Bundesliga 18. Spieltag ハンブルガーSV対バイエルン・ミュンヘン

■Hamburger SV 1 – 0 FC Bayern Munchen
ナイジェル・デ・ヨングをマンチェスター・シティへ奪い取られたHSVは幾つかの選手を補強こそしていますが、この試合はそれらの選手が先発することはなく、底を担当するのはベンジャミンとヤロリームの二人。運動量のバランスから言えば悪くない組み合わせですが、二人を並べているというよりも、ベンジャミンがアンカーの役割を果たして広範囲にカバーをし、ヤロリームはトロホウスキと共に一列前、という表現が正しいかもしれない。この辺まではDFB-Pokalと恐らく同じはずで、守備時にはピトロイパとゲレーロも吸収して4-1-4-1のような形になり、ペトリッチは相変わらず守備を免除されている様子。
ピトロイパとドゥメルが右をワイドに使うのに対して左は中に入ってきて、ヤンゼンはバイエルンにいた頃よりも連動性やポジショニングが不安定で、持ち味となるはずの攻撃力も減退気味。非常にがっかりするような出来で、今の彼は代表レベルにないと思えるほど。

序盤からHSVペースでトロホウスキのミドルシュートから得点チャンスを迎えそうになったものや、ゲレーロやピトロイパの飛び出しもあと一歩の所までは持ち込めているけど、そのあと一歩が遠い。特に右サイドをドリブルで構築することは出来ても、ドリブルを基本とした選手があまりにも多すぎて、パスを出す事に関してはさっぱり駄目。ボールをくれと散々要求していても、裏へ抜け出す素振りをしてもボールが出てこずに、ボールを受けに戻って初めてボールが出てくる。そしてそこから裏へ出せと逆の要求が出てきてその通りにするのだから守る側としてはドリブルの突破さえ防いでしまえば、あとは単調な行動に気をつければ済んでしまうのだから怖い攻撃ではありません。ペナルティエリア付近にまで攻め込んで、3人が周辺にいるにもかかわらず、連動もせずアイデアも出てこず、というのでは一歩が遠くて当たり前。
得点を取れたのはヤロリームのミドルシュートを妙な方向へ弾いてクリアしようとしたレンジンクのミス。直前でバウンドして難しいものだったとしても、優秀なキーパーであれば避けられたはず。ドイツ代表を争う他の候補たちであっても防げたでしょうね。

バイエルンには前に向かう部分で溜を作ってリズムを変化させることが出来ておらず、シュバインシュタイガーも中へ入りすぎていて、せっかくのヤンゼンが一人で担当しがちになっている部分、バイエルンから見た右サイドをレルと共に突き崩せていない。あの部分に比重をかければ押しつぶせそうなほどに、反対側と比べ運動量も守備の積極性も安定感も違うというのに、中に入ってしまってレルの上がってくるスペースを空ける程度しかできていない。トニやクローゼが途中から右へスライドすることでシュバインシュタイガーの部分をケアしてトロホウスキを押し下げる効果をもたらしていましたが、今度はシュバインシュタイガーの上がるスペースをフタしてしまって詰まり気味。左も上がっていけず、どちらか片方でも広く、縦に連動して使えているならそれでもいいんでしょうが、リベリーのプレイがこの日はあまりにも軽く、あきらめも早く、それに加えてクリンスマンの采配も疑問符が付くほど。トニとクローゼの調子が悪くなかっただけに余計に目立ちましたね。ま、彼らも決定的なのを外したりしていましたが。
それにしてもレルに代えてアルティントップを投入して右サイドを活性化させるのかと思いきや、逆にその部分をボコボコにやられてしまうんだから。トロホウスキを抑える手段を講じずにそんなことをすれば、切り裂かれる可能性が高まるのは誰の目にも明らかなのに。お陰で前半は圧倒的に右サイドに偏重していたHSVの攻めが、それ以後は左に偏重して、よりクリンスマンの采配ミスを強調してくれていましたね。

バイエルンに有利な幾つかの判断がなければ、もっと多くの時間でHSVに押し込まれていてもおかしくない内容でしたが、その辺の細かな判断を一気に覆してしまったのはトニのゴールを取り消した副審の判断でしょう。あれはトニのハンドオフが上手く、そして彼のパワーが活かされた部分でファウルを取るべきではなく、取られるようなリーグでもないはず。そして後半にもクローゼのヘディングからゴールを割ったかどうか微妙な位置のものも取りませんでしたし、どちらの側に立ったとしても不満の残るジャッジでした。ピトロイパのダイブを見抜いた部分だけは納得ですが。

笑えるほどのフランク・ロストの悪役っぷりと、徹底してゴールを割らせない最後の部分まで集中した守備はお見事。

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