Liga Espanola Jornadas 2. バルセロナ対ラシン

■FC Barcelona 1 – 1 Racing Santander
ナショナルマッチデーがありチャンピオンズリーグも間近に迫っているお陰で、代表に招集された各選手の中で特に疲労の色が濃い中南米の選手を多くリザーブ、もしくは招集せずにメンバーを大きく変えていたんですが、それがこの引き分けに繋がったとは思いません。むしろ開幕戦でメッシ一人が戦術に馴染んでおらず浮いていたようなことが無く、チームとしての動きはこちらの方が理解の度合いが強く、よかったかもしれませんね。もしかするとそれとは関係なく、ヌマンシアのあの狭いスタジアムで苦しんでいたのから、やたら広いカンプ・ノウへ移ったからそう映ったのかもしれませんが。

ラシンは最初から引き分けを狙っていると言ってもいいほどの引き具合で、ムニティスとチテの二人も自陣に帰るほどでした。その二人が守備に奔走することはなかったにしろ、ラインの位置を低く保ち、押し上げることもなくバルサの攻撃を耐え続けることを至上命題として戦っているかのようでしたが、その守り方は、引きこもってペナルティエリア内まで簡単に入り込んで人の壁を作るというものではありませんでした。シャビやケイタのように中盤の前でボールを受けようとする選手にはセンターバックとサイドバックとピボーテ、あるいはサイドの選手を利用して三人で囲い込み前を向いてのパスをさせることはありませんでしたし、両ウイングにマーカーを付けてフリーの状態で前のスペースへパスを出させないようにして、足下のパスから縦への突破、そしてクロスというのは許しても中への切れ込みは許さない方針のようでしたね。その間に中のラインを整えて人数を加えてクロスに備える。体を密着させスペースを消してしまえば、高さに強いわけでもクロスの対応が得意なわけでもないバルサのアタッカー陣ではヘディングでの得点は容易には取れませんから問題はない。きちんと統率され監督の予定した戦術が機能した守り方で、バルサが得点のチャンスを迎えたペドロやフレブらの中へ入り込む動きからプルバックのパスで得点チャンスを作ったような、ああいったラシン側からすると「させてはいけない」と事前に決めていたプレイから得点チャンスを得たんですが、結局の所そのチャンスからのシュートは運が悪かったというべきかキーパーの目の前であることが多くゴールにはなりませんでした。
それ以外の部分では後半になって、ダニエウ・アウベスが深い位置から速いクロスを連続して低く入れることで、ディフェンダーに難しい対応を迫っていましたが、サイドからのクロスで得点を取ろうというのであれば、あれしかこの試合では得点を取れなかったでしょうね。問題は中でディフェンダーの前に入り、体を張って点を取ることが出来る、あるいは潰れることが出来る選手が居てこそなんですが、エトーは瞬間的に入り込むことは出来てもそこで戦う選手ではありませんから無理で、例えアンリがいたとしても同じ事。あの戦い方をするのであればグジョンセンあたりがいれば泥臭くやってくれるのかもしれませんが――。

バルサが得点を得たPKの部分はファウルであって問題ないでしょう。スローで見るときっちり肘を出して止めにいっていますし、そのあとの倒れ方はそれを隠すためのものでしたから、あれが肩に当たっていたとしても心象が悪くてハンドを取られていてもおかしくないくらい。実際には肘辺りってところでしょうから正当なもの。メッシのPKを蹴る技術は相変わらず見事で、キーパーの動く方向を見極めてから逆に流し込めるのはバルサでは貴重。
得点チャンスが数多くありながらPKでしか点を取れなかったことに不満はなく、あれだけ戦術的に引き分けを狙われてしまえば、相手に無理矢理ボールを持たせて攻めさせる工夫をしない限り、そうそうディフェンスの裏に抜け出すことすら難しく得点を取るとなるともっと難しいでしょうね。もちろん、徹底的に崩すための努力をした上で得点を取れなかったとしてもしかたがないといっているだけで、崩すことすらせずに、というどこぞの代表のことは擁護しません。

問題はプジョルが犯したとされるファウルの部分なんですが、あれは本当にファウルなんでしょうか。空中にあるボールに対して正当に競りに行ってムニティスの上をいってきっちりとはじき返した。むしろ正当に競ろうとしなかったムニティス側のファウルを取られて然るべきもので、プジョルのファウルではないですヨ、あれは本当に。
あのファウル以前も以降も、ラシン側のダーティなタックルはいくつもありましたし、ボヤンが削られたものやフレブが怪我をしたものやダニエウ・アウベスに斜め後方からしたもの、他にも色々あってカードが出なかったものの中にもイエローカードが出て然るべきものもありましたし、イエローカードが出たものの中にもレッドカードでもよかったんじゃないかと思えるものもありました。潰し方はエグく、ファウルをされた側が上手くなければ怪我が避けられないようなものも幾つか。
ラシンのこれまでの戦い方は評価していますが、マルセリーノ後のムニスのやり方は嫌いになりそうです。バルサ相手にこの戦い方をしたからではなく、引き分け狙いの守りきるサッカーをしたからでもなく、その戦術でもなく、守るための手段に嫌気がさしました。それさえなければ、戦術的に統率されたいいディフェンスなのに。

あとの不可解な点を挙げるとすれば、グァルディオラ監督は何故プジョルを下げて、パフォーマンスが非常に悪かったアビダルを残したのか。もしプジョルが失点に繋がるファウルをしてしまい、精神的なもので焦りなり背金を感じてプレイの質が鈍ると考えたとしても、ピケという鈍重でテクニックのないセンターバックの相方として置くには、カバーリングも判断力もラインの統率も落ちるアビダルよりもプジョルでなければならないんです。もしガブリエル・ミリートがそこにいるなら彼に任せればよかったんでしょうが、出場もしていなければベンチにもいない。そうなれば多くの人が見て明らかにアビダルの調子は悪いと感じているその選手を残す必要はなかったんじゃないでしょうか。
セルジ・バスケスは、キック力が明らかに足りていないのと思い切りが足りずにパスを預けるだけになってしまっている部分は気にかかりますが、こういう押し込んだ展開であれば計算できる選手でしょうね。守備や運動量を必要される試合になれば、まだトゥーレ・ヤヤやケイヤ、マルケスを置くべきなんでしょうがこの試合は問題なく、旧ペドリットのペドロはそれなりにやっていましたが、イニエスタが入った当たりからポジションが不安定になって消え気味でしたし、最後の方はサイドバックのような位置にいましたね。ベンチに一枚もディフェンダーがいないとはいえ、なんていう采配を……。

今季は我慢のシーズンだから、ここは我慢々々。

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