2009 年 4 月 のアーカイブ

UEFA Champions League Semi-Finals 1stLeg バルセロナ対チェルシー

2009 年 4 月 29 日 水曜日

■FC Barcelona 0 – 0 Chelsea
試合序盤は、マルダを徹底的にダニエウ・アウベスと競り合わせて、ボールを積極的にそこに入れて主導権争いをさせてみたり、シャビにオビ・ミケルをマンマークで尽かせ、前を振り向けないように様々な策を練っている様子がうかがえました。前者はバルサの右サイドの攻撃力を削ぐための方策で、メッシ一人であれば他とのサポートで抑えきる方法もあるが、そこにダニエウ・アウベスが入り込んでくることで選択肢が増え対応が難しくなることを警戒してのものでしょうし、後者は、言わずとしれたバルサの鍵ですから、シャビからのボールの配球をストップしてしまえば攻撃のスムーズさが落ち、裏側を狙われる危険性を減らすことが出来る。そういったところだったんでしょう。

他にもマンマークを中心とした守備の構築が見られ、トゥーレ・ヤヤにはドログバやランパード、イニエスタにはエッシェンやバラックなど、シャビほどの明確化はされていないにしろ、近代的な守備組織の作り方ではないようで、その影響から一時は変則的に4-3-1-2のスリーセンター気味に見えることもありました。それに加えて、センターバックが持ち上がったときに、マンマークからゾーンへの変化がうまくいかず、不自然なほどぽっかりとスペースを与え、誰もチェックに行かない瞬間も出来ましたし、一部では成功も、全体ではそうも言えないようでした。

次第にシャビは上下動を頻繁に行うことでマンマークのやり方を把握し、ポジションチェンジからオビ・ミケルを吊り出してスペースを作り出すことにも成功しましたし、大きく下がってマークを受けずに前を向くようにもなり、前半の終了前にはもうすでにマンマークを取りやめ、ゾーンでの守り方へと全体が変化をし、シャビのみを抑えることに固執していなくなっていました。それ以外の部分でも、マンマークでこちらも同じようにメッシをおさえておくはずのボシングワも、メッシの度重なる中へのポジションチェンジとダニエウ・アウベスが早々にマルダとの主導権争いに勝利してしまったことから、密着したマークを行うことが出来ずに二人を見なければならず、得意とするセンターバックとのワンツーからのシュートをフリーの状態で許してしまったり、中へのドリブルを簡単に許してしまっていました。メッシがそれに固執しなければ、もっと多くの選択肢を得られたのかもしれませんが、選択肢を与えないように中のドリブルを許しつつ裏と中へのパスコースを消す渋滞を作り出したチェルシーの守備が、その部分では勝っていたと言えるでしょう。

中央に渋滞が出来た要因の一つとしては、メッシが中に入ってくることがそうですが、エトーがポストプレイを中心とした組み立てを選択したこともその影響でしょう。シャビが序盤は高い位置で前を向けなかった影響から、高い位置からボールを出せないために裏を直接狙うことが出来ず、チェルシーのライン設定が低いこともあって、まず高い位置でボールを収める必要があった。だから中央でボールを収めていたんでしょうが、それが攻撃のリズムを一つ落とす結果になり、停滞は人数の増加を招き、渋滞が発生した。もちろん、それによってシャビが下がっていくことも出来たため、オビ・ミケルのマンマークをすり抜けるためにはこれが必要だったわけですが。

チェルシー側のことを書くことはとても難しく、最初から最後まで守り抜くことを貫いているようにしか見えませんでした。殆どの場合は、ロングボールを一本蹴り、それをドログバがポストプレイで後方の選手に落とすだけ、あるいは自分自身で前を狙う、ただそれだけの単調なものでした。センターバックの心理的な負担にはなっても、特に単調な攻撃はいい攻撃にもならずディフェンスラインを押し上げる力もなく、試合が荒れて冷静さを失い両チームが攻守両面の異常なスピードアップをした前半の終盤ぐらいなものでしょう、まともに攻撃をしたのは。

本来攻撃の選手をそこまで守備に徹底させてしまうのだから、ランパードが目立つわけもなく、右サイドに追いやられていたエッシェンも不思議なほどに目立たず、持ち味のプレイを監督に許されなかったバラックは、下手をすれば退場にされてもおかしくないプレイを連発していました。運がよかったのはチェルシーが審判に愛されていたというぐらい。
あと書くとすれば、マルケスの不用意なバックパスから失点しかけたけれど、ビクトル・バルデスが神懸かりで防いでくれただけ。

後半開始直後にまたマルダとダニエウ・アウベスの攻防が始まり、マルダの逆襲から全体が攻勢に出るのかと思いきや、それもまた一瞬で勝負が決してしまってチェルシーが攻撃に出てくることはありませんでしたが、守備のやり方は前半開始の時とは違い、最初からゾーンマークを中心としたものに変わり、中盤にスペースが出来るようになっていました。ディフェンダーとセントラルミッドフィールダーとの間にイニエスタ、メッシ、シャビが入り込めるだけの余裕があったのも事実ですが、中央に寄りすぎて活用できず、中央の渋滞に引っかかる結果を生んだのもまた事実。
サイドから中央を利用したり、中央からサイドに展開してバランスよくワイドに攻めることが出来れば、もっと多くのチャンスを得られたのかもしれませんが、チェルシーほどのクラブに最初から最後まで引き分けるという決意をされてしまえば、崩すのは非常に難しい。

それにしても、バルサにとってこの審判の判断は納得のいくものではなく、プジョルにはあっさりとイエローカードを出しておきながら、バルサの面々がドリブルで何度倒されようが笛は吹かれず続行されるだけ、その中にあったいくつもの危険なプレイにもイエローカード所かファウルの笛すら吹かれず、反対にチェルシーの選手が倒れればすぐにファウルの笛が吹かれる。ここ最近はよく審判が敵に見えるくらいに色々とありますから、もう慣れては居ますが、セカンドレグにはプジョルも怪我のマルケスも出ることが出来なくなり、クラシコを挟み、非常によくない状態になりつつありますね。

パスの回数も成功率も大きく違い、スタイルの違いというよりも意識の違いからまるで話にならない数値に留まったチェルシーには失望しかなく、コーナーにも人が上がってこないなんて、得点を取る意志がないとしか思えない。アウェーだからとしてもあまりに酷い姿勢ですよ。審判の笛次第では試合を壊しにかかっていたとも受け取れる結果になっていたかもしれず、好きじゃない。パーフェクトではなかったにしろ、いい守備だったのは間違いありませんが。

シュート数:18-3、支配率:65-35、コーナーキック:10-2、ファウル:7-20。
点を取れるチャンスはいくつもあった。でも取れなかった。致命的だなぁ、これ。

Liga Espanola Jornadas 33. セビリア対レアル・マドリー

2009 年 4 月 27 日 月曜日

■Sevilla 2 – 4 Real Madrid
クラシコ前だからというのがあって、マドリーの試合を見たんですが、それ以上に大きな要素を占めていたのは、バルサが前日に引き分けて、マドリーとしては差を縮めるためには何としても勝たなければならない、という部分。個人的には、セビリアに勝って欲しく、その願望に満ちあふれた見方をしているのを(いつものこととはいえ)予め白状しておきます。そしてそのことをご了承ください。

両者共に出足は、ボールを収めるところを潰す意識を出していて、特に中盤のつぶし合いから前へ展開する、というよりも、まず潰すだけというようでした。セビリア側は多少攻撃のことを意識こそしていましたが、守備自体のスタイルは前で如何に相手にプレスをしボールを前に出させないかに終始して、ポストプレイこそ封じていましたが裏へ抜けられることに関しては全く注意を払っていないと思えるほどに薄いものでした。オフサイドになったものの、最初にイグアインに抜けられたところで意識の変化をして修正をしていくかと思いきや、その後も姿勢としては変わりませんでした。ただ、マドリー側が高い位置でボールを収められず、近い距離からディフェンスラインの裏側へスルーパスを出せないでいたのも変わりませんでしたから大きな問題にはならないようでした。主に攻撃はセルヒオ・ラモスの右サイドのオーバーラップから縦へ向かおうとするもの(それもうまくいっているとは思えず中途半端なポジショニングで終わっていた)や、後方からのクリアをロングフィードにして一発で相手の裏を狙う、リスクを大幅に軽減した攻め方だけで、繋ぐことをせずに収めることも出来ず、攻撃のスタイルとしては単調で、裏のケアが出来ていないセビリアであっても、それだけの滞空時間のあるものであれば対応は問題なく、得点の匂いは全くしなかった。

セビリアの攻撃は、レナトとカヌーテが左右に動きつつもボールを中央で収めるもので、中盤のつぶし合いの一歩先にボールを収めることで、ある程度スペースのあるところでボールを受けられる状況になることが多く、前がかりになっている中盤の守備と後方で待ちかまえなければならないディフェンスラインとのギャップから、受けられるだけのスペースが出来ていたのも事実でした。オーバーラップするセルヒオ・ラモスの裏側や、スピードで圧倒されているミゲル・トーレスの裏側をカバーするためにもセンターバックは裏の意識を持っていなければならなかったために、ポストプレイに対して強く当たることが出来ず、それらが左右に展開される要素にもなっていて、ラサナ・ディアラが動き回ってサイドのケアまで走り回って対応していましたが、それらも中央から引きずり出されて居る側面の方が強く出ており、上手く立ち回っているとは言いがたいものでした。それに両センターバックの特徴が、対人能力よりもカバーリングの人たちでしたからスピードに難があることもあって、そう守る姿勢になるだろうというのは見えていました。ですから、セビリアの攻撃のやり方は非常によかった。先制点の場面を含めてよかった。ただもう少し何かしらの要素があれば、追加点を奪えて流れを決めるだけの要素になれたのかもしれませんね。

マドリーの攻撃は、本当に裏を狙うスルーパスが中心になったもので、どの位置からでもスルーパスを狙い続ける、ともすれば単調で退屈なサッカーだったんですが、セビリアの守備も攻撃も前への意識を強くしているために、セビリアのボールを高い位置で奪ったときや、妙なエアポケットが出来てしまった瞬間などは裏一本であっても十分に得点できるだけのチャンスを演出できていましたし、実際に得点を得るだけの場面を作り出していた。どれもセビリアの不注意によるものでしたが、マドリーの選手たちがする同一の動きは、得点に焦りすぎているからのもので、個々に多様性がないためにパスコースが限定されていたり、裏へ抜けた後の展開にもバリエーションを付けられませんでした。それ以上に得点を取らなければならない焦りが、いくつも正確性のないプレイを生んでしまい、なかなか得点には結びつきませんでしたね。セビリアのように味方を信じて動き続けていれば、もう少し違ったバリエーションがあったのかもしれませんが、同点のゴール自体は、常に裏を狙い続けたからこそ生まれたもので、状況の修正から打開していくものではなかったのでがっかり。

そしてセビリアも守備の修正をしなければならないのを無視続けた結果の失点で、ある種ミスといえる失点で、その後の失点も、状況が決していた4点目以外は、ほぼ全てミスによるもので、セビリアのここ最近の不調をうかがい知ることが出来るような自滅っぷり。
マドリーは得点前後にはしっかりと中盤の高い位置でボールを受けられるようになっていましたし、近い距離のパスも出せるようになり、こぼれ球のサポートも得られるようになっていた。単調な中に改善があったのも事実で、マドリーの勝利は試合の推移を見れば妥当なもの。

クラシコの持つ意味合いが大きくなったことを考えると、リーガ全体としてはいいことであっても、バルサを応援する身からすると冷や汗もの。日程の厳しさが同じなら大きくアドバンテージがありそうな内容でも、そうではないので地獄ですよ。本当に。

Liga Espanola Jornadas 33. バレンシア対バルセロナ

2009 年 4 月 26 日 日曜日

■Valencia 2 – 2 FC Barcelona
一番苦手なタイプ相手と対戦するのにこの日もまたローテーションを使わなければならないのは、この先の日程を考えると仕方が無く、そして辛い要素ですね。この日はマルケスとアンリ、トゥーレ・ヤヤが休みですが、その辺の起用の都合はイエローカードの累積の多さから直接対決のクラシコへ出場できない選手が出てしまうと困るから、というのがある程度は含まれていそうです。

開始直後は、バルサは前から異様なほどに勢いよくチェックをし、それで一気に流れを持っていきたがっているように見えました。ここの所のバレンシアの勢いを見ていれば、先に主導権を握ろうとするのも悪くなく、バレンシアの守備でも攻撃でも勢いを削ぐことが出来れば、構築能力に関しては、まだ以前ほどの所にまで戻ってきていませんから、有効だったのかもしれません。上手くその間は、バレンシアのチェックも苦にせずボールを回していましたが、特に中盤高い位置、シャビの居る高さあたりでの当たりが厳しいもので、バルサの苦手な喧嘩サッカーにも似たようなものから、一歩ずつバルサの選手たちがひいてしまっていくのが見えているようでした。怪我が出来ないのは解ることですが、そこで立ち向かうことが出来れば、開始直後の流れを失うことはなかったのかもしれません。

バレンシアの当たりの激しい部分はその中盤が中心となっていて、ディフェンスラインと中盤の部分の人数の揃え方はさすがに守備のクラブだと思えるほどで、それだけなら苦労はしないんですが、しっかりとビジャが労を惜しまず、テクニックのないプジョルにチェックを欠けることで構築の一段階目を抑え、それ以外にもピケやビクトル・バルデスにまでそれをすることで、見事に目標を達成していましたね。本来であれば、アンカーの所にいるセルジ・ブスケツがそれらのサポートを行い、構築の手助けを大きくやらなくてはならないんですが、守備に戻るときにもディフェンスラインの一部になることが出来ず、高い位置を取りがちで裏を取られやすく、裏にボールを出させてしまいそうなポジショニングをする。そういったアンカーとしては高いポジショニングが、構築の第一段階でも高すぎてセンターバックを抑えられたときの選択肢として成り立っていませんでした。トゥーレ・ヤヤであれば、低い位置のカバーとボールを受けてからの展開に関しては問題ないんですけどね。どちらの選手にも一長一短な部分はあり、この試合に関しては、セルジ・ブスケツは向いていなかったのは確か。
バレンシアの狙いで言えば、それ以外にもサイドバックの裏側の部分がありました。特に引いて守っているバレンシアの陣形を崩すためにはバルサはサイドバックを上がらせなければならず、さらに中央にはビジャが居るためにセンターバックを大きくサイドにカバーさせるわけにもいかない。その状態で、押し込んで深い位置まで入り込んでからダニエウ・アウベスがボールを奪われるのであれば問題ないんですが、待ちかまえているところにぶち当たって奪われてしまうのだから、カウンターの時にサイドバックの裏側を狙われるのは定石。プジョルはスピードがある程度あるのでともかくとして、ピケにはスピードがありませんからカバーは遅れ、セルジ・ブスケツも埋められない。マタ、シルバ、パブロ・エルナンデスが高い位置を保つため、数的不利ができあがり、苦手な戻りながらの守備を強いられる。個人的には、その中で失点しなかっただけでも儲けものだと思ってます。
あるいは、クリアを一本のカウンターにしてビジャが抜け出していく、一発カウンターでも失点はしませんでした。一度あった、ビジャの悪質なシミュレーションにはカードが出されて然るべきだとは思っていましたが、それはともかく。

攻撃で言えば、いくら裏を狙われようが、ダニエウ・アウベスは上がり続け、クロスを入れ続ける。その姿勢は間違ってないとは思うんですが、この試合に関しては左側にイニエスタが入っていることもあって、クロスを上げても対応する選手が一人しかいない。左から攻めた場合にはメッシやシャビが入り込めることもあって中に人数が居るんですが、右からのクロスには期待できるはずもありませんでした。単純なクロスよりも、いくつかの崩した展開を期待したいんですが、シャビの動きが悪く、さらにシャビの所を囲い込むようにボールを納められないようにして囲い込んでいるため、ボールを収めたところでいつものように連動したパスが出せる環境にありません。流れの中で前を向きながらパスを繋いで構築していけるだけのスペースが与えられておらず、ポジショニングも、オフ・ザ・ボールの動きに関しても苦しいものでした。アンリを投入したことでシャビの位置を一枚下げ、イニエスタが一つ前で構築することから縦のスムーズさが出るのを期待したんですが、シャビの調子の悪さは如何ともしがたかったですね。

バレンシアの守備は、引いて守り、ディフェンスラインと中盤の間を作らないようにし、ドリブルで駆け上がってくる選手に対し、ディフェンスラインは下がり、中盤は戻る。囲い込む形を作り、前後左右に動きの取れない状況を作りミスを待つもので、ファウルを犯すこともあまりしないようにしていました。二つのライン集めて密集した地帯を作り出し、パスもドリブルも動きの取れない状況にする。徹底して全員で下がって守り、もう大渋滞を作り出すことで守るやりかたで、後半途中からの全員守備は、攻撃とファウルの多さに見られる守備の激しさと、判定に対する審判への圧力のかけ方、それら全てに共通するように、手段問わずに勝ちに拘っている姿勢が見られました。気持ちの点ではバレンシアの方が遙かに上を行ってましたね。ええ、まぁ、チーム事情が大きく異なるわけですが。

ただ、どうにもならないかと思えるぐらいの試合だったのを引き分けられたのは大きく、これで勝ち点差が縮まる危険性が高くなったとはいえ、こういった非常に困難な試合で勝ち点を広うか失うか、それらは大きな意味を持つことが多いので、好材料として捉えておくことにしておきます。
ただ、二つの失点は頂けなく、点の取られ方が悪すぎた。チェルシーにも似たような形で得点を取られる姿が透けて見えるようです。

Liga Espanola Jornadas 32. バルセロナ対セビリア

2009 年 4 月 23 日 木曜日

■FC Barcelona 4 – 0 Sevilla
ここから強豪クラブとの連戦に次ぐ連戦になるんですが、それを考慮してか、セビリアを相手に回してもメッシとプジョルを休ませるのだから驚き。メッシは過労気味だったので休ませられてちょうど良かったんですが、メッシ不在の時の得点力の低下からすると、この試合も苦しむことになるのかと思っていたら、この結果。いくつか重要な選手が不在だったとしても、どちらにとっても同じ事ででしたから、それが勝負を左右したとは言えないはず。

あまりに早い先制点がこの勝負を決めてしまったのかもしれませんね。高くいい場所で奪い、ショートカウンターになった。エトーがディフェンスラインで戦うことから、裏側を狙われることを意識して左側からは出てこられず、中央と右側から最低でも向かう意識を見せなければならなかった。もちろん中盤がいれば彼らがすべきことなですが、奪われた位置と相手がそうでしたから、それは望むべくもなく、チェックもなしにリトリートしてしまった判断の悪さが、あの見事なシュートのアシストでしょう。

レクレアティボとの対戦の時は、あまりに早い先制点からバルサがペースを落としてしまい、追加点を奪うに奪えず、全体の勢いも落としてしまっていたんですが、この試合は多くの観客の後押しもあって、鈍ることなくやれたのは嬉しい部分でした。ただ、バルサはゆっくりとスタートしてしまい、観客に押されて前に出てきた、という感じでしたね。
ボールが前に出るタイミングは早くなく、後方で回すことも多く、セビリアのプレッシングもきっちりと中盤とサイドバックにかかり、前へ出す前に勝負をかけて一気にやってしまいたいという意識が見えました。が、それを上手くいなせていて、後方で回すボール展開から一気に前へパススピードを上げて納める。もちろん受け手に余裕はそれほど無く、厳しい状態にあるにしろ、それが通るわけで、その要因としてあるのがイニエスタの動きかもしれません。本来ならメッシの代わりとして右サイドに一度っているはずの彼が、縦横無尽に動き中央へ進出してくる。そして前へのプレッシングを強めようとするセビリアの中盤と、ディフェンスラインとの間に入り込みボールを納める役目を担えるようになる。右のアタッカーでありながら構築の手助けもすることによって、手間取りかけていた構築と、より高い位置へ飛ばして行えるようになり、セビリアの意図は、そこで挫けてしまったのかもしれません。

セビリアが左右のアタッカーを入れ替えておくのは、最近のやり方からすると通常のスタイルで、あまり多いとは言えない攻撃の中でも、その二人だけは辛うじて活躍している姿を見ることが出来ました。本来であれば、左右のっききあしの応じた配置をすることで、バルサの苦手な戻りながら処理しなければならない早いタイミングでクロスを入れてしまう方がいいのかもしれませんが、この利き足の配置ではそれが出来ず、逆に深い位置まで切れ込んだ後に、持ち直して角度のあるクロスを入れさせることで、キーパーとディフェンスラインの間にボールを入れる、つまりバルサの苦手とする形で入れることが出来るようになっていました。ただ、ヘスス・ナバスに関しては、ダニエウ・アウベスが右足のコースを消していたお陰でそれをやられることはなく、ディエゴ・カペルにのみ、不徹底なアビダルがやられてしまっていました。本来なら、ディエゴ・カペルの右足はまるで使い物にならないために、左のみを警戒していていいんですが、バレンシア戦のように非常に消極的ではなかったディエゴ・カペルの意識とスピードを恐れてしまったんでしょう。その必要はなかったのに。

バルサの守備は攻撃と連動していて、試合の早い段階では、高い位置で奪い、高い位置で相手にプレスを仕掛け、ボールの配球をする第一段階のロマリッチやマレスカを抑えてしまうことで試合の組み立てを始めさせず、他の選手の上がりを抑制し、さらに押し込める環境を作ることをメインとしていました。その後は押し込み終わった環境から延々と攻め続けるだけで、ボールを奪われたとしても、セビリアが前に繋いだボールにサポートの選手が近づくまでにかかる時間の多さを利用して囲い込み奪って、また攻撃へ。その繰り返しによって押し上げもさせなくしてしまいました。さすがに後半途中からはそういった意識はなくなってしまいましたが、勝負が決していたので、もう関係のないところで。

とにかくこの試合のバルサは、ドリブルでこじ開けなければコースを見つけることが出来ないような調子の悪さを出してしまうことは何もなく、パスとオフ・ザ・ボールの動きだけによって殆どの部分を構築し、チャンスを作り、点を決めている。個人の力に頼っている部分は少なく、組織の動きで勝負を決めてしまった印象が強く、もちろん、個人技術の高さがあってこその組織の動きですが、どこぞのクラブとは状況と環境の良さが違うことを見せていますね。

悪い部分を書くとすれば、油断をしすぎて、バックパスの処理と最後尾の危険な部分でミスを犯して失点をしそうになったところ、クリアを選択せずに繋ごうとしたり、ペナルティエリア付近の狭い地域で明確なクリアかパスなのかすらも判断不可能なボールのやりとりから、危険を招きそうになったところ、ディエゴ・カペルへの対応の不徹底。いくつか運良く失点しなかっただけ、という場面があったのは事実で、完璧な試合だけど、そういった部分に目を向けていないと、チェルシーなんて見事にそこを突いてくるから、しっかり修正していかないとね。

FIFA09 – スコアだけ見れば

2009 年 4 月 21 日 火曜日

ここ最近の対戦数は比較的多くて、一時期の対戦数の少なさからすると驚きです。この動画の対戦以前にも珍しく三人揃ったこともあってFIFAクラブの試合をしていますが、そちらは書く気が起こらないくらいだったので書きません。単なる録画ミスで数試合、技術的な部分から一部欠けているわけで、動画にしづらいため、というのもありますし、別の要因もちらほら。

今回はオンラインでショウ氏と二試合。最初はleiaがホーム側、二試合目はショウがホーム側でプレイしています。

■FC Barcelona(leia) 0 – 3 AS Roma(Syou)
最初から全くスピードに乗れなかった自分ですが、バルサを使う上ではこの方がいいのかもしれません。幾つかミスをしてしまう点が、そのやり方を危険にしているわけですが、序盤はうまくいっていてシュートには至らないまでもチャンスは作れていた。で、抜け出して一対一でループシュートを選択して外してしまうと、そこから一気に流れは変わった様子。そのあと一本シュートが入らなかったあと、カウンターでしっかり失点。最も、トゥーレ・ヤヤからカーソルどうやってもが変わってくれなかったことによる失点なので、ウイイレ時代から慣れたものです。ミスではないミスというか何というか。で、気持ちが切れてあっという間に連続失点。決定的な場面を作っても、なんとも枠に飛ぶ気がしない。

■Russia(Syou) 0 – 3 Spain(leia)
今回もまたゆっくりとボールを回してしまっています。頭が回転してこないこともあって、そんなことになっていたんですが、シュートだけは余計なことをせずにいつも通りを心がけてやりました。とはいえ、動画の最初の部分は下手なカウンターの応酬みたくなってますけどね(わら
チャンス自体はそれほど多くなく、余分なPKも貰いましたし、得点直後に失点してもおかしくないピンチを招いていたり、本来ならこの点差にはなっていないんじゃないかと思うほど。

点差だけ見れば、点を取るのに苦労していることが多い状況はどこへ行ったのか解らなくなるほどですが、実際はどちらかが決め切れてなかっただけ、と言っていた方が良さそうです。あまりいつもと変わりません。自分が縦に全く急いでいない以外は。

Liga Espanola Jornadas 31. バレンシア対セビリア

2009 年 4 月 20 日 月曜日

■Valencia 3-1 Sevilla
バレンシア勢は調子が上向いてきたとはいえ、各選手ここの縦のスピードに依存しているように見えますね。この日は出場したホアキンを始め、ビジャ、マタ、シルバなど、縦のスピードとドリブルに関しては事欠かない選手が揃っていますから、攻撃に関しては十分な人数と、クラブとしての持ち味のカウンターを活かせるだけの状況にある。ただし、守備に関しての不安定さはあり、序盤からいくつも見せていたキーパーとディフェンダーの連携の悪さや、セサル・サンチェスの衰えから来る、読みに頼り切った不用意な飛び出しに始まり、徹底的に入れられる左右からのクロスへの対応がおかしく、前を向いてクリアできなかったり、中に入り込まれている人数に対して過剰なまでの人数を割き中央に密集を作ってしまったり、守備戦術の不明確さはあまりにも酷い状況ですね。

対するセビリアはその部分をきっちりと突いてきており、中央からサイドに展開するだけでなく、サイドからサイドを利用し続け、ワイドに利用してクロスを徹底してあげるなど、横への意識よりも縦への意識を強めてクロスを上げ続け、コーナーを得続けました。あれだけのクロスを中央へ送り続けることが出来れば、相手の対応も判り、自分たちのやるべきことも見えてくるわけで、エスキュデのゴールが生まれたのも、当然の成り行きでしょう。
バレンシアはあまりにもサイドで収まるボールに対して、後ろに下がりつつ対応をし続けてしまいました。本らにならどこかで奪いに言ったり、奪えないにしろ、当たって前への意識をそぐ努力をしておくべきだったんですが、サイドの守備をミゲルとアレクシスに任せっきりで、サポートのことをあまり考えていない守り方でしたから、その状況で当たりに行くのは難しい。バラハとアルベルダのベテランでお互いのプレイを知り尽くしている選手が二人もいながら、そのケアが出来ないのはお粗末でしかありません。
サイドバックにしてもセビリアがそうしていたように、ボールを収める瞬間に強く当たることも必要でしょう。セビリアがそれをできたのは、バレンシアの面々にパワーがなかったからではありますが。

というところでまでが、試合について書ける部分でしょう。

審判があまりにも両チームに対して不信感を持たれるような判断を連発し、プレイの中断ごとに選手たちの不満が審判へぶつけられ、観客席からも盛大なブーイングが浴びせられるばかり。どれか一つの重大な判断がそうさせたのではなく、一つ一つの細かい判断があまりにも駄目だからそうなるようになってしまい、審判の判断のばらつきは酷く、何のファウル化すらはっきりしないほどでした。

審判の影響で荒れた時間帯に乗じて、バレンシアが攻勢をかけ始め、状況が動き始めていました。。サイドをワイドに、両サイドを押し上げてしまう戦い方をするようになったんですが、サイドチェンジをして色んな攻め方が出来ていれば、凄く効果的に数的有利を作ることが出来るんでしょう。ただセビリアがきっちりと守備の意識を持ち、クロスを単純には上げさせないように守っていることで、それらが得点へ結びつくとは思えませんでした。辛うじて得点できるとすれば、ケアできていないファーサイドへ展開していくことかもしれません。

ようやく一方の構成によって事態の打開が図られるかと思ったら、その時点でも審判は流れを変える判断をしてしまい、アドリアーノの退場は納得がいかない。最初の一枚目の所では彼に何故カードを出されたのか理解することが出来なかったもののイエローカード。二枚目となったレッドカードはイエローカードに相当するようなプレイであってレッドカードを出すようなプレイではなく、即ち、一枚目が一枚目ならイエロー一枚目となるはずで、退場には値しなかったのではないか、という思いがぬぐい去れませんでした。どちらにしろ一枚目次第では退場は免れていないわけですが、一発レッドに該当するプレイでなかったことだけは確かでしょう。もちろん、あそこであのプレイをしたアドリアーノが軽率だったのは間違いなく。審判が試合を荒れさせた結果、その直後にもバレンシアに相当有利な笛からPKを与えて、審判が同点を演出してしまい、完全に試合は壊れてしまいました。しかもバレンシアに有利な笛ではありますが、PKを蹴るために必要な笛をいつまで経っても吹かないなど、不満はいっぱい。

見ている側とは違い、後半の選手たちの気持ちの入れ替えは上手くいっていたようで、攻守に苛立ちを見せる場面はあまりありませんでした。セビリアはカヌーテへ納めて展開する。一回納めてからワイドに、というのがあるけれど、カヌーテが受けきるのが強み。しかし、それをすることによって裏への脅威が減ってしまい、代わりに入れられたディエゴ・カペルのへたれっぷりから、ファウルを得てセットプレイで勝負するチャンスも得られず、カウンターの鋭さも全く出てこず、あのスピードを生かせる場面は当分訪れそうになく、将来を嘱望される才能の持ち主だったはずが、オドンコール以下(オドンコールを馬鹿にしているわけではなく)の選手に落ちぶれてしまったことに失望を隠しきれません。

バレンシアは、下手にポゼッションしようとせず、バレンシアのアイデンティティー通りにカウンターを仕掛けられるようになって、数的有利からいくつものチャンスを作り出して、スピードを生かしたものからシュート数も大きく増えましたが、後一歩のところが決まり切らない。ドリブルで切れ込んだり切り崩したりする場面は多いんですが、余計なことをしている印象が強く、セビリアは引いて守り引き分けを狙い始めているのに、時間をかけて中を固める時間を与える必要はないでしょう。持ち味ではあるけれど、それをやり続けていい状況ではないんじゃないかと、その辺にもバレンシアの現状を見ていました。

が、最後の最後で、フェルナンド・ナバーロがPKを与えてしまいましたね。これは大きく手を伸ばして、ボールへ手で触る意図があったのは間違いないでしょう。あれは弁明の仕様のない行為でしたが、実際にボールへ手が触れているとは思えない。あれで本当にPKが与えられるべきかどうかに関しては、正確な判断を出せそうにはありませんが、非常にがっかりとするようなジャッジで、さらにその後、監督をも退席処分にしてしまい、バレンシアの得点は、はっきりとするものではない審判が演出してくれたPK二つ。最後の最後に得点を決めて何とか、審判の演出から逃れた印象を与えて試合を終えてくれましたが、それだけ。

せっかくの素晴らしい対戦カードなのに、こんな理不尽なことがあるか。勿体ない。

Liga Espanola Jornadas 31. ヘタフェ対バルセロナ

2009 年 4 月 19 日 日曜日

■Getafe 0 – 1 FC Barcelona
試合序盤はかなりのスローペースで展開し、両者とも出方をうかがっているようにさえ見えました。ヘタフェは中盤の所に人を置き、バルサのディフェンスラインにまでチェックをかけて動き回るような真似をせず、最後尾でのパス回しこそさせているものの、一つ前へボールを出し、そこからさらに前を振り向けるほどのスペースを与えないように気を配っているようでした。そういったある種消極的な追い回さない守り方からシステムが崩れることは相当に少なく、自分のエリアにボールと選手が入ってきてから行うために、効率的でもありました。しっかりとチェックはしていて、後ろに引いてしまうわけではないから、パスで崩されてしまう可能性は低く有効であるように思えましたが、後方からボールを持ち上がられたり、ドリブルで入り込まれてしまうと、それぞれのマークにズレが生じ、密集地帯が減ってしまい、脅威が小さくなってしまっていましたね。縦へのスピードアップをさせない、という点では十分だった気もします。
例えばスペースの少なさと、ボールサイドの片方に寄せて守ろうというのではないヘタフェの守り方では、相手を横に動かせない。そのため中長距離のパスを出せる機会が少なく、サイドチェンジをしようにも、そのチャンスを得ることも殆どありませんでした。その時間帯を大きく動かしたのはやはりドリブルで、イニエスタのドリブルが効果的に相手のマークをずらせて、注意を引きつけていました。実際にアンリのチャンスも演出しましたし、キーパーのストイコビッチが孤軍奮闘しなければ、前半で大きく得点をし、試合を決めてしまうほどでしたから。

ただ、先制点をバルサが決めてから、思い切りが良くなってダニエウ・アウベスのオーバーラップを見て、大きくサイドを変えるボールが出来るようにはなりましたし、ドリブル時の相手の対応も見えてきていました。ヘタフェの守り方は数的有利でパスを防ぐものであって、数的有利でドリブルを防ぐために陣形を整えているわけではなかったようです。ドリブルをする選手相手に二人でチェックをし、一気に寄せてしまう場面は殆ど見られず、チェックする選手の近くにディフェンダーがいたとしても、そのカバーをするかのように一歩離れたところにいて、一度に多くの選手を相手にするわけではないから、ドリブルで相手を押し込んでいける場面が多く作れたようです。

バルサは、チャンピオンズリーグのセカンドレグで、バイエルン相手に、ディフェンスラインの所で誰も戦わず、裏を狙うこともしなければポストプレイもせず、得点を取る意識の薄さを見せてしまい、不安視していたんですが、そういった心配は杞憂で、この試合でいえば、常に誰かがディフェンスラインに入り、裏を狙う姿勢を見せつつスルーパスを誘発させたり、その前でポストプレイもしてボールを収めてみたり、と様々なことが出来ていました。それだけで、状況の改善は明らか。大きく手を抜いていないのは十分に解りました。ドリブルと、裏へのパスと、ポストプレイのバランスがよく、どれかに固執していませんでしたしね。

後半途中からは、日程の厳しさと疲労から、オフ・ザ・ボールの動きが減り、ボールを引き出せなくなり、圧倒的な支配率だったものも失い始め、幾つかのピンチも招きましたが、その辺はもう仕方のない部分だと捉えて批判はしません。ただセルジ・ブスケツには不満があり、頭の中がお留守になっている瞬間があったようで、タッチミス、動きのミス、パスミス、チェックで軽すぎる、チームの中では相当にミスが目立っていました。失点の原因にならなかったのは運が良かった、と思うほどによくない状態を晒してました。彼だけはちょっと批判しておきたい。

この点差になってしまったのは、ここ二試合のようにバルサが悪かったのではなく、十分にバルサらしさを発揮し得点できるチャンスがあったのに、ただ単に相手キーパーのストイコビッチがよかったこと、運が悪かったこと、審判が得点機会を阻止しまくっただけのことです。

メッシが倒されたのも、エトーが倒されたのもPKを取ってもらえなかった。それらは得点に直結するプレイだから慎重になることは別に悪いことではなく、イングランドの某審判がしたように、シミュレーションという異常なジャッジをしなかっただけでもまともな方でしょう。ただし、メッシがオンサイドで抜け出したのもオフサイドを取られ、80分のゴールもまったくのオンサイドをオフサイドで得点にしてもらえなかった。お陰で試合の行方は最後まで解らなくなりましたし、リーガ全体を考えるとマドリーに多少のアドバンテージがあり、追いつける可能性があった方がいいのかもしれませんが、キーパーがファインセーブを連発し、いい試合にしていたものを審判が無下にしてしまった印象を植え付けるには十分です。
イニエスタには特に厳しく、もっとカードが出されていないと行けないくらいのファウルを受け続けたのに出されたカードは少なく、ダニエウ・アウベスのイエローカードは相手が勝手に転んだだけなのに出される異常さ。

もちろん、これはバルサ側を応援する人間が見た視点によるものなので、一方的な不満に他なりませんが。

それにしても、ここからの日程の厳しさは理不尽なほどで、セビリア、バレンシア、チェルシー、マドリー、チェルシーと続くわけです。コパ・デル・レイの決勝も来月にはあり、一つ派手に転げると、それがずっと続いてしまいそうなくらいに馬鹿かと思えるほどの日程ですヨ。全てを勝てたら奇蹟のようなものだなぁ。