■FC Bayern Munchen 2 – 5 Werder Bremen
ブンデスリーガの現在トップクラブ同士、そしてチャンピオンズリーグ出場をしているただ二つのクラブの対戦なんですが――。
これまでバイエルンが3バックに変更して以降、対戦してきた中で唯一押し込めそうにもないチームであり、ブレーメンもバイエルンだからといって守備的に物事を進めるとか、自分たちのスタイルを崩すつもりのないでしょう。バイエルンよりもブレーメンはパスワークに長けて、ゲームを組み立てる能力も高い。選手はいくらか抜け、加入した選手はいても、トーマス・シャーフの長期政権で何より完成されつつある。
そんな相手に3バックで挑むことが疑問でならないんです。バイエルンの3バックはカウンターだけを目的としたものではありませんし、カウンターに特化したとしてもやりきれる人材でもない。そうなったときに徹底して押し込むためのシステムであって、3バックをセンターサークル付近にまで押し上げることでハーフコートマッチに近い状況を作って、ミスをするのを粘り強く待つものだと思っていたんです。それにブレーメンのようにキーマンがいて、そこから両サイドにも真ん中にも展開できる相手の時には、キーマンを見ておく人物がいなければ、自由に展開されてしまうのは明白。3バックだと両サイドにウイングバックを配する関係上、攻撃を犠牲にしなければ、中央に三枚しかおらずマーカーをつける余裕が無くなるのでつけられない。4バックならなんとかなるんですが、結局の所マーカーも無し、ファン・ボメルのアンカーという、ヂエゴの最もやりやすい環境になってしまっていました。
ブレーメンの守り方は、カウンターをさせず、中盤を抑え込むことでバイエルンの攻撃を封じるというもの。ウイングバックの中へのパスはある程度容認していたんですが、前への勝負に来るパスはパスコースに人を徹底して入れておくことで出させないように限定し、組み立て直しのマイナス方向へのパスを幾度となく繰り返させていました。あるいはロングボールで逆サイドへボールを蹴ることはあっても、相手の裏へ出るものではなく、ディフェンスを前に置いたままの状態での横パスであって、距離が伸びただけなので相手にと手はそれほど脅威になりませんし、ウイングバックを飛び出させたり、縦への突破をするためのスピードもこれでは稼げませんね。で、バックラインにボールを下げさせておくことで、よりウイングバックが高い位置を取れなくなり、攻撃参加に加わりづらい状況を作り出す。さらにはディフェンスラインでボールを回しているときも、テクニックに優れるデミケリスの部分をケアしておくことで、フィードと組み立てには優れていないルシオとヴァン・ブイテンに多くボールを蹴らせることでその後の展開をしづらくしていました。
中盤にポドルスキがボールに触れないために下がってくるから、トニも孤立して八方塞がり。
研究しつくしている感じでしたね。
バイエルンは元チームメイトのピサロを捕まえ切れておらず、彼のポジションを見ておくはずのルシオがマークが緩くポストプレイもサイド裏への飛び出しもやらせてしまっていましたね。パスでの組み立ても、飛び出しも、ドリブルも、色々できることはよく知っているだろうに。ヂエゴの所もピサロの所も緩いのでは――。
ブレーメンの先制点はオフサイド後のカウンター。ファン・ボメルがアンカーを務めることの不安がここにあって、運動量が少なく当たりに行かないことも多い、そしてどうしても潰しておかなければならない状況だとか、後ろの状態があまり見えていないことから、カウンターの時には特に後方のスペースを突かれてしまうんですが、この失点は、本来のポジションではないにしろ、カウンターの状況で彼がマークに付いておかなければならないエジルをフリーにさせてしまったのが失点の要因。ボールを受けたときには近くにポジションを取っていながら、後ろから上がってきたルシオに任せたまま彼は悠々と軽く走っているだけで危機感をまるで感じていません。デミケリスに与えられている役割は、マンマークではなくカバーリングなのだから、あの場面でローゼンベリを抑えきれというのは要求が多すぎ。
二失点目は、そのピサロの誘いにデミケリスが乗ってしまった不用意なファウルからフリーキックで合わされ失点。なんでマークは付いていかなかったのかわかりませんが、ヴァン・ブイテンはニアを防ぎ切れておらず、残りの連中はそれよりも悪くて足が完全に止まっている。いくらキーパーがトッププレイヤーだったとしても、あんなに守備がザルでは止められやしませんヨ。とはいえ、三失点目のエジルのゴラッソや五失点目の飛び出しのミスとか、相当にこの試合のレンジンクにはミスが多くて、そんなことも言ってられませんが。今日の試合みたいなことを続けていたら、あともう一シーズンの間をカーンがプレイしていた方がマシだと言われかねませんね。とんでもなく、お粗末。
後半開始時にヴァン・ブイテンからボロウスキ、レルからオッドに変えて、攻撃の起点となるはずのウイングバックにマイナスのパスを出させ続けられた部分の修正で4バックへ変えていましたが、攻撃では中盤にサイドアタックの出来る人材が流れてくることを多くできるようになったお陰で、サイドでの数的不利が無くなり、マイナス気味の横パスが多かったサイドの攻撃が前へ向かうようになり、連携した飛び出しとか、ドリブルも増えたんですが、四点目は試合中に4バックに変更してしまったことで、サイドバックとセンターバックとの距離感が曖昧になってしまっていて、さらにルシオがゴールキックの空中戦に競り合いに行き、そのファウルを取られたあと、切り替えが遅れて自分のポジションに戻っていなかった。そういったときに、ポジションを埋めなければならないファン・ボメルはきっちりプレスに行きましたが、ペナルティエリアに入り込まれて一番危険なのは、中へ切れ込まれること谷中へパスをされること。なのにファン・ボメルは後ろからプレッシャーを与えて、ゴールラインを割らそうとしていた。一番重要なゴールサイドのケアをせずに。だから4バックでこの守備体系を取るなら、凡庸な守備の選手では務まらないんですヨ。
最後はシュバインシュタイガーの気持ちが切れて、もう何にも無し。
二点返しても、この得点差を見れば何も関係のないものだと言えてしまうでしょう?