UEFA Champions League -F- Matchday 1 ステアウア対バイエルン

■Steaua Bucurest 0 – 1 FC Bayern Munchen
このスタジアムの芝は長いのか、それとも状態が悪いのか、水が一切撒かれていないのか、まったくボールが伸びていきませんね。跳ねさせないと届かないとか、思っているよりも短くてカットされたり、ドリブルも少し詰まるような部分が見受けられたんですが、もしかてバイエルン対策だったんでしょうか。ただ単に芝とピッチのコンディションがドイツと違うだけかもしれませんね。ま、違和感を強く感じたのが前半開始直後だけだったのを見ると、あっという間にバイエルンの選手たちは芝の状態に対応できているみたいで、これが試合の障害にはなっていないようです。

それで、ええと、やっぱりバイエルンは3バックなんですね。ということは、ファン・ボメルをアンカーに置いた4バックのシステムが機能していなかったとクリンスマンが認めてくれたんでしょうか。それなら今後に向けて明るい材料が一つ増えて、恐らく不安定なブンデスリーガでも優勝は堅いんじゃないかと思います。あそこを改善しないままシーズンを通して戦えるほど、ブンデスリーガのレベルも落ちきっているわけではありませんから。ただ、リベリーが復帰したあとにどうなってくるか、というのを見ないことにはどうにもなりませんけどね。シュバインシュタイガーやゼ・ロベルトを外してリベリーを入れてしまうと守備意識の低下から中盤を支配されかねなく、トップを一枚減らしてしまうと今以上にトニに頼む回数が増えてしまうわけですから、抑えどころがはっきりとしてしまって前線が孤立してしまうかもしれない。
この試合ではシュバインシュタイガーが一枚でゲームをコントロールする役割を担いながら、ゼ・ロベルトは飛び出しを中心にオフ・ザ・ボールの動きを活発にして、ファン・ボメルが後ろで支える、と役割分担はきっちりできていてそれが効果的に働いていたので、もしかするとリベリーが入ってもシステムと役割が変わらず、シュバインシュタイガーとリベリーの二人がポジションを争うだけなのかもしれませんね。ただ、ファン・ボメルを後ろに置いていることには相変わらず反対の立場。彼の運動量を考えるとどうしてもセンターバックの前のスペースを埋めきるのは不可能なので、誰か一人がサポートをしなければならないんですが、この試合はデミケリスが3バックの中央にいるお陰で、彼の判断力の確かさで前のエリアをカバーしてくれて、3バックでより広くなりがちなエリアもある程度カバーできていました。
バイエルンは3バックといっても5バックに近く、バルサがやっていたような攻撃的なものではなくて守備的な印象を受けるもの。守備時に殆ど5バックを並べて固めるのは悪いとはいいませんが、二つのラインなりブロックを形成しかないと相手のフォワードは抑えられてもそこへパスを出す供給源を絶つことは出来ませんし、前半に1、2度あったようなマークに付き切れていない状態でミドルシュートを打たれる要因にもなってしまいます。それをするのであれば、ウイングバックが最終ラインに吸収されたら、一枚を前に上げて4バックにしてしまえばいいんですが、4から3にアンカーを下げて変更するほど容易いことではないのでしかたはないのかもしれません。
もう一列前の部分になるとか、リトリートをしていない状態ならば、クローゼも積極的に守備をしてくれるお陰で上手くプレスがかかってボールを奪えているんですけど、後半はクローゼに代えてポドルスキを投入したことで、前線からの守備にかける運動量が減り、どうしてもボールを奪う位置が後方に下がってしまいがちで、中盤にスペースを与えてボールを動かされてしまうケースが増えました。そうなってしまうとウイングバックが完全にバックラインに吸収されて5バックになってしまい、その一列前のスペースを埋める選手が不足してしまうことで、ミドルシュートを打たれる。前半にもあった形なんですが、それが増加していて前半のようにペースをつかめなくなってしまいましたね。ミドルレンジからロングレンジにかけての攻撃が多くなって、シュートだけではなくアーリークロスもスルーパスも含めて結構印象としてやられているように感じてます。ポストプレイを要求する縦パスなら、ポストに入ったところでつぶせるから問題はないんですが、それ以外のスペースに出されると途端に苦しくなりますね。失点せずに終われたのは運のようなものですし。
例えば57分にあった致命的なシュートはその一つで、このピンチはある種しかたのないもので、ファウルの笛が吹かれていればそれでよかったんですが、足下にボールが残ったままプレイオンされてしまったのが全て。あの状態で不用意にラインを上げることは出来ませんから、オフサイドを取りきれなかった。シュートが枠に当たってくれただけで誰も防げていませんが、オフサイドな気もしますけどね。
76分のエリア外のシュートから弾いたところを押し込まれたのもそうで、審判に笛を吹いてもらったお陰で何とか助かりましたね。オフサイドならいざ知らず、キャッチミスでボールを落としているに等しい状態でしたから笛を吹かれなかったとしても不思議ではなく、同点ゴールだったとしても文句はいえません。スタンクが蹴っていたのは手ではなくボールでしたから、ああいった場面でしっかり抑えきれないレンジンクには不安を感じますね。この試合の中でも他にミドルシュートへの反応だとか、キャッチングミスも幾つかありましたから、そういうのが積み重なって審判がイメージを先行して持ってしまっていれば、ファウルの笛が吹かれない可能性もありました。とはいえ、ゴールエリア内のプレイだからキーパーが保護されても当然で、妥当ではあるんだけどなんというか……。

バイエルンの攻撃は、一次攻撃はフォワード+1枚でのカウンターで枚数が少ないため攻撃の経路は中央に限定されがちで、そこから発生する二次攻撃はカウンター失敗後の中盤の一枚+ウイングバックの攻撃参加と段階を追って人数が増えていくため、相手を一気に切り崩すには難しく、相手が戻りきっている段階になって両サイドの攻撃準備が整うわけで、二次攻撃からシュートまで、という期待はあまり持てません。得点できた場面も何とかファウルを得たところからのフリーキックでしたからね。シュバインシュタイガーが蹴った、弾道の低く鋭く曲がるボールに中に入った選手が合わせるだけ。もちろんそのヘディングの技術も相当に高いんですが、いいところに蹴ってます、本当に。

圧倒は出来ず、ぎりぎりかな。

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