■VfB Stuttgart 1 – 5 FC Bayern Munchen
長いウインターブレイクの間に両者共にスターティングメンバーが変化するほどの選手の放出や獲得があったわけではなく、比較的大きな移籍といえば、バイエルンのポドルスキがケルンへ移籍し(現実には来季)、LAギャラクシーからドノヴァンを獲得したことくらいでしょう。
従ってチーム戦術に大きな変化はなく、バイエルンはゼ・ロベルトの構築と運動量に頼らなければならない状態に変わりはなく、シュツットガルトはヒツルスベルガーの視野の広さと展開力を活かせても他が応えられないまま。
前半早い時間にあったバイエルンのセットプレイ失敗から、一気に押し上げてカウンターのチャンスを得たにもかかわらず、シュツットガルトがまったくシュートに向かう気配すら作れなかったのはヒルベルトの視野の狭さとアイデアの欠如が産んだもの。反対サイドからはボカが運動量を持って上がってくれるお陰で、シマクとバシュトゥルクと含めて右とは比べものにならないほど安定していたんですが、それは攻撃面だけのこと。先制点はそのボカが犯した安易なミスからシュバインシュタイガーのミドルシュートで、あの角度から決めきってしまう方を褒めなければならないくらいに素晴らしいシュートでしたが、シュートの選択をしなかったとしても大きなピンチを作られていることには変わりなく、あの一つのミスが、それまでどちらも掴めていなかった試合の流れをバイエルン側に与える結果になりましたね。
二点目もすぐに生まれ、中央右サイド寄りでトニがキープをして左を駆け上がってきたリベリーへ。リベリーはシュートの構えをしながらドリブルでカットイン。そして左サイドを猛然と上がってきたゼ・ロベルトへ、という一連の流れは先の得点があったからこそ出来た大胆な攻め上がりで、あの部分へ上がってきたのがラームではなく、ゼ・ロベルトだというところに大きな意味があった。そこからクロスでファーのトニへ渡り、難しい体勢からシュートは打てず中に折り返し、詰めていたリベリーのゴール。
そして三点目が入るかと思われたPKもあっという間にボカのハンドから得たんですが、リベリーはレーマンとの駆け引きに負け、正面に軽く蹴っただけでゴールにはならず。実際に三点目がはいった場面は一切ボールの出し手に終始プレッシャーがかかっていないのだから決められて当然。ディフェンスラインの前に居る中盤のラインとの間隔が開きすぎていて、ぽっかりと空いてしまっていたのがそもそもの問題で、ディフェンスラインがトニらを恐れて下げすぎていたのか、攻撃の意識を強くし過ぎて中盤が前に出てしまっているのか。どちらに原因を求めるでもなく、終始そのスペースが空いていたので
後半早々にあったセットプレイから一点返したかと思われた場面はきっちりオフサイド。ただし、そこで投入されたばかりのマリカは絡めていましたし、ケディラをベンチに下げたのは正解だったんでしょう。右のヒルベルトと共にケディラはブレーキになっていましたから、あのまま放置していたら完全に右からの攻撃が立ち行かなくなるところだった。
ゼ・ロベルトの素晴らしいオフ・ザ・ボールの動きのお陰でPKを得て、4点目。ファン・ボメルに代えてオットルを入れてたことで役割が明確になってどんどんと飛び出していけるようになったからこその動きでしたし、5点目となったカウンターの動きもまた、その影響によりものでしょう。
それまでの3点でも勝負が決まっていた節がありましたが、シュツットガルトの気力を完全にそいだのはこのゴールでした。もしかしたら一点を返せるかもしれない、という意識が生まれ始めたところでの失点で、バシュトゥルクも相当に熱くなりすぎて左側も死にかけていましたから、それ以前に勝負があったといってもいいのかもしれません。
まさかの大差で勝利することになったバイエルンですが、不安材料はあり、これまでのバイエルンであれば、軸となるフォワード一人に、これから軸となるべきフォワード一枚を合わせてチームを構成していたのに対して、今は軸となるフォワード二枚を置き、その控えにドノヴァン。クロースのようなユース上がりの若手を使えとは言いませんが、これから先を担っていけるような人材を捜しておくべき。少なくともヒッツフェルト時代はそうであり、エウベルにサンタ・クルスやピサロ、ツィックラーを合わせ(誰もバイエルンの軸には慣れずじまいだけど)、マカーイを軸にしたあともポドルスキを獲得するなど方針としてはそうでした。中盤にもハーグリーブスやシュバインシュタイガーがデビューした頃のような若手を許容できる要素はなく、ゼ・ロベルトとファン・ボメルという重鎮二人をメインにしている。まともに若手として使ってもらえているのは唯一右サイドバックのレルくらいでしょうか。代表ではあれだけの若手を試し、登用してきたクリンスマンであってもクラブチームのサイクルは読めていないようで、今季はこのままのペースで進めたとしても、一つがうまくいかなくなっただけで崩壊しかねないと思う。
この辺はどうでもいい話ですが。