■Real Madrid 2 – 2 RCD Espanyol
ネネーが先発出場していることに疑問を感じていたら、バルセロナダービー時の不当なイエローカードによる退場は取り消してもらったんですね。どのチームにしろ、マドリー戦の前にはよく解らないイエローカードで出場停止にさせられるケースがあったり、マドリー側の出場停止が何故か解除されたり、不思議なことはよく起こるんですが、この件に関してはバルセロナ戦の審判があまりに酷かったことによるもの。お陰で試合を見る側としては期待の持てる状態になりましたヨ。
エスパニョール攻めの中心は、繋ぎやポストプレイよりもマドリーの比較的浅いラインの裏を狙うことで、タムードとルイス・ガルシアの二人が特にどのタイミングであれと飛び出してましたね。パサーがデ・ラ・ペーニャの時だけではなくて、中盤の低い位置からであってもバックラインからのものであっても飛び出していく、その共通理解は素晴らしく、タイミングの少しのずれでオフサイドになる場面が多かったんですが、相手のラインを押し下げることが出来ていましたし、何より一つのボールで得点のチャンスにできてましたから、効果的でした。その辺は、シュツットガルト対ブレーメンのブレーメン側がしていた徹底した飛び出しとは全く違う質のもだということを意味してますね。
特にデ・ラ・ペーニャが持ったときの狙いは素晴らしく、飛び出す側は無駄走りにならないからイメージをしっかりと持った状態でシュートを打てる位置に走り込めて、あと一歩でシュート、あるいはゴールになりそうな場面を何度も作り出していました。デ・ラ・ペーニャの糸を引くようなとんでもないパス。そのパスが出てくる信頼感は素晴らしいですヨ。あのパスを見るためだけでもスタジアムに行ってしまいそうです。
一点目のPKを得た場面は、最後尾からのクリアにも近いロングパスをタムードが抜け出して取ったもの。エインセの対応があまりにもお粗末すぎてPKになったんですが、飛び出しは完璧。二点目は抜け出しとは違いましたが、デ・ラ・ペーニャからタムードへ預けて、そこで勝負を決めに来ると思ったら右へ流してグラウンダーのボールを中へ。ファーに流れていたルイス・ガルシアが押し込む綺麗な崩しで一点。
マドリーはチャンピオンズリーグ疲れか、ボールを奪った後にカウンターをするいつものスタイルがあまり機能していません。オフ・ザ・ボールの動きが少なく、追い越す動きも少ないので、ボールを緩やかに繋ぐことが多い。ただそういう繋ぎも、動きが少ないせいで効果的にはならない。高い位置からのプレスもいつもほど素早くなく、ショートカウンターもなかなか出来ていない。むしろエスパニョールのプレッシャーに追い込まれることも多く、前半は意外なほど攻撃の形がありませんでしたし、自分が奪われたボールを必死で追いかけて取り戻そうともしていないので、パスの出所を潰せず、抜け出しを助ける要因にもなっていましたね。
後半になってさすがにマドリーも修正をしてきて、前からプレスがかかるようになってまして、比較的前半はフリーになっていることが多かったデ・ラ・ペーニャを、デ・ラ・レッドやディアラが遠巻きながら見ておくことで簡単にはボールが渡らなくなり、別の所から繋がなければならなくなってました。繋がると一発のパスで決まってしまいそうになるんですが、デ・ラ・ペーニャの消耗もあって十分な効果でしたし、後ろに下がりながらもきちんと中盤後方のプレスがかかるようになってきてました。その辺の修正はお見事。
マドリーが同点に追いついたゴールは、エスパニョールがずるずると下がってしまったのが原因で、セルヒオ・ラモスを止められないにしても、誰かがサポートをして、どこかで止めなければならず、あるいはパスコースを切ってしまわなければならず、それをしなかったがためにペナルティエリア内までラインが下がってしまって踏みとどまれず、クロスを頭であわされる結果になった。もう少しラインを踏みとどまらせることが出来れば、キーパーが触ることも難しくない。かといってラインを強引に止めると裏に抜け出される危険が高くなるため、出し手を押さえる方がいい。それをこの試合あまり出来ていなくて、ラインが下がった所へクロスを入れられてしまう事が多かったのが残念ですね。サイドを深くえぐられたわけでもないんですが。バルサ戦でしたような、縦のコースを切るのではなく横を切ってクロスを上げさせて跳ね返すやり方はマドリーには通用しなかった、というよりも守備のスタイルが変わってしまっていて、縦も横もフリーだった。プレッシャーも与えられず飛び込みもせず、リトリートしてく。戦術としてそうやっているように見えましたが、ボールの出所を抑えずに下がるだけでは相手にいいようににシュートを打たれてしまうだけ。よく体に当てて防いではいましたが、シュートを相当数打たれていますし、シュートミスに助けられているものも多々ある。相当に危険なことをやってしまっていて、マドリーにいつもの決定力があれば、勝負は早い段階で決まってしまっていたでしょうね。
逆の言い方をすると、マドリーはこの試合勝っておかなければならない試合でした。エスパニョールの攻撃はともかく守備はまるで機能していなかったわけですから、せめてシュートを枠内に飛ばし、脅かし続けなければならないものを、自らのミスや焦りでチャンスを潰しすぎた。