EURO2008 オランダ対ルーマニア / グループC

■Netherlands 2 – 0 Romania
クロアチアはスターティングメンバーを大きく変更をしても、自分たちのスタイルを殆ど変えることなくサッカーを進めることが出来、ポルトガルは全く自分たちのスタイルを作れなかった。オランダはどちらに転ぶのか、と見ていたんですが、どちらかといえばオランダは一軍でも二軍でもなくその中間に近い構成でした。もちろんここでいう二軍とは実力が落ちるとかそういう意味ではないので悪しからずご了承ください。

オランダはブーラルーズをそのまま起用しているところに、右サイドバックの適材がいないのではないかと勘ぐってしまうんですが、いざとなれば途中出場をしたメルヒオット以外にもナイジェル・デ・ヨングもオーイエルもできますから、選手が居ないわけではない。でも彼らが入ったときに今のスタイルを続けられない、ということなんでしょう。メルヒオットにしても堅固な守備からカウンター、というのにはあまり向いているとは思えず、どちらかといえば、今日は出場しませんでしたが、ジオことファン・ブロンクホルストの役割を右から担う方が合っているのかもしれません。でも不思議なもので、バベルが怪我をしなければ、ここの部分にほころびが出来ていたかもしれないんですよね。ブーラルーズは追加招集メンバーですから。
もう一つ書くと、オランダの守備はある程度の高さを無理矢理維持しているように見えました。後半のルーマニアが攻勢に出たあと、オフサイドの笛が増えたように思うんですが、あれは精度とタイミングの問題であって、統率され尽くしたラインでオフサイドを取っているようには見えず、もし裏を狙われたら、という部分のケアがあまり出来ていませんでしたね。カウンターへの対処も戻りは速くても組織だって出来ておらず、自分たちが得点している形を相手にやられたときに、そのままそっくり失点してしまいかねない危うさを感じました。ルーマニアの少ない人数の攻めでそれですから、人数をかけられるとかなり辛いんじゃないでしょうか。

ルーマニアのディフェンスは4-1-4-1を形成して、キヴをこの試合はアンカーで起用していました。左に入ることが多かったムトゥは守備での貢献が少なく、そこを突かれて何度か形を作られてしまいましたが、それ以外の部分では、二つの4人のラインが綺麗に構成されていて、距離も非常に近く、縦パスだけではずるずると下がらない堅固な守備ができていました。中盤でパスを収めさせて前に展開させるのも少なく、バックパスからロングボールは許容範囲でショートパスを繋がれたのは数える程度。決定的なチャンスを作られたもの、となるとさらに少なくてフンテラールにポストプレイをさせてロッベンがシュートを打った場面ぐらいでしょうか。
オランダの攻撃が、これまでの二試合とは違い、裏を狙う回数が少なくウイングもルーマニアのディフェンスに阻まれてボールをもらうことが難しく開始位置が低くなっていました。サイドでのドリブルも縦へのドリブルは許してもらえているような雰囲気でしたが、クロスに対して自信のあるルーマニアからすれば、それで十分なディフェンス。
これまで前に出てきた相手に対して鋭いカウンターで得点を挙げていただけに、どれだけ引いて守る相手を崩して点を決めることが出来るのかと思っていたら、得点は結局カウンターからでしたね。後半開始早々にルーマニアが人数をかけた攻撃に移行してきたところへ、二回連続してファン・ペルシーが裏を取って、そのあとにカウンター。相手の自信があるハイボールで勝負せず、グラウンダーのクロスを入れたのが功を奏しただけで、ちょっと遅れたもののカウンターの形であることには違いが無く、二点目も攻守両面に動いき精神的にも疲弊したルーマニアの足が止まっていたので、崩しきった得点、というのはありませんでした。その辺はがっかりで、これから先のトーナメントを占う上では不安点。一発勝負のトーナメントとグループリーグでは勝負の質が違いますからね。崩しきれなくて困る可能性が高いのはスペイン、ポルトガル、オランダのようなチーム。イタリアやドイツは崩しきれなくてPK戦になっても構わないメンタリティがありますから。スペインはPKの名手が多い国だからなんとかなるかもしれませんけどね。キーパーもキーパーなんで。

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