単純には上げさせないように守っていることで、それらが得点へ結びつくとは思えませんでした。辛うじて得点できるとすれば、ケアできていないファーサイドへ展開していくことかもしれません。
ようやく一方の構成によって事態の打開が図られるかと思ったら、その時点でも審判は流れを変える判断をしてしまい、アドリアーノの退場は納得がいかない。最初の一枚目の所では彼に何故カードを出されたのか理解することが出来なかったもののイエローカード。二枚目となったレッドカードはイエローカードに相当するようなプレイであってレッドカードを出すようなプレイではなく、即ち、一枚目が一枚目ならイエロー一枚目となるはずで、退場には値しなかったのではないか、という思いがぬぐい去れませんでした。どちらにしろ一枚目次第では退場は免れていないわけですが、一発レッドに該当するプレイでなかったことだけは確かでしょう。もちろん、あそこであのプレイをしたアドリアーノが軽率だったのは間違いなく。審判が試合を荒れさせた結果、その直後にもバレンシアに相当有利な笛からPKを与えて、審判が同点を演出してしまい、完全に試合は壊れてしまいました。しかもバレンシアに有利な笛ではありますが、PKを蹴るために必要な笛をいつまで経っても吹かないなど、不満はいっぱい。
見ている側とは違い、後半の選手たちの気持ちの入れ替えは上手くいっていたようで、攻守に苛立ちを見せる場面はあまりありませんでした。セビリアはカヌーテへ納めて展開する。一回納めてからワイドに、というのがあるけれど、カヌーテが受けきるのが強み。しかし、それをすることによって裏への脅威が減ってしまい、代わりに入れられたディエゴ・カペルのへたれっぷりから、ファウルを得てセットプレイで勝負するチャンスも得られず、カウンターの鋭さも全く出てこず、あのスピードを生かせる場面は当分訪れそうになく、将来を嘱望される才能の持ち主だったはずが、オドンコール以下(オドンコールを馬鹿にしているわけではなく)の選手に落ちぶれてしまったことに失望を隠しきれません。
バレンシアは、下手にポゼッションしようとせず、バレンシアのアイデンティティー通りにカウンターを仕掛けられるようになって、数的有利からいくつものチャンスを作り出して、スピードを生かしたものからシュート数も大きく増えましたが、後一歩のところが決まり切らない。ドリブルで切れ込んだり切り崩したりする場面は多いんですが、余計なことをしている印象が強く、セビリアは引いて守り引き分けを狙い始めているのに、時間をかけて中を固める時間を与える必要はないでしょう。持ち味ではあるけれど、それをやり続けていい状況ではないんじゃないかと、その辺にもバレンシアの現状を見ていました。
が、最後の最後で、フェルナンド・ナバーロがPKを与えてしまいましたね。これは大きく手を伸ばして、ボールへ手で触る意図があったのは間違いないでしょう。あれは弁明の仕様のない行為でしたが、実際にボールへ手が触れているとは思えない。あれで本当にPKが与えられるべきかどうかに関しては、正確な判断を出せそうにはありませんが、非常にがっかりとするようなジャッジで、さらにその後、監督をも退席処分にしてしまい、バレンシアの得点は、はっきりとするものではない審判が演出してくれたPK二つ。最後の最後に得点を決めて何とか、審判の演出から逃れた印象を与えて試合を終えてくれましたが、それだけ。
せっかくの素晴らしい対戦カードなのに、こんな理不尽なことがあるか。勿体ない。