■FC Bayern Munchen 4 – 0 Eintracht Frankfurt
二試合連続の大敗から、どういった立て直しをするのかを見たかったんですが、早い時間の得点と大量得点によって、その改善部分を多く見ることはできませんでした。強いて言うのならば、あのクリンスマンですらはっきりと弱点の部分を認識できるだけの負け方をしたのだから、それを修正して当たり前。前半の大量得点は、改善できた結果だから当たり前でもあり、満足できる内容でもありますね。
まず変更されたのは布陣で、ゼ・ロベルトをサイドバックに下げ、オットルを中盤の底に置く。この形はシーズン中の他の試合でも見られたもので、特に珍しいものではありませんでしたが、その時の試合では、ゼ・ロベルトの役割をオットルがこなそうと攻撃に出て行くばかりで、後方でバランスを取る姿は少なく、弱点としてあるスペースもそのままでした。が、この試合はバルサとの試合で、後半から出場した彼がやっていた動きそのままで、ディフェンスラインと中盤との間に出来る、致命的で広大なスペースを埋めるべく動いていました。それをより顕著に見せるために、ファン・ボメルが前目のポジションを取り、左右にまで進出出来るほどの自由を持って攻めることが出来ており、弱点のスペースは相当に狭まった印象を受けました。そしてサイドへボールを出され、それを起点に組み立てられそうになった場合には、オットルがまずサイドに流れチェックを行い、センターバックがサイドに吊り出されないようにカバーを行っていましたし、ファーストチェックに関しても同様に、センターバック以外がお粉ルだけの環境を作っていました。まるでトップデビューを果たした頃の彼の動きに戻ったようで、十二分にバイエルンの中央を支えられる選手として復活したように見えましたラフにも見える執拗な守備は、今のバイエルンに最も必要なものです。
他の部分ではシュバインシュタイガーを左に持っていって、右にソサを置く。リベリーには自由を与えて左右に動かし、左のリベリー一辺倒でしかなかった選択しに幅を持たせたのは好材料で、動きの範囲が狭く、相手のマークを混乱させるほどではなかった選手たちの動きも横に大きく動くようになり、マークをずらせたりポジションチェンジから幅広い位置にいるようになっていました。ゼ・ロベルトも中盤の中央へ絡む機会が多い選手ですから、頻発する動きはブンデスリーガ限定で考えれば十分なもので、この得点差に繋がったんでしょう。
それにしても、クリンスマンは悪運が強く、あの負け方をしてクビにされるかもしれない、もしくは解任要求が出てくる中で、負けられない状態にある。そういう状況はこれまでもあったんですが、その次の試合では状況が完璧に改善されたり、弱点がそのままあったとしても勝ってしまうことがよくあった。そしてまた大差で勝って、不安視する声を黙らせてしまってきた。相手があまりよくなく、バイエルンにとっては、比較的楽な相手だとはいえ、これでまた監督解任の声は小さくなるでしょう。ただ、勝ってしまうがために、方向性の間違いよりも、自分の哲学の方にまた戻ってきてしまい、せっかく修正していい方向に向かっていたのに、徐々に元々の方向へ向き直り、改善された内容が発揮されきらなくなっていく。だから、強いんだけど強くあり続けられない、一過性のものになってしまっているのが今のバイエルンなのかもしれません。
その影響は早くも後半に出てしまっていて、前半にあれだけ完璧だったオットルの位置が、後半には高くなり、逆に動かなくなったファン・ボメルが中盤の底に並ぶような形になっていました。一枚でバランスを取り、その残りを戻ってきた中盤で埋めていたからこそうまくいっていたのに、そういったものが早くもなくなってしまっていました。中盤とディフェンスラインとの間には、後半はぽっかりと大きなスペースが空くようになり、余裕の点差と実力差があるからこそ助かっていましたが、前半のような的確な動きをオットルはしなくなり、なんとなく大勝に酔いしれてしまって、次の第二戦でまた無様な姿をさらさなければいいんですが…。
バルサにしろバイエルンにしろ、どういったモチベーションで望むのか、つまみづらい試合展開を国内の試合でしてしまいましたから。バイエルンは、望みを捨てないようにしているようで、温存めいたこともやりましたけど――。