■Olympique Lyonnais(Lyon) 1 – 1 FC Barcelona
もう見るのもうんざり、またもリヨン。といいたくなるぐらい、近年はリヨンとの対戦を見続けています。何せ今季はバイエルンと同組だったので余計に食傷気味。リヨンのスタジアムでの試合が、見る度に色んな部分の質が落ちているから、それに輪をかけているくらいに、もう見たくない。
試合前にラインナップを見た限りでは、アビダルとイニエスタを怪我で欠いていて、プジョルにしろマルケスにしろコンディションの良い状態にはなく、シウビーニョも同じく良い状態だとは言えないので、今季初めに多く見られた疑似3バックで、3トップ、しかもスピードのある三人に挑むのかと思っていたら、実際に試合が始まってみると、スリーバックのような形ではなく、プジョルは大きく左サイドに開き、ダニエウ・アウベスもオーバーラップを自重して慎重な姿勢を見せているあたりは、4バックらしさを感じさせてくれました。しかし、サポートを必要とする左サイドの攻撃、アンリの部分のサポートは出来ておらず、プジョルのオーバーラップは少なく、序盤は特に中盤で動いて繋げる選手が少ないことから、ロングボールで相手の裏へ出すパスが目立ち、動きながら中盤で構築していくのは見られませんでした。中盤の構築が出来なければ、高い位置で相手を押し込むことにはならず、最近の試合の課題となりつつあるフォアチェックの鈍さも改善することは出来ません。例えばサイドバックがオーバーラップしている裏を突かれる前に、それまでであればプレッシャーを与えて攻撃を送らせていたんですが、先制点を与えるきっかけになった場面のように、ボールを奪われた瞬間にボールホルダーよりも前に人数は多くいても、ボールを奪われる場面はそこより後ろにあり、プレッシャーをかけようにも後方から追いかけることしかできない。これではフォアチェックも何もあったものではありません。
自分たちが前からの守備が出来ない代わりに、相手のフォアチェックをさせてしまっているのも今の駄目な部分。立ち上がりに何度キーパーまでバックパスしたか解らないほど、後方へボールを戻してしまっていました。ただ、与えられているプレッシャーはあまり激しいものではなく、連動しているわけでも人数が多いわけでもない。それなのに後方へ戻さなければならないのは、前の選手の動きが足りないことと、そこへ至る部分を抑えられているから。プジョルは、無理をしてでもキーパーへ戻さないことで、何とかディフェンスラインの意識を変えようとしていましたが、危険と隣り合わせの位置だとはいえ、この試合のような展開なら必要なことでしょう。スムーズにボールを回せるようになるきっかけとしては役に立ったんでは。
先制点を取ったリヨンは見事なまでに守備戦術へと切り替え、ディフェンスラインの4枚の前に4枚のミッドフィールダーによるラインを形成し、そこへもう一枚が参加する形を取って4-4-1-1に近い布陣にさえ見えました。ずっとその状況が続くわけではなく攻撃にも出てくるんですが、設定されたラインの位置も深く、ファウルに近い激しい当たりを多用し前を向かせないようにする、試合を壊してバルサにサッカーをさせないことを目指してきた幾つかのクラブと姿勢が重なるようでした。あそこまで徹底されていなくとも、バルサにワイドにボールを回させず、自分たちが走り回らなくてもよくするには十分で、ボールが出ないことで起こる前線の不活性化をさせるには十分ですから。それに加えて前のテクニックとスピードを警戒させられるだけの人材がいる。セットプレイでは時間をかけて苛立たせながらも精度の非常に高いボールを蹴ることがいるキッカーもいて、容易には抗議できない状況になっている。バルサを嵌めてしまうには十分過ぎる試合運びをしています。失点もセットプレイからのものでしたし、流れの中で得点を取られてしまいそうになることはなく、途中からスタミナ切れを起こして何も出来なくなってましたが、ポンコツな選手を抱えながらもよく守ってましたヨ。バルサの選手のふがいなさも加わってますが。
セルジ・ブスケツをスターティングメンバーで起用したのも、スピードのある相手に対して、スペースを減らすための策かと思いきや、上がりまくっていて何も効果的な守備が出来ていませんし、パス出しも受け方もシャビと並列で使うには無理がある動きばかりでした。下がり、ボールを引き出し、前へ出て、また受けて、捌き、飛び出していく。一連の動作をポジションチェンジしながら行うことで、前を向いた状態でパスを出せる環境が作れるのに、シャビが一人でその全てを担っているために抑えどころがはっきりしていて抑えやすく、それ以外の部分でパスが出てこないことから他――例えばプジョル――へ回させるようにし向けることで、ラストパスを出せないようにさせられていました。セルジ・ブスケツは前へ向くチャレンジをある種放棄しているかのようにさえ見える瞬間がありますね。イニエスタの精度でそれが出来てしまえば、スーペルな選手になってしまうんですが、少なくとも代表レベルにはまだないのに、今の状況を含めて少し天狗になっているのかもしれないと思わせられてしまいます。便利なのは解るけど、フレブのような動きとドリブルでアクセントになれるわけではなく、グジョンセンの後方から前へ前へ向かっていきながら高さも利用できるわけでもなく、左サイドのサポートが必要な布陣なのにサイドでプレイできるケイタではなく、彼、というのはね。メッシも途中からプレイする気力を失ったかのように、プレイの質が極端に落ちていましたし、あの状態で前に残られても圧力にすらならず、重荷にすらなっているように見えたので、出来ることならボヤンを入れて欲しかった。結果が出なくともね。
バルサとしては、この試合が良かったのか悪かったのか。アウェーゴールを取れたことは大きく、カンプノウで相手にどん引きをされなくなるという利点はあるものの、内容に改善の兆しが見られないので、このまま真っ逆さまに落ちていく姿を想像するのも難しくない。無冠だって簡単。
■Arsenal 1 – 0 AS Roma
時間があれば見たかったぐらいに、内容を含めて面白そうな組み合わせだったんですが、時間の都合上ハイライトだけ。
どちらも、パスとオフ・ザ・ボールの連動が出来て、さらにローマは収めてくれる人がいる。どちらのクラブも今のバルサにない物を持っていて凄く羨ましいし、見ていて面白いはず。クラブの成績は別としてね。
が、PKになったファウルの判断は頂けない。メクセスの守備は完璧でした。ボールに足を出し、届かないところで引っ込めた。もちろん足に向かってもいなければ引っかかってもいない。ナスリが勝手に足を入り込ませただけで、それで試合を決めるゴールになってしまうのだから不運としかいいようが無く、決してファン・ペルシーの倒れ方が上手かったとも思わない。でも、仕方ないと諦めのつく部分でもありますね。この程度の誤審はよくあるとしか――。