Liga Espanola Jornadas 25

■FC Barcelona 5 – 1 Levante
圧倒的なポゼッションとしっかりとした決定力。内容もよく結果も残して次へと繋がる勝ち方をした訳なんですが、悪い部分はまだまだ残っていて、露呈もしていました。
例えば、前半最初から高い位置でのプレッシングとボール奪取、そして速い展開の攻撃、という全盛期を彷彿とさせるような攻めと守りだったんですが、これを支えていたのがこの試合はセンターバックに入ったプジョルで、ガブリエル・ミリートがカバーのために後ろへ下がりたがるところを、プジョルがセンターサークル付近で耐えて留まり、そして中盤のチェックに混ざってポストプレイも振り向いてのパスもさせない、というディフェンスラインを高く保つためのお手本のようなやり方をしっかりしていました。あれがあったからこそ序盤の猛攻があったわけで、もしずるずると下がっていたとしたら、あそこまでの連続した攻撃はなかったでしょうね。ただ、それが必ずしも上手くいくとは限らないのが、1点をPKで献上してしまったあとの守備。サイドをえぐられてのクロスで何度もフリーの選手を作られたり、失点をする一歩手前までいってしまったのは、レバンテの選手たちが攻撃の意識を持ち前へ多く出てくることで中盤のプレスが機能しづらくなっていた、そこへそれ以前のままの前で守備をする姿勢を見せてしまえば、裏を狙われるのは当たり前。全体が前で守る意識のままだからサイドバックの戻りも、中盤のスリーセンターの戻りも遅い、となってフリーでボールを受けられるようになる。という具合でしょうか。先日、日本代表の守備が悪いと書いた部分のそのままな感じですね。
それ以後、特に後半終了間際は、サイドバックの上がりを抑えつつ、ボールポゼッションを高めてリスクを減らす。そしてディフェンスラインは早めに下げてしまってカウンターに対するリスクを軽減させる。その代わり低くラインを設定することでポゼッションされることになるが、あのモチベーションではそれも続かないと判断して、下げているという感じでしょう。中盤もしっかり機能していましたから、終わり方を考える上ではベストではないでしょうか。そこからスリートップを残してのカウンターも一定の鋭さを見せていましたから。
攻撃は、うーん、メッシですか。エトーのハットトリックは凄いんですが、それはアシストがあってこそのもの。エトーにしろロナウジーニョにしろコンディションはまだまだなんですが、それでもお互いの動きを知り尽くしているという部分が大きくて、パスを出すタイミングも意図もしっかりと合っている。あとは精度やパススピードの問題があるくらいで、うまくいけば一点を取れるだけの狙いはいつも持っている。それがこの試合の5点という結果になってますよね。5点目のエトーのゴールは、トラップミスがたまたま入っただけですが(笑
メッシもまだシーズン序盤のような爆発力はありませんし、トリデンテの調子は万全ではない。アンリもまだまだ。でも上を狙う若手が二人いて、サイドバックの二人も、これまた万全ではないけど戻ってきた。選手層に不安のあったバルセロナが、ようやく本来の選手層を取り戻して、結果もついてくる、内容もよくなってきた、となると上へとプレッシャーをかけるには十分。
で、マドリーの試合は――

■Real Madrid 0 – 1 Getafe
これでマドリーとバルサの勝ち点差が2。クラシコが残っている関係で自力優勝の可能性が復活という話はまだまだ早いんですが、そういいたくなるほどの自滅ですよね。例えあの取り消されたゴールのオフサイドの笛が遅かったとしても、ラウールは位置からして自分がオフサイドであることを多少なりとも感じ取っていたはずですし、主審の笛が遅くても副審の旗が揚がっていたのならそれを考慮すべき事。そういったことを一切忘れて喜んでしまったのがあの失点の原因でしょう。もちろん、素早いリスタートで隙を逃さず、数的有利だったとはいえ、確実に決められる決定力を持ったヘタフェの選手たちも素晴らしいんですが。
ヘタフェの攻撃にはあまり迫力が無く、守備も限界がすぐに来そうな守り方にも見えましたが、それは多くの怪我人を抱えている関係上、まったくのベストメンバーではなかったからでしょう。マリオ・コテロが右サイドハーフをやるのはままありますが、お世辞にも突破力やスピードがあるわけでもありませんし、器用に展開をしたりサイドハーフとしての役割をこなせるわけでもない。左にしてもテクニックは多少あっても同世代の他の左サイドハーフと比べるとパブロ・エルナンデスもかなり劣りますからね。唯一勝負できるのはウチェの所ぐらいでしょうか。それでも何とか形を作ったり奪われないようにキープできていたのは、常にボールを前向きで受けられるようにパスを出していたからなんですね。日本代表のように、パスを受けて振り向いてそこから考える、なんてことをせずに前を向いて受けられ得るボールを出し、そうでなくても前を向きながらボールを受け、ボールを受けたあとの状況を考えながらトラップが出来る、そういった違いがあってこその攻撃です。守備の面では、始めこそ攻撃的にいって何とか相手の上がり、例えばセルヒオ・ラモスやロッベンのところを抑えておこうとしたのが裏目に出て数的不利になっていましたが、チェレスティーニが粘り強く対応し、カタ・ディアスが集中を切らさず体を張る、ということで凌いだあとは盤石です。ラインを一定の高さに保ち、ペナルティエリアに不用意に入らないようにすることで、エリア内で勝負できるラウールやダイブでPKを取られてしまいそうなロッベンの侵入を防ぎ、下がりすぎたあとに出来る中盤のスペースからミドルシュートを打たれることも防いでいた。その辺はヘタフェはチャンピオンズリーグで対戦したローマよりも上手く対応できていたと言えるかもしれません。でもそれが出来たのは、後ろに控えるキーパーがアボンダンシェリであって、足下の技術もあってバックパスをしてもきちんと処理してくれることや、スペースがあっても守れるタイプであるということも影響していてキーパーとディフェンスラインの信頼関係が完全に出来上がっているからこその守り方。
マドリーの失点してしまったとの守り方は最悪で、ヘタフェの方は二人や三人でしか攻めてきていないのに4バック全員が自陣ペナルティエリア前まで戻り、ピボーテまで一人は確実、もしかすると二人戻ってきてしまうという明らかな無駄を抱えていました。マドリーの方も怪我人は多いんですが、それ以上の怪我人と契約上の出場不可能選手を抱えているヘタフェの方は、控えの質も大きく劣るわけですから言い訳にはなりません。

シュスターはカペッロの貯金を使い切った、と以前に書きましたがヘタフェに所属していたときも同じだったんですよね。前任者がキケ・フローレスで徹底した組織力と全員攻撃の意識を植え付けて土台を作っていた。つまり、彼の前任者が優秀だっただけで――と思ってしまうわけです。今のヘタフェがキケ・フローレスがいた頃のヘタフェとはまるで別物であり、シュスターがいたときのものともまるで違うのを見ると、さらにそう思ってしまうわけです。

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