■Zaragoza 1 – 2 FC Barcelona
この試合、正直に言うと負け試合だったと思う。バルサの弱点を次節以降の対戦相手に教えるには十分な内容だったし、勝てたのも審判が不可解なジャッジでPKを献上してくれたお陰。手が体から離れていて心象が悪くてもPKを取るには苦しく、バルサを応援する身としても不安になるようなもの。今のバルサは、内容はともかく結果を得てさえいれば内容も向上していく、ってものじゃないのが困りものなんだ(´・ω・`)
アンカーの位置にエジミウソンを置いてセンターバックにマルケスとガブリエル・ミリートというのは相性が悪いんですよね。マルケスの位置にテュラムを置いたとしても同じ事で、マルケスにしろテュラムにしろ高い位置で守りきるよりもカバーリング能力に定評のある人たちだから、バルサが求めているラインよりは少し低めで守った方が持ち味を活かせるわけです。マルケスは他の選手に比べて足が遅いのもありますし、本当ならラインを少し下げたい、でもエジミウソンはアンカーの位置にありながら中盤とディフェンスラインのスペースを埋めるのが下手、で、中盤と後ろが分離していっちゃった訳ですね。そうなってしまうと守備のゾーンが後ろに下がってしまって、フォワードも戻ってこなければならない、サイドバックのアップダウンの距離も伸びる、カウンターを喰らったときにそこが空きやすくなる。サラゴサは見事にセルヒオ・ガルシアがアビダルの裏を集中的に狙い、何度かチャンスを作っていましたし、右のプジョルにしても中盤のカバーが緩いから中へはいることも多く、メッシが止められすぎて機能しないから、ウイングのような位置にまで上がらなければならず、尚かつ怪我の影響で鈍さは隠しきれていないからスペースが空いていた。
メッシが封じられたのは常に二人のマークが付き、一人が動きによってはさらにマークに来る、という圧倒的な数的不利の状況だったからで、後半になってプジョルがマークを引きつけて一対一になっても抜けなかったのはその間に消耗しきったから。アンリにしても同様でディフェンスラインが低いから下がり、上がったらセルヒオにぴったりマンマークでボールを持っていなくても潰される、その繰り返しで消耗していて、シャビとデコの運動量と飛び出しが少ないからパスコースもなく、裏の相手が最も脅威に感じるスペースを突けない。
もうだめぽ。セルティック戦だって勝てるかどうか怪しい。
ガチにディフェンスラインを低く設定され、メッシに対して二人のマークと中へのパスコースを消し、ボールのないところでもガツガツと当たり、足の速い選手を両サイドにおいてカウンター、もしくはハイボールを送り続けて中盤と後ろの空間を徹底的に利用する、それだけでバルサは泡を食って統制の取れていないチームに劣化してしまいそうだ(´・ω・`)
セルティックがサラゴサほどの統率されたチームだとは思えないのがせめてもの救いだけど、そこをしのいだとしても、次節以降の対戦相手が――
■Betis 2 – 1 Real Madrid
序盤は、かつてのオランダ・バルサのようにワイドすぎるぐらいワイドに両サイドが開いて片方のサイドだけが上がるのではなく、両サイドを同時に押し上げて逆サイドを使う、というプレッシングを使用としている相手に対して最も効果的な攻めでした。ワイドに使うからといって中央が手薄にならないようにバチスタやグティが中に入ってくれば、サイドバックも押し上げて中盤の構成力の手伝いもするというような、ファン・ニステルローイが出場しているときのようにサイドアタックは左のロビーニョから、右はセルヒオ・ラモスに任せて――という左右非対称でタイミングをずらした攻めとは違う、両サイド同時の攻撃は圧倒的な人数と攻撃力でした。それを機能させているのはラウールの不規則な動きと飛び出しで、それがディフェンスラインのコントロールを難しくさせ、中盤との受け渡しを混乱させていたからこそ、裏のスペースを突けていたわけです。
ベティスの方は、個人としての意志統一は出来ていて、攻撃にいく場面や守備をする場面でフォワードからディフェンダーに至るまで共通の意志はあったように見えましたが、それが必ずしも組織として統一されていたかというと疑問符が付くぐらいにバラバラ、守備のポジショニングも位置関係も不安定でいくつものスペースを作っていて、プレッシングを前から行くのか後ろに引くのかすら決まっていないかのようでした。が、現金なものでサイドを連携で突破でき始めると意識が前に向かうことで全体の守備も前である程度出来るようになり、さらに逆転すると守りきるための意識に変化してきましたね。正直なところ、あの一点が入る前に幾つかのチャンスを潰していて、その間にもう一点をマドリーに決められる可能性だってあったわけです。むしろその可能性の方が強かったんじゃないかと思えるくらいに。でもマドリーの大穴はやっぱりマルセロですか。ドリブルの対応にも難があり、連携された攻撃にはさらに対応できず、空中戦は滅法弱い。攻撃の積極性がなければ「将来性」という言葉だけでは使い切れませんね。
逆転を許してからのマドリーの失速っぷりは追われるもののプレッシャーによるものなのか、それとも怪我や疲れの影響が出てきたのか、それともうまくいかないことのフラストレーション? 個人的にあの落ち方は、昨季にカペッロが作り上げた貯金を使い切ってきたことが一番の要因じゃないかと思うんです。つまらないサッカーといわれつつもセットプレイでも流れの中でも完璧なまでに守備戦術を徹底して守れるチームにしていたのをシュスターが引き継ぎ、攻撃面を強化した。でもシュスターの守り方はレバンテやヘタフェを指揮していた頃から、明確な守備戦術って見えてこないんですよね。攻撃の面白さや激しさはありましたが、マドリーに二部上がりのクラブのように激しいプレイをさせるわけにもいきませんし。それに本人が公言しているくらい「守備戦術=カシージャス」だというのにカシージャスが怪我をしてしまっている、ということも悪化の原因かもしれません。
シュスターが交代枠を使って、サイドを活性化させて得点を取りたそうにしているようにも思えたんですが、点を取りたいという意識が強すぎて選手たちが中へ寄りすぎていて序盤のようにワイド過ぎるぐらいワイドには使えませんでしたし、中がファン・ニステルローイになったこともベティスのラインを安定させた要因ですね。ラウールに比べて飛び出しの怖さが半減して余裕はなくとも楽にはなりますから。
さらに書くとロッベンはキーパーのリカルドを蹴ったところで退場しておくべきだった。丁度ダミアーがブラインドになってしまっていて主審からは見えていなかったのがカードのでなかった理由。それがなければ二枚目ですよね。