■Liverpool 2 – 0 Inter
退場が早すぎるよ、マテ兄貴(つД`)
リバプールはそれを狙っているようで、最初からフェルナンド・トーレスを右サイドへ流れさせて、対面するキヴに早々にイエローカードを出させると、次にマテラッツィへイエローカード。アトレチコ時代よりも生き生きと彼が動いているのは、裏のスペースを利用できるサッカーをリバプールがしてくれることと、リーガよりもスペースが大きいことでしょう。対面する二人と比べるとトーレスの方がスピードがあってそれに対応するためにファウルも犯す。でもどのファウルもスペインで培った演技力の賜物でしかなく、そもそもカードが出るほどのファウルは一つもありません。
守備面では左へ流れるイブラヒモビッチにキャラガーとフィナンの二人がボールを持つ以前から激しくプレッシャーをかけ続け、そこへ出るパスを潰し、そこから出るパスを潰すことで攻撃の形を作らせていませんでした。トーレスよりも裏へ抜ける動きのないズラタンを抑え込むのは優しく、そして左に流れてくれるお陰でせっかくのマクスウェルのスピードを潰してしまっている、というのもありますね。前を空け、スペースを空けておけば彼の突破力活きてきますが、その状態でも後ろのキヴは上がってくるわけで大渋滞。インテルがワイドに攻撃をしてこないお陰でフィナンとファビオ・アウレリオの所を無理に動かす必要もありませんし、守備人数を置いて攻撃はワイドに、そしてスペースに、というリバプールの攻めにもそれが直結してくるわけですね。
ただマテラッツィの退場によってよくなった部分があるとすれば、それまでは左サイドバックのキヴと連携して右をケアしていたのがセンターバックのマテラッツィだったわけで、中を空けてしまうリスクを伴う守り方だったんですが、それがキヴがスライドしてセンターバックになり、前のマクスウェルが後ろに下がってサイドバックになったことで大きく改善されていました。それまでの横の関係でサイドを守っていくのではなく、マクスウェルとスタンコビッチやカンビアッソという縦の関係で守ることによって、安定性がぐっと増して中のスペースが出来てしまわないようになっていました。最初からこの縦の連携がキヴとマクスウェルで出来ていれば、また一つ違った結果になっていたんでしょうね。
そしてインテルはあえてリバプールと同じ土俵に立たず、外側を強化し続けるリバプールに対し、インテルは内側を強化し続けポゼッションで大きく引き離されようが、クロスを入れ続けられようが、それを全て「守りきる」という方法を選んだようでした。イブラヒモビッチを抑えられて起点が出来ない攻撃に人数をかけず、守備に人数をかけてカウンターのチャンスが来るのを伺う。終了間際になっても得点できず相手が焦ってより前に出てきたところを、あわよくば、といった感じでしょうか。それが最終的には破綻をきたし、二失点をしてしまったのは、守る時間があまりにも長すぎたこととコルドバまでもがいなくなったから。
守備が破られ人がいなくなったことで、次へ繋がる攻撃もこの試合で見つけられなかったインテルはセカンドレグはかなり苦しくなりそうです。
■AS Roma 2 – 1 Real Madrid
マドリーは先のベティス戦とはシステムを変更して元のフォーメーションに戻していますね。左右非対称の4-4-2で左がロビーニョの代わりにロッベンになった程度で、左サイドバックをミゲル・トーレスにしてウインガーの守備負担を無くす、というところも今までと同じ。こうしたときの弱点は、かつてのマドリーで同じシステムが採用されていた頃にロベルト・カルロスが穴となっていたように、セルヒオ・ラモスの裏に大きなスペースが出来るわけです。実際にローマはそこを狙う気配を見せていましたし、左からの攻撃に若干比重を置いていたのもここを攻撃で押し込むことで、守備に回ったときにこのサイドをからの脅威が減る、ということもあってのことでしょう。それと徹底的にここを突き続けることで、精神的に脆いセルヒオ・ラモスは簡単にファウルを犯してくれますし、攻撃の鍵にもなるグティも同様ですね。グティもローマの激しい守備と驚くほどの戻りの早さでなかなか中へ入ってこず、スペースの消えたマドリーの攻撃はロングレンジのシュート、もしくはカウンター。先の敗戦二つが精神的に影を落としているようで、マドリーのディフェンスラインがカペッロ時代のように低くなっていて、高い位置からのプレッシングとショートカウンターを消してしまっている原因のようですね。ローマのディフェンスラインが低く設定されているのも手伝って、センターサークル付近に広大なスペースがありますから、得意の素早いパスワークをなかなかする機会が無く、ドリブルを強いられる、と。
そのキーマンはデ・ロッシ。ピサロやアクイラーニを後ろで支えつつ高い位置でのファーストチェックにも顔を出し、そしてカウンター時にはアンカーのようにディフェンスラインに入り、ためを作ってのワイドなパス。守備での不用意な飛び込みもせず、かなりローマの守備全体を支えてました。前半のうちにイエローカードを受けて、後半はさすがに頑強なプレイは減りましたけどね。
ファウル関連でいえば、空中戦でペロッタにイエローカードが出たように、ディアラにも出て然るべきで、退場をしておくべきでしたね。そのあとの負傷でアクイラーニが倒れているにもかかわらず、プレイを続けたのも見ている側の心象としては非常に悪くなります。終了間際のカセッティのプロフェッショナルファウルにカードが出て、グティの悪質な二つのタックルでカードが出なかったことも含めて。
マドリーは敗戦したもののアウェーゴールを得て、1点差で終えられたこと。インテルとは違い攻撃の形も幾つか作れていましたが、逆にローマに防げる自信を与えたともいえる内容でしたけど。
■Celtic 2 – 3 FC Barcelona
セルティックがメッシへ二人のマークを付けて守るというところまでは、メッシを封じるためのセオリー通りできていましたが、リーガのエントリで書いたとおり、中へのパスコースを同時に消さなければならないのにそれを全く警戒をしていなかったがための失点でした。この試合最初から最後までそのセオリーを守ることなく、メッシの中へのパスコースを常に空けてしまい、中へカットインする動きを封じたとしてもそこからパスを出してワンツーで抜ける、という所をまったくケアできていなかったのはとても大きなミス。
そしてバルサの失点も大体が同じエントリに書いてあるとおりなんですが、速いカウンターではなかったものの足の速い選手を利用してのサイドアタック。中のカバーに入るプジョルの外側を利用して外を意識付けておいて中へ切れ込んでからのクロスとかね。いつもはバルサが利用している、サイドとは逆の利き足の選手を置く、というスタイルでセルティックは多くの試合を挑んでいるというのに、それをバルサが頭に入れていないからこその失点です。ただあれだけのロングボールを入れられてディフェンスラインをどんどんと後ろへ下げさせられてしまうと、そうなるのは仕方がなく、深い位置からのクロスも多く入れることが出来、中へ入りつつクロスを上げる、なんてことも出来てしまうわけです。多くの場合においてバルサのディフェンスラインが下げられすぎ。でもバルサの中では高さのあるマルケスを入れなければ、ロングボール戦法に対応することは難しく――。
あとはロナウジーニョのコンディションはあまり上がってはいないようでしたが、セルティックが引いて守ることを選択してくれたお陰でスペースがふんだんにあり、リーガで受けるようなプレスがなく余裕を持てたことは好材料で、課題だったアビダルへのパスも意識的に多く出しているようで、アビダルのオーバーラップの意識を挫かずに試合を進められましたし効果的なコンビネーションにもなっていましたね。でもキレはないんですが、そのキレのないロナウジーニョに一発でかわされる守備をする中村の酷さ。アビダルにも散々なまでにやられて、タフな試合では使い物にならないということをまた示してしまったわけです。もし中村ではなく、展開力はなくとも快足のウインガーでもあの位置に置いていたら、左だけではなく右でもバルサに脅威を与えることが出来たのに。
と、いうことでアウェーゴール3点で勝ってしまいました。
うん、いや、なんていうかね、勝っても生殺しな感じが否めない。
一ヶ月の怪我で二週間で試合に出る鉄人プジョルとか、怪我が怪我にならない超人エトーとかね。いい要素はあるんだけど、コンディション不良な選手を大勢抱えて怪我人も多い。でもマドリーも下降線。下手にバルサが勝ち上がってマドリーが敗退してしまうと、またリーガで余裕を持てるようになるマドリーが有利となるわけです。コパ・デル・レイもあそこは敗退しているから本当に楽なもんだ。