■Real Madrid 3 – 4 Sevilla
イグアン、ロッベンが怪我から復帰して、ようやく苦しかった部分に軸となる選手が戻ってきたんですが、対するセビリアは軸のルイス・ファビアーノを前節の退場から欠いた状態でしたから、ファン・ニステルローイがいないことを考えても、五分。マドリーがかわいそうなのは、常にバルサの対戦した相手と翌節に対戦をしなければならないことで、バルサが勝った相手だから、と言われ続けることの不幸でしょう。もしバラバラの組み合わせであれば、二点差となった場面であれだけのブーイングは――監督と会長の首元は別にして――なかったでしょうね。チームの調子と状況が対照的なだけにより際だってしまうからより大きな批判になるだけで、シュスターのやり方からすると何もおかしな部分はないんですヨ。
まぁ、フンテラールの獲得を決めた直後に下部組織を蔑ろにしているとかなんだと言われて内紛が起きたり、組織としての末期症状は出てますけどね。
先制点を決められたクロスへの対応は、カシージャスならあんなものでしょうね。シュートブロックの反応は驚くべき鋭さを持っていますが、ハイボールの対応に不安があるのは以前からあまり変わっていません。キャッチングも対応も含めて、身長が他の国と比べ小さいから、ディフェンダーと連携して始めて守れるものだから、サイドから密着した状態で高さのある選手に合わされるとああいったことになるのは目に見えてます。それを防ぐのはサイドバックの仕事で、中の対応が悪いのであればコーナーキックになってもいいから体で防がなければならないのに、肝心のマルセロがあれではね。
マドリーが同点に追いつけたのはセビリアの油断があっただけで崩したものではなく、個人でトリックをして得点できただけで、組織としてのトリックではありませんでしたが、そのすぐあとにまたセビリアにリードを許したのは、またマルセロの不用意なファウルから。彼の守備の軽さはあまり変わらないのでもうどうしようもないんですが、この試合はともかくクラシコを控えて、自分の代わりが務まる選手が居ないことを認識しつつ、失点の起点になってしまったことと、再三のチャンスを作られていることからの苛立ちによるファウル。そしてイエローで累積出場停止。まだ若すぎるってことでしょうか。いざとなればメッツェルダーに昔のように左サイドバックをやってもらうことになるのかもしれませんが、可能性は低いかな。
攻撃面はロッベンがいることで、縦と裏へのスピードがありサイドを効果的に使えてました。中央によりがちで、一発のパスで狙いがちになっていた最近のマドリーには効果的な動きで、グティのパスの幅を広げる意味でも効果的な存在でしたし、右のイグアインもドリブルで仕掛けられる勇敢さもありますし、気持ちの入った攻撃を両ウイングがしていたのは好材料でした。が、入れ込みすぎていて、サイドバックとの連携や、守備時にフォアチェックをするも、中盤から下がまったく連動しておらずラインも低い位置を保っているなど、せっかくのプレスが単発で終わっており、パスコースの限定や精度を落としたとしてもセビリアの脅威にはそれほどなっていないのが前半でした。
三点目もそうでしたが、多くの場面でマドリーの守備が人を捕まえておらず、ただ立っているだけに近く、ボールを受ける際のプレッシャーになっていない。そればかりか守る側の混乱をも生み出していて、誰がどこへ行くのか、誰が誰に付くのかが明確ではなく、クロスもフリーで上げられ、シュートもフリーで打たれる。ブーイングも納得のあまりにも酷い前半でした。
後半開始時にはマドリーはキレたかのような攻めと守りを繰り返すようになりましたが、それがよくなった印象を与える一方、少しのファウルでも大げさに倒れてカードを要求したり、無茶な突っかけをして倒れてみたり、ラフなプレイをして、本当ならもういくつかマドリー側にイエローカードが出ていてもおかしくないくらいでした。それと同じく単調なミスを繰り返して自滅しそうになっているのも含めて、シュスターの困ったときの策年か感じられませんでしたね。いつものモチベーションを上げるよりも荒れさせることぐらい、という。
それでも追いつかれてしまったのは、またしてもセビリアの采配のミス。サイドの優位性を保てなくなった状態でディエゴ・カペルを投入せずにアドリアーノを使い続けたことが一つの要因で、もっと早い段階で交代をして再びサイドの優位性を得るようにし、そこを起点に相手を押し込み続ける必要があったのに。この判断の遅さは致命的。確かバルサ戦でも多分書きましたね。
その致命的なミスから勢いを得られて同点にまで追いつけて逆転さえ出来そうな勢いを手に入れていたのに、ロッベンがあまりにも不必要な抗議から退場してしまうのだから情けない。そしてクラシコも出場できなくなり、どんどんと自分の首を絞めているようなものですヨ。そして今度はマドリーが苛立ちを募らせていく番で、自分たちの不甲斐ないプレイから、せっかくセビリアが自ら手放してくれた勢いを相手に手渡して復活させ、勝ち越しのゴールを許してしまった。
少なくとも王者のするサッカーではなく、それこそかつてシュスターが率いていたクラブでこそ通用するやり方でしかないんですヨ。