FIFA Club World Cup決勝 リーガ・デ・キト対マンチェスター・ユナイテッド

■LDU Quito 0 – 1 Manchester United
マンチェスター・ユナイテッドの先発メンバーはガンバ戦から大きく変わり、キャリックやパク・チソンらが先発をして2トップの布陣になりましたが、これが即ちガンバ大阪戦で大きく手を抜いていたという証拠ではなく、状況に即した戦い方をしているだけでしょう。もちろん、あれが本気だったというつもりはまるでありませんが、軽視していたのともまた違うわけで。少なくともこの試合でギャリー・ネヴィルが使われることはないだろうと思えるほどにスピードに対応できてはいませんでした。ガンバ以上にスピードのあるリーガ・デ・キトを相手にあれでは使えないわけで、ラファエルが出場したのもまた現状に即した戦い方、かな。

リーガ・デ・キトは動きが硬く、パチューカ戦の前半で見せたような爆発的なスピードもなければ、追い越していく動きも裏へ抜ける動きも少なく、そもそも攻撃にかかったときの人数も少なく、守備的だといっても問題ない状態でした。ハーフウェーラインから後ろに下がり、最後尾のテクニックのないディフェンスラインに対してはプレッシャーを与えルつもりはない様子で守りきろうとしている意図さえ透けて見えました。
攻撃にかかったときも守備のことが頭から離れないようで、運動量が極端に少なくパスコースを維持することすらせずに、マンチェスター・ユナイテッドに相当の余裕を持って守らせていました。もちろんオーバーラップのタイミングも遅いためにボールを奪ったときに前にいるのはアルゼンチン人二人程度。両サイドがラインを混乱させるために中と外へポジションを動かすこともないので、ユナイテッドのディフェンダーがパスコースを特定してカットするのも容易で、そこからカウンターを喰らうこともしばしばあって、攻撃が守備の足を引っ張っているようにさえ見えました。攻撃にもう少し力を入れることで押し込んで守備の負担を減らすことが出来るはず、スピードでは圧倒できているだけに裏へ抜けることも出来るだろうに。あれだけ後方の選手の頭の中が守備で凝り固まっていれば、フォワードの選手はタイミングが取れずに一発のパスで裏へ抜けようとしても出来ないでしょうから仕方ないのかもしれませんが。

クリスチアーノ・ロナウドへの対応は正解だったと思ってます。悪質なほど厳しく行くのは好みませんが、ファーストタッチの前段階から厳しく行き、ドリブルのための準備をさせないことで縦へのコースを切り、横へのドリブルをさせる。そのマークは非常に困難なもののゴールへ向かっていないだけに直接的な脅威にはなりませんし、パスからポジションを動かしながらランニングをしたところで、その先を捕まえてしまえば問題なく、さらにはそれを嫌がってスペースに出るために勝負所から遠ざかっていく。シュートを打てる位置であってもそれをしなくなるのも、そういったプレッシャーを受け続けたが故のものでしょうし、彼を抑えるだけで全てが決まるならそれで十分なんですけど、攻撃にも出ないのなら退屈きわまりない試合だといってもいいはず。

ビディッチに対するレッドカードはあまりいいものではありませんでしたね。その原因となったキトのボールを奪いにいった動きがいいものではなかったのもありましたが、ビディッチの肘打ちも明確なものではなかった。ただそこに顔があったのが不運だっただけとしかいいようがありませんが、報復行為だと取られたのであればレッドカードは仕方のないもの。納得できるものでないとしてもね。
これでクリスチアーノ・ロナウドが中央に張るようになったんですが、その影響でマークを嫌がってスペースへ出る機会の多かった彼が中央のマークの厳しいポイントに多くの時間いなければならなくなり、試合からどんどんと消えていきましたね。一応、ルーニーの得点をアシストしたものの、それは数的有利が出てきたリーガ・デ・キトがこれまで守りきる姿勢が露骨なほどに強かったものが、攻撃に多少出てくるようになったおかげで試合は動いたことによるもの。決定的に試合が動き始めたのはその得点以後ですが、退場者が出た段階でリーガ・デ・キトの意思に揺らぎが出たのがそもそもの始まり。で、得点以後はマンチェスター・ユナイテッドが守りに入ってカウンターへと変わってしまい、面白くないことには変わりがなく??。

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