Liga Espanola Jornadas 21. ヌマンシア対レアル・マドリー

■Numancia 0 – 2 Real Madrid
マドリーはこの動きの少ない冬の移籍で――イングランドの幾つかのクラブを除いて――よく動いている方ですね。今度獲得されたのはウイングのフォベールらしく、ファンデ・ラモスのやり方を見る限りは両サイドにウイングを置いてワイドに攻めたいんでしょう。そうなってくると割を食うのは誰か。イグアインの部分を削って一枚のフォワードで済ませるのか、それとも同じポジションを動かしてスナイデルかファン・デル・ファールトの部分になるのか、それともガゴか。この試合はまだ加入間もないこともあって変化はなく、スタメンも同じままですが、今後を占っていく上で興味深い部分ではありますね。コパがないからその期間も合わせられるわけで、恐らく早い段階で出場できる状態にまで持ってこられるでしょうしね。

先のバルサ戦とは違い、ヌマンシアは攻撃的にいってますね。カーサだということもあるんでしょうが、あの徹底して距離感を保ったままのリトリートではなく、要所を押さえるのみでカウンターの速度を上げて飛び出す選手を増やしている。この辺は多くのクラブに言えることなんですが、バルサとやるときは相当に下がって守るか人数をかけて守る専守防衛にも似た形、マドリーとやるときは徹底した守備の姿勢は取らずに攻撃的に得点をも狙う意識が表面にでている状態。どちらが与しやすいかはそれぞれ違うんでしょうが、組み合わせの関係上バルサのあとに見ることになるため、余計に楽そうに見えてしまいますね。

ただ攻撃的といっても、マドリーの攻撃の中心となっているロッベンへの対応はきっちりとしていました。右サイドにロッベンが居るときは一人目が縦のラインを切り、二人目が中へ切れ込む動きをしたら押し下げる。横へスライドしながらドリブルをさせることだけはせずに、前方を見えづらい状況を作ってパスをマイナス方向に出させる。中でボールを受けたときには縦のコースに立ちふさがり飛び込まず、人数をかけて囲い込んでしまうだけで、あとは自滅を待てるのでそれをする。左に回ると中へのコースを切り、縦へ走らせてニアポストを徹底してカバーしておくことでラウールの得点感覚を消してしまう。どれにも共通しているのはドリブルに飛び込まないことでした。
お陰で前半のロッベンはまるで機能をせず、ボールを触る機会も少なく、マドリーのプレッシングも前半の開始早々だけですぐになりを潜め、いつものように鈍化してしまったのでショートカウンターから彼に渡せる場面も得られませんでした。攻撃も後方でボールを持たされているだけで効果的なものはなく、ヌマンシアのカウンターを喰らう回数も多かったですね。押し上げる力とフォワードや高い位置にボールが収まる回数は圧倒的にヌマンシアが多かったんですが、個々の技術と意思の疎通の面において上回ることは出来ず、パスミスが多くチャンスを作りきれないのは残念で、それさえ十分に出来ていれば、マドリーを上回ることも出来ていたかもしれません。が、前半は共にシュートまで持って行けないまま。

後半は、マドリーの得点が入った部分にしてもマドリーが上回ったというよりは、前半出来ていた部分を後半開始直後からヌマンシアが出来ていなかっただけ、というような気がしています。右からロッベンが切り込んで、左に回してシュートを打ち、そこのこぼれ球をラウールが詰めたんですが、前半であればロッベンに対する二人目の動きでおしっさげて左側に流すことをさせなかったはずなんですが、出足が遅く余裕を持たせてしまってこの結果。その一因はラウールが中央で牽制をしていたからで、二点目のものも、ロッベンが単独でゴールした部分ではありますが、ラウールとのコンビネーションを警戒していたがために出て行けなかったのかもしれません。どちらにしろ、ロッベン頼みはさらに顕著になっただけで、この試合の得点機とゴール自体が彼がボールを持たなければなにもならなかったことを考えると、まだまだ不安材料と捉えなければならないかもしれませんね。セルヒオ・ラモスがもっと集中力を持ち、オーバーラップから攻撃を仕掛けられる状態にあるのなら、サイドの攻撃力を上げて負担も減らせてバリエーションも増やせるのかもしれませんが。

得点をしてから、ようやく空いている部分を使っていけるようになったんですが、それはヌマンシアが攻撃に出たからこそのもので、先制点の精神的な余裕も含めてできたことだから、チームの攻撃としては何ら改善が見られません。ボールを欲しがっている選手は動かず、ボールホルダーの付近で突っ立っていながらボールをくれと手を挙げても駄目で、ボールを引き出そうと動いている選手たちもあまりに近いところで動いているだけで相手に守るポイントを狭めさせているだけ。ほとんどの状態でボールの近くに寄ってしまって、距離感としては最悪。パスを回して相手を崩せる状態にはありません。守備のプレッシングはあれだけ近いのだから出来るかもしれませんが、攻撃の役には立ちづらい。

そういったこともあって得点の場面だけは楽しめるかもしれないけれど、マドリーのファンであっても納得の出来る試合ではないはず。少なくとも面白い試合とは言えません。ガゴが退場してからはフンテラールのポストプレイだけのより単調なサッカーになって、ディフェンスラインもペナルティエリアの一歩手前まで下げて引きこもっているに近い。いくら退場者が出てリードをしているからといっても、マドリーがここまで守備一辺倒になってしまうと面白みはなく、ヌマンシアが突き崩すのは非常に難しい。もちろんヌマンシアでなくとも難しい。勝負としては正しいかもしれないんですが、状況と置かれている立場を考えればいい判断とはいえません。ただでさえ内容に対してケチを付けられているのに、いつものようにファンデ・ラモスの采配が後ろ向きで、リードをしたら前を削り中盤の守備も出来る選手を追加する。そんなことを繰り返していれば、長くは続きませんよ。

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